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  源氏物語「葉」
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|箱不明|6.9 x 47|cigarOne|$31|重量:0(13.32g)|算出:+2|香味:+3|計5点|

 一本買いした物をごった煮に放り込んでいる箱の中で外観が群を抜いて美しい。ややゴツゴツしたラッパーだが、淡い黄土色をまた淡く赤色に光らせて、まっすぐ端正に伸びている。隣のアップマン・チャーチルが貧相に見えてしまう。
 ドローも完璧。枯れたか、枯れてなお強まる荒野の辛味を含んでいるが、滑かに辷る煙。
 しばし同じ。……後半に入ったと思わせるほどに、穏やかだったものが急にエステル香の花を咲かせる。そこから一瞬にして整って、土キャラメルも来て、花金木犀、青やかに、モンテクリストらしくなる。
 何故か辛味が復するが、一方モンテ香は風のない春めいてほのぼのとしている。キューバの春の花は青いか。辛味が強いのが不思議な。
 香辛料を加え過ぎたか、しかし窒素のように無味無臭純粋な辛味の刺激である。エキゾチックとはさること、モンテ香の辛味がモンテ香の辛味ではないように思うのである。穏やかさ枯れ寂びた風合いのみならず、意識を刺激するこんな層状の組成にも熟成(おそらく八年熟成)を感じる。
 シナモンと錆も感じたか、わからない。
 熟成を見込んで元より超辛の葉を組んでいたのかもしれないし、熟成で辛味が増すのかもしれない。根元に辿り着くには未だに強者の血が必要で、5センチは残してしまった。
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|箱不明|6 1/4 x 50|cigarOne|$16|重量:+1(16.80g)|算出:+1|香味:+2|吸引:−1|好み:−1|計2点|

 吸い込み難。ピンセットで穿り出すもならず。
 着火、一口で思い出す懐しい杉。葉巻を始めてばかりの頃の記憶なのでここまで杉が再現されるとは思わなかった。
 意外なお菓子の豊潤な甘さ。しかし、当然のようだが、46と似ていると今は思う。甘さというより、なかなか素朴な、地味な、染の味わいが。正月に相応しい白木の杉を想像していたが、杉に染、藁にも染が滲んでくる。
 お菓子は直ぐに消えたか、素朴な染に負けている。染に、十数年前の、つまり「パティシエ」なる者が日本にあまり居ない時代のお菓子の不味さを思う。染は醤油の染とかの類の染で、染抜したくなる。百日紅の花にも染付いて、花も咲き初めから茶色く萎れてしまう。
 吸い込みの所為か雑味えぐみも寄ってくる。
 後半にはこの染にも花が勝るようにはなる。
 灰二つ落ちた頃、中程、中芯に陣取っていた一番太い葉脈をひっこ抜く。吸い込みが良くなるか。
 真ん中ばかりから空気が入って、味が天変と変って、苦いコクが現れる。
 空気の通り道が真ん中に偏らぬよう揉み解す、それでもそのまま、真ん中というのは関係なくて、ひっこ抜く時、燃え滓がヘッドの方に引き摺られ取り残された所為かもしれない。徐々に平時の味わいに紛れるように思う。さるにても落ち着いたココアウッドの風味となって心地よく残る。ココアウッドはカカオの木でなく、この世に存しない金木犀の木でもある。となると46よりもサーウィンストンに似る。それでも、抜きは抜きでも染抜には失敗する。また最後は苦味が苦い雑味に陥ってしまう。依然吸い込みが悪い所為か。
|箱不明|3.5 x 44|cigarOne|$9|重量:−2(6.23g)|算出:+2|香味:+2|計2点|

 紙を燃したような辛さと強さの中に、薄らと花やぐ土地の芳香。「味が濃い」という意味でなく「煙が強い」という意味でのフルボディの中に、花やモンテ香が幽かで、幽かさが奥ゆかしいけれど、さるにてもあれあれという間に終ってしまう。健康さを感じさせるほど終始只管強いので、三年睡眠コースが妥当かと思う。雑味なく、純粋培養の強さを感じる。
|TAU JUN 11|166mm x 52|シガーオンライン|$490/10|重量:+1( 15.04g)|算出:+2|香味:+3|計6点|

 パナテラの巨大化、と毎度同じ事を思うけれど、この葉巻は粗鬆気味であるから、密度の高いパナテラに失礼かもしれないし、また、ほんの時々マデューロシリーズ寄りの風味を感じ、また、ほんの時々強大なコクが現れるも、始終「吾輩はコイーバである」、これしか言わないような葉巻である。それだけが濃くて、花が咲いても何も起らず、ほか全てがすかすかして薄い。これでいいのかもしれない。変化も要素も全て存在しないか、全てがその文言に覆われて隠されてしまっている。根元まで安定してその文言しか言わない。中身の無い厚顔とも思うが、安定度は凄く、残2センチまで一貫して平然と一文言のみがつづく。

 残3本
|箱不明|5 x 48|cigarOne|$12|重量:0(10.10g)|算出:+5|香味:+4|計9点|

 ファモソスはどうでしょう?
 ファモチャンペじゃないよ。私はねぇ、これを三兄弟と言っているんだ、二人は死んぢまったが。これは当たるんじゃないか。父母より三兄弟の方がいいんだよ、二人は死んぢまったが。ファモちゃんが一番しぶといんだろう、前回朝鮮人参の味がしたんだから。う、始まりはシャンプーだね、久しぶりのシャンプーだが、そういえばこういうこともあるんだと思い出しました、本当にお久しぶりです。すぐにガラッと変って強面の風味が出るね、土っぽい、さすが朝鮮人参です。そこに甘みが重なる、甘みが出ても苦みが消えないのが良いです。これはベリー複雑ですよ、ロバイナは木とか言ってましたけど、三兄弟は全部持ち味が違うんです。緑豆モヤシ、これは要りませんが、要らないと思うものは常に無常にひと口で消えてしまいます。シャンプーが花のように戻る、これは酸味の効いたシャンパンのようにも思えますね、土のお陰でしょうか。なんでしょう、かなり酸っぱいです。初めての酸っぱさです。でも全てにおいて土がしっかりしていますね、花が濃くなってもそうです。こ、これは凄いかもしれん。形が違うが、パルタガスの898といい勝負ができるんじゃないか、そうだろう? 同一ブランド内での存在の仕方が似ているだろう? というより味が似ている、うん、そうだな。そうだろう? わかっていると思うが、同じ味という意味じゃなくてね、別の食材を使った同じ料理って意味だ。まあ、食材と料理が逆でも構わんさ。そうだろう? こりゃ甘いし濃いし苦いし旨いよ。花もかなり土の養分を吸っているね。
 毎週だったら飽きるが、半年に一回ぐらいだったら毎回感動できるんじゃないか。重厚だが、うるさくない、静かです。味が丁寧です。ロブストは終売にはならないね。これはロブストの中でも一番ロブストのイメージに近いかもしれん。これに比べればお菓子の甘さだの芋の甘さだのちゃんちゃらしょぼい。大人と子供、こちらが大人。まあお菓子も好きだし、ちょっと酸っぱさが気になるところもあるが、酸っぱいワインでも呑んで誤魔化せばよろしい。酸っぱいモンラッシェでも呑ませろ。うむ、この店にはビールしかないのか。うん、でも、モンラッシェに合う気がするなぁ。切にするなぁ。呑んだことなんかないがね、それほどこの葉巻が美味しいということなんだろう、もしかしたらモンラッシェに似ているんじゃないか。え、そうだろう? 現に味わっていながらにして、その上を夢想させる味わいなんだよ、わかるだろう? だからモンラッシェより旨いかしれないんだ、でもモンラッシェのように最上ではない。まあちょっと、この葉巻は飲み物が要るよねぇ、まあビールでも十分か。「スペイン三ツ星レストランエルブジの天才シェフ、フェラン・アドリアが生んだ独創的なビール」だって、まあこれで許してやろう。三ツ星レストランでビールなんて呑むのかな。ひと口目は美味しかったけれど、二口目からは味がわからないビールだね、葉巻と一緒じゃ。おお、颯爽としたビールが濃厚になるほど濃厚にキャラメリゼされた花が来たよ。葉巻によってビールが美味しくなるなんて初めてだよ。おお、激烈! そこから煙が一気にノイジーに。ノイジー土キャラメル、ひゃっほう。なに、昨日開けた赤ワインがあるって? シャトープ・ピーユのファーストラベルか、まあいいだろう。いいじゃないか。シャトー・プピーユか。飲み物なんて不味くなければなんだっていいじゃないか。まあモンラッシェが一番合うんだろうがね。向こうを張り合うんだろうがね。
 でもなんでロブストなのにリンゲージ48なのだろう。10.10gなんて、いい数字だし、おちょぼ口にも銜えやすいロブストか。木もなければチョコもなし、しかしベガスロバイナ、どこかがベガスなのだが、どこか。三兄弟は絶妙に棲み分けて居たんだがなぁ。
 いやぁ、いい葉巻だった、危うく満点をつけるところだったよ。終ってみれば肺も胃も悪くならないし、重厚にして健康的な葉巻だな。
|箱不明|6.1 x 52|cigarOne|$16|重量:+1(15.37g)|算出:−1|香味:+1|計1点|

 木か革か土かといったら、基本的にロバイナは木ですね。ただ、その木に独特の風合いがあるというか、確かにその芳香は木から匂い立つようなんです。でも木だからやっぱり失敗しやすい、木というのは葉巻の中では危険なんです。揮発化したらもう美味しく感じられない。あとは子供の口臭とか、不味くはないが、そう美味しくもない浮ついたものばかり出てくるんです。とくに吸い込みが悪いとより酷いですね、そもそも吸い込みが悪いと揮発化しやすいのですけれど、雑味も多くなって口の中もやや火傷っぽくなるんです。ええ、これは吸い込みが悪いですね。それでも後半はピラミデらしく爆発するんですけれど、まあ、うん、美味しいです。そういえばすっかり花が咲きません、咲かない事に気づかないほど咲きませんでしたが、残り5センチで急に咲いてきました。ピラミデなのに吸い込みの悪さはヘッド詰りではないんですね。こういう経過は珍しいんです。おお、芳醇ですよ、明るい色合いなのに、暗い味わいなんです。これです、これですよぉ、木なのに、カフェモカの粉模様。それが花まみれ。金木犀とはちょっと違います、緑っぽい菊というとさらに違います、これはなんという花でしょうかねぇ。す、少し甘い。この少しの甘さが鍵なんです。扉なんかあるんでしょうか、扉があっても錠がない、いや、いやぁ、前半全てが錠だったんです。扉がないんですねぇ。少しの甘さが全体をしっとり落ち着かせてくれます。爆発もしましたが、最終盤でこれは珍しいですよ。まあ、でも、全然駄目ですね。
|MUR MAY 13|5.6 x 46|cigarOne|$94/10|重量:−1(10.57g)|算出:0|香味:+1|計0点|

 一年ぶりの箱買い、到着日に一本のテスト。
 匂いがあまりない。表現が悪いが、かすかに胃の香。
 吸い込みはスカッと晴れている。
 ひと口、前回の軽さとは別物の、荒いハバナの風味。辛味もかなり。吸い込みが良すぎていつもの調子で吸うと煙がぼうぼうと燃え過ぎるのかもしれない。けれど甘やかさがすぐに乗ってくる。でもお菓子までにはならず、また荒野まではいかずに、ハバナの佳い風味がプンプンとはしている。
 弱くそそっと吸うほどにお菓子感は少し大きくなる。甘いたまごボーロの風味。強く吸うと、菊のような、緑がかった花、春菊。
 イボコロリのような灰ポロリとともに金木犀が噴き出す。やや菊感を残しつつ。床に落ちた灰を掃除する。
 鉄分がかつてなく強い。
 全体は、血を混ぜた苺と花の香りの春菊を練り込んだパウンドケーキといったところ。上手にこんがり焼けている。血まみれというほどではないが、なかなかそれに近い。

 これはこれで美味しいような気がするし、日本で寝かせれば日本の味になってしまう気がするし、こちらが蔵出し直後の本来の味わいに近いかもしれなくて、結局ハバナにもスイスにも行ったことがないのだから、まるで夢遊病のようなテストなのである。

  ちょうど一年前に購入したボリバー・リベルタドールと同じ工場の同じ年の同じ第二バンドの物。


一本買いした場合、こうやって画像を貼っておくと記憶にない記憶として非常に便利なのですが、外界にはどのような効能があるのだろう。恰も美味しそうに見える効能しかないでしょう。併せてラモンアロネスのスペリオーレスを買ってしまった、パルタガスのペテコロエスにすべきだったかと後の祭。
|箱不明|5.1 x 44|cigarOne|$6|重量:−1(9.82g)|算出:+6|香味:+4|好み:+1|計10点|

 序盤、パルタガスらしい不安な味がするのだが、すぐに花が匂い始めて、旨味も乗ってくる。
 旨味がどんどん厚みを増して、芋のようにどっしりとしている。芋と花とが旨い具合に調和して、なんとも複雑でコク深い。旨味はどうしても香に負けがちだが、パルタガスの芋は香に負けない。そこへさらにボディを強く感じさせる辛味がちりりりと利き、と言って強すぎるでもなく、と言っても後半猛る。
 ちょっと吸い込みが悪くて威勢が良くないが、老人のようなクラシック感に問答無用の安堵を覚える。
 終盤、土から木が生えはじめた時、かえって土を感じる。芋に苦味が増してきたのかもしれない。雑味のない苦さ。こういうのをたぶん複雑というのだろう、複雑な意識なのだろう。雑味がないのだから、純粋ともいいそう。芋のようなものは単なる深みなのだろう。
 花の香りに甘さが増して蜂蜜になる。

 吸い込みが良くないので駄目だし、吸い込みが良くてもたぶん+4どまりだが、好みで言えば+5ということで「好み点」を+1点設けた。吸い込みが悪いので終りのような気になるが、まだ吸い終わっていない。……

 終盤全てが濃厚化し、ああ素晴らしい。素晴らしすぎて吸い込みの悪さをも忘れてしまう。花ははっきり金木犀と化して色濃く、土壌は極端に豊穣で、落葉柔らかく、芋柔らかく、此処へ来て旨味が芋を頬張ったようにまだ膨らむ。
 強ければ飲み物を欲しそうなところ、芋に喉が乾くどころか、不思議なことに飲み物いらずだった。
 結局、吸い込みが良ければたぶん+5だった。ペティ・コロナにエスペシアレスの毛が生えただけのくせに。生意気な葉巻だ。
 デカいだけでなかなか当らないルシタニアスより全然良い。やや黒い898では黒味が強すぎてここまでどっしり芋の風味は出ないし、D4やE2では薄く、ケネディ=アップマン・ペテコロのように私=パルタガス・ペテコロエスとしてこれを愛用できそう。もう一つあるとすればプレシデンテだと思う。
 大体、なんで今までこれを箱で買わなかったのか、一本試した時()から最有力候補だったというのに。(自分で読み返してみると驚くほど今回と同じ感想として読める。昔の+3は今の+4で、次第に評価が甘くなってきている可能性がある、特に+1〜+4の間で。最近+1と+2がほぼ存在していないのは、もしや+3に底上げされていないか。+5は依然別格のつもり。)いつのまにかハズレを恐れて限定物ばかり買うようになっていた、改心しそう。
|箱不明|5.5 x 52|cigarOne|$13|重量:−1(14.90g)|算出:−4|香味:−1|計−6点|

 ただの木か。……切っても切っても吸い込みが悪く、煙が出てこなくて、味がはっきりと映らない。ただ、吸い込みが良くても大した事はなさそうで、サンチョはいつも「吸っても吸わなくても美味しそう」なオリヴァになんだか似ている。香味は全然違うけれど。
 本性にやや苦味の効いたゴマを思わせる味わいがあり、当たれば美味しそうなのだが。ゴマは他にない味なので、ハバナの色彩めく選択肢の豊かさで、寒い落葉の時期にぴったりだなどと思って着火したのである。ゴマで暖をとりつつ寒さをも味わうような。
 全体にわたって味が薄く、変化はしてもその味も薄い。全体に苦味の効いたゴマが続くものの、変化は他の葉巻と特に変らない、バニラやカスタードを感じたり、金木犀が咲いたり、よろぼうたり。全体に薄いので、何が興ってもピンとこない。吸い込みが悪いからというより、昔からサンチョはこんな味だったとも思う。しかしこの吸い込みの悪さは相当ひどい。
 終盤、高級ワインのセメダインのような美味しい風味が微か、これは吸い込みの悪さに因る偽の幸甚かもしれない。

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