忍者ブログ

  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

|4 1/2 × 50|Famous Smoke|≒$2.26|+3|+2|

 綺麗なラッパーが綺麗に巻かれていて重い。着火前に銜えていると杉の蜜漬けのような甘い味が既にある。吸い込みはみっちりなのに良好(100点)。
 着火すると杉の蜂蜜漬けがそのままあり、そこに加えてなんとも言い様のない他人の家のような田舎臭さい香りが立つ。始めから甘い。#1がライトで#2がミディアムで#5がフルだと知って、#5はフルボディ過ぎるのではないかと買ってから心配する羽目になったが、これはフルではない。味はフルのように濃いがミディアム程度しかない。杉の香りが暗く漂っているのだが、依然他人の家は消えない。杉の景色はよく煎られていて甘味に溶け込んでいる。舌で焼けた杉林を転がしているのである。新開発の暗い甘味料がこの日暮れて藍色の山の景色によく合っている。
 灰がベルベットのような質感で、灰色のベルベットを撫でたように黒い逆立ちがあり、縞が薄い。煤煙工場の壁か煙突のようにも見える。煙突の内側と外側とをひっくり返したようにすうっと煤模様が縦に伸びている。
 しばらくすると、他人の家だと思っていた感じがパクチーじみていることに気付く。パクチーだと気付くと家が消えた。終盤では基本的な香味は揺るがないものの幾種だかわからないようなスパイスが加わって若干ボディーが強くなる。

 安くて良く出来た葉巻。濃厚だからか、スパイスが出たからか、後半は飽きてしまう。パクチーじゃなければ+2だった。と思って消火準備をしていると、稀に思い掛けない美味しさがふと出る事はあったのだが、それが濃くなった。蜜に浸して柔らかくした木を天日で乾かしたような染みた味わい。木目のような蜜の染みである。それがいつの間にか林檎じみてきて、杉山に一つ実る林檎を終に手に入れて、ひとり山奥で齧っているのである。

 ロスチャイルドだからか思い掛けないところで変化が来る、危うく消しそうになった。ぱっぱとした短いロブストなので小気味よく消したくなってしまったのかもしれない。安さに油断したのかもしれない。そもそもこの短さで飽きるというのも気が早い。

 豊潤なのに淋しくさせる風味で、淋しいのはパクチーのせいかもしれない。あったはずの家が無くなったのもパクチーのせいだし。パクチーじゃなければ+3だった。また、ここまで安くてここまで上出来のモノがあると価格点を600円以下で一括りにしてしまって悪いような気がしてくる。まあ、お金がどうでもよければこれは+2でしかないのだ。寝ても覚めてもパクチーなのだからね。
PR

忍者ブログ [PR]