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|seriouscigars|$12.80|2012/11/23|
|—|6 1/4 x 60|24.79g|香:2.6~3.4 ave3.1|残0|
着火前の香りは旨味が濃く、野菜入の出汁パックのようなフォンドボーを煮詰めたようなコンソメのような
着火して拍子抜けな無味が続き1センチ進む頃に味が乗る
葉らしい味がはっきりしないがそれも経年の賜物らしい複雑な曖昧美に溶けている。草花もお菓子も曖昧
手に負えない強さは枯淡へ和らぎやや草が優勢の香味だが安定の葉巻感と甘いような焼きたてのフィナンシェの美味しさがありそれから着火前ほどではないながらフォンドボーの複雑な旨味が続く
大きな変化なく出涸らしの渋みが増し十センチ近く残して終
片燃えもしていたしパンチカットだったのをフラットカットヘリカットすればいまいち奮わないのが治ったかと気づくがもう時遅し水道で消火した
八年ぐらい寝かせていた気がするも実際六年であり六年は六年で勿体ないことをしたとも思うがはたしてもう二年熟成させたりフラットカットしたりもうちょっと巧く保管したりで更に美味しく変るかは甚だ怪しいもののまた既に潰えたりと雖も希望的観測あり特にこんなフォンドボーはこれまでに味わった記憶がない
|—|6 1/4 x 60|24.79g|香:2.6~3.4 ave3.1|残0|
着火前の香りは旨味が濃く、野菜入の出汁パックのようなフォンドボーを煮詰めたようなコンソメのような
着火して拍子抜けな無味が続き1センチ進む頃に味が乗る
葉らしい味がはっきりしないがそれも経年の賜物らしい複雑な曖昧美に溶けている。草花もお菓子も曖昧
手に負えない強さは枯淡へ和らぎやや草が優勢の香味だが安定の葉巻感と甘いような焼きたてのフィナンシェの美味しさがありそれから着火前ほどではないながらフォンドボーの複雑な旨味が続く
大きな変化なく出涸らしの渋みが増し十センチ近く残して終
片燃えもしていたしパンチカットだったのをフラットカットヘリカットすればいまいち奮わないのが治ったかと気づくがもう時遅し水道で消火した
八年ぐらい寝かせていた気がするも実際六年であり六年は六年で勿体ないことをしたとも思うがはたしてもう二年熟成させたりフラットカットしたりもうちょっと巧く保管したりで更に美味しく変るかは甚だ怪しいもののまた既に潰えたりと雖も希望的観測あり特にこんなフォンドボーはこれまでに味わった記憶がない
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|7" x 52|seriouscigars|$18.57|重量:+2(23.58g)|算出:+5|香味:+4|計11点|
2012年11月購入
強さに恐れをなして五年以上寝かせた。五年程度では逆に強まる物もあるのかもしれないけれど、少しは弱くなったようだった。
湿ったシナモンの芳醇さがあるのだが、そこはやはりマデューロらしくーーさらに黒いオスクーロらしくーー乾いた藁の懐かしいつまらなさを伴っている。
全体はハバナっぽいバランスで、ハバナの味はほとんどしないが、なによりまず変な味がない。花が楚々と吹いたり、甘さも仄かで、花の種類や甘味の種類、質が上品に感じられる。それが、想定外に濃密さを増していく。
なるほど、ここからはその蜜がどこまで濃くなるのかという興味である。
はやくもロイヤルサロモネス並みに濃くなる。しかし糖蜜の濃縮は次第に豊かに散る金木犀へ昇華され、ある境から濃縮されなくなる。その分、花がものすごい。境の濃さは維持しつつ。
この持続もすごく、序盤からほぼこうなって、メリハリなしに中盤の終りまで変らない。
終盤は流石に衰えて焦げの風味が出る。もっとももうたくさんで、根元まで美味しいというものを期待する気分はなくなっている。焦げと言って不味くなりすぎるようにもならず中盤の風味が盛り返す執拗さもある。
全体の印象は堅い。持った感じも異様に重くて物理的にも堅いし、味はカーブもホップもしない豪速球が巨大な金木犀の木に投げつけられたふうだし、黒い鋼みたいである。
依然猛者向きだが、慣れていない人でも美味しさを感じられはするかもしれない。
5年前の同一銘柄のマデューロの記事を読むと、このオスクーロもほぼ同じようなものだったことがわかる。それはそうと、昔は随分真面目に味を記述していた、どうしてか5年後にはそのような執拗さの意気が消沈している。
2012年11月購入
強さに恐れをなして五年以上寝かせた。五年程度では逆に強まる物もあるのかもしれないけれど、少しは弱くなったようだった。
湿ったシナモンの芳醇さがあるのだが、そこはやはりマデューロらしくーーさらに黒いオスクーロらしくーー乾いた藁の懐かしいつまらなさを伴っている。
全体はハバナっぽいバランスで、ハバナの味はほとんどしないが、なによりまず変な味がない。花が楚々と吹いたり、甘さも仄かで、花の種類や甘味の種類、質が上品に感じられる。それが、想定外に濃密さを増していく。
なるほど、ここからはその蜜がどこまで濃くなるのかという興味である。
はやくもロイヤルサロモネス並みに濃くなる。しかし糖蜜の濃縮は次第に豊かに散る金木犀へ昇華され、ある境から濃縮されなくなる。その分、花がものすごい。境の濃さは維持しつつ。
この持続もすごく、序盤からほぼこうなって、メリハリなしに中盤の終りまで変らない。
終盤は流石に衰えて焦げの風味が出る。もっとももうたくさんで、根元まで美味しいというものを期待する気分はなくなっている。焦げと言って不味くなりすぎるようにもならず中盤の風味が盛り返す執拗さもある。
全体の印象は堅い。持った感じも異様に重くて物理的にも堅いし、味はカーブもホップもしない豪速球が巨大な金木犀の木に投げつけられたふうだし、黒い鋼みたいである。
依然猛者向きだが、慣れていない人でも美味しさを感じられはするかもしれない。
5年前の同一銘柄のマデューロの記事を読むと、このオスクーロもほぼ同じようなものだったことがわかる。それはそうと、昔は随分真面目に味を記述していた、どうしてか5年後にはそのような執拗さの意気が消沈している。
|7" x 52|seriouscigars|$18.57|重量:+2(22.86g)|算出:+5|香味:+4|
臭いはほぼ消えている。黒ずみに閉ざされていると云った方が良いようだ。
ナチュラルとオスクーロを買ったが、このスモールバッチと名付けられた葉巻はナチュラルにしてマデューロよりも黒い。もう一つのオスクーロの方は更に黒くほとんど漆黒である。このナチュラルは黒みの底から赤みが兆しているラッパーが美しい。大きさもかなりの物だが、密度が高く、重量がAよりも重い、過去最高だと思う。
こんな外観だから当然びびっていたものの、最初は優しい、懐かしい良い味がする。ダビドフプーロドーロにかなり似ている。甘く、お菓子のようで、シナモンの風味がしっかりしている。
安っぽい藁ではないが、そのような朗らかな風味がチョコに巻かれたようにあり、朗らかなのに、リットーゴメスらしい高尚な強烈さを其処に潜ませているようで怖い。それにしてもとんでもなく美味しい物である。ダビドフよりも安定しているし、最後まで吸い切れれば非の打ち所がない銘柄で、他に類を見ない味わいがある。というか、他のリットーゴメスと異なり、これはダビドフのプーロドーロに似ているのだが。
チョコは、何となくベネズエラ産(語感で選んだ)の、香高い、それでいて酸味の幽かな、珈琲でいえばマンデリンのような苦いチョコである。もっともチョコの香というより、この葉巻を吸っていると咽の状態がチョコを食べた後のような感じになってくる。チョコっぽく淹れた珈琲を飲んでいる所為もあるか。
こんな事を書いているとやっぱりクッキーが出てくるのである。中身は明るく、通常のリットーゴメスよりも柔らかくふわふわしている。マデューロの染み臭い感じもほぼ無く、絶品の甘いマデューロである。
何処が葉巻で何処が珈琲なのか境界線がぼやけたような、珈琲と同化してしまうような相性の良さがある。クッキーも珈琲に合う。
巻きも良く、火種が安定している為、灰の縞模様までもが美しい。
おそるおそる吸っている為か、煙量は少なく、少なくても十分濃い。静かで高貴、甘くふわふわして、懐かしくないポルトガル時代のスパイシーさをも感じる。
箱は105本入りなので買いたい気も起こらないが、5本ぐらいは購入して秘蔵にしたい。……
中盤に入ると甘いままに金木犀が匂い立つ。それがまた濃くもささやかである。すぐに木と紙の風味になる。それから間もなく衰えが兆し始める。
早くもニコチン酔いとなり、酔いと重なって衰えを早く感じてしまったが、また美味しさが復活するよう。
中盤までは安定感が高すぎて、ほとんど味の変化もなく美味しい。灰を落とした直後に茨味を幽かに感じると云う、お手本のような葉巻である。
今回のリットーゴメスでもまた身体が葉巻に負けた。類稀な美味だが、やはり強者向けなのだろう。
臭いはほぼ消えている。黒ずみに閉ざされていると云った方が良いようだ。
ナチュラルとオスクーロを買ったが、このスモールバッチと名付けられた葉巻はナチュラルにしてマデューロよりも黒い。もう一つのオスクーロの方は更に黒くほとんど漆黒である。このナチュラルは黒みの底から赤みが兆しているラッパーが美しい。大きさもかなりの物だが、密度が高く、重量がAよりも重い、過去最高だと思う。
こんな外観だから当然びびっていたものの、最初は優しい、懐かしい良い味がする。ダビドフプーロドーロにかなり似ている。甘く、お菓子のようで、シナモンの風味がしっかりしている。
安っぽい藁ではないが、そのような朗らかな風味がチョコに巻かれたようにあり、朗らかなのに、リットーゴメスらしい高尚な強烈さを其処に潜ませているようで怖い。それにしてもとんでもなく美味しい物である。ダビドフよりも安定しているし、最後まで吸い切れれば非の打ち所がない銘柄で、他に類を見ない味わいがある。というか、他のリットーゴメスと異なり、これはダビドフのプーロドーロに似ているのだが。
チョコは、何となくベネズエラ産(語感で選んだ)の、香高い、それでいて酸味の幽かな、珈琲でいえばマンデリンのような苦いチョコである。もっともチョコの香というより、この葉巻を吸っていると咽の状態がチョコを食べた後のような感じになってくる。チョコっぽく淹れた珈琲を飲んでいる所為もあるか。
こんな事を書いているとやっぱりクッキーが出てくるのである。中身は明るく、通常のリットーゴメスよりも柔らかくふわふわしている。マデューロの染み臭い感じもほぼ無く、絶品の甘いマデューロである。
何処が葉巻で何処が珈琲なのか境界線がぼやけたような、珈琲と同化してしまうような相性の良さがある。クッキーも珈琲に合う。
巻きも良く、火種が安定している為、灰の縞模様までもが美しい。
おそるおそる吸っている為か、煙量は少なく、少なくても十分濃い。静かで高貴、甘くふわふわして、懐かしくないポルトガル時代のスパイシーさをも感じる。
箱は105本入りなので買いたい気も起こらないが、5本ぐらいは購入して秘蔵にしたい。……
中盤に入ると甘いままに金木犀が匂い立つ。それがまた濃くもささやかである。すぐに木と紙の風味になる。それから間もなく衰えが兆し始める。
早くもニコチン酔いとなり、酔いと重なって衰えを早く感じてしまったが、また美味しさが復活するよう。
中盤までは安定感が高すぎて、ほとんど味の変化もなく美味しい。灰を落とした直後に茨味を幽かに感じると云う、お手本のような葉巻である。
今回のリットーゴメスでもまた身体が葉巻に負けた。類稀な美味だが、やはり強者向けなのだろう。
|7 1/2 × 39|seriouscigars|$11.00/|重量:0(11.56g)|算出:+4|香味:+3|
着火前は佃煮のよう。
着火するとそのまま佃煮から醤油の塩味が滲み出てくる。素材としての葉の旨味が当然にしてある。すると鮎の塩焼きが焼かれるのを見詰めているような、焼かれて塩と鮎の淡白な旨味とが合体するような感じにも思えてくる。鮎ではなく葉であり、この意味ではいかにもハバナっぽいのだが、鼻につんと来る強さ等は明らかにハバナではないのである。
灰を一度落とす頃には強烈だった煙が軽みを得て花も匂い出す。一瞬木質の軽みになってモンテクリストエスペシャル(不甲斐無い箱の物)と同じ味がした。
パドロン等は全くハバナに似つかない物だが、ドミニカ物はハバナに似せる事でハバナを超える、というタイプに思える。強弱がまるで反転しているもののダビドフの面影があるというか。巻きが歪だしダビドフほどの高級品のつもりはないのかもしれない。
一旦軽くなったが、もの凄く香ばしい。焼けたような香ばしさなのに、焦げの味が一切しない、優しい黄土色を保っている。優しさがつらい。そして塩の錯覚が凄い。淡いようなのに味が濃い。塩味が濃いから風味が淡く感じられるのかもしれない、どちらだろう、まるで本当に鮎の香草焼きのようである。細いので灰をポンポン5回も落とした頃に、さすがランセロというべきか、濃淡の変化が凄い。
初めて途中でダウンした(半分も残っている)。大トロなら兎も角、鮎でダウンするというおかしな感覚である。十年ぐらい寝かさなければ吸いきれないかもしれない。全く以て美味な物であり、ランセロのオチョボ感も素敵なのに、身体が負けた。しかも空きっ腹ではなかった(和食だったが)。
三時間ほど於いてシケモクを吸ったが、全然駄目な物に変わり果てていた。
Litto Gomezは現在他に4本持っているが、着火を躊躇う。ステーキランチを無理矢理鱈腹食した後などを狙わなければならないかもしれない。完敗したのに美味だった。
着火前は佃煮のよう。
着火するとそのまま佃煮から醤油の塩味が滲み出てくる。素材としての葉の旨味が当然にしてある。すると鮎の塩焼きが焼かれるのを見詰めているような、焼かれて塩と鮎の淡白な旨味とが合体するような感じにも思えてくる。鮎ではなく葉であり、この意味ではいかにもハバナっぽいのだが、鼻につんと来る強さ等は明らかにハバナではないのである。
灰を一度落とす頃には強烈だった煙が軽みを得て花も匂い出す。一瞬木質の軽みになってモンテクリストエスペシャル(不甲斐無い箱の物)と同じ味がした。
パドロン等は全くハバナに似つかない物だが、ドミニカ物はハバナに似せる事でハバナを超える、というタイプに思える。強弱がまるで反転しているもののダビドフの面影があるというか。巻きが歪だしダビドフほどの高級品のつもりはないのかもしれない。
一旦軽くなったが、もの凄く香ばしい。焼けたような香ばしさなのに、焦げの味が一切しない、優しい黄土色を保っている。優しさがつらい。そして塩の錯覚が凄い。淡いようなのに味が濃い。塩味が濃いから風味が淡く感じられるのかもしれない、どちらだろう、まるで本当に鮎の香草焼きのようである。細いので灰をポンポン5回も落とした頃に、さすがランセロというべきか、濃淡の変化が凄い。
初めて途中でダウンした(半分も残っている)。大トロなら兎も角、鮎でダウンするというおかしな感覚である。十年ぐらい寝かさなければ吸いきれないかもしれない。全く以て美味な物であり、ランセロのオチョボ感も素敵なのに、身体が負けた。しかも空きっ腹ではなかった(和食だったが)。
三時間ほど於いてシケモクを吸ったが、全然駄目な物に変わり果てていた。
Litto Gomezは現在他に4本持っているが、着火を躊躇う。ステーキランチを無理矢理鱈腹食した後などを狙わなければならないかもしれない。完敗したのに美味だった。
|5 3/4 x 46|AtlanticCigar|$10.25|+4|+3|
二本目。前回の味はほとんど憶えておらず、記述を読み返してもまったく参考にならない。ただ巻きは硬く、吸い込みもみっちりしている。ラッパーは薄くない。
香り高いタバコのような、キャビンを空吸いしている時のような気高い香りがする(キャビンは気高くないが、そんな感じがする)。火を点けているのに空吸いしているような品のある香りがするのである。さすが葉巻。
喫感は全然違うが、香り高さによってコイーバを思い出す。ほんの僅かにコイーバ風味が隠れているのかもしれない。どことなくシガリロっぽさを残したような強さと辛さがあって心地好い。苦味や強さや辛味はあるのに雑味はない。モンテクリストエスペシャルNo2にも少しだけ似ている。
Cubanoとはかなり違っている。Cubanoほど木っぽくなく、もっと高い葉っぽさがあって、苦味も高級煎茶の苦味に似ているようだし、花には高山の中国茶を匂わすふうもある。
黄金の焼芋のような甘味や旨味もしっかり出ていて、やっぱり『キャビンの最高級品』を吸っているような感じになる。焼芋をキャビンで燻製したというか。
他の葉巻とは別種というか、あるいはこれぞ葉巻というべきか。つくづく美味しい葉を吸っているのだなぁと思って、何の景色も浮かばない。
こちらの方が輪郭っぽくビビッドだけれど、オーパスⅩに近い柔らかい風味もある。オーパスⅩの絶頂はまろやかタイ風ココナッツカレーだったけれど、こちらは栗のみのお粥のような柔らかく旨い芳香。栗の落雁のような。輪郭は樫樽で、樫樽貯蔵の芋焼酎のような感じもあるかもしれない。
変化もかなりのもので、良くも悪くも中盤以降には炭酸めいた酸味が加わる。煙らしからぬ美味感だったのが、かなり煙っぽくなる。それでもキャビン風の香りは損なわれない。揮発性の木に近づきもするのだが、嫌味は出ず、煙量は多くないのに色々なモノがよく燃えている。
三口に一口ほどのペースで香りに浮遊感のある旨味が加わって恍惚とする。芋と花との結婚式のシャンペンのような。それでいて非常に葉っぽく、結局結婚式の料理が落葉で焼いた焼芋になる。秋から冬にかけての味覚だと思う。事実との相違が甚だしいけれど、日本人が日本で作った葉巻があればきっとこんな味がする。だからどうして「アメリカーノ」と命名されているのか変な感じがする。ジャパニーズ・ウヰスキーのような。
芋、栗、とくれば、洋菓子の南瓜っぽいところもあったかもしれない。スパイスもそういうお菓子に振りかけられているような風情だった。終盤、木のエグ味がなくはない。最終盤で旨味が炸裂するような事もない。
強さはミディアム強に感じられたが、しまいには喉にぐっとりと来る強さがある。箱で欲しい。
二本目。前回の味はほとんど憶えておらず、記述を読み返してもまったく参考にならない。ただ巻きは硬く、吸い込みもみっちりしている。ラッパーは薄くない。
香り高いタバコのような、キャビンを空吸いしている時のような気高い香りがする(キャビンは気高くないが、そんな感じがする)。火を点けているのに空吸いしているような品のある香りがするのである。さすが葉巻。
喫感は全然違うが、香り高さによってコイーバを思い出す。ほんの僅かにコイーバ風味が隠れているのかもしれない。どことなくシガリロっぽさを残したような強さと辛さがあって心地好い。苦味や強さや辛味はあるのに雑味はない。モンテクリストエスペシャルNo2にも少しだけ似ている。
Cubanoとはかなり違っている。Cubanoほど木っぽくなく、もっと高い葉っぽさがあって、苦味も高級煎茶の苦味に似ているようだし、花には高山の中国茶を匂わすふうもある。
黄金の焼芋のような甘味や旨味もしっかり出ていて、やっぱり『キャビンの最高級品』を吸っているような感じになる。焼芋をキャビンで燻製したというか。
他の葉巻とは別種というか、あるいはこれぞ葉巻というべきか。つくづく美味しい葉を吸っているのだなぁと思って、何の景色も浮かばない。
こちらの方が輪郭っぽくビビッドだけれど、オーパスⅩに近い柔らかい風味もある。オーパスⅩの絶頂はまろやかタイ風ココナッツカレーだったけれど、こちらは栗のみのお粥のような柔らかく旨い芳香。栗の落雁のような。輪郭は樫樽で、樫樽貯蔵の芋焼酎のような感じもあるかもしれない。
変化もかなりのもので、良くも悪くも中盤以降には炭酸めいた酸味が加わる。煙らしからぬ美味感だったのが、かなり煙っぽくなる。それでもキャビン風の香りは損なわれない。揮発性の木に近づきもするのだが、嫌味は出ず、煙量は多くないのに色々なモノがよく燃えている。
三口に一口ほどのペースで香りに浮遊感のある旨味が加わって恍惚とする。芋と花との結婚式のシャンペンのような。それでいて非常に葉っぽく、結局結婚式の料理が落葉で焼いた焼芋になる。秋から冬にかけての味覚だと思う。事実との相違が甚だしいけれど、日本人が日本で作った葉巻があればきっとこんな味がする。だからどうして「アメリカーノ」と命名されているのか変な感じがする。ジャパニーズ・ウヰスキーのような。
芋、栗、とくれば、洋菓子の南瓜っぽいところもあったかもしれない。スパイスもそういうお菓子に振りかけられているような風情だった。終盤、木のエグ味がなくはない。最終盤で旨味が炸裂するような事もない。
強さはミディアム強に感じられたが、しまいには喉にぐっとりと来る強さがある。箱で欲しい。
|5 x 50|AtlanticCigar|$10.25|+4|+3|
不勉強なのでリットー・ゴメスとラ・フロール・ドミニカーナの関係がわからない。
空吸いしているとヒンズーめいたスパイス。
着火すると一口で美味しいものだとわかる。同オリエンタルより断然優しく、美味感も増している。しかもカチッとした味がある。「まったく嫌味の無い木」が甘い。優しいがボディは軽くなく、辛味がないのに辛く感じるような強さがある。「単なる強さ」はなく、ハーブ系のトーンが心地好い。「ハーブ系のトーン」ってなんだろう、こんな言葉を使って恥ずかしいはずなのに、恥ずかしくない。恥ずかしがっているとハーブが着火前のヒンズーめいたスパイスに変化してくる。
結構タバコっぽいそっけなさもあるのだが、甘くて嫌味のない木が相変わらず美味しい。全体はなめらかなフルボディというか、飲み込んでみたらミディアムぐらいしかない。思いのほか安心できる喫感が続いている。強さはオリエンタルに注ぐらしく、キュバーノはかなり優しく仕上がっているものらしい。
花は木を消さずに木の養分で甘く咲いている。ハバナとは完全に別種の美味しさで、火種から磯焼きの香が漂うのが意外だった。鼻に抜ける香が微かに磯っぽいかもしれない。
好きなサイズではないつもりなのだが、ロブストはやはり葉巻サイズの傑作だと思う。分かりやすく、外れにくく、程よく終わって、腹九分目のような、ほんの一服ほどの物足りなさを残す。ブレンドしやすいサイズなのだろうか。ラギート2と良い対のような。というのもダビドフno.2に似たとっつきやすさと変化があるのだが、最終盤だけが特に似ていて、軽いまま、ピリリとスパイシーで花めいて芳醇になるのである。この葉巻はダビドフよりは断然重い木だが、最終盤こそ取っ付きやすく、段々軽くなる印象さえある。
Litto Gomez Diezといえばルシターノらしいのだが、ルシターノはなかなか入手できず、入手しなくても良いようで、キュバーノとアメリカーノで良くも悪くも充足してしまいそう。こってりせず、爽やかでさえあるのに甘くて、はっきりとした香味があるが、濃厚ではなく木っぽい。こんなに甘い木は食べたことがなくて、甘さは控えめ。
私にとってキューバモノでサンクリストバルは落し穴なのだが、サンクリストバルがロブストでのみ落し穴を埋めるものを作ったという感じがしなくない。サンクリストバルに向かわせてはリットーゴメスに失礼なのだが、葉巻なんて自分勝手なものなのさ。自分勝手こそ葉巻の思う壺、思ってもみないほど思う壺、タコ壺らしい住み心地の良さがある。
Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Dominican Sungrown Habano
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
不勉強なのでリットー・ゴメスとラ・フロール・ドミニカーナの関係がわからない。
空吸いしているとヒンズーめいたスパイス。
着火すると一口で美味しいものだとわかる。同オリエンタルより断然優しく、美味感も増している。しかもカチッとした味がある。「まったく嫌味の無い木」が甘い。優しいがボディは軽くなく、辛味がないのに辛く感じるような強さがある。「単なる強さ」はなく、ハーブ系のトーンが心地好い。「ハーブ系のトーン」ってなんだろう、こんな言葉を使って恥ずかしいはずなのに、恥ずかしくない。恥ずかしがっているとハーブが着火前のヒンズーめいたスパイスに変化してくる。
結構タバコっぽいそっけなさもあるのだが、甘くて嫌味のない木が相変わらず美味しい。全体はなめらかなフルボディというか、飲み込んでみたらミディアムぐらいしかない。思いのほか安心できる喫感が続いている。強さはオリエンタルに注ぐらしく、キュバーノはかなり優しく仕上がっているものらしい。
花は木を消さずに木の養分で甘く咲いている。ハバナとは完全に別種の美味しさで、火種から磯焼きの香が漂うのが意外だった。鼻に抜ける香が微かに磯っぽいかもしれない。
好きなサイズではないつもりなのだが、ロブストはやはり葉巻サイズの傑作だと思う。分かりやすく、外れにくく、程よく終わって、腹九分目のような、ほんの一服ほどの物足りなさを残す。ブレンドしやすいサイズなのだろうか。ラギート2と良い対のような。というのもダビドフno.2に似たとっつきやすさと変化があるのだが、最終盤だけが特に似ていて、軽いまま、ピリリとスパイシーで花めいて芳醇になるのである。この葉巻はダビドフよりは断然重い木だが、最終盤こそ取っ付きやすく、段々軽くなる印象さえある。
Litto Gomez Diezといえばルシターノらしいのだが、ルシターノはなかなか入手できず、入手しなくても良いようで、キュバーノとアメリカーノで良くも悪くも充足してしまいそう。こってりせず、爽やかでさえあるのに甘くて、はっきりとした香味があるが、濃厚ではなく木っぽい。こんなに甘い木は食べたことがなくて、甘さは控えめ。
私にとってキューバモノでサンクリストバルは落し穴なのだが、サンクリストバルがロブストでのみ落し穴を埋めるものを作ったという感じがしなくない。サンクリストバルに向かわせてはリットーゴメスに失礼なのだが、葉巻なんて自分勝手なものなのさ。自分勝手こそ葉巻の思う壺、思ってもみないほど思う壺、タコ壺らしい住み心地の良さがある。
Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Dominican Sungrown Habano
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
|4.87 x 38|AtlanticCigar|$8.15|0|+1|
吸い込みは固めだが、葉がぎりぎりまで詰っている贅沢な感じがある。
前半は辛味というかエグ味というか、持ち前の荒さのようなものが目立つ。後半は強さを維持したまま少し滑らかになる。
たぶんこれは木なのだが、けっこう独特な木で、白くて優雅な大輪の花が咲く。
香味は葉巻らしい香木系で、コクよりも強さと香りで押すような。甘味も薄い。前半の強面の所為もあるかもしれないが、ちびちびとパイプのように燻らせたくなる感じ。
オーパスⅩやダビドフのようなソフト感はないけれど、間違いなく美味。雰囲気がウィンストンチャーチルに近いというか。終盤は甘さとナッツ感が増してハバナ風味の赤土色の香木になる。
結構ちびちびとやっていたのに、咽にぐっとりと来る強さがある。一緒に飲んでいる紅茶までもが咽につらく当たる、フルらしいフル。
Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Dominican Sungrown Habano
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
吸い込みは固めだが、葉がぎりぎりまで詰っている贅沢な感じがある。
前半は辛味というかエグ味というか、持ち前の荒さのようなものが目立つ。後半は強さを維持したまま少し滑らかになる。
たぶんこれは木なのだが、けっこう独特な木で、白くて優雅な大輪の花が咲く。
香味は葉巻らしい香木系で、コクよりも強さと香りで押すような。甘味も薄い。前半の強面の所為もあるかもしれないが、ちびちびとパイプのように燻らせたくなる感じ。
オーパスⅩやダビドフのようなソフト感はないけれど、間違いなく美味。雰囲気がウィンストンチャーチルに近いというか。終盤は甘さとナッツ感が増してハバナ風味の赤土色の香木になる。
結構ちびちびとやっていたのに、咽にぐっとりと来る強さがある。一緒に飲んでいる紅茶までもが咽につらく当たる、フルらしいフル。
Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Dominican Sungrown Habano
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
|5 3/4 x 46|Famous Smoke|$10.26|+4|+3|
手に取ると密度感があって重い。指触りも重さの所為かしっとりしている気がする。細いが、イカめしのように張り切っている。ラッパーはそれでも薄そうだが、密着して剥がれる気配がない。本当に湿っているのか火が点きにくい。
始めはかなり辛い。始めから甘い草が辛い。吸い込みはタイトだがこれも絶妙で、引き締まっているという感じがして難がない。弁解するのだが、「これは」ではなく「これも」というほど美味しくて、はじめから何が「も」なのかというと凡そ次のとおり。味も濃く、他に何が濃いのかもわからないのだが、フルボディかもとも思ったが、紙巻きの要領で吸い込んでみると驚くほど咽越しが良いも、力強いのに滑らかで優しい。少し進むと木質の香りも出てくる。全然違うに決まっているのだがシャルトリューズを思もい出した。草が甘もいというだけでそうなのだからどちらも相当草もが甘いのだろう。他に草が甘いなんてものは存在しないのだろう。木もクリーミーさもないのに柔らかい。序盤の終わり頃、少しレモンサイダーの風味。酸味というか炭酸感が爽やかというか刺激的というか、そんなものが出てきても美味しいまま。飽きないほど美味しかったのに、殊更に飽きさせない料亭のような妄執した気配りである。あんまり美味しいので殿様のような気持ちになっているのだろうが、気配りを感じるぐらいだから殿様ではないのだろう。中盤も中程になると木に焦げ目が入ってくる。その時に樹液が沸くようでこれまた美味しい。昆虫の気分というのはこんなのだろう。
美味しいのを作ろうと考えれば作れるという証明のような味わいで、特徴はなく、平凡な枠の中で極限まで旨味を凝縮したような。誰が何を平凡とするかはわからないけれど、たとえばフエンテのヘミングウェイのように海が焼けるというのは五千年前の話だし、コイーバがコイーバだとわかる岩味や、ダビドフのうすら茶色い白さなどがない。どちらかといえば不味かった葉巻群に似ているのである。
中盤の終わり頃に再び吸い込んでみたら噎せた。フルボディに近くなっている。若干いがらっぽくなっているが、ほとんど勘違いで、依然美味しいまま優しさはあまり失われていない。ただ中盤以前ほど美味しくはない。
終盤に入ると栗林に踏み込んだ風情に、栗林は霧深いのに、乾いて染みた木の味わいがする。雑味は強まっていず、まだ甘さが長引いている。草叢はなりを潜めて、散らした香草のように乾いている。風はない。それがどんよりと旨味を停滞させているのである。旨いからこそ無風に感じるのだが、上にや下にや風が吹かないのである。次第に旨さの所為でつらくなってくる。家出に似て、こういう旨さはこれ以上は要らないと思わせるぐらい旨い。かと思えば残り6センチほどで葉巻の生気が失せていた。丁度良い頃合い。その後、煎茶をカブ飲みした。
手に取ると密度感があって重い。指触りも重さの所為かしっとりしている気がする。細いが、イカめしのように張り切っている。ラッパーはそれでも薄そうだが、密着して剥がれる気配がない。本当に湿っているのか火が点きにくい。
始めはかなり辛い。始めから甘い草が辛い。吸い込みはタイトだがこれも絶妙で、引き締まっているという感じがして難がない。弁解するのだが、「これは」ではなく「これも」というほど美味しくて、はじめから何が「も」なのかというと凡そ次のとおり。味も濃く、他に何が濃いのかもわからないのだが、フルボディかもとも思ったが、紙巻きの要領で吸い込んでみると驚くほど咽越しが良いも、力強いのに滑らかで優しい。少し進むと木質の香りも出てくる。全然違うに決まっているのだがシャルトリューズを思もい出した。草が甘もいというだけでそうなのだからどちらも相当草もが甘いのだろう。他に草が甘いなんてものは存在しないのだろう。木もクリーミーさもないのに柔らかい。序盤の終わり頃、少しレモンサイダーの風味。酸味というか炭酸感が爽やかというか刺激的というか、そんなものが出てきても美味しいまま。飽きないほど美味しかったのに、殊更に飽きさせない料亭のような妄執した気配りである。あんまり美味しいので殿様のような気持ちになっているのだろうが、気配りを感じるぐらいだから殿様ではないのだろう。中盤も中程になると木に焦げ目が入ってくる。その時に樹液が沸くようでこれまた美味しい。昆虫の気分というのはこんなのだろう。
美味しいのを作ろうと考えれば作れるという証明のような味わいで、特徴はなく、平凡な枠の中で極限まで旨味を凝縮したような。誰が何を平凡とするかはわからないけれど、たとえばフエンテのヘミングウェイのように海が焼けるというのは五千年前の話だし、コイーバがコイーバだとわかる岩味や、ダビドフのうすら茶色い白さなどがない。どちらかといえば不味かった葉巻群に似ているのである。
中盤の終わり頃に再び吸い込んでみたら噎せた。フルボディに近くなっている。若干いがらっぽくなっているが、ほとんど勘違いで、依然美味しいまま優しさはあまり失われていない。ただ中盤以前ほど美味しくはない。
終盤に入ると栗林に踏み込んだ風情に、栗林は霧深いのに、乾いて染みた木の味わいがする。雑味は強まっていず、まだ甘さが長引いている。草叢はなりを潜めて、散らした香草のように乾いている。風はない。それがどんよりと旨味を停滞させているのである。旨いからこそ無風に感じるのだが、上にや下にや風が吹かないのである。次第に旨さの所為でつらくなってくる。家出に似て、こういう旨さはこれ以上は要らないと思わせるぐらい旨い。かと思えば残り6センチほどで葉巻の生気が失せていた。丁度良い頃合い。その後、煎茶をカブ飲みした。
銘
囹
月