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  源氏物語「葉」
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|5 x 43|AtlanticCigar|$113/25|重量:−1|算出:+5|香味:+3|

 前回箱ごと締めてしまったが、実は四本残っていて、直近で24本目と、今日25本目を燻らせた。
 当たれば悪いはずもない。「柔らかいコクのある苦味」が端から素晴らしく、すぐに花も咲く。嗅覚には遠近はあっても接触はないが、まさに遠いものが既に接触しているのである。
 ハバナと硝子一枚隔てた葉の味わいにも欠かない。コクと苦味によってダビドフよりも勝っているとさえ思える。
 ただ一箱試してみても、「絶巓」というような、眼下に雲を見下ろす煙は出ない。
 甘味は少なく、丁寧で静かなコクと苦味が続けば続く。まるで点滴を打たれているかのように、どことなくつまらない、しかし栄養がある! この点滴が砂糖を入れないココアのようである。
 あまのじゃくで、ココアだと思うとココアよりも葉に感じられる。
 いつの間にか病室の外ではなぜか枯葉の堆積に金木犀が散っている。健康な病室というか、米のような日常を感じもする。葉巻が日常的だと病室に至るのかもしれない。できれば葉巻は日常的でないほうがよい。だがあえて日常の味にしているとも感じられなくはない。
 葉がまるで質のよい木のようだ。木なのか葉なのかまったくわからない、そういうありがちな植物である。
 最後の一本にしてまるでパルタガスのように変化を荒々しく遂げる。夢心地のピリ辛が出て、木と葉の微妙さがまどろむ内にもけざやかで、禅の無というよりは、ファーブルの気を引くかのような締めくくりだった。ココアはそこでは土に変わっている。土に還る花弁が混じった甘い土である。
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