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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

|next cigar|$441/25|arr 2021/7/26|
|TUE NOV 19|5.12’ x 52|重量:15.26g|香:4.0-4.4 ave4.2|残13|

灰が立った。
    

菜の花の蜜を煮詰めるか焼くかしたよう。そこにパルタガス特有のホクホク感を忍ばせたものがこの葉巻の基本の味わいで、マデューロの醗酵熟成の風味を含む。甘いようでいて甘さはあまりないのだが、金木犀の甘やかさが強烈に乗る。
この箱、12本目にしてようやく当たりを引いた。火種の根本のラッパーの焦げて黒くなる部分を見つめながら吸うとうまい、マデューロ感が際立つ。視覚が味覚に影響し、黒い味が濃くなるような。
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|thecigar|145CHF/25|arr 2022/12/20|
|UER JUN 17|125mm x 39|重量:5.66g|香:--|残24|

 これは良いかもしれないと、一口目からハバナの風土がガツンときて、細すぎることがない。リンゲージ38が下限の細さだと思っていたが(先日のアップマンで尚更実感した)、まさに一つ上の吸い心地が通る。シガリロの最高の解を見出した思い。もともとラギート1,2が好きなのでそれを短くしたラギート3のよう。小を大きくせず、大を小さくせずというのがラギートで、大らかな物と窮屈な物の間にまさにスマートに空気のように君臨している。空気のようにとはなんだろう。空気を失えばわかるだろう。空気ほど後味の濃いものはない。空気を失えばわかるだろう。たまたまドローの良いものに当たったのか。この一口目のあとすぐ、二口目にお菓子がフワッと香る。
 でも荒さを隠していない。それは火種を進めるたびに実感する。
 花が咲けば同時に必ず草が花を覆い隠す様、これがなんとも安っぽかったりもするのだが、パルタガス特有の芋の粗野な風味がじくじくして荒さをおいしく楽しめたりもする。
 強力。春菊のべっこう飴。
 あと三年ぐらいの熟成が必要か、改めて調べると意外や既に五年モノ(アップマンの方を五年モノだと勘違いしていた)。逆に強まり出すタイプなのか、パルタガスは熟成で強まるという話をしばしば聞くような。
 39口径の形からか、ペテコロエスやショートよりもやっぱり日常の空気に近く、好感が持てるというか、なくてはならない感じがする。なんだろう、このフィット感。毎朝喫茶店に持ち込みたいような。新聞朝刊の味というのか。そもそもそれに叶う喫茶店がない。(そもそも新聞を読んだことがない)これは未だ私の葉巻ではないということかな……。誰の葉巻なのだろう。
|next cigar|$441/25|arr 2021/7/26|
|TUE NOV 19|5.12’ x 52|重量:15.26g|香:3.3-3.6 ave3.5|残16|

 パルタガスのマデューロを今回含め9本+1本燻らせて思う。10本程度で十分と言えるのかどうか、言えないとは思うものの、結論?として、特別な葉というより変哲ない葉を熟成させた感じがし、ハズレの多さは通常ラインのパルタガス並み。またコイーバのマデューロと違い、たとえハズレの場合でも懐の深さを感じさせる、ということがない。コイーバのそれにしてもハズレが多かったわけではあるけれど、コイーバの方がやっぱり凄みや苺ジャムを焦がしたような特別な感じが強かった気がする。今回は割と当たった芳香を燻り出せたのにやや致命的にドローが悪かった。パンチカットにしたのが悪さを助長した可能性があったにもかかわらずリカットする気力が起きない。パルタガスのマデューロに対して失礼なやる気のなさだったのか、パルタガスのマデューロの全体的な不味さがそうさせるのだろうか。ひたすら少ないアタリを待つほかなし。
|thecigar|49.00CHF/5|2021/12/12・arr 12/30|
|―|129mm × 42|9.31g|香:3.6~3.9 ave3.8|残4|

 カッコいい缶に入っているのだが、中身もカッコいいのだろうか、中身はふつうなのではないだろうか、とは誰しも思いそう。実際、取り出した一本も特別なミテクレではないし、一本10CHF程度、缶代が高くつけばかえって安い葉巻が入っているかもしれない。
 こんな心配は着火すると一口で吹き飛ぶ。重厚なナッツに粘る里芋、序盤から花が滲み出て。
 ウイキョウの味をはっきりとは知らないのだが、ウイキョウの味がすると思った。
 パルタガスが焼芋だとして、他の焼芋に比べてずいぶん皮の厚い香ばしい焼芋だった。むろん中身もどっしりアリ、うまい。大きな変化などは特になし、ひたすらうまい。シミ臭くないところも素晴らしく、特筆したくなる。
 皮の厚さは先日のコイーバ並み、若干ドローの悪い全体の燻り方(それでも美味しさを隠せない)は先日のモンテ5に似ている。連日のオヨーの後に燻らせるとやっぱり三強は素地がすごいと思ってしまう。特に細身で小さめの物は皮の厚みを感じる。こうなるとオヨーの細身の小さな葉巻たちにも興味が湧いてくる。
|next cigar|$441/25|arr 2021/7/26|
|TUE NOV 19|5.12’ x 52|重量:15.26g|香:3.3-3.6 ave3.5|残24|

 ようやく念願のパルタガス・マデューロの箱を入手、もたもたしているうちに随分高騰してしまった。
 カットすると、密度高くザクッとした感触で、葉は詰まって、切口が乾いている。パッサパサのカリントウが不味いとは限らないけれど、あからさまにまだ加湿を欲している、切口がそう喋る。
何はともあれ一本着火してみないわけにはいかない。
 1センチ過ぎで甘さがグッと押し寄せ、焦がしバターの香りが高まる。イチゴジャムとナッツペーストを混ぜた現実タブー的なものを塗った食パン。ハバナ産のマデューロはどうしても朝食になってしまう。ラッパーカラーの所為か全体的には夜の印象があるのだけれど、ふむふむと嗜むだに朝日が差す。
 後半は落ちた。
 コイーバのマデューロと違って、コイーバ特有の岩・オ・レ(カフェ・オ・レ改)が塗り潰されているというようなことがなく、かといってパルタガス特有の芋風味が立っているわけでもない。「ハバナのマデューロ」という点で両者香味が似通ってはいる。
 遡行して両者のマデューロではない場合の特性を思う。そうするとマデューロの奥のほう、記憶の奥のほうで岩オレや芋がほんのりと光を再現して放つ。なんとも微妙で難しく、美味しいのはコイーバのマデューロかもしれないが、残念なのもコイーバかもしれず、安全なのはパルタガスのマデューロであるような。
|puro-express|€77.25/10|arr 2012/4/18|
|APR SEP 10|5 1/2 x 50|重量:14.78g|香:3.4~3.8 ave3.6|残0|



パルタガスEL2010最後の一本。ラモンアロネスEL2019を物色していたが日本価格の方が安かったので海外購入を躊躇い、代わりに手持ちのELに着火したくなってしまった。当時の購入価格を見るとその安さに驚く。



香味はやはり中心に水を巻いたような竹輪型で、純然たる外側の香ばしさを感じる。実際には水など巻かれず中心にも葉が詰まっているのであるから、あるものがないように感じられている。最近のELの傾向は知らないのだけれど、昔はどのブランドでもこんなふうに水を巻いていたと感じられた。熟成の年月を経ても変わらない。
|coh-hk|$240/50+¥10200/50=¥720|2021/3/1・arr 3/7|
|GOS OCT 19|4 3/8 x 42|重量:7.36g|香:4.0~4.3 ave4.1|残49|



 たーらこーーたーらこーさっそく一本開頭してみたところ、良保湿な感覚が鉄の刃を通して伝わる。味もさっそく良い。
 50キャビネの方が美味しいという噂は検証できないが、濃いパルタガスの味に、醤油染みとは無縁の爽やかさ。草も見えず、ラムネっぽい甘やかさをともなう爽やかさが濃さとともに突き抜ける。ずっしりとして爽快で、重たるくなく、小口径特有の渋皮の香ばしさが立つ。アーモンドの脂質の白い旨味も濃い。堪能まるで飽きもせぬ間に花の気配を感じる。
 ハバナが頭に浮かぶとき、いつもこういう味わいを想像している。しかしこれを常備しなかった。最近とくにダビドフ漬で、ついに必要なものが必要になったのだ。
 キャビネの一本を抜いただけながら、ペテコロエスやD6よりもこちらに軍配が上がりそうである。ショートが一番小さいが、凝縮度が抜群に高く、凝縮度を正義とする状況がよくある。多々ペテコロエスは寂しき醤油、D6は味がぼやける。
 ショートの味わいに集中すると、花が芋を実らせるのはパルタガスの常態ながら、実った芋は何度食べても実にうまい。芋にだんだんと土臭さが乗ってくる。土には分解された花の養分が豊富に練り込まれている。これから最後にハーシュノイズが炸裂すればまさに一貫したパルタガスの完成である。
 残2センチで花嵐となってそれは来る。時すでに遅し、すぐに持てなくなって終了する。
 すぐのことだが、根元まで堪能させるのがショートなのだろう。
 もう少しドローが良ければとも思うものの、風通しの良さでかえって凝縮感が消し飛んでしまう可能性もある。
 ルシタニア、898、プレシデンテ、ショート、マデューロ、パルタガスは層が厚い。柔らかさを欲すればE2あたりを加えて完全無欠たる。D4はハズレ多すぎ。
|cigarOne|¥14627/7=¥2090|2018/11/20|
|LGR NOV 17|6.1" x 52|重量:19.58g|香:3.8~4.1 ave3.9|残0|



 今日のビショップマン、重重と入店されまして、みなさん体型が同じなのですけれど、筋肉密度が凄そうでした。身体が鉄で出来ているようで、床板も椅子も軋んでいました。一体どうして同じ体積なのにあんなに重い人がいるでしょうか。
 やはりすぐに着火されます。僕はお客の風貌に見合う葉巻をお勧めします、「それそれ」と皆さんおっしゃいます。
 薩摩芋のように甘い里芋、といいますか、花が地下の芋の味を表すとして、そのような花の香りがすると言いますか、ずいぶん旨味がどっしりとした花です。ええ、マントの模様が。視覚的にと言いますか、味覚的にと言いますか、非常に美味しそうです。副流煙に感化されました。
 この人は煙を食べているのだな、とすぐにわかりました。また、この重い人にも空洞はある、ということもわかりました。体内に空洞がなかったら、ご飯も食べられませんから。ですが一見空洞に鉄が詰まっているように見えます、一見と言いますか、僕の椅子や床たちもそう言います。それがご尊顔にも現れている。おそらく、ビショップマンの中で随一の怪力でしょう。腕の太さは同じなのですが。ああ、赤い人も凄いです。ビショップマンすごいです。みんなすごい。
 しかし、最初から最後までニコリとしそうでせず、ずっと同じ表情でした。まさに鉄でした。
 しかし、帰り際、荒々しい海鳴りの形相を見せると、「芋掘りに出掛ける」と言って出て行きました。椅子にはなんと置き土産がありまして、まさに里芋だったのです。里芋の花も。
 次はもっと筋肉密度を落としてからご来店頂きたいものです。椅子の軸が曲がりましたから。凝縮感ばかり漲って、結局何も広がらないようなヘンテコなお方でありました。無骨なのでしょう。
 お客さんが居る間中ずっと、海外の通販サイトでアシュトレイ探しをしていたのですけれど、ご滞在が長く感じられました。買物に集中できました。むしろ時間を短く感じたほどなのです。
 ビショップマン、本当に面白い人ばかりですよ。
 なにしろ「里芋忘れた」と言って戻ってらして、すでに里芋調理してしまったんで、料理をただでお出ししたら、「辛味が足りねえ」と絶叫してしまって、辛味を追加しましたら、海辺の里芋畑が嵐にまみれてしまう幻覚だったでしょうか、七転八倒後、七転八起してまたずしずしと出て行かれたんです。わけがわかりませんが、本当に根元まで美味しげな人でした。
 パルタガス一族の中からビショップマンに選ばれた優秀な方らしいのですが、一族の他の方々と何かが違うような気も致します。一族がみなあれですと良くも悪くも椅子や床にとって良くありませんから。しかし一族の血の粋を感じた気も致しました。本当の闘いを見てみたいものです。
|cigarOne|121.60/20CHF+¥120≒¥790/1|2020/2/16・arr 2/23|
|MSU AGO 19|3.5’ x 50|重量:9.48g|香:-- ave--|残3|

 いつものお客さん。
 いつものD6をご用意したのですが、フットを見て不審がり、うまくひっこぬけたようでした。髪の毛が入っていました。「申し訳ないです」というと「気にしないよ」と仰いましたが、気持ちの良いものではありません、髪の毛ですから。強引に交換して差し上げるべきだったかもしれません。わりと長年やっている僕も知りませんでしたが、不味い葉巻にはもしかしたら髪の毛の燃えた味が混入しているのかもしれませんね。フットから一本の毛が生えている、今考えると笑ってしまいつつ、ぞっとしてしまいますね。味は悪くはないようでしたが、印象が良くなかったに違いないですし、悪くない味も良くはなかったみたいです。
|knokke|€13.9/1+¥750=¥2500|2020/3/9・arr 4/9|
|―|5.12’ x 52|重量:14.04g|香:3.7-4.3 ave4.1|残0|

 藁の醤油漬が半乾きしたような毛並の馬でした。この馬を馬が食べたら相当なご馳走でしょうね。で、馬に似た葉巻を吸わせたんですよ。パルタガス・マデューロ No.1です。何しろ今日のお客さんは馬だったんですから。業界長くやっていると、さもありなん、と言ったところなのです。お馬さんですが、初っ端から濃い味付けの藁をパクパク美味しそうに頬張っていましてね。ぼくが「ははぁ」と思っていると「ひひぃん」と言いました。まあ「味が濃くてウメぇ」と牛のようにいうところですよ。僕はこの葉巻の味は聞き知っているだけなのですが(今回も一本しか仕入れませんでしたので)、やっぱりかなり濃かったみたいですね。黒糖を塗りたくった麩菓子の醤油味みたいな物を連想させる香りが店中に回っていました。甘さは黒糖より控えめらしいですが、しっかり甘さとして感じられるよヒヒん。黒糖の田舎っぽい風味もありましたし、馬には最高の御馳走ですよね。馬の頭の中の黄土色の藁も茶色く美味しくなっていましたが、現に茶色いそれが、頭の中では緑化したようでした。馬の気持ちを悟るのは、人間相手のそれよりは難しいのですけれどね。緑色の過去、記憶というのは過去の方が新鮮なものです。過去のほうが若かったからですかね。で、やっぱり緑も醤油と黒糖でたっぷり塗られて、現在と過去のいいとこ取りで、ご満悦なんです。珍しいぐらい重厚な白ワインが入りましたので、馬にアルコールも与えました。そうするとね、急に春満開のように金木犀や菊なんかが季節に関係なく廻るんです。駆ける気分ですね。そして芋掘り、子供たちが畑で芋掘りしているのが馬の目に映る。
 まだ馬の耳に念仏を2センチしか唱えていなかったんですよ。この間、ようよう馬が葉巻を2センチ焼尽したということで、先は長いですね、はじめ濃いから、長く感じられるのかもしれません、馬にも。恋も、初めは一生モノのように永く感じられませんでしたか? それと同じですかね。
 昔コイーバのマデューロを別の馬に喰わせた時も同じだったのですが、どうも次第次第に煮詰めた苺などの果実に気付くらしいのですね。醤油とか、花とか、そういう物が収まって、かと言って収まっておらず、煮詰めた苺に収斂していくと言いますか。そうすると何故かバターやカスタードや蜂蜜を塗った香ばしいパンに苺ジャムまで塗ったような、豪華なパフェのような朝食が訪れるんです。デザートではないのですね、朝ですから、朝だからパンなんです。馬も人間と同じですよ。つまらない藁ばかり与える人間が悪いだけなんです。
 ものすごくカスタードが膨らんで、その膨らみに胡椒をかけるのがお好きみたいです、お馬さん。現代の前衛パティシエに通ずるところがありますな。ものすごく高貴なお馬さんですよ。完全に貴族ですね。貴族は農園も持っています。貴族の朝食は豊穣ですよ。お馬さんが店に訪れたのは深夜でしたけれど。
 灰がプヒッと4センチぐらいで落下しましたっけ。ずいぶん長い時間に感じましたのにまだ1回目の落下なのか、とそれをもう虚ろに眺めていました。副流煙だけで鱈腹でしたから。
 突然俄雨で土が湿りましてね、頭の中で元気に店を泥で汚していましたよ。あれはもう汚れではないです。元気の証で、そこにレモンを絞った。するとレモンの花が泥から顔を出す。エニシダかもしれないです、人間界で言ったらあれは香り高くも毒物なのですが。エニシダって、金木犀の蜜とレモンの蜜を混醸したような爽やかな濃密な香気芬々としますよね。ちょうど今頃外では咲いているはずですよ。
 中頃から、馬もお疲れになったようで、放心のていで煙を吐き出していました。ちょっと茶味がかったコーンフレークぐらいのものでしたかね。それと珈琲の苦味。
 なんか葉巻の中からパチパチと爆ぜる音が3回4回5回と聞こえました。ドンパチというお菓子を舐めたみたいに。馬頭が吹っ飛ぶんじゃないかと心配したんです。馬頭琴の音色だったら甘美なのですけれど、静電気が爆ぜる音のようでありました。馬と僕が脳の電気で通じているんでしょうかね。最後は滋味深くおいしい馬肉のようなお馬さんになっていましたね。去り際、素晴らしい蹄の音でした。ぱかぱかと。花を残して行って仕舞われましたね。とても充実した濃い一日でした。馬の顔はさすがに憶え難いのですが、また同じ馬にご来店頂きたいです、その時にはちゃんと同じ葉巻を箱で揃えて置きたいですね。マデューロの副流煙も、お馬さんも、たまには良いものですよ。そうそう、忘れていましたが、馬も藁より葉が好きらしく、サラダも注文された気がします。栄養のバランスなのでしたかね。

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