×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
|5 × 50|seriouscigars|$6.50/|重量:0(11.28g)|算出:+1|香味:+1|
いつから目利きになったのか、さすがにラッパーが美しくなく、空吸いしていると妙に牧草を喰っている牛の気分になる。
美味しいというのではないが、着火すると印象は一変する。辛い。草と香水が最初から響いている。辛味に痺れている為に痺れからそのような音が発せられているかのようである。この辛さに負けると味も何もないが、よくよく吟味すると葉巻らしい葉の風味も少しあるし、それが僅かにチョコ状である気がしなくもなく、甘味もなくはない。
もともとこの赤ラベルには佳い想い出がないのだが、妙に期待させる味ではあった。Angelesは5本とも強すぎ、Victoriasは5本とも過去最高のドロー難だった。妙に期待させるのはVictoriasだったが、ほぼ全部が穴のない棒を吸っているようなものだった。悪い想い出が購買意欲をそそるのは、葉巻を始めた当初の元気さを思い出すからか。
過去のレビューを読んでいると「菊」とある。確かに菊もある。それが草っぽい蜂蜜を水で薄めたような感じにもなり、辛味が落ち着くと土状のコクも出てくる。纏まりというか、「これが葉巻か」と初心者に感動的にいわしめるハバナ感が微塵もないぐらいだが、中盤に入ると木犀も咲いてくる。だが欠落が鳴り止む事はない。
予想価格としては200円である。
予想価格というのは実に初心に返り、紙巻煙草しか知らない時点に立って、紙巻と比べての評価である。これなら紙巻10本ぐらいの価値があるだろうと誰しも思うだろう。それからしばらくしてダビドフNo.2の当りを引き、1万円以上の感覚、その後の粉塵に見舞われたのである。筆者の場合、tatuajeよりも先にダビドフに当ったのだけれど。
いつから目利きになったのか、さすがにラッパーが美しくなく、空吸いしていると妙に牧草を喰っている牛の気分になる。
美味しいというのではないが、着火すると印象は一変する。辛い。草と香水が最初から響いている。辛味に痺れている為に痺れからそのような音が発せられているかのようである。この辛さに負けると味も何もないが、よくよく吟味すると葉巻らしい葉の風味も少しあるし、それが僅かにチョコ状である気がしなくもなく、甘味もなくはない。
もともとこの赤ラベルには佳い想い出がないのだが、妙に期待させる味ではあった。Angelesは5本とも強すぎ、Victoriasは5本とも過去最高のドロー難だった。妙に期待させるのはVictoriasだったが、ほぼ全部が穴のない棒を吸っているようなものだった。悪い想い出が購買意欲をそそるのは、葉巻を始めた当初の元気さを思い出すからか。
過去のレビューを読んでいると「菊」とある。確かに菊もある。それが草っぽい蜂蜜を水で薄めたような感じにもなり、辛味が落ち着くと土状のコクも出てくる。纏まりというか、「これが葉巻か」と初心者に感動的にいわしめるハバナ感が微塵もないぐらいだが、中盤に入ると木犀も咲いてくる。だが欠落が鳴り止む事はない。
予想価格としては200円である。
予想価格というのは実に初心に返り、紙巻煙草しか知らない時点に立って、紙巻と比べての評価である。これなら紙巻10本ぐらいの価値があるだろうと誰しも思うだろう。それからしばらくしてダビドフNo.2の当りを引き、1万円以上の感覚、その後の粉塵に見舞われたのである。筆者の場合、tatuajeよりも先にダビドフに当ったのだけれど。
PR
|MES JUL 11|5.6 × 54|coh-hk|$396/10|重量:+1(15.93g)|算出:+2|香味:+3|
昨日の味を忘れぬうちに。昨日今日で比較するとわかるのか、圧倒的なコイーバ感という巌のような物象は此処にはない。昨日の「コクのみの塊」のような物とは違い、甘さらしい甘さと草が囁き合っている。この草は昨日のような花を予感させる草ではない。昨日昨日と煩いが、今日は全文に昨日が入るかもしれないのである。こんな文章の為に二日続けてBHKに火を点けてしまったのだから。
時間が戻るが、空吸いしていると昨日は感じなかった紅茶の香が微かにした。
吸っている最中は、昨日は紅茶を飲んでいたからか昨日も紅茶の香が感じられたようであったし、紅茶を飲んでいた為に昨日は紅茶とは一言も書かなかったが、また今日も昨日のように紅茶を飲んでいるのだが、今日は煙からはあまり紅茶の香がしない、しないと思えばするような。今日や昨日ではないが、三年ぐらい熟成させると紅茶に変わるような気がする。というのも紅茶に変わるというような現象を嘗てエスプレンディドスで経験しているのである、昨日ではない嘗て、三本中一本がたまたま紅茶っぽかったというだけの事かもしれないが。
そしてやはり墨のような煙の味わいが出てくる。墨という物は実に煙に似ているのである。水中で烏賊に目眩ましを喰ったような煙の形であるし、まさにイカスミの味わいもするようであり、これは昨日はなかった感覚である。黒い煙を口から吐き出せそうな感覚である、昨日は口から出る煙も茶色かった。
昨日の味を忘れぬうちに。昨日今日で比較するとわかるのか、圧倒的なコイーバ感という巌のような物象は此処にはない。昨日の「コクのみの塊」のような物とは違い、甘さらしい甘さと草が囁き合っている。この草は昨日のような花を予感させる草ではない。昨日昨日と煩いが、今日は全文に昨日が入るかもしれないのである。こんな文章の為に二日続けてBHKに火を点けてしまったのだから。
時間が戻るが、空吸いしていると昨日は感じなかった紅茶の香が微かにした。
吸っている最中は、昨日は紅茶を飲んでいたからか昨日も紅茶の香が感じられたようであったし、紅茶を飲んでいた為に昨日は紅茶とは一言も書かなかったが、また今日も昨日のように紅茶を飲んでいるのだが、今日は煙からはあまり紅茶の香がしない、しないと思えばするような。今日や昨日ではないが、三年ぐらい熟成させると紅茶に変わるような気がする。というのも紅茶に変わるというような現象を嘗てエスプレンディドスで経験しているのである、昨日ではない嘗て、三本中一本がたまたま紅茶っぽかったというだけの事かもしれないが。
そしてやはり墨のような煙の味わいが出てくる。墨という物は実に煙に似ているのである。水中で烏賊に目眩ましを喰ったような煙の形であるし、まさにイカスミの味わいもするようであり、これは昨日はなかった感覚である。黒い煙を口から吐き出せそうな感覚である、昨日は口から出る煙も茶色かった。
|MES AGO 11|6.5 × 56|cigarOne|$508/10|重量:+2(19.41g)|算出:+4|香味:+4|
真新しい小さい草がちろちろとはえている。コイーバの不穏が、この小さい草を含めて一口で感じられる。
大らかな波のように一口一口が押し寄せ、波が崩れないまま去っていく。
非常に大きい岩、瑪瑙のように磨かれた、滑らかな肌の茶色い岩。
乳のように滑らかで、しかし乳のしつこさはなく、非常に甘いが、瑪瑙の素材そのものの甘さである。非常に甘いといっても蕎麦が非常に甘いというのと似て、砂糖などに比べるとまるで甘くない。
未だにちろちろとしかしない草は金木犀の花を一粒ずつ点けたり消したりしている。
はっきりと花が咲き始めると、波を乗り急ぎたくなる。だが花は消えるのである。
非常にゆっくりと、しかしはっきりと波が濃くなる。此処で甘さは素材を離れ、砂糖を加えるようになる。と突然、綿の花が爆発するのである。
爆発はしない。しかし綿のようで、ダビドフ・クラシックの当りのような羽毛の恍惚感が一瞬掠った。
体躯に負けない大らかさと厚みはラフマニノフ/ピアノコンチェルト2番の出だしが永久に続くかのようである。もっとも展開部を俟たずして葉巻の花は咲くのであり、展開部もが最初の律動に併呑されたまま進む。ラフマニノフももしやこの併呑をこそ、この併呑の一瞬の連続をこそ表出したかったのかもしれないが、残念ながら音楽は時間に解体され初期の律動は後の花に沈潜してしまう。もっとも「一瞬に全てが宿る」かのように宣ったこの葉巻文芸も音楽を共犯として葉巻に導き入れたのでしかない。また勿論この葉巻は影と日向が逆である。ラフマニノフでは日向色の花が翳る。茶色は翳りある色だが、葉巻は日向の影の色である。
細い物の変化はしない、あくまでも大らかに、変化を覆い隠している。これは要するに、基本的な美味しさの分厚さで、純粋にコイーバの味しかしない。
序盤では草から金木犀がBHK52のように大仰に、56なのでそれが更に大仰に吹き出すかと思われたが、そうではなかった。金木犀もあまり咲かない。
今は夜で、今日はたまたま昼にコイーバのロブストをも嗜んでいて、ややハズレではあったのだが、あまり時間をおかずに比べてみると、コイーバのコイーバたる特質に於いて圧倒的にBHKの方が品質が上で、瑪瑙の岩が確かである。全く以てコイーバであり、その他の風味は一切無いとしてしまいたくなる。
6000円(日本価格)とか$75(cigarOne(値上げした))の表記を見ると吃驚するが、実際の購入価格$508/10(4500円ぐらい)は簡単に腑に落ちる。しかしながら、ブックとか、より限定的な葉巻はどんな味がするのだろう、気になる。
真新しい小さい草がちろちろとはえている。コイーバの不穏が、この小さい草を含めて一口で感じられる。
大らかな波のように一口一口が押し寄せ、波が崩れないまま去っていく。
非常に大きい岩、瑪瑙のように磨かれた、滑らかな肌の茶色い岩。
乳のように滑らかで、しかし乳のしつこさはなく、非常に甘いが、瑪瑙の素材そのものの甘さである。非常に甘いといっても蕎麦が非常に甘いというのと似て、砂糖などに比べるとまるで甘くない。
未だにちろちろとしかしない草は金木犀の花を一粒ずつ点けたり消したりしている。
はっきりと花が咲き始めると、波を乗り急ぎたくなる。だが花は消えるのである。
非常にゆっくりと、しかしはっきりと波が濃くなる。此処で甘さは素材を離れ、砂糖を加えるようになる。と突然、綿の花が爆発するのである。
爆発はしない。しかし綿のようで、ダビドフ・クラシックの当りのような羽毛の恍惚感が一瞬掠った。
体躯に負けない大らかさと厚みはラフマニノフ/ピアノコンチェルト2番の出だしが永久に続くかのようである。もっとも展開部を俟たずして葉巻の花は咲くのであり、展開部もが最初の律動に併呑されたまま進む。ラフマニノフももしやこの併呑をこそ、この併呑の一瞬の連続をこそ表出したかったのかもしれないが、残念ながら音楽は時間に解体され初期の律動は後の花に沈潜してしまう。もっとも「一瞬に全てが宿る」かのように宣ったこの葉巻文芸も音楽を共犯として葉巻に導き入れたのでしかない。また勿論この葉巻は影と日向が逆である。ラフマニノフでは日向色の花が翳る。茶色は翳りある色だが、葉巻は日向の影の色である。
細い物の変化はしない、あくまでも大らかに、変化を覆い隠している。これは要するに、基本的な美味しさの分厚さで、純粋にコイーバの味しかしない。
序盤では草から金木犀がBHK52のように大仰に、56なのでそれが更に大仰に吹き出すかと思われたが、そうではなかった。金木犀もあまり咲かない。
今は夜で、今日はたまたま昼にコイーバのロブストをも嗜んでいて、ややハズレではあったのだが、あまり時間をおかずに比べてみると、コイーバのコイーバたる特質に於いて圧倒的にBHKの方が品質が上で、瑪瑙の岩が確かである。全く以てコイーバであり、その他の風味は一切無いとしてしまいたくなる。
6000円(日本価格)とか$75(cigarOne(値上げした))の表記を見ると吃驚するが、実際の購入価格$508/10(4500円ぐらい)は簡単に腑に落ちる。しかしながら、ブックとか、より限定的な葉巻はどんな味がするのだろう、気になる。
|4 7/8" x 43|seriouscigars|$12.00|重量:−1(9.08g)|算出:+4|香味:+3|
ピリ辛で多少丁寧で深い苦味を感じ、また藁の風味もある、今までのプーロドーロでは一番ハバナに近いが、藁といえばハバナではない。でも珍しく葉っぱっぽい感じが出ている。外側のカリカリした美味しさばかりでなく、中身にやや厚みがあり、それ以上に終盤で荒さとともに雑味が出てくる。
虫の穴が開いていたので煙が煙らしくなったというか、穴から魂が抜けてしまったが、少し美味しかった。
ピリ辛で多少丁寧で深い苦味を感じ、また藁の風味もある、今までのプーロドーロでは一番ハバナに近いが、藁といえばハバナではない。でも珍しく葉っぱっぽい感じが出ている。外側のカリカリした美味しさばかりでなく、中身にやや厚みがあり、それ以上に終盤で荒さとともに雑味が出てくる。
虫の穴が開いていたので煙が煙らしくなったというか、穴から魂が抜けてしまったが、少し美味しかった。
|5 5/8" x 46|seriouscigars|$15.50|重量:0(12.02g)|算出:+5|香味:+4|
箱を開けると葉巻に穴が開いている。吃驚してすぐさま箱の中に煙草死番虫の死骸を一匹発見した。初めてである。
葉巻を始める前は我が家は煙草死番虫を飼っていた。いつからか夏になると黄金虫のような胡麻粒大の虫が頻繁に家の中を飛ぶようになった。幼少の頃はそんな虫は見なかったのに、黄金虫に似ているし、特に目立つ害もなく、それを夏の風物詩と思うようになっていた。ある日、使われない香辛料(パプリカ)の壜の中にその虫の巣を発見したのである。その香辛料を捨て、また別の乾物にてそれを発見して捨て、それからは夏になっても風物詩は現れなくなった。その虫が煙草死番虫だったと知ったのは葉巻を始めてからである。葉巻を始めて以降にも痕跡は発見した事がある。旅行中のポルトガルで常喫していた紙巻煙草を記念に一本だけ後生大事に箱の中に取っておき、箱を部屋に飾っていたのが、久しぶりに蓋を開けると巻紙に20個ぐらいの穴が開けられ、中身の葉はすっかり蛻の殻になっていた。其処には虫の死骸もなかった。おそらく葉巻を始める前、頻繁に飛び交っていた時代の痕跡である。
今回は調べた限りどうも一匹だけらしい。たまたまダビドフ・リミテッド2008の箱に入れておいたため被害が二本ですんだ。というのは、リミテッド2008は残一本でビニールに包まれ、同じ箱に纏めて入れておいたクラシックNo.1の残二本もビニールに包まれ、そこに最近購入したプーロドーロを纏めて入れておいたのである。EminentesとSublimesは四本パックを購入していたため箱の中に入れず無事だった(しかもパックの場合一本一本ビニールに包まれている)。プーロドーロは箱で買うとビニール梱包されていないようで、一本だけ買うと箱から裸で出てしまう事になるらしいが、Giganteだけはシングルでもビニールに包まれていて助かった。Magnificosは被害が出る前に吸ってしまったようである。つまりNotablesとDeliciososの二本に被害が出て、Notablesには穴が二つ、Deliciososには穴が一つ開いている。冬には家の中で虫を見た事がないから、どうも初めからNotablesかDeliciososのどちらかに虫が仕込まれていたらしい。何処で仕込んだかはわからない。他の箱も開けてみたが被害は今のところなかった。どうも一匹だけらしい。穴を叩いても二匹目の虫は出ない。
着火時が怖かった。虫が暴れて出てきそうで。味も、虫の味はしない。むしろ美味しいようだ。火種が穴まで到達しても虫は焼け出されて来ず、虫の気配は味にもない。穴はフット付近だった為、其処を通り越せば普通と変わりないと思われる。
味の変化は特にない。初めから濃厚で、後も僅かずつ只管濃厚になり続ける。
怖いのに、一口目から美味しく、カレーレベルの濃密なスパイシー感。概ねシナモンゆえお菓子の甘さでもある。ぎりぎりマデューロくさくない味の濃さがある。
変化の妙こそないが、あるいはそれが微妙だが、最初から最後まで美味である事は確か。他のプーロドーロと基本は同じ、ただ酸味への怖れがなく、他より落ち着いている感じがする。
灰はほぼ真っ白。一度落とすまで灰はしっかりしていたのに、やはり脆く、ポロリと来るのが、灰の付け根から来るのでなく、灰を縦に削ぐように来る。灰の脆さはもはやほぼ完全にプーロドーロ全体の特性である。
箱を開けると葉巻に穴が開いている。吃驚してすぐさま箱の中に煙草死番虫の死骸を一匹発見した。初めてである。
葉巻を始める前は我が家は煙草死番虫を飼っていた。いつからか夏になると黄金虫のような胡麻粒大の虫が頻繁に家の中を飛ぶようになった。幼少の頃はそんな虫は見なかったのに、黄金虫に似ているし、特に目立つ害もなく、それを夏の風物詩と思うようになっていた。ある日、使われない香辛料(パプリカ)の壜の中にその虫の巣を発見したのである。その香辛料を捨て、また別の乾物にてそれを発見して捨て、それからは夏になっても風物詩は現れなくなった。その虫が煙草死番虫だったと知ったのは葉巻を始めてからである。葉巻を始めて以降にも痕跡は発見した事がある。旅行中のポルトガルで常喫していた紙巻煙草を記念に一本だけ後生大事に箱の中に取っておき、箱を部屋に飾っていたのが、久しぶりに蓋を開けると巻紙に20個ぐらいの穴が開けられ、中身の葉はすっかり蛻の殻になっていた。其処には虫の死骸もなかった。おそらく葉巻を始める前、頻繁に飛び交っていた時代の痕跡である。
今回は調べた限りどうも一匹だけらしい。たまたまダビドフ・リミテッド2008の箱に入れておいたため被害が二本ですんだ。というのは、リミテッド2008は残一本でビニールに包まれ、同じ箱に纏めて入れておいたクラシックNo.1の残二本もビニールに包まれ、そこに最近購入したプーロドーロを纏めて入れておいたのである。EminentesとSublimesは四本パックを購入していたため箱の中に入れず無事だった(しかもパックの場合一本一本ビニールに包まれている)。プーロドーロは箱で買うとビニール梱包されていないようで、一本だけ買うと箱から裸で出てしまう事になるらしいが、Giganteだけはシングルでもビニールに包まれていて助かった。Magnificosは被害が出る前に吸ってしまったようである。つまりNotablesとDeliciososの二本に被害が出て、Notablesには穴が二つ、Deliciososには穴が一つ開いている。冬には家の中で虫を見た事がないから、どうも初めからNotablesかDeliciososのどちらかに虫が仕込まれていたらしい。何処で仕込んだかはわからない。他の箱も開けてみたが被害は今のところなかった。どうも一匹だけらしい。穴を叩いても二匹目の虫は出ない。
着火時が怖かった。虫が暴れて出てきそうで。味も、虫の味はしない。むしろ美味しいようだ。火種が穴まで到達しても虫は焼け出されて来ず、虫の気配は味にもない。穴はフット付近だった為、其処を通り越せば普通と変わりないと思われる。
味の変化は特にない。初めから濃厚で、後も僅かずつ只管濃厚になり続ける。
怖いのに、一口目から美味しく、カレーレベルの濃密なスパイシー感。概ねシナモンゆえお菓子の甘さでもある。ぎりぎりマデューロくさくない味の濃さがある。
変化の妙こそないが、あるいはそれが微妙だが、最初から最後まで美味である事は確か。他のプーロドーロと基本は同じ、ただ酸味への怖れがなく、他より落ち着いている感じがする。
灰はほぼ真っ白。一度落とすまで灰はしっかりしていたのに、やはり脆く、ポロリと来るのが、灰の付け根から来るのでなく、灰を縦に削ぐように来る。灰の脆さはもはやほぼ完全にプーロドーロ全体の特性である。
|APR SEP 10|5 1/2 x 50|puro-express|€77.25/10|重量:0(13.77g)|算出:+4|香味:+3|
「(最近の)リミターダは(駄目だ)」といわれる特質が—2007年以降の5箱を知っているのみ—やはりこれにもある。最初の一本ではわかりにくかったが、落ち着くとそこに落ち着く。リミターダが全部これなら確実に与えられた特質なのだが、日本のネット上の評価者には酷評される事が多いようである。
このブログではそれを「水で薄めたような」と書いている。水でも当る時は当り、但し当っても水っぽさは消えない。
水ではパルタガスの強さを隠しきれないといった方が適切かもしれない。水が辛く、水が甘い。カスタード水であり、花水である。今回はやけにフルーティーさを感じさせる当りである事もあり、水っぽさによってもロメオ(やトリニダッド)を連想するが、でもこれはきっとパルタガスの水なのだろう。ロメオやトリニダッドのリミターダには水っぽさはかえってあまり感じられないかもしれない。
もうひとつ、リミターダにはマデューロくさい傾向があり、共通して水が焦げたように感じられる。つまり火事の跡である。
どんなにパルタガスらしくなっても水っぽいのですぱすぱ吸ってしまう。おそらくこれで良いのである。終盤に近づくにつれパルタガスの荒さが出るが、それでもぐびぐびいける。咽を渇かした人が飲む水のように美味しい。
当りといって+3しか付けないのは、やっぱり水っぽい葉巻では美味しく感じられないし、不本意にも水の飲み過ぎで気持ち悪くなった。
「(最近の)リミターダは(駄目だ)」といわれる特質が—2007年以降の5箱を知っているのみ—やはりこれにもある。最初の一本ではわかりにくかったが、落ち着くとそこに落ち着く。リミターダが全部これなら確実に与えられた特質なのだが、日本のネット上の評価者には酷評される事が多いようである。
このブログではそれを「水で薄めたような」と書いている。水でも当る時は当り、但し当っても水っぽさは消えない。
水ではパルタガスの強さを隠しきれないといった方が適切かもしれない。水が辛く、水が甘い。カスタード水であり、花水である。今回はやけにフルーティーさを感じさせる当りである事もあり、水っぽさによってもロメオ(やトリニダッド)を連想するが、でもこれはきっとパルタガスの水なのだろう。ロメオやトリニダッドのリミターダには水っぽさはかえってあまり感じられないかもしれない。
もうひとつ、リミターダにはマデューロくさい傾向があり、共通して水が焦げたように感じられる。つまり火事の跡である。
どんなにパルタガスらしくなっても水っぽいのですぱすぱ吸ってしまう。おそらくこれで良いのである。終盤に近づくにつれパルタガスの荒さが出るが、それでもぐびぐびいける。咽を渇かした人が飲む水のように美味しい。
当りといって+3しか付けないのは、やっぱり水っぽい葉巻では美味しく感じられないし、不本意にも水の飲み過ぎで気持ち悪くなった。
|5 3/4 x 40|seriouscigars|$7.90|重量:−1(9.31g)|算出:0|香味:+1|
前回のイリュージョンから15ヶ月以上経っている。半年ぐらいだと思っていた……1年がごっそり抜けているのは何でだろう。このように日々書き留めているから尚更不思議かもしれない。書けば書くほど記憶を過つという事か。
一口で説得力のある葉巻だと感じる。しっかりと葉巻独特の風味があるからだと思うが、「葉巻独特の風味」は「ハバナ」に似ているという意味であるはずが、この葉巻の場合別の要素でハバナに似ているというか、葉巻独特感自体にハバナの血を持ちながら完全に別の血が流入しているというか、非ハバナ特有の藁や草の感じが安っぽくない所まで進んでいるのか。
白バンドは優しいのかと思っていたが、そんなことはない、このエレガントなサイズに於いても存分に強さを発揮してくる。マデューロの染みのような味もするが、完全にドライであり、それがふてぶてしい。前回のドンペピン・ブラックラベルのほうが安逸であった。
どことなくというか、確実にどことなく疲れるイメージのある味わいである。染みくささもそうだが、どちらが先かわからないが、咽も疲れる。風邪を引いた時の鼻の奥や痰の香に感じられなくもない。
通常の変化としては終盤に向けて花が徐々に咲いてくる程度である。
序盤恐ろしくも期待させた。終局で満開ともならず、結局花の気配だにない序盤が一番良かった。
前回のイリュージョンから15ヶ月以上経っている。半年ぐらいだと思っていた……1年がごっそり抜けているのは何でだろう。このように日々書き留めているから尚更不思議かもしれない。書けば書くほど記憶を過つという事か。
一口で説得力のある葉巻だと感じる。しっかりと葉巻独特の風味があるからだと思うが、「葉巻独特の風味」は「ハバナ」に似ているという意味であるはずが、この葉巻の場合別の要素でハバナに似ているというか、葉巻独特感自体にハバナの血を持ちながら完全に別の血が流入しているというか、非ハバナ特有の藁や草の感じが安っぽくない所まで進んでいるのか。
白バンドは優しいのかと思っていたが、そんなことはない、このエレガントなサイズに於いても存分に強さを発揮してくる。マデューロの染みのような味もするが、完全にドライであり、それがふてぶてしい。前回のドンペピン・ブラックラベルのほうが安逸であった。
どことなくというか、確実にどことなく疲れるイメージのある味わいである。染みくささもそうだが、どちらが先かわからないが、咽も疲れる。風邪を引いた時の鼻の奥や痰の香に感じられなくもない。
通常の変化としては終盤に向けて花が徐々に咲いてくる程度である。
序盤恐ろしくも期待させた。終局で満開ともならず、結局花の気配だにない序盤が一番良かった。
|5 x 50|seriouscigars|$6.80|重量:+0(14.51g)|算出:+5|香味:+3|
トリプルリングで、リングだけで0.5g以上あるかもしれない。
着火前は牛小屋の香がしてあまり期待させない。
なんとも意外な美味しさに始まる。懐かしいが、なんだろう。総ニカラグアにしてハバナっぽい。アヴォに似て、アヴォよりももっとハバナ寄りの感じ。予想外に丁寧な粉挽の葉の味わいで、三口目頃から出てくるニカラグアらしい序盤の強さ辛さにはびびるが、一口目にして丁寧だったのが更に落ち着いて、紅葉の色のような静かな変化を始める。が、思わせぶりにして変色に失敗するようでもある。甘味があまりなく煙草っぽい雑味が目立ちがちだが、基本的にはブレンドが見事だとひしと感じる。どう変色したいのか、バナナのようなカスタードと、ミントのような草。そうだバナナだ。
「バナナ」で検索するとロバイナ・マエストロとコイーバ・ロブストとアヴォが出てきた。確かにそれらに似た物のようではある。非ハバナでここまでハバナっぽい物も初めてである。そこにアヴォに時折感じるようなハバナには感じない丁寧さを感じ、コクのような苦味がある。マデューロっぽい染みくささがないのも、柔らかく軽いカカオ状のコクの品質を上げている。でも未だこのレビューには決定的な懐かしい一言が欠けている気がする。
そもそもバナナといったって着火前に食べたバナナ味のマカロンが効いているかもしれないのである。
そういえばパルタ898にも似ているかもしれない。
むしろどことなく非ハバナの風味を隠しきれない所がおもしろいのかもしれない。それゆえ「ブレンド」などという知ったかぶった単語も出てくるのか。
懐かしさの正体は別の葉巻ではないのかもしれない。
兎に角魅力的だったが、アタリでもなくハズレでもないという感じがずっと続く。
ここまでハバナに似せられるとなると、他のニカラグア葉巻はハバナの模倣を故意に逸脱している事にもなる。これはどういう論理だろう。
トリプルリングで、リングだけで0.5g以上あるかもしれない。
着火前は牛小屋の香がしてあまり期待させない。
なんとも意外な美味しさに始まる。懐かしいが、なんだろう。総ニカラグアにしてハバナっぽい。アヴォに似て、アヴォよりももっとハバナ寄りの感じ。予想外に丁寧な粉挽の葉の味わいで、三口目頃から出てくるニカラグアらしい序盤の強さ辛さにはびびるが、一口目にして丁寧だったのが更に落ち着いて、紅葉の色のような静かな変化を始める。が、思わせぶりにして変色に失敗するようでもある。甘味があまりなく煙草っぽい雑味が目立ちがちだが、基本的にはブレンドが見事だとひしと感じる。どう変色したいのか、バナナのようなカスタードと、ミントのような草。そうだバナナだ。
「バナナ」で検索するとロバイナ・マエストロとコイーバ・ロブストとアヴォが出てきた。確かにそれらに似た物のようではある。非ハバナでここまでハバナっぽい物も初めてである。そこにアヴォに時折感じるようなハバナには感じない丁寧さを感じ、コクのような苦味がある。マデューロっぽい染みくささがないのも、柔らかく軽いカカオ状のコクの品質を上げている。でも未だこのレビューには決定的な懐かしい一言が欠けている気がする。
そもそもバナナといったって着火前に食べたバナナ味のマカロンが効いているかもしれないのである。
そういえばパルタ898にも似ているかもしれない。
むしろどことなく非ハバナの風味を隠しきれない所がおもしろいのかもしれない。それゆえ「ブレンド」などという知ったかぶった単語も出てくるのか。
懐かしさの正体は別の葉巻ではないのかもしれない。
兎に角魅力的だったが、アタリでもなくハズレでもないという感じがずっと続く。
ここまでハバナに似せられるとなると、他のニカラグア葉巻はハバナの模倣を故意に逸脱している事にもなる。これはどういう論理だろう。
|PUB OCT 07|6.4 x 42|cigarOne|$202/12|重量:+1(12.43g)|算出:+1|香味:+2|
12.43gだが、ダブルリングなので少し多めになっている。ELのリングのみを計量してみたら0.10gだった。そもそもリングを外して計量すれば良い話だが、なかなかそうはいかない。
前回2011年8月15日に「これでもう五本目なのだった。」とあり、今日で八本目だから、1年5ヶ月で三本消費している。
やはりトリニダッドの杉の味なのだが、なんか違う。豆々しき味があり、それが本体から離れているような、不思議な平行感がある。本体がカスタードの甘さを帯び始めると目立たなくなって、消えかかる飛行機雲といった感じになる。片目が地上に、片目が上空にあったらどんなにヘンテコだろう。しかもその飛行機は豆々しき味を運ぶのであり、つまり飛行機の中に畑があるのである。すると飛行機の畑に草が生える。その草からすぐに花が咲くのはまるで雑草のよう。
飛行機は兎も角、この葉巻を評して「雑草」とはなかなか言い得て妙だと思う。「雑草の花」も同じく。それで不味いわけではなくおもしろい。
おもしろいからか、実に丁寧にちびちび吸い進めたくなるような慎重さに必然的に陥る。巻きの密度もあるのか、軽いのにちびちび吸ってしまう。
ペティコロナ全般と同じリンゲージとは思えないほど細く感じる。それで「豆っぽい」というよりも「豆々しい」のである(語感だが)。
ところが、慎重になるのは、どことなく嫌な予感がするからなのかもしれない。不味いからなのかもしれない。雑草といったりしても雑味がするのではないのに。またしかし雑草が予感に通じるとしたら、予感が外れるとしても、雑草は既に雑味ではないのか。されどあくまでも雲の上の飛行機雲の事なのである。
中身の品質(まさにトリニダッド印)は良い。中身の杉がどんな美味しさを帯びても、雲の上には雑草がある。
高いワインが灯油っぽかったりするように、ガソリンのような奥深い味わいがしたりもする。ガソリンから揮発を連想する(「揮発性の木」といえば悪い葉巻の代表のような言葉だ)が、この木はあまり揮発しない。
EL特有の水っぽさもなくはないが、あまりにヘンテコである為か基本的なカスタードの風味等が美味しいお陰か水っぽさも飛行機雲のように消えかかっている。それでもこのとらえどころのなさは吸う人を水のような気分にさせるかもしれない。煙も水も大差なく、水に巻かれるという事もあるのだろう。
12.43gだが、ダブルリングなので少し多めになっている。ELのリングのみを計量してみたら0.10gだった。そもそもリングを外して計量すれば良い話だが、なかなかそうはいかない。
前回2011年8月15日に「これでもう五本目なのだった。」とあり、今日で八本目だから、1年5ヶ月で三本消費している。
やはりトリニダッドの杉の味なのだが、なんか違う。豆々しき味があり、それが本体から離れているような、不思議な平行感がある。本体がカスタードの甘さを帯び始めると目立たなくなって、消えかかる飛行機雲といった感じになる。片目が地上に、片目が上空にあったらどんなにヘンテコだろう。しかもその飛行機は豆々しき味を運ぶのであり、つまり飛行機の中に畑があるのである。すると飛行機の畑に草が生える。その草からすぐに花が咲くのはまるで雑草のよう。
飛行機は兎も角、この葉巻を評して「雑草」とはなかなか言い得て妙だと思う。「雑草の花」も同じく。それで不味いわけではなくおもしろい。
おもしろいからか、実に丁寧にちびちび吸い進めたくなるような慎重さに必然的に陥る。巻きの密度もあるのか、軽いのにちびちび吸ってしまう。
ペティコロナ全般と同じリンゲージとは思えないほど細く感じる。それで「豆っぽい」というよりも「豆々しい」のである(語感だが)。
ところが、慎重になるのは、どことなく嫌な予感がするからなのかもしれない。不味いからなのかもしれない。雑草といったりしても雑味がするのではないのに。またしかし雑草が予感に通じるとしたら、予感が外れるとしても、雑草は既に雑味ではないのか。されどあくまでも雲の上の飛行機雲の事なのである。
中身の品質(まさにトリニダッド印)は良い。中身の杉がどんな美味しさを帯びても、雲の上には雑草がある。
高いワインが灯油っぽかったりするように、ガソリンのような奥深い味わいがしたりもする。ガソリンから揮発を連想する(「揮発性の木」といえば悪い葉巻の代表のような言葉だ)が、この木はあまり揮発しない。
EL特有の水っぽさもなくはないが、あまりにヘンテコである為か基本的なカスタードの風味等が美味しいお陰か水っぽさも飛行機雲のように消えかかっている。それでもこのとらえどころのなさは吸う人を水のような気分にさせるかもしれない。煙も水も大差なく、水に巻かれるという事もあるのだろう。
|BYL SEP 05|9 1/4 x 47|coh-hk|$62.90/5|重量:+2( 20.12g)|算出:+2|香味:+2|
ちょうど去年の今頃「雨が久しぶりに降った……久しぶりの雨が洗ってくれるはずだが、昨日まで地面が洗われず、街に足の踏み場もなかった。……空梅雨や呑み人たちのげろの跡」と梅雨でもないのに書いているのだが、今年もそのように足の踏み場もない状況で、今日は雪が降った。それで同じサンチョスを手に取ったのである。
特筆すべきことが何も起こらなかった。このサイズの葉巻は経験上基本的に前半は吸い込みが悪い。これが基本なのか将又上級ローラーにして失敗なのかはわからない(全体的に失敗だと思うが、ローラーはこれを成功としているような気がする)。後半というか最終盤は吸い込みが通るようになり、それ故か味が濃くなったが、折角のそれが最終盤の雑味と一体となってしまう。
七年物である為、正月のセレクションボックスを思わせる味わいもあったし、熟成とはこういうものかとも思って特に感慨深さはない。サンチョパンサの熟成はサンチョパンサ特有の熟成でありモンテの熟成はモンテ特有の熟成である、というようなそれぞれに特殊な風味はあまり感じられず、どの銘柄も一辺倒な熟成香がするのである。当然予期する結果だが、予期どおり過ぎる気がしなくもないのは、個体の問題だろうか。
いずにしてもサンチョパンサは美味しい。どの銘柄も葉っぱではあるのだが、一番葉っぱっぽいというか、岩(コイーバ)よりも青緑(モンテ)よりも赤十字(オヨー)よりも里芋(パルタ)よりも果実(ロメオ)よりも胡麻団子(サンチョ)の方が葉っぱっぽいのである。しかも中華料理としてしつこくなく植物的であっさりしている。しかも爽やかな揮発性の木や草がまったく出ず、コクが主体なのである。甘さはなかった。
これで箱を終えた。値段にもよるけれど、存分に愉しめた箱で、きっともう一箱買う物となった。単純計算で国内価格なら給料を五倍にしなければならない。
ちょうど去年の今頃「雨が久しぶりに降った……久しぶりの雨が洗ってくれるはずだが、昨日まで地面が洗われず、街に足の踏み場もなかった。……空梅雨や呑み人たちのげろの跡」と梅雨でもないのに書いているのだが、今年もそのように足の踏み場もない状況で、今日は雪が降った。それで同じサンチョスを手に取ったのである。
特筆すべきことが何も起こらなかった。このサイズの葉巻は経験上基本的に前半は吸い込みが悪い。これが基本なのか将又上級ローラーにして失敗なのかはわからない(全体的に失敗だと思うが、ローラーはこれを成功としているような気がする)。後半というか最終盤は吸い込みが通るようになり、それ故か味が濃くなったが、折角のそれが最終盤の雑味と一体となってしまう。
七年物である為、正月のセレクションボックスを思わせる味わいもあったし、熟成とはこういうものかとも思って特に感慨深さはない。サンチョパンサの熟成はサンチョパンサ特有の熟成でありモンテの熟成はモンテ特有の熟成である、というようなそれぞれに特殊な風味はあまり感じられず、どの銘柄も一辺倒な熟成香がするのである。当然予期する結果だが、予期どおり過ぎる気がしなくもないのは、個体の問題だろうか。
いずにしてもサンチョパンサは美味しい。どの銘柄も葉っぱではあるのだが、一番葉っぱっぽいというか、岩(コイーバ)よりも青緑(モンテ)よりも赤十字(オヨー)よりも里芋(パルタ)よりも果実(ロメオ)よりも胡麻団子(サンチョ)の方が葉っぱっぽいのである。しかも中華料理としてしつこくなく植物的であっさりしている。しかも爽やかな揮発性の木や草がまったく出ず、コクが主体なのである。甘さはなかった。
これで箱を終えた。値段にもよるけれど、存分に愉しめた箱で、きっともう一箱買う物となった。単純計算で国内価格なら給料を五倍にしなければならない。
銘
囹
月