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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

|thecigar|00.00CHF/10|arr 2021/12/30|
|RAT JUL 20|5 1/2” × 50|重量:15.11g|香:4.0~4.2 ave4.1|残7|

ブツ切りメモですみません。

 やっぱり美味しい。安心。レモンだけど。浅煎り珈琲の酸味か。生薬の香り。アーモンドの皮を巻いたレモンのマドレーヌ。ハバナ特有の香味がけっこう強い、ナッツ。
 キューバ産葉巻を買える日本でどうしてわざわざ新世界葉巻を買う必要があろうか、という気にもなってしまう。価格差もなくなってきてるし。ハバナを知らなかったら葉巻を知っているとは言えないし、「ハズレるハバナ、ハズレない新世界」が逆さまの世界。最近新世界でハズレまくっているのでこれは爆発的に美味しかった。「爆発が美味しい」というのは、どういう口の中なのだろう。
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|thecigar|179.00CHF/10|arr 2021/12/30|
|BST JUN 21|5.51’ x 56|15.79g|香:4.0~4.3 ave4.1|残8|

 美味しい。……
 オヨー以下のブランドに共通と言えそうな「染臭さ」は消え残っているのだけれど、その他全てが最高品質に迫っているというか、高額の葉巻でもこれほどの「アタリ感」はまず出ない。墨めいた重厚な黒味まで出てくる。
 染みと言って、しじみ汁のようなしみじみした美味さかと思いきや、完璧なバランスで作られた焼菓子が全編に堂々と乗っかる。煙を含むたびにうまいと唸ってしまう。……
 分厚い薄皮の香ばしさもある。それらナッツめいた薄皮に渋みなく、太い軽さ、大らかさがある。卵カステラにも似たパウンドケーキから、後半、忍ばせたレモンが徐々に露わになってくる、酸っぱくなってくる。このレモンはオヨーらしい。レモンはともかくこのパウンドケーキがほぼ常に極上のものとして口に放り込まれ、焼き目もかなり鮮やか。兎も角のレモンが、序盤は散らされていただけの金木犀の花を纏い始めて舞う。檸檬の花になる。
 重量は15.79gで適正らしい。重量のみならず一本目はハズレたのだが、やはりこの葉巻はすごい。2本目のエピキュア(記事なし)もまた凄かったが、リオセコはさらに凄い。香味は両方似ている。
 オヨーの葉には勿論コイーバの岩のような素の凄みはなくて、基本的に変化の賜物の美味しさなのだけれど、変化を洗練させる雑味の浄化が常にあり、このリオセコは加えて朗々と歌うリンゲージ(コイーバBHK56と同じ)を分厚い焼目が香ばしく引き締め、微妙に墨を滲ませるところなどはコイーバのBHK54に見るものだった。
|thecigar|179.00CHF/10|arr 2021/12/30|
|BST JUN 21|5.51’ x 56|16.90g|香:2.6~3.0 ave2.6|残9|


三が日の終焉。
正月気分をどこまで延長できるかというのは私の毎年の最大の仕事です。節分までは働きたい。

出だし昨日のエスペシャルのレモンが再現されるものの、以降ずっとふるわない。到着数日でついに疲れが出たか、おそらく単なるハズレなのだが、香味は昨日の延長線上だとは思った。リオセコはオヨーとして異質となるような特別な香味を付与されていないのかもしれない。あるいは従来のオヨー的な葉をふんだんに使用している、当たり前であれ。
|thecigar|00.00CHF/10|arr 2021/12/30|
|RAT JUL 20|5 1/2” × 50|重量:14.45g|香:3.5~4.1 ave3.8|残9|

 正月二日。
 木質、とくに高級木材でもない。レモンソーダの酸味、炭酸の方は後から出てくる。膨らんでくると染み臭いながらレモンケーキの様相を微かに呈する。ふと、会うと嬉しい人のようにカスタードが出てくるとさすがに美味しい。カスタードは長持ちしないが、中盤過ぎに花が噴出するのもさすがに美味しい。濃さが一気に増した感じがする。
 生地の旨味よりもデコレーションの変化で楽しませる、三巨頭(Co/Mo/Pa)の他の煙はなべてそう感じてしまうものではある。ところがこの葉巻、最後のほうで生地にナッツを練り込んでいて大変美味しいという、あべこべのよう。さすが赤十字のオヨーと言うべきか。何かがクロスした感覚なのである。〆では遡行してきた香味も加わり、「カスタードクリームナッツパイレモン乗せ」が完成する。これは極上、ひと時耽る悦楽だった。
 満腹の濃さに比べてニコチン等は軽いようで、身体ダメージが少ない利もある。
|cigarOne|¥14627/7=¥2090|2018/11/20|
|LGR NOV 17|6.1" x 52|重量:14.66g|香:3.0~4.0 ave3.6|残0|

 昨日お越しになったアップマンに似ているといいますか、同じヒーローの一味と思われ、同じビショップ型のマントを着た人が入店しました。今日の人は饒舌で、ヒーローのセンターといえば赤ですけれど、赤がご自分を含め4人もでしゃばっていて(「昨日も赤が来ただろ?」)、本来のセンターは金色になってしまったそうで、他に茶色を合わせて合計6人の戦隊を組んでいるらしいです。金色の人はマントも金色なのだとか。お写真を拝借しました。



 金色の人は本当にマントも金色みたいで、でもどれも同じくハバナ葉で誂えたマントだそうです。これから続々と日毎お一人ずつ現れるかと思うと大変楽しみですね。今のところお二人とも面白かったですから。戦隊はアップマンではなくやはりビショップマンと言うそうです。なぜ6日連続でこの店を訪れようとしているかは最初の謎なのです。
 やはりご自分とよく似た葉巻をセレクトされました。
 マントカラーの違いそのまま、醤油を使用していないような風味がするそうです。透視いらずで饒舌に教えてくださいます。が、お話を伺っていると、同じ戦隊モノだからでしょうか、黄粉の旨味がどうも昨日のものとよく似ているように思いました。塩を入れ忘れたような味気なさも全くなくて、きな粉には砂糖が入っていてこれがなんとも美味しい、絶妙な塩梅である、と言います。砂の中から砂鉄を磁石で取り出すような甘い喜び。
 岩感など昨日のあいつより少なく、ハバナハバナしていない。わたくしもハバナなのだからなんといえば良いのか頭がおかしくなって来ました、と言いました。「優しい赤十字」と言ってしまえば済むのだが、そんな私的言語は通じませんな、それに、もう少し強い感じがわたくしにもわたくしの葉巻にもある。
 でですね、この人の特技は結局レモンだったのです。レモンばかり注文なさいましたし。
 煙の匂いも薄らレモンぽい。お正月と言うことで、『自家焙煎:麝香猫の芬の珈琲』をお出ししまして、お供は炭酸飲料ではなかったのですが、レモンの強炭酸がしばらく温泉のように吹き出る、ハハハと言います。この人、笑うというより、ハハハと喋るのですね。火山の荒さ、岩のコクも出てくるぞよ。草の生えた火山。次に大変マイルドなカスタードレモンクリームの溶岩がほどよく冷めて流れて来て、この酸味高いレモンクリームを中央に残して斜面の景色が変わる。変わろうとして変わらない。ビショップマンは今夜は変身しません。変身と言っても、だいたい夢の中でなんらかの怪物に出くわす、夢の中で闘う戦隊だそうです。敵は自分かもしれないなどと初歩的な哲学なんかを語っていました。
 お客さん、レモンの入れ過ぎではないでしょうか、今度は僕が言いました。クリームが蒸発してここ暫く隠れていた砂糖を再現する気配がある、と次にビショップマンが言いました。
 砂糖と薄茶色のハバナ葉の味わい、ロメオの純良品のようになる。ロメオとは誰ですか? 最終日に訪れるよ。最終日は金色ではなく?
 またレモンのご注文か。酸っぱい顔をして、そんなにレモンがお好きなのですか? 僕だってレモンは好きですけれど、レモンには限度というものがあります、コーラにレモンを添えるぐらいで十分、ケーキならわりとたっぷりレモンを染ませたい、ケーキは甘いですからね。この人は砂糖の量に対してレモンを入れ過ぎでしたね。しかし不思議なことに差したレモンを引いたりもしたんですよ。どうやって液化したレモンを取り除いているのか、二つ目の謎なのです。れもね、レモンの在庫が切れまして、レモンを失ったらすっかり生気を失ったようになってしまいましてね、最後の3分の1はもうしょんぼり、ただ口から機械式に煙を出しているだけになってらっしゃいました。
|knokke|€16.5/1+¥750=¥2700|2020/3/9・arr 4/9|
|―|5.9’ x 54|重量:18.33g|香:2.6-3.2 ave2.8|残0|

 今日は何故か両隣にルシタニアスさんとシグロ5さんの幻影が見えたのですがね、挟まれて座っても見劣りしない人のような気がしました。筋骨隆々として堂々として。女性です。顔は薄い感じですのに、化粧が濃かったですね。両隣の男性と、どちらが偉いのかわかりませんでした。ところがですね、声音はなんとも中高域豊富で優しかったのでした。最初は歌っていましたね。リオセコさんのご姉妹らしいのですが、彼女よりちょっと短くてちょっと太い、たぶんお二人の体重は変わらないです。どうもリオセコさんは外ヅラが良いのか社交的で評判がいいようで、今日のフアンさんは歌いながらにして根暗なのかなんだか不貞腐れていたんですね。好対照というわけでもなさそうなのですが。
 こういう人は放っておくに限ります。ご機嫌を取るのが得意なマスターもいるようですけれど、僕にはその技術がなくて。
 どれぐらい経ったでしょうか、フアンさんと同じ名前のホヨーのサン・フアンという葉巻をオススメしまして、それが半分燃えたところぐらい、急にまた渋い顔をし始めて、それでも暫く居たのですけれど、そのうち帰っちゃいました。火種はその間消えませんでしたね、幽霊が吸うかのようにどんどん燃えて行きました、副流煙も不味い感じでしたが。
 そうしたらまた戻ってきたんですよ、あの人。ご自宅のラヴァトリーにでも行ったんですかね。奇行ではあるのですが、うすうす凡人なのではないかと疑い始めてもおりました。といいますのもね、彼女の吐息ですけれど、少々草花の香にとろけそうになることは確かにありましたのですが、草花のみでしたし、なんていうんでしょうか、そのほか何も無いせいか苦くてエグい溜息みたいで、あんまり素敵な副流煙を漂わす人ではなかったのです。ええ、もちろんキューバ人であることはずっとわかっていました。でもお会計の時に、けっこうな時間、だべってお引き留めしちゃいました。その時わかったのは、あんまり悪い人ではないかな、ということ。
|thecigar|19.40CHF/1|2020/3/17・arr 3/25|
|―|5.51’ x 56|重量:16.05g|香:3.8~4.3 ave4.1|残0|



 「オヨ・デ・モントレー リオ・セコ」……なんだか競泳が始まるような語感。

 まろやかクリーミーな香の中にややふんだんに緑色の香料(シャルトリューズ酒)が垂らされ、爽やかな膨らみをもたらしている。軽いといおうか、豊富で、少し凝縮したら重いものになるであろうような、是即ち巻が良く、煙に微塵もストレスがない。雑味もほぼなく、あるかと思えば唆る胡椒であったり、あたかも思いのまま、掌のオルゴールのメロディーのように煙が甘美な粒子を誘って筒から出てくる。
 木なのか土なのか革なのかよくわからないように鞣され、またナッツなどのハバナ感もありながら襲っては来ず、やはりオヨー独特の「赤十字感」のあるものなのだが、鞣されつつもハバナの基本要素は一貫して揺るがず、ここに余計な変化がないのは美点である。鞣して円めた木土革の筒が花やクリームを満に咲かせる。さながら景色を思い起こさせるより、あくまでも掌の筒から、筒の中のものが現れるのである。しみじみとした不思議な筒である。一方で室内の壁を取り払うようなトリップ感には欠け、またコイーバを筆頭とする重厚なハバナ葉特有の充足にも欠けている。
 緑色の香料は、原生に還り、最後、鼻に水を通すような棘を現す。
 かなり美味しくも、どうしてかオヨーは赤十字を抜け出さず、空想を妨げる。しみじみとした滲み臭さも邪魔をする。もともとオヨーが好きな人はトリップするのかもしれない。ただ、この筒に空想は要らず、どうも筒自体が空想らしいのである。それが現に掌に在るから、現物が現物なのか、余計に空想じみてもくる。
 赤十字を引きずっているのは筆者だけで、思えば赤十字の特徴である病院臭さはなく、かつて知るオヨーとは全く違う、色濃く艶やかな寒色系グラデーションの、ふくらみのある味わい、「こなれた鮮度」とでもいう、古いのか新しいのかよくわからない感覚の虜になりつつある。始終、湿ってから乾いた砂糖がこびりついていたのも忘れられない。喫煙中は少々馬鹿にする気持ちもあったのか、極端に美味しくは思えなかったのに、何度か思い出すだにだんだん極美味なものとして脳に定着する、変則的な媚薬だ。
|thecigar|16.00CHF|2020/3/17・arr 3/25|
|—|5’ x 48|重量:11.00g |香:2.3~4.0 ave 3.3|残0|

 なんだこれ、めちゃうまい。穀物の味がうまい。めちゃくちゃ甘い白米とか、めちゃくちゃ甘い小麦パンとか、めちゃくちゃ甘い蕎麦とか、甘味不使用の系統で、穀物の名称は何かわからないでいる。白米であるとして、そこに独特の香草を一本炊き込んでいる。さらに牛乳を投入しているのかもしれない。何処かの民族の主食。
 中盤まで煙少なく味がはっきりとしないのだが、葉巻としても極めて珍かな味わいで、ミルクにしても香草にしてもかなりクセが強い。草はパクチーどころかビニールを燃やしたように毒々しく煙る。毒を牛乳みたいな乳か何かで洗い薄めてより気持ち悪いような。水の代りに変な液体を与えて育てたバジルのようだとも言える。豆や草や花の変異であることはわかる、しかし配合に失敗したチャイのようだ。変な物を入れるなと言いたくなる。煙なら失敗も失敗ではないのだろう。
 やはり「アネハドス」は独特で、『熟成のお手本』のような見方もできるけれど、自宅の物がすべてこの手の熟成を遂げるとなれば、あまり熟成させずに済ませたくもなる。ただ決してそうはならないので、アネハドス専用の葉を用いている気がしてしまう。
 序盤は奇しくもおいしく、奇天烈で面白く、中盤毒々しさあらわに、終盤は金木犀で覆っても奇を隠し切れないでいる。
 ※ドローが悪いとか、ハズレであろうとか、そういうことでなく、純粋に香味として2.5ptを下回る2.3ptとなっていることに注目してほしい。それでも上端は4.0なのである。美味しさの中に、苦手な味が息づく。
|箱不明|3.9 x 30|cigarOne|$6|重量:−2(3.51g)|算出:+2|香味:+2|計2点|

 一口目も二口目も三口目もメドレーのように懐かしい。小さいサイズの感覚も懐かしく、味わいも懐かしい。オヨをはっきりと想い出すという訳ではないのだが。小刻みなリズムがアップマンじみた茶色い染みの味を放出して、華奢だが変化が圧縮されている。
 舌の中央にのみ煙が乗ってくる、細身ならではの煙の動きがある。舌の脇に感じやすい雑味が遮蔽され、また、煙が少ないので鼻に上らせても刺激が少なく、煙を鼻に集中させることも容易になる。吸い込みが少し悪いのだが……。
 オヨらしいのか、特別目立つ特色がない。しかし赤十字の安定と信頼は煙のようには揺るがない。アップマンやパンチなどよりも一つだけ上の位置付けであることを納得させる風格が確かにあるような。
 驚かずにほっとする、一服のような一服。赤十字が何なのか、知らないし、この一本に関しては赤十字感はほとんどないが、染みや床屋やクリーニング屋よりもやはり赤十字の味がする。定まらない言葉ほど多感な言葉もないと考えて赤十字に逃げ込んでいる。
 あっという間に至る、終盤の金木犀が凄く甘いのも鼻が存分に成す技か。岩も青緑もない金の赤。包帯がシロップ漬けにされている。つまり何処かを怪我しているのだが、怪我の功名のようなものでしかないのである。終盤の短さも桜や紅葉より短命な金木犀にそっくり。
|SUB AGO 11|6.1 x 52|coh-hk|($99/6=$16.5)|重量:+1(15.54g)|算出:+1|香味:+2|

 ホヨーの通常品にはピラミデがない為、これこそまさにセレクションっぽい。モンテクリストなどはやろうと思えばただのNo.2を忍ばせられる。
 薬箱の匂いがするのはホヨー=赤十字の記憶か、昨年のセレクションロブストスの記憶か、薬箱の香はしかしやや重く湿っていて軽く甘いのが枯れず美味しそうである。
 ふわついた感触の出だしはラムネ菓子かビオフェルミンに草が生えたよう。爽やかな甘さも既にあり、薬箱っぽい為にハバナらしさは土や革ではなく木。草がしんしんと足指に積もる雪のように冷たい香を増して来る。脳髄に染みる草。それが急にぽかんと花咲き……なんでもない。
 何はともあれオヨは「好きだ」と思った事が一度もない珍しい銘柄だけれど、これもその線だと思う。通常よりは葉の骨格ががっしりしている気はする。軽やかでもあるけれど、花やフルーツなどで飾らない葉の香ばしさがずっしりとして、また丁寧。
 どうあっても心此処に非ず、全く関係ない事を煙から逸れて考えていたら、いつの間にか、気付けば後半ずっと、起床から二十四時間後の眠るべき人の疲れを見るようだった。彼は起床から十八時間あまりで疲れ切っていたのである。彼は私ではない。疲れている人を見るのはいいが、自分が疲れてもらっては困る。しかし彼が葉巻であってみれば、私が少し困る。
 薬箱っぽい点で昨年正月に味わった04年のロブストスに近い味わいを感じはした、それで若いというより物が少し悪いらしい。只管ハーシュノイズの如き味気ない後半がいずれ円熟するとも思われない。薬箱というのは熟成の特質ではなくセレクションの特質なのかもしれない。

 ※コイーバのみ倍額で算出するため$99を6で割っている。

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