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  源氏物語「葉」
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|coh-hk|$285/10|2012/3/7|
|MES MAY 11|4.7 x 52|12.26g|香:3.5~4.4 ave4.1|残1|

 着火前のひととき、この葉巻はもう外側へは香りを発散していない。

 コイーバの大物特有のカフェオレ、ミルク多め。岩、ミネラルではなく皮や土の果ての。
 金木犀に少し春菊の掠れ声が混じっている。
 金木犀多く輝いているものの全てにおいて単なるコイーバだった。コイーバ以上のものはないのだからこれは褒め言葉にしかならない。シグロ6を濃縮したような。
 コイーバのコイーバらしい中心点に落ち着いて、この状態が今後しばらく続きそうか。それでいて購入当初の派手やかな金筒の姿が復活してもいる。
 強力さはないものの、凄みがある。強力な時にはどことなくヘンテコでこの凄みは出てこなかった。矛盾している。もしこの凄みが強力だったらと思うと……この後は徐々に無へ向かって衰え始める予感がする。ともあれすごい。生前に成功しなかった偉大な人物のよう。
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|thecigar|58.00CHF/5|2021/12/12・arr 12/30|
|―|4” × 40|重量:--g|香:4.0~4.2 ave4.1|残4|

賀正葉巻。
久しぶりにコイーバのレギュラーラインを燻らせるといつも王者感を食らう。一口嗜む毎に延々王者感を食らう。不思議な豆の巌のような重厚さ、きな粉のうまみと黒い煤のうまみと乾いた巨岩にびっしりと咲く花。だいたい蓋を開けて1本目は美味しく感じるものだけれど……昨日大晦日のモンテに続いて賀正がこう美味しいとthecigar様様なのかもしれない。「ガショ〜ン」という面白い言葉のつまらない借言葉が延々頭に響いてしまった。

新入荷灰皿
  
|cigarOne|¥14627/7x2=¥4180|2018/11/20|
|LGR NOV 17|6.1" x 52|重量:13.01g|香:4.1~4.6 ave4.4|残0|

 金色マントが入店されました。なんと軽やかな足取りでしょう。昨日のズシりとしたビショップマンとは大違いです。この軽さにして最高の技をお持ちなのだとか。
 マントは縫目がゴツゴツしています。コイーバ一族の特徴なのだとか。黄金の一族です。
 燻らせるや否や、なんと深い岩の、なんで岩が見えたのでしょう、深い巌です。足取りからは想像もつきません。茶色い豆乳のようですが、どんな豆を搾ったらこうなるのでしょう、岩が黄色にも金色にも薄ら輝いて見えもします。茶色い豆乳を固めた岩に黄色の小さな花がびっしりと咲いているのです。岩の大きさは四方2メートルぐらいです。
 この豆乳は甘皮も挽き込んでいますね。
 重厚な味わいにしてまろやかで心なしか軽やか、強さはありますが、この人の身体には空洞が多い。謎に満ちた空洞です。無が有限を美化するのでしょうか。それともこの無には酸素がいっぱい詰まっているのかもしれません。
 コイーバさんが闘える時間は軽いぶん短いそうです。
 とくべつ岩が動く事はないようですが、ちょっと岩がレモンめいたようです、花はレモンの黄色とは違いますので、オヨーさんを思い出されたのかもしれません。コーラのグラスの縁で草臥れたレモンの酸味、コーラ自体はもう微炭酸になって氷もすっかり溶けてふやけている、そういう感じです。そういうレモンと微炭酸が豆乳に投ぜられているのです。岩は御神体のようにがんと一貫して置かれています。この岩はゴツゴツとしていながら、丸い鏡面のように磨き抜かれている部分もある。ところどころ禿げた栗の渋皮煮のようです。甘味控えめの渋皮似(煮)です、一体何で煮たのでしょう。やっぱり豆乳で煮たようです。
 ふと、岩の下に緑が萌します。春でしょうか。一斉に、岩に蔓延っていた花が宙に伸び始めました。萎れつつレモンの酸味も健在です。レモンが敵で、それと闘っているのかもしれません。レモンと闘う人なんて見たことがありません、レモン強そうです、もう老いぼれのレモンなのに、どうしても若々しい。コイーバさんは深く老人化したがっているのに、対する老人がレモンという溌剌たる若さなのです。おそろしい矛盾です。誰が勝つのでしょうか……。
 僕はコイーバさんがレモンを追い払えるように飲み物をせっせと供給します。夢の中で飲み、眠りながら現実でも飲んでいるのですからあっぱれ軽やかです。
 荒い大吟醸酒から落ち着いた赤ワインに変えますと、まるで酸っぱくない赤ワインが、酸味を我が物として酸っぱいワインに変化し、酸味を強奪したようです。そこに立ち現れる老人の深さたるや、じつに壮年期を想起させるではありませんか。若い人は若死を妄想しますけれど、老人がする壮年期の妄想はわりと現実的らしいのです。まさに今、壮年期であるにもかかわらず、老人と成り、老人として壮年期を思いながら死ぬかもしれないのです。なんという複雑な話でしょう。同級生も幾人かそういうふうに死んでいます。それにしても今日のコイーバさんを失くすのは惜しい。見事ですよ!コイーバさん!起きてください!と叫びました。



 レモンは消えましたから、生死の境が大変美味しかったです。というお顔で目を覚まされて、気楽にすぐ帰っていかれました。是非また来てください。行きは軽々と、帰りは非常に小さな1センチの千鳥足です。こんなに小さな足を見たのは久しぶりです。



左が今日のビショップマンさん。右が弟のピラミデ・エクストラさんです。弟さんは大きいだけで、まだ風格がありません。
|thecigar|105.00/3CHF|2020/3/17・arr 3/25|
|不明|6.3’ x 54|重量:17.41g |香:3.5~4.0 ave 3.8|残2|

 チューボなので筒に充満した杉の香りを纏っているが、深々と黒く熟れてゆく穀物の香りもふんだんらしく滾っている。
 着火時に火口から燻り立つ煙が既に紅茶を極限まで煮詰めたようで甘く香ばしい。チャイを作ろうとして、ミルクを入れる前の段階で煮詰め過ぎてしまった、やや焦げた液体のそれである。
 煙の味は、序盤紅茶が濃醇にしてそよめき、一瞬の杏仁の忍者のような横切りのあと、なぜか峠を越えて花の里の光景が眼下に広がる。歩いてゆくと村の土地に昨年の栗が落ちている。
 村に底流するマグマの所為なのか、見捨てられた栗が土の中で蒸してくるようだ。
 微糖。
 渋皮みたいにエグくなるかと思うとまた最初のほうに戻ってまた峠を越える、この繰り返し、また杏仁がよぎり、花の里。
 煙も微量。村では焚火が禁止されている。この濃さを維持したまま豊富な煙となることを望む。
 ふと空からビオフェルミン製薬が投与される。
 という事は病床で峠を越えたのか。入院患者(重症)にビオフェルミンとは何事か!
 以下同文……。

 流石の貫禄をたたえるもイマイチふるわない。
 まろやかカフェオレタイプのコイーバと紅茶タイプのコイーバと蒸栗タイプのコイーバ、いずれをも混ぜたようでありながら紅茶が優勢か、序盤の紅茶感は最高に思わせぶりだった。思い返すとコイーバにしては珍しく樹木を思わせるものであったかもしれない(喫煙中は樹木など一本も浮かばなかったが)。根本まで吸い粘らせるようなところも流石永久に思わせぶりである。
|三軒茶屋の煙草屋|定価/10|arr 2019|
|—|--|--g|香:3.0~3.0 ave3.5|残--|

 これはどういうわけかたまに吸うと美味しい。無論加湿などしていない。
 さすがにすぐ終って寂しいが、紙巻きたばこ二本分ぐらいの射程がある。紙巻二本分といえばなかなか使える機会も多そうなのである。それにしても、どこからどう出てくるのか不明な情緒がある。若干洗剤っぽさやクリーニング屋っぽさが走ったりもするのだが、これが欠点とならず情緒に転嫁されるような不思議さがある。averageが上限ポイントを上回るという不思議。感動のない情緒ではあるのだが、プレミアムシガーでは辿り着けない境地へたぶん届いている。洗剤がコクを極度に対照化させ、また甘さなどは絶無だが、塩っけが味を引き立てているようなところがある。コイーバのコイーバらしいコクは、栗とまでは行かないまでも、やや黒ずんだ焦げた姿で立ち、旨味無いながら非常に香ばしく、花など出る幕がないが、「他人が感じる懐かしさ」をヒシと感じさせる。葉巻の原点のような他人。香ばしさが一級品なのだろう。いつもこの香味は記憶にないのだが、いつも懐かしい。したがって旅行に携行するのに最適ということにもなる。プレミアムシガーの場合、どこかしら記憶に合致する香味が出てきてしまうから、こうは行かない。この葉巻は自宅で着火した場合にも旅情を誘い、知らぬ土地で燻らせるに越したことはないらしいのである。
|cigarOne|$508/10|arr 2012/5/24|
|MES AGO 11|6.5 × 56|24.60g|香:3.7~4.0 ave3.9|残2|

 計量するとこれまでの最高値よりも3gほど重い。重量を裏切らず吸い込みが非常に悪い。この太さでこの悪さは末恐ろしい。
 煙が全然立たないがそれでも重厚さとふくよかさを感じてしまう。香味は巻きたてのように新鮮で、全く衰えず、九年以上経過してますます昂っているように思う。最近エスキシトスばかりだったので尚更ふくよかさが嬉しく、膨らみが重厚さをも高める。重たるい分子は重ければ重いほど宙をさらに浮かさしめられる。
 こう美味しいと、ドロー難を放置すべきか、おそるおそる改善してみるべきか迷う。当然興味津々として改善してみる方向へ振れるのであり、パーフェクドローを取り出すも、相変らずこの機械は役に立たない。いつもながら味も悪いほうへ変ってしまった。(改善されたという報告はなんなのだろう?)
 その後、火種が根元にさしかかってもドローは改善されず、すると結局根元に(も)血栓があったことになる。真っ先にほじくりうるのが根元であり、そこをさんざん掘削したにもかかわらず機械はまるで効かなかったわけである。機械の悪さは追い討ちをかけ、火種がほじくった部分に達すると普通ではありえない辛みを出す。葉の粉を焼かずに舐めた場合の辛さに近い。
 何があっても美味しいというのがこの葉巻の凄さだが、コイーバの延長直線上の最高峰級であって珍かな香味はなく、シグロ6よりも軽く、クラシックよりも重い。焼栗を焼いている事がよくわかる黒い味わいが練り込まれている。負けじ栗の旨みも濃醇である。
 現在もっとも脂が乗った時期かもしれないという考えに、もしこれでドローが良かったらという考えを加え、残2本である事とを考え合せると、どうすれば良いのか今後の着火計画が全く立たない。
|NextCigar|$221/25 (+¥200/1)|2019/6/25・arr 7/4|
|MOL JUN 18|5 x 33|重量:5.13g|香:4.3~4.6 ave4.5|残24|

 製造後一年経ったものが送られてきた。ネクストシガーでハバナを買う人は珍しそうだったので期待していた。三年ぐらいを期待していたが、一年でもぎりぎり十分なので、成功である。
 最近ネクストシガーは梱包も良くなっている。箱も開けられていない。文句のつけようがない。(箱を開けて虫食いなどを確認してもらった方が良いという考え方もあるけれど、一方では偽物と中身をすり替えるなどという微かな疑いが兆しかねない。)
 配送伝票の商品価格の表記も一応きちんとしているし、葉巻重量は書かれていなかったが、ここは多めに書かれてさえいなければまずまず良いという部分である。

 一度偽物を摑まされている銘柄なので、真贋チェックをしようと思い『確認サイト』()に接続するもできず。望むところである。真贋など味でわかる。

 一本取り出し、5.13g(リング付)と出た。

 本物はかくも重いのか。
 切ると、ドローが少し詰まっている。(ドローが普通なら4gかもしれないし、昔と比べるとバンド重量が2倍近くになっているし、税関申告に大きな問題はなかったはず。)途中詰まっても、これならパーフェクドローで簡単に通りそうである。

 着火前、どこをどう嗅いでも香りが少ない。箱を初めて開けた時もほぼ何も香らなかった。偽物と紛う程。
 それが着火後すぐ、コイーバに再開した。鮮明に求めていた味であり、もう八年越しである。久しぶりにして新鮮でもなければ懐かしくもない、コイーバの中でも最良の感覚。
 これより太ければ大らかに過ぎ、細ければ頼りなさ過ぎる。パナテラを吸ってもロブストを吸っても思い描かずにおれなかった別の『コイーバ像』が此処に結実している。理想を手に持ってしまっている。パナテラの欠落を埋め、ロブストの欠落を埋める老練な旨味が燃えている。
 しかし、なにが、いつ、実在の物を理想たらしめたのだろう。目の当りにして不思議に思う。昔からずっとこれが頭の中には鮮明に存在していた。(似たような話を何度か書いている気がします。)
 重厚な香ばしさの柔らかさ。まろやかでまったり広がる栗の舌触り。栗の味などしないが「コイーバ栗」が出現する。甘さは栗の素材の甘さを超えない。ごつごつしながら滑らかなミルク質の岩。香り高い辛味の刺激と嫋やかな苦味の香ばしさ。
 草花が栗の皿を彩り栗を潰さず引き立てる。
 真贋チェックの必要がない。圧倒的な本物である。
 細めのコイーバの特徴である黒い灰の色に通じるかのように苦味が乗っているが深煎珈琲やカカオ粉でこそあれ嫌味まるでなく、始終感嘆してしまうほど美味しい。一口一口まじまじとしてしまう。
 パーフェクドローは使わない方が良さそうで、美味しい時にはいじくったりほじくったりしては駄目である。
 味の乗った煙、味の乗った煙とは実におかしなものだと久しぶりに思う。一度失敗してからエスキシトスを買うのを躊躇っていた、それから今日までの期間、どれほどの無駄をしたのだろう。これさえあれば十分だというのに。終売になったら借金してでもストックしなければならない。
 ……ただ、残り24本すべてがこれより不味い可能性がある。とはいっても作曲家ならばいてもたってもいられず今夜中にコイーバを讃える歌を作り上げるところだ。

 新世界葉巻との差は歴然としてしまう。同じハバナで同格扱いされるトリニダッドのまろやかさが貧相に見える。いったいどのようにしてコイーバ用の葉は発見されたのだろう。マデイラ酒の話とか、偶然珍味が出現する話はけっこうあるし、コイーバにもそれがあって、秘密なのだろうか。

 残3センチのあたりで味が落ちる。ここでさえ異様に満足のいく煙を保つ。大きな葉巻ならば残3センチとなればほぼ死灰同然となるところ、その心配はあまりないかわりに、あっという間に此処に到達してしまう気もする。それでも、濃密な内容に、長く感じ、もうとっくに満ち足りて、これぐらいで終ってちょうど良い。じっくり味わってしまうほどにニコチン酔いも早くなるわけであるから。酔いを尻目に残2センチぽっちとなった葉巻が美しい重厚さと死灰のない味わいを復活させて逃げ去る。終了。

 立て続けにこればかりを欲するはずもないけれど、これが1200円程度となると、他の葉巻を買う理由があまりない。
ーー
翌日
 かなり中毒性があるらしく、今日もコイーバを燻らせたくて仕方がない。もう本当にエスキシトス一本で行けば良いのかもしれない。これから死ぬまでこればかりを欲し続ければ良いのかもしれない。
 先日のダビドフ7の、天国を思わせる、いよいよ鮮明な天国の濃さを思わせる寒気を催す妖しい風味とは対極にあって、地の味がする。地の味では4.6ptが限界だったのではないかと今は思う。しかも昨日の一本は平均4.5ptでありほとんど始終4.6ptをかすめていたのです。地の限界を地で行っていたのです。5.0ptは天国そのものですので、天国を思わせず、百年に一本出会えるというものですよ。死にますよ。平均点が低くても、出れば一発アウトですよ。

偽物記録


|coh-hk|$285/10|2012/3/1・arr 3/7|
|MES MAY 11|4.7 x 52|12.49g(-0.18g) |香:3.1~3.7 ave3.4|残2|

 BHKを最後に燃やしたのが図らずもぴったり一年前(一日ずれているかも)、去年は54だった。懐かしいというより、未だに美味しい記憶に席巻される。

 甘いコイーバ。味をたっぷり乗せつつ煙柔らかく、下に垂れる煙であるのに、軽さと膨らみが上る。煙の一粒一粒にポニーテイルのインディオが跨って、数百万頭の煙馬が天翔けるようである。風は南風とも北風ともつかず、空気が左右に揺れるその様、即ち馬をイワシに置き換えてみると、イワシの群れの不規則な規律の渦に巻かれつつ鯨となって一口で呑みこむ、かと思えば鯨の口は遅く渦は噛まれて散っても不死鳥のように再生してきりがない。
 あとは特段何物か美味しさが膨らむこともなく、だんだんと苦味が深まって終る。栗にコーヒーを一滴ずつ滴らしていくようなやり方である。この箱の最初の一本で現れた打出の小槌の如き『花を散らす金の筒』は面影もあまりない。

 出だしが3.7点。
 素性は明らかに極上であるから、あとは保管とか気分とか飲物とか天候とか着火の機運とかに微妙に影響されそうである。
 珈琲は合わない。(アイス・40g抽出・イタリアンロースト・マンデリン)
 ラムは当り前に合う。(トロワリビエール・シングルカスク・1999・オーマン)

 八年前の箱でこの感覚だと、かるく十五年は味を失わずに持ち堪えそう。(キューバン・ダビドフへの夢は持続する)

ーー
疣までそっくり蛙みたいな石、無数の疣から緑色の鉱物が噴出している。糸魚川で拾ったので翡翠かもしれないという物。割ろうと思って拾ったのに、何も出て来ないとつまらないからなかなか割れない。
|--|--|ANAインコチ付近|¥2500/10|重量:−2( ?g)|算出:+7|香味:+4|計9点|

旅館の喫煙室で吸ったら美味しかった。その喫煙室は華奢な飾棚に葉巻などを置いたりしている華美な部屋で、古風というよりも実際の古さが出たのであろう「鰯のつみれ、レバー、古人形、ソーダ系のガム」系統の悪臭が濃密に籠っていたが、それにめげない濃い味わいだった。思った通り悪環境での活躍めざましい。こうなるとクラブより頼もしい。
|--|--|ANAインコチ付近|¥2500/10|重量:−2( ?g)|算出:+1|香味:+1|計0点|

プレミアムの味がしない分、葉巻の味がする。豈図らずも葉巻の葉巻たる味が凝縮され、葉巻の割合が非常に高い。ごもっともプレミアムシガーも100%葉巻であるのだが、それを形容するには油断するもしないも葉巻らしからぬ色々な言語に導かれ果物なんかがわんさか犇いてしまう。ここにはそういう言語がない、所詮果物だもの、ただの葉巻があるばかり。とはいえこの傾向をさらに徹底したのがクラブなどとも言えて、ショートの方が若干プレミアムに近いとすれば、若干のプレミアム感が仇となるかもしれない。クラブの方が好き、という人がいたら、こういう意味である。プレミアムに期待できるスイカやイカの味わいにはまるで届かず、一転葉巻らしさをもほんの若干欠いている為、プレミアムに昇る一歩手前のごく短い階段にてこれは最高の葉巻となるはずのものである。ばかやろう。
それにしても、コイーバのショートなので、やっぱりコイーバの味がする。となると、ロメオのプレミアムよりもドライコイーバのショートの方が好き、とか、そういう嗜み方をするばかやろうもありえそう。コイーバのパナテラ等に特有の焦げの風味が練り上げた炭に昂じるような、BHK54にも似た柔らかい感触が、このばかやろうにはほんの少しある。焦げ自体は濃い。
味わい一本は、真夏の湿度の中でも乾いていて、この乾き感をドライシガーらしいと言えるのかどうか不明ながら、鶏舎感覚はばかにつきまとう。乾き感と鶏舎に因果があるのかばかに不明ながら、たぶんあると思うし、感覚上では非常にばかな因果がある。冬にくゆらせても「真夏の田舎の小屋」が浮かぶのではないか。そこは当然ばかなエアコンの効いた部屋でなく、むしろストーブのばかな残骸がある。味わいの乾きが、日本の夏を感じさせ、日本の夏は湿度が高いのだから、ばかである。
風の強い海とか、香る草原とか、埼玉県熊谷市とか、葉巻外の障壁などがばかに強いばかな場面で重宝しそうで、つまりプレミアムが凹む場面において味わいが三倍凸になるに違いない。
兎に角ちょいと加湿deヒュミしてみよう。(→五日後、結局加湿しないまま放置を続けている。ばかな葉巻だ。面倒臭い葉巻だ。)

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