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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

|gestocigars|150CHF/10(+¥4600/10)|2021/12/16・arr 2022/1/6|
|SMA DIC 17(11511/50000)|4 1/3’ x 50|重量:11.00g|香:4.4~2.9 ave4.1|残7|

 盛夏を期待させる葉巻をと思って白羽の矢を立てた。期待通りと思しき爆弾の夏の旨味、香ばしさ、華やかさ、暑さ、補給される水分の爽やかさも何故かある。本当に夏の草花の香りなのか、草木に疎いのでわからないのだが、たぶんそう。お菓子もまた夏っぽく、しっとりパウンドケークはオレンジ風味だし、ティーカップ?の中はどうやら中国茶か。ERらしい優しさの芯には荒野の激しさもある。荒野の果ての街のような逸楽。望んでいたとおりの味すぎるが、最初の一本の記憶が無意識にこれを夏葉巻として選ばせたには違いない。
 シナモンカスタードがバーカウンターに見えるオーブンから観音開きで登場する。かくも美味しい焼菓子があったのか、オーパスXを超えているかもしれない、それというのもどこか杏仁のごとしで、また葉巻を彩る風味の全ては結局のところハバナ味から出た方がいい。ハバナ味が基調をなす事で、香味は異様性に終わらず確実なものとして着地する。その基調はグロリアクバーナらしく荒野で、此処は明らかに荒野の果てのバーの昼さがりなのである。客の居なさそうな店なのに、登場する菓子がやけにうまい。
 金木犀は木蓮を思わせ、さらに深く菓子めく金木犀は中国茶の聞香に通じる。味覚上の甘さはあまり感じないものの香りの甘さが芬芬と匂い、美味しさに息を呑むというか、息をつくのか。焼菓子はこのテーブルに切り分けられたのか。
 後半荒野が熱を帯びる。炎熱が花を炙る。そのまま萎れ乾く。最後まで美味というわけにはいかず、残5センチで味が詰まって息が詰まる。微かな不死鳥の影あり。
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|gestocigars|150CHF/10(+¥4600/10)|2021/12/16・arr 2022/1/6|
|SMA DIC 17(11511/50000)|4 1/3’ x 50|重量:11.35g|香:2.8~3.2 ave3.0|残9|

 念願の箱が再販されたのですぐに入手した。税関から葉書が届いたのが大晦日だったので到着が遅れた。
 ベランダで着火。昨日の雪で日差しが倍加し、快晴のなか雪解けの音が心地よい、ミニマルで不均衡で無数で小さくて安全な音の粒。
 この煙はやはり、皮の厚さというよりも喉も渇くような荒野の感覚で、優しい物が多いレヒオナル物にしては強く、ただ雑味なし。麦とか畳とかの雑味っぽいものがない。あるいは花で染まった真っ黄色なパンを銜える。
 より美味しいものへの変化のないまま燻ると、中盤で随分香味が凹み、その後盛り返そうとする様子を見せるも、しおたれつづける。
 店が悪いのか店の梱包が悪いのか輸送遅延が悪いのか葉巻が悪いのか冬が悪いのか私も悪いのかわからないがひとまずハズレの一本に終わる。



 グロリアクバーナのバンドって、よくみるとそうでもないのだけれど、それがかえってかっこいいのだけれど、やはりよく見ることができないぐらいの細い葉巻に巻かれていた方がかっこいい。それでか、このブランドは細い葉巻が多かったような。
|thecigar|14.90CHF/1|2020/3/17・arr 3/25|
|—|4 1/3’ x 50|重量:10.10g|香:4.2~4.5 ave4.4|残0|

荒野でスリップして尻餅をつき、尖った石もゴロゴロしているが、あまり痛くなかったような柔らかさ、後日痛みが微かに出てくるも、あの餅のような荒野が忘れられなくなる。きなこもちはきなこもちでも、餅自体がきなこ味で、粉は荒野に育つ豆類である。それは涙型のアーモンドなんかに似ている。形はまさに涙で、これが乾いた土地の滴なのである。現地では、この餅にさらに草粉をふったりする。草といっても触ると花のような黄金色を呈する珍しい草で、研究も進んでいないが、誰でもわかるように擬態とは全く違い、触れた者を去らしめずに後戻りさせ「吾在此処」として注意を引く性質である。引っこ抜いて持って帰ると、という言い方はおかしく、この草は抜くとすぐにアルコール発酵を始め、間も無くエステル香を発する。ラム酒に感じる果実香によく似ている。これだけでもたいてい驚くのだが、さらに驚くべきには、発酵すれば糖が失われるであろうのに、なぜなのか甘さが増してくる、そういう分子反応をも呈するのである。この甘さが糖でないことは明らかだが、液状に感じる甘味の露が出たあと、またまた懲りず驚くのであるが、甘味が綿飴状に膨らんで、と思うと矢継ぎ早、透明で真っ白な綿飴が、思い出深く拝借前の色に染まるのである。つまり緑色や黄金色や茶色の綿飴のアフロ、そうもはやこれは綿飴を通り越してアフロとしか言いようがなくなってくる。誰しもそうなるらしいのだが、めくるめく変化に茫然自失していると、ふと、アフロが乳化を始めるではないか。これが手の上の出来事なのだからびっくりし通しで、なんだか金木犀とかバターとか卵とか小麦粉とかでお菓子を作るようなことが、掌で起るのである、文字通り勝手に。この草だけで食うに困らないな、三食これでいいや、と思ってはいけないと現地人は言う。そういう人はどんどん痩せ細って死んでいくそうである。しかしそのように幻想の虜となってしまう旅行者も多いらしい。赤い花が見えるか?と現地人は訊ねる。探してみたがはっきり見えなかった。現地に咲く赤い花にも、これは擬態するらしいが、その赤い花を見たことがない人には見えないらしいのだ。(次の日に赤い花を見に連れて行ってもらった。「高貴な奥方の衣装」という意味の名の花で、たしかに雌蕊を取り巻く花弁が複雑な絹の羽衣のように見え、雌蕊を美人とは言えなかったものの、なんだか記憶の奥底にある、千夜一夜物語に覚える懐かしい絢爛といおうか、素朴な奢侈が印象深いのであった。)赤い花の蜜の匂いはたしかにあった! 太陽が空に溶け出した、満天黄色に変った空の下、人こそ白根、夏はきにけり、葉っぱのメリーゴーランドが、自分を軸にして回るようであった。そう思ってみると、矢継ぎ早に回る速度は緩慢と感じられて、これこそが緩慢とした日常だと思われてくる。これを日常と思ったらいけないのだと現地人は嗜める。それは虜だと。目を覚ませ、といってビンタをしようとするのを、私は笑いながら、花冠をかぶったボクサー気取りで巧みに避けていた。だが現地人の苦い爪が頬を掠ったのだ。私は頽れて地面を舐めた。ほの苦くてとても美味しい地面であった。この地面は花の粉でほとんどが作られているという。なるほど、そうこなくっちゃ、地面が涎に濡れ始めると、ますますコクを増す地面が横たわっていた。気づくのである、現地人は私を守ろうとして、殺すつもりなのだと。(だが次の日、赤い花を見に連れて行ってくれた。)朝、炭で炒った、花の土の朝食が出来たよ、と言われて起こされた。炭の風味に感激して、現地人の家族が全て偽者に思われてきたのである。彼らが朝食にても幻覚じみた昨日の続きを演じていたからである。朝で彼らの主食がわかる。どうやらアーモンド状のあのナッツが主食らしく、朝になってようやくそれをふんだんに食べたのである。炭の風味がアーモンド風の香ばしさを、永住したくなるほどに高めていた。

一昨日も変な芋の夢を見たが、今日は180度ほど違って現地にトリップした。エキゾチック点という評価点があればこちらの方が上を行っている。芋は他国産であれ日本の味に近い。安定度を予測すると、こちらの箱の方が遥かに上であると思う。さすがER、銘柄特有のインパクトは有名銘柄ほどではないものの、当然の如くグロリアクバーナの極上を走っている。喫煙中はモンテクリストとボリバーの極上物の姿も浮かぶ。旅行代としては安すぎるが、芋と違ってあまり日常向きでない。芋なら毎日食べたくなるのだが、しかし指が火傷するだけの価値はある。
|6 3/5 x 48|cigarOne|$15|−1|+1|

 乾いた荒野のような感じと、そこに恵みの雨が降ったような感じが重なっている。乾いた雨がグロリアクバーナのハバナらしさだと思う。景色不明だが、煙なので仕方がない。
 他に、貧しい大地の肥沃な甘味があり、微かに木のエグミ。吸い込みが固いのでエグミも気に障るが、全体的な感触は良好。粉っぽい感触に花粉が混じる。雨が降っても天気雨といったふうで渇きは癒えない。荒野好きには絶好の一本となりそうだが。
 時折甘味も爽やかに草が生える。レイデルムンドも荒野っぽいと思うのだが、違いはいまいちわからない。ただバンドの絵柄も商品の大きさ細さもグロリアクバーナのほうが好き。なのに荒野が嫌いなのか、アタリを引いても+2止まりだと思う。
 バンドもチャーチルではやや不格好で、絵柄もメダーユドールのような細い葉巻に合っていると思う。メダーユドールにこのバンドが巻かれると本当に恰好良い。ただ、味はメダーユドールもタイノスも同じブランドらしく荒野っぽい。
|7.2 x 36|cigarOne|$9|+4|+3|

 薄い葉を柔らかく畳んでありますので、吸口に唇のような弾力がございます。さいしょ酸味が出ますので吃驚なさるでしょう。そうでしょう。すぐに酸味は何所かへ行ってしまいます。流石、ハバナらしさが強めと申しましょうか、コイーバに多少似ているのかもしれません。少しいがらっぽいのもなんの園で、少し花のようでもありますし、木がお小水を漏らしました証拠のように、湯気の、ほんわかとマイルドでありながらも肉厚の旨味は黄色くて日陰が恋しくなるほどです。これでも甘さはかなり控え目にしておりますから、葉っぱのロールステーキの風味をまるごと細長く堪能していただけます。そうなんですの、中程はチョコ風味などともおっしゃいますが、チョコとも全然違いますでしょう。そうそう、アーモンドとも全然違いますでしょう。そうなんです。仰るとおりで、野ざらしの気分も段々無風になってきて粉を置いても飛びません。そのまま木陰で休らっていらっしゃれば、ココアだってなんだって飛びませんですね。乾いた土地柄なので、枯れ葉も燦々と降って参ります。埋もれてしまいます。花からは密ではなくミルクが滴りますでしょう。枯れ木に桃の花でございます。あらもうまるごと、ほんとにあっという間。でもまだまだお吸いなさいませ、新芽が出て参りますから。新芽はほんのりとクリーミーな緑色でございますでしょう。乳臭いややっこでございます。血は争えないと申しますか、すぐ木を含んだようにお漏らしを致しますでしょう。でも命をとりとめようたってもうすぐ死んでしまいますのよ。つまらないものですが、またわたくしに生まさして下さいませ。
|5.9 x 32|cigarOne|$7|0|+1|

 果実感はないのだが、常に甘味がジューシーに出る。ジュージューと出るのである。葉には若干刺があり、乾いた味わいは濡れてもハバナだけれど、この砂塵は色が良くても薄い。ドローが悪く、煙量も少ないからかもしれない。その分爽やかというと違って、爽やかさとなると煙に汚されている。風は強く砂も分厚く舞いそうなものなのに、砂は目に入るばかりで、渋みが出ているのが少し口にも砂が入ったみたいで辛いが、相変わらず甘い。少し獣臭さも出ている。下手な風景画か、汚れた風景画のような味わい。最後に砂のレイヤーをかける段になって失敗してしまったのである。はじめからいちいち描き込めば良かったのに、レイヤーを塗りたくってぐだぐだにしてしまったのである。美味しくないものを太く感じるというのは本当のようで、これだけ細くても木偶の坊だった。
 たぶん吸い込みの悪さで全部が台無しになっている。吸い込みが悪い場合に特有の早めのシケモク感もあった。でも後になって思うと古びたジャズのレコードのような良さもあった。お店の方で寝かせすぎたのではないだろうか。

 何に関係があるのかわからない意見だが、キューバもののほうがバンドがレトロで恰好良いし、熟成させてバンドもが古びるとこのバンドの恰好よさは歴然とする。

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