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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

|La Couronne| $92.5/10+$36.84/18=¥1,200|2020/1/30・arr 2/8|
|LGR AGO 19|4.72’ x 50|重量:15.21g|香:-- ave--|残--|

 前回と重量が違いすぎると思いました。計量ミスなのか、筆記ミスなのか、この日のお客さんについてメモしたのはもう結構昔の事なので、よくわからなくなってしまいました。パンチパーマの人でした。具志堅用高なら計量ミスなどあり得ないのですが、ほんと、名前のとおりというか髪型のとおりというかパンチ砂糖のように甘がっていましたね。葉巻もなんだかパンチをオススメしたんですよ。甘いっていいものですよね、こと葉巻なら甘いに越したことはありません。木質の素朴すぎるような風味らしいのですけれど、焚火の雰囲気も目に宿っていました。火で髪の毛がパンチになったのでしょうかね、目がメラメラと燃えていたのですよ。それからしばらく甘味を失ったかのように緘黙してじっくり味わってらしたのです。花が咲くまではね。緘黙の間、何があったのか、僕にはわかりません。佐藤さんはまるで哲学者ですよ、何も良い考えが浮かばない時の哲学者にそっくりです。ハバナの風味は木っぽく漂い続けていましたけれど、木にしてはどうも濃い感じでした。で、花が目から咲いて、茶色い花でしたね。苦笑してしまいました。咲くには咲くのですが、どうも花離れが悪いというか、木に粘着していてですね、空想の世界に誘うという感じではなかったですね。結局名案は浮かばなかったでしょうよ。これは大量の花の汁を染ませた木なのではないかというお顔でしたね。花の汁が最後へ向うだにいや増して染み出してきましたから、木の汁と一緒に。
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|5 x 43|AtlanticCigar|$113/25|重量:−1|算出:+5|香味:+3|

 前回箱ごと締めてしまったが、実は四本残っていて、直近で24本目と、今日25本目を燻らせた。
 当たれば悪いはずもない。「柔らかいコクのある苦味」が端から素晴らしく、すぐに花も咲く。嗅覚には遠近はあっても接触はないが、まさに遠いものが既に接触しているのである。
 ハバナと硝子一枚隔てた葉の味わいにも欠かない。コクと苦味によってダビドフよりも勝っているとさえ思える。
 ただ一箱試してみても、「絶巓」というような、眼下に雲を見下ろす煙は出ない。
 甘味は少なく、丁寧で静かなコクと苦味が続けば続く。まるで点滴を打たれているかのように、どことなくつまらない、しかし栄養がある! この点滴が砂糖を入れないココアのようである。
 あまのじゃくで、ココアだと思うとココアよりも葉に感じられる。
 いつの間にか病室の外ではなぜか枯葉の堆積に金木犀が散っている。健康な病室というか、米のような日常を感じもする。葉巻が日常的だと病室に至るのかもしれない。できれば葉巻は日常的でないほうがよい。だがあえて日常の味にしているとも感じられなくはない。
 葉がまるで質のよい木のようだ。木なのか葉なのかまったくわからない、そういうありがちな植物である。
 最後の一本にしてまるでパルタガスのように変化を荒々しく遂げる。夢心地のピリ辛が出て、木と葉の微妙さがまどろむ内にもけざやかで、禅の無というよりは、ファーブルの気を引くかのような締めくくりだった。ココアはそこでは土に変わっている。土に還る花弁が混じった甘い土である。
|5 x 43|AtlanticCigar|$113/25|重量:−1|算出:+1|香味:+1(箱)|

 ふとこのアヴォクラシックはフォンセカをドミニカ風にごくソフトに陶器質に仕上げた感じかとも思う。辛味も消して、となるとまるで別物だけれど。こちらは同じサントリープレミアムモルツを合わせても牛乳も出ない。かえってもともとのクリーミーさが感じられなくなる。西に赤い絹層雲があり東に青い絹層雲があるなどと視線を移動させなければあまり美味しく感じられない。これは箱の評価は+1ぐらい。0点の物が多すぎる。三ヶ月経っても別段全てが美味しくなるという物でもなかった。
 プリトスの方が色々と良い。

 FONSECA kdtとこれが無くなると気軽に吸えるものが無くなる。不思議な安さのパルタガス/プチコロナエスペシャルが欲しいが、終売候補が嫌なものばかりで安い物に手を出す懐がない。
|6 x 54|AtlanticCigar|$13.5|重量:+1|算出:+4|香味:+3|

 松茸がほろ苦い土のコクを纏って、その衣たるや蝶も止まる花柄なのである。
 火種が落ち着くと柾目が見えてくる。桐箪笥である。日本調かというと、全然違う高級ドミニカンで、白い部屋に焦茶が落ち着く。
 花が香る直前に時々草がひらめく。すると段々花が菊のようになってくる。小型の懐中電灯のような、懐中電灯に火種を灯したようなこの葉巻は、実に懐中電灯らしからぬ。今丁度読んでいるのだが、葉巻の比喩は、「柳の葉に尾鰭の生えたようなあの小魚」と岡本かの子がいうドジョウのようなわけにはどうしてもいかない。
 淡白ではないが太口径のために煙が拡散しがちで、変化の緩慢さも心地よいといえば心地よい。単調というか、それだけアヴォの特性が始終色濃いのかもしれない。これだけ悠々としているとほろ苦さに淡い貫禄を感じる。
 香りの甘さが味の苦さと競って、火花も花の模様である。
 ダビドフに似ても非なる独特の味わいで、古拙な気分から茶碗を除いたような不思議な不確かさがある。したたかではない。
 最終的には松茸が花のように甘い松茸になって土に沈む。本当の終わりには雑味らしい雑味がくべられる。ここで再び菊花紋が現れるのだが、ハバナならこんな思わせぶりな死はないだろう。

 なんだか+3だが、どうしてトロのほうが安いのか、フィギュラドよりトロの方が断然良くはあった。

Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Ecuadorian Connecticut
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
|5 x 43|AtlanticCigar|$113/25|重量:−1|算出:+5|香味:+3|

 14本目にして漸く当たった。当たったのか約三ヶ月の熟成が必要だったのか判然としないが、たぶん三ヶ月が必要だったのである。プリトスも三ヶ月後に大変化けたし、今回のこれは漸くその化けたプリトスに追いついたという味である。化けたプリトスが美味しかったからこそこの箱を買ったのだが、この箱は13本目まではプリトス以下だった。
 微かに苦味のある、その苦味がまったく嫌味ではなく濃さに繋がって、木の芳香が充実している。木は果実を実らせるものだが、葉巻においては木が木を実らせる。しかもその木が綿のように柔らかい。実際には葉なので木ではないのだが、確かにただの木ではない。馬鹿の葉の木というか、馬鹿の木の葉というか。葉の木の馬鹿であろう。この馬鹿から、中盤辺りで花が咲くのである。馬鹿な花だ。馬鹿ほど優しいものもない。葉巻は馬鹿になりたい人のものなのだろう。では本物の馬鹿が葉巻を吸ったらどうなるか、それはわからない、自分の頭の事はわからない。他人の頭もよくわからない。
 ダビドフ風の松茸はあまり感じない。或いはダビドフよりも品質が良いような気がしなくもないのである。アヴォの‘クラシックは’ハバナの裾野のような穏やかさがあるので、富士山の裾野で富士に登るつもりもなく燻らせたらどんなに美味しいだろう。私は昔から富士山を見ると笑ってしまう。富士山があんまり馬鹿なので。
 三ヶ月以降、全部この手の当りになるのだったら早々分かり易いのだが、この事については残りの10本でおそらくほぼ完璧に確認できる。甘さや旨味の欠如も感じず、白湯スープめいた完璧なバランスを保っている。優しさはスープに小麦粉を溶いているのか。
|5.87 x 50|AtlanticCigar|$14|重量:0|算出:+4|香味:+3|

 巻きはダビドフほど美しくはないが、簞笥に松茸が黴のように栄えている。吸い込みも完璧。着火すると花薫と朴訥な旨味がすぐに乗ってくる。ダビドフのようなシルク感はなくほろ苦さが効き、ダビドフのような強みはなくおとなしいが、安定してアヴォの限界のようなアヴォにしては濃い美味しさがある。しかも段々濃くなってくるような優しさがある。旨味は精米歩合60%程度の純米酒のような出方をしている。純米酒の傑作というものがもしあれば、確かにそれに似ている。錯雑錯雑、松茸の花が咲いている。煙に膨らみが増して柔らかくなってくる。パルタガスのような旨味の膨満感にまでは至らないが、至るはずもなく、アヴォとしては強いが、アヴォらしい軽さを保っている。
 仄かな経験だけれど、アヴォの中ではハバナ寄りのクラシックタイプではなく、ダビドフ寄りのドメインを再醗酵させたような印象がある。至極丁寧な出来なのだが、ダビドフに迫る価格を見ればこれは当たり前で、するといまいち恍惚成分が弱く甘味にも欠ける。終盤で更に旨くなる事もなく、終盤が不味い。
 飲物はデゥシャス・デ・ブルゴーニュだから悪いはずがない。この麦酒は地球の傑作みたいなもので、必ず麦酒の指折りに入らなければならない。日本の麦酒四社はどれか一つが残ればよく、だから全部消えても良いのである。なければないで困るけれど。

Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Ecuadorian Connecticut
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
|5 x 43|AtlanticCigar|$113/25|算出:−3|香味:−3|

 どうしてこういう事が起こるのだろう。序盤1センチほどは前回より美味しかった(やや芋風のバナナ)のに、急に煙が入って来なくなり、にもかかわらず火種は膨れ上がっているし、無煙の空気は入ってくる。この後色々な差引があったのだが、ほぼこの状態がずっと続く。ラッパーに穴が開いているわけではないのに、不思議だった。
 一本買いした人がこれに当たったら至極残念だろう。さすがアヴォ、へたくそピアニスト!と叫びたくなるに違いない。
 ドローに関してはダビドフとは雲泥の差がある。
|5 x 43|AtlanticCigar|$113/25|重量:−1|算出:+3|香味:+2|

 着火せずに銜えていると美味しくなさそうな芝生の味がする。かなり枯れた芝生。ダビドフに比べると吸い込みが硬い。
 舞う粉を吸うつもりもなく吸い込んでいるような白い感触。空気が目に見えるというか、ラムネ菓子を煙のように挽いて団扇で扇いだような。若いのか、けっこうな酸味で、プリトス・クラシックほどハバナっぽくはない(クラシック=ハバナと捉えているのだが)。アヴォが製造上どこまでダビドフに近いのか分からないけれど、プリトスに増してそれらしい品質。
 アヴォはとりわけクラシックが好みに合うらしいと早計に察して箱で購入したのだが、これがこうだとハバナのペティコロナ以下のものに全く興味が無くなってしまいそうで、他のアヴォを色々試したくはなる。
 中盤、更なる甘味とバナナのようなハバナっぽさが加わる。葉巻でバナナなんて紛らわしい言葉は聞いたこともないけれど。酸味は出たり入ったりしているが、出ずっぱりで嫌だったので入ってくれて嬉しい。この辺りまで来るとこれはもう間違いなく美味しい。軽い煙の感触からは予想だにしなかったほどの濃さで花が乗ってくる。雑味はダビドフと同程度に無く、また安物の嫌な味もしない。もししても美味しさがそれより何枚も上を重ねている。葉というより、バレンで何度も何度も擦った紙という感じがする。紙が葉に変わる魔法のバレンで。魔法が嫌なら、葉をバレンで擦って紙に変えた魔法のバレンで。

 アヴォ・ウヴェジアンは音楽家らしく、調べると現に簡単に入手できそうなCDを一枚見つけたのだが、どうも三流臭い。音楽家としては三流で、それゆえ葉巻に転向し、それゆえ葉巻としても二流止まり、という位置付けを自負していそう。「二流の一流」という、扱下ろすにも扱下ろさない便利な言葉が(たぶん)あるけれど。あまり買いたくないが、今度CDを買ってみる。

 到着日の一本目にして美味しいが、プリトスは三ヶ月で激変したのでそれが愉しみ。25本で平均3.3点はいくに違いないぞこれは。
 最近モンテクラブを久しぶりに買ったのが思いのほか不味くて舌が肥えたのかと思っていたけれど、これはその冒瀆的な舌にも優に耐える。

 終盤早々煙がスルスル辷る嫌な感触になり、辷るのに灰の苦味が感じられ、呆れるほど衰退する。吸うペースに対してなかなか気難しいところがありそうで、少し早すぎても少し遅すぎてもあからさまに駄目になる。こつが分かると終盤でもけっこう復活するが、本当にこつが分かったのかどうか怪しい。結局根本まで不味くないものではあった。

Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Ecuadorian Connecticut
Color: Colorado Claro
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican
|4 x 30|NextCigar|$21.25/10|重量:−1|算出:+5|香味:+3|

 八本吸ってみて最初の一本は美味しかったものの他は不味かったのだが、今回久しぶりに九本目を手に取ったら美味しかった。ドメインと同じ傾向。
 大雑把にいうと「プリトス・ドメインがダビドフ風」で「プリトス・クラシックがハバナ風」なのは変わりない。クラシックをハバナ風といってもハバナよりはダビドフに近い味がする。鰹節のような木が絶妙に朽ちて、レイデルムンド寄りのダビドフという感じの、乾いた荒野で強風に舞った土煙が目や鼻に入るような、それでいてかなり甘くて美味しいような味わい。荒野なのだが、どことなく緑も生えている。乾いているのに爽やかで、旨味も足りなくない。
 こんなものが丁寧に巨大化されたらと思うとアヴォの大物に目が行ってしまうし、本当にそんな巨大化が起こればダビドフの消費量を大分減らせるかもしれない。こんな小さいものは寝かしたくないが、寝かせて美味しくなるようなのだから仕方がない。買ってしまったら寝かせるべし。(前回の消すべき酷評記事は一応とっておくけれど、今回のが本領だと思う。)
 最終盤ではパルタガスのように芋と花との甘くて美味い混淆が見られる。葉の枯淡らしさも。ドメインも最終盤には芋の旨味が出てきたが、他の香味に因るのかこちらの芋の方が美味しく纏まった料理のよう。
 ヒューガルデン缶は小麦ビールの中でもかなり淡白で、ビールか発泡酒かといえば発泡酒っぽいのだが、この葉巻に良く合う。そういえばルシタニアスの時も小麦ビールを呑んでいた。
|4 x 30|NextCigar|$21.25/10|算出:+3|香味:+2|

 八本吸ってみて最初の一本は美味しかったものの他は不味かったのだが、久しぶりに吸ったら過去九本中一等おいしい。全部これなら文句なくマストアイテムなのだが、単なる当りなのか熟成によるものかわからない。軽々しい木の、しかも木から生えるはずのない松茸の生えた木で、上品な出汁がでて、えぐみも少なく、薄化粧のような甘味と香、程よい辛味が吸いごたえの確かさになってる。クラシックの土よりもドメインは木、それも湿った木で、松茸とも下駄箱ともいわれぬ特殊な風味に甘味がふんだんに乗っている。小さくて複雑すぎて落ち着きがないが、これならダビドフNo.3を忘れられるかもしれない。忘れようとしてかえって思い出すけれど。ガラリとした変化はないが、ほんのりと花が緩やかに濃くなり続けるのもよい。
 他の酒は試す暇がなかったが、カルヴァドスで互いの特徴を消さず、しかもえもいわれぬ芳香を醸して、二つで三種の香がした。熟れた果実のような煙も感じたが、カルヴァドスのせいかもしれない。美味しいセメダインのようでもある。

 なんて面倒な生きものだろう。葉巻が犬だったら「今日は可愛い」「明日は可愛くない」ということもないのに。人が巻いただけのことはある。小さいながらに変化はあって、最終盤では芋のような旨味を感じた。

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