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|5" x 50|seriouscigars|$10.95|重量:0(12.10g)|算出:+2|香味:+2|
微かにラタキアめいた噎せ返るような香に始まる。すぐさま辛味と甘味が同時に来る。フルボディである。火種が整うまでは荒そうである。ラタキアではなく、花でもなく、黴でもなく、花黴のようなものが香っている。それが段々松茸に纏まってくるようである。微かにビオフェルミンの旨味。ラムネのラムネ(飲物ではなくそれを模した菓子の方)のような爽やかな香がごく僅かに混じる。それから急に焦げのような太い苦味が来る。そこにコクが乗っている。かと思えば優しいコクに早変わりする。色々変わってまだ5ミリ。
深いカカオのコクがあり、何に似ているかといえばやはり先日のパディラに似ているのだが、こちらの方がダビドフの松茸等、他の銘柄への接近を感じる為に独特さが薄らいでいる。と思うのも束の間で、この葉巻は変化が激しい。変化というより、落ち着きが無くずっと震えているような印象である。落ち着きが出てきても震えの中での落ち着きにすぎない。
そしてやはりラタキアのような悪臭が微かに来る事がある。これはラムネ菓子と紙一重で不味い。ラムネとラタキアの両者には共通の要素があるらしいのである。思えばソーダ味のガムなどを噛んでラタキアに似た嫌な感じを受ける事が度々だった。私はラタキアが大嫌いなのだが、昔からソーダ味のガムや飴も大嫌いである。ほんの微かなラタキアでも敏感に嫌で、今思えば幼少の頃のあれらは総じてラタキアの不味さだった。正露丸などは好きだが、ラタキアの悪臭は正露丸ではなく、古人形のようなものである。ラタキアは着火前は確かに正露丸であり、つまり着火さえしなければいい匂いなのだが、着火すると腐った家に住んでいるような気がしてしまう。それにしても、ラタキア紙一重でラムネ菓子のほうに落ち着くとこの葉巻は不味くなく美味しい。
二度目の灰が整う頃になると全体的に軽やかになり金木犀が匂い立つようだ。小刻みな震えも無くなる。そのかわり、色々な味までもが消え、多少味気なくなる。あんまり味が綺麗になるので、不味い大吟醸酒のようにかえってエグミが目立ってしまいもする。しかしどんどん花花しくなり、雑味も消えていく。何らかのコクが強まったのかもしれない。するとまたラタキアが出たりするのである。
ラタキアが嫌いな人には勧められないが、ラタキアが好きな人に勧められるほどラタキアが濃いのでもない。
金木犀の咲く頃は美味しかったが、以降、なよなよと終わる。なよなよとしたフルボディである。
微かにラタキアめいた噎せ返るような香に始まる。すぐさま辛味と甘味が同時に来る。フルボディである。火種が整うまでは荒そうである。ラタキアではなく、花でもなく、黴でもなく、花黴のようなものが香っている。それが段々松茸に纏まってくるようである。微かにビオフェルミンの旨味。ラムネのラムネ(飲物ではなくそれを模した菓子の方)のような爽やかな香がごく僅かに混じる。それから急に焦げのような太い苦味が来る。そこにコクが乗っている。かと思えば優しいコクに早変わりする。色々変わってまだ5ミリ。
深いカカオのコクがあり、何に似ているかといえばやはり先日のパディラに似ているのだが、こちらの方がダビドフの松茸等、他の銘柄への接近を感じる為に独特さが薄らいでいる。と思うのも束の間で、この葉巻は変化が激しい。変化というより、落ち着きが無くずっと震えているような印象である。落ち着きが出てきても震えの中での落ち着きにすぎない。
そしてやはりラタキアのような悪臭が微かに来る事がある。これはラムネ菓子と紙一重で不味い。ラムネとラタキアの両者には共通の要素があるらしいのである。思えばソーダ味のガムなどを噛んでラタキアに似た嫌な感じを受ける事が度々だった。私はラタキアが大嫌いなのだが、昔からソーダ味のガムや飴も大嫌いである。ほんの微かなラタキアでも敏感に嫌で、今思えば幼少の頃のあれらは総じてラタキアの不味さだった。正露丸などは好きだが、ラタキアの悪臭は正露丸ではなく、古人形のようなものである。ラタキアは着火前は確かに正露丸であり、つまり着火さえしなければいい匂いなのだが、着火すると腐った家に住んでいるような気がしてしまう。それにしても、ラタキア紙一重でラムネ菓子のほうに落ち着くとこの葉巻は不味くなく美味しい。
二度目の灰が整う頃になると全体的に軽やかになり金木犀が匂い立つようだ。小刻みな震えも無くなる。そのかわり、色々な味までもが消え、多少味気なくなる。あんまり味が綺麗になるので、不味い大吟醸酒のようにかえってエグミが目立ってしまいもする。しかしどんどん花花しくなり、雑味も消えていく。何らかのコクが強まったのかもしれない。するとまたラタキアが出たりするのである。
ラタキアが嫌いな人には勧められないが、ラタキアが好きな人に勧められるほどラタキアが濃いのでもない。
金木犀の咲く頃は美味しかったが、以降、なよなよと終わる。なよなよとしたフルボディである。
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|MES MAY 11|4.7 x 52|coh-hk|$285/10|重量:0(13.70g)|算出:+5|香味:+4|
昨日27日午前9時半頃甥っ子が生まれた。一番良くて一番小さな葉巻を選ぶ。今吸わなかったら一体何時吸うのかわからない、最近流行らしい予備校の宣伝みたいだが。
「コイーバのダビドフ」と云う感じの味わいに始まる。「ダビドフのダビドフ」はなく、「ダビドフのコイーバ」もないが、これはコイーバのダビドフである。土臭い葉巻の野性味は薄く、フレグランスの如き葉の香に甘さが乗っている。葉巻としてはかなりの甘口で、ロメオ状の果実味も感じるが、そう思うとやはり葉のコクがロメオよりは太い。果実、それから花、次に草が乗って、すぐさま渾然として華やかに吹き出す。洗練されたフルボディで、華やかさが濃い。
54でしばしば感じる墨の朴訥とした味わいがこの52からも出ている。墨は特別美味しくないのだが、BHKで感じるがゆえ、高級な香に思えなくはない。
墨にカスタードが重なる頃、コイーバ独特のあの岩のような風味がはっきりと感じられるようになる。
ダビドフらしさと云うのはもはや微かな蓄膿症らしさとなって潜んでいるばかりである。(時期的なものだと思うが、最近葉巻が蓄膿症臭く思えてならない、神経症の一種だろうか。)
それにしても口から立ちのぼる副流煙の柔らかさと云ったらほとんど口から鼻に上る天上の香である。
3センチも進むと全体から完全に角が取れて柔らかくなる。口の中で滑るような感触の煙になり、華やかさも一纏まりの色に落ち着いてくる。
一度灰を落とすと、白木の芳香がし、そこに木犀が乗ってくる。美味しくもこの白木はすぐに収まる。
木犀がいつもより大人しいなと思っていると、段々金金としてくるようである。
窓辺で吸っていたのを、たまたま部屋を移動する。すると期待を裏切らない金木犀である。鼻が甘過ぎる! 甘さが舌から鼻に移動している。脳髄が全部金木犀になる。ちょっと場所を移動してみると云うのは確かに香味を変える一番手軽な方法である。ちなみに鼻で吸えば吸うほど金木犀は甘く濃密に香る。そこでピコレットに趣いて合成の金木犀と天然の非金木犀にして金木犀とを混ぜるのも一興である。
終りに近づくと、時折感じていた煙草っぽさが頻繁に訪れて紙っぽく軽やか。
前回と重量が2g近く違うが、吸い心地に相違はなかったというか、今回のは抜群に巻きが良かった気がする。カット部分から覗くフィラーも細やかで美しかった。
思い返せば甥っ子ほどの魅力はない。
昨日27日午前9時半頃甥っ子が生まれた。一番良くて一番小さな葉巻を選ぶ。今吸わなかったら一体何時吸うのかわからない、最近流行らしい予備校の宣伝みたいだが。
「コイーバのダビドフ」と云う感じの味わいに始まる。「ダビドフのダビドフ」はなく、「ダビドフのコイーバ」もないが、これはコイーバのダビドフである。土臭い葉巻の野性味は薄く、フレグランスの如き葉の香に甘さが乗っている。葉巻としてはかなりの甘口で、ロメオ状の果実味も感じるが、そう思うとやはり葉のコクがロメオよりは太い。果実、それから花、次に草が乗って、すぐさま渾然として華やかに吹き出す。洗練されたフルボディで、華やかさが濃い。
54でしばしば感じる墨の朴訥とした味わいがこの52からも出ている。墨は特別美味しくないのだが、BHKで感じるがゆえ、高級な香に思えなくはない。
墨にカスタードが重なる頃、コイーバ独特のあの岩のような風味がはっきりと感じられるようになる。
ダビドフらしさと云うのはもはや微かな蓄膿症らしさとなって潜んでいるばかりである。(時期的なものだと思うが、最近葉巻が蓄膿症臭く思えてならない、神経症の一種だろうか。)
それにしても口から立ちのぼる副流煙の柔らかさと云ったらほとんど口から鼻に上る天上の香である。
3センチも進むと全体から完全に角が取れて柔らかくなる。口の中で滑るような感触の煙になり、華やかさも一纏まりの色に落ち着いてくる。
一度灰を落とすと、白木の芳香がし、そこに木犀が乗ってくる。美味しくもこの白木はすぐに収まる。
木犀がいつもより大人しいなと思っていると、段々金金としてくるようである。
窓辺で吸っていたのを、たまたま部屋を移動する。すると期待を裏切らない金木犀である。鼻が甘過ぎる! 甘さが舌から鼻に移動している。脳髄が全部金木犀になる。ちょっと場所を移動してみると云うのは確かに香味を変える一番手軽な方法である。ちなみに鼻で吸えば吸うほど金木犀は甘く濃密に香る。そこでピコレットに趣いて合成の金木犀と天然の非金木犀にして金木犀とを混ぜるのも一興である。
終りに近づくと、時折感じていた煙草っぽさが頻繁に訪れて紙っぽく軽やか。
前回と重量が2g近く違うが、吸い心地に相違はなかったというか、今回のは抜群に巻きが良かった気がする。カット部分から覗くフィラーも細やかで美しかった。
思い返せば甥っ子ほどの魅力はない。
|5" x 50|seriouscigars|$7.00|重量:0(12.59g)|算出:+2|香味:+2|
ドンペピン系のマイファーザー系のFlor de las Antillasという、大企業なのか小屋なのかよくわからない銘柄に、ふと「え、アサヒや麒麟もスタウトビール造ってたの!?」というような驚きを思い出した。ちなみに麒麟は2008年でスタウトの製造を中止したようである。果実香に因るような不思議な浮遊感のあるスタウトで、アサヒの甘い重低音を奏でるスタウトよりも華やかで面白かった。ビールは早々駄目になる物ではないので持っていればお宝だったかもしれない。
フィラーにはぶっとい葉脈が5本、ギロチンが骨を断つようだった。こんな物を毎日伐っていたらギロチンが駄目になってしまう。
空吸いすると農家臭く、ニカラグア物らしい、つまらない気分のような香である。
着火直前に調べると、シガーアフィショナードでこれのトロが1位(96点)を獲得している。夢だろうか。
巻きは良いとはいえず、見てくれも歪で、ただし表面にキラキラした結晶体が鏤められて輝いている。
着火してみよう。
一口目は、いつもの安いニカラグア、という感じ。麦臭いというか、厩というか、汗臭いというか、味が乾いていて辛味も強すぎる。『乾・辛・強』の三拍子である。これがどうやって96点にまで運ばれるのだろう。
強さも辛さもなかなか消えないが、間もなく甘くなって潤ってくる。乾いた麦にも青草が混じる。
甘さは伸びない。何も伸びない。ただ辛味が収まってくる。厩は消えていない。それどころか此処にきて厠か豚小屋のようになりさえする。そこに突如、恰もクサヤの旨味が花であるかのように、旨い甘味のある花が咲くのである。
突如また臭くなって、また突如一変する。花がクリーム状になってくる。臭さは一瞬にしてほぼ完全に消えて、舌の脇に微かな渋みを感じるぐらいの雑味である。だがその後も、時々豚が呼吸する事がある。当然『はれときどきぶた(晴れ時々豚)』という絵本を思い出した。その前に『紅の豚』を間違えて思い出してしまったけれど。というより、絵本の内容は憶えておらず、紅の豚の操縦士がコックピットから飛び出て空から雨となって降ってくるような気がしたのである。この勘違いは特別美味しい話でもない。豚の降る量が増えてくる。それにしても甘い花のような豚である。イベリコ豚よりも美味しそうである。団栗豚のような旨味はないが、団栗程度の旨味もあるような。いわば団栗程度の旨味のある甘い花のような豚なのである。
終盤で紙のような香に落ち着く。紙と草が花のように少し甘く、煙草っぽい。最後になってパドロンが彷彿として湧き出る。更に進むと濃厚さが滑らかさを得る。雑味とのぎりぎりの攻防だが、雑味は全く感じない。
思えば変化もなかなかで、特に最終盤は美味しい。最終盤の美味しさに騙されそうだが、こうして騙されないぐらい最終盤に至るまではあまりよろしくなかった。最々終盤でも雑味が吹き出すという事がなく美味しい。(今日の昼はパンチクラシコスを吸ったが、最終盤は吸えた物ではなかった)。
全体的にはふつうのドンペピンやマイファーザーの方が良さそうだった。どっちもどっちだが、先日のタトゥアへとは似て非なる味ではある。非ハバナで今のところ一番魅力を感じるのはリットーゴメスで、リットーゴメスがドミニカというのに何故か驚いたが、ニカラグアでは何が一番良いのだろう。ニカラグアではなさそうな物がニカラグアを代表するような物なのだと思うけれど。というより何処でもなさそうな物がニカラグアにあれば良いのだが。
コイーバ1966が2位(95点)だから、シガーアフィショナードとはもともと趣味が合わないのである。
ドンペピン系のマイファーザー系のFlor de las Antillasという、大企業なのか小屋なのかよくわからない銘柄に、ふと「え、アサヒや麒麟もスタウトビール造ってたの!?」というような驚きを思い出した。ちなみに麒麟は2008年でスタウトの製造を中止したようである。果実香に因るような不思議な浮遊感のあるスタウトで、アサヒの甘い重低音を奏でるスタウトよりも華やかで面白かった。ビールは早々駄目になる物ではないので持っていればお宝だったかもしれない。
フィラーにはぶっとい葉脈が5本、ギロチンが骨を断つようだった。こんな物を毎日伐っていたらギロチンが駄目になってしまう。
空吸いすると農家臭く、ニカラグア物らしい、つまらない気分のような香である。
着火直前に調べると、シガーアフィショナードでこれのトロが1位(96点)を獲得している。夢だろうか。
巻きは良いとはいえず、見てくれも歪で、ただし表面にキラキラした結晶体が鏤められて輝いている。
着火してみよう。
一口目は、いつもの安いニカラグア、という感じ。麦臭いというか、厩というか、汗臭いというか、味が乾いていて辛味も強すぎる。『乾・辛・強』の三拍子である。これがどうやって96点にまで運ばれるのだろう。
強さも辛さもなかなか消えないが、間もなく甘くなって潤ってくる。乾いた麦にも青草が混じる。
甘さは伸びない。何も伸びない。ただ辛味が収まってくる。厩は消えていない。それどころか此処にきて厠か豚小屋のようになりさえする。そこに突如、恰もクサヤの旨味が花であるかのように、旨い甘味のある花が咲くのである。
突如また臭くなって、また突如一変する。花がクリーム状になってくる。臭さは一瞬にしてほぼ完全に消えて、舌の脇に微かな渋みを感じるぐらいの雑味である。だがその後も、時々豚が呼吸する事がある。当然『はれときどきぶた(晴れ時々豚)』という絵本を思い出した。その前に『紅の豚』を間違えて思い出してしまったけれど。というより、絵本の内容は憶えておらず、紅の豚の操縦士がコックピットから飛び出て空から雨となって降ってくるような気がしたのである。この勘違いは特別美味しい話でもない。豚の降る量が増えてくる。それにしても甘い花のような豚である。イベリコ豚よりも美味しそうである。団栗豚のような旨味はないが、団栗程度の旨味もあるような。いわば団栗程度の旨味のある甘い花のような豚なのである。
終盤で紙のような香に落ち着く。紙と草が花のように少し甘く、煙草っぽい。最後になってパドロンが彷彿として湧き出る。更に進むと濃厚さが滑らかさを得る。雑味とのぎりぎりの攻防だが、雑味は全く感じない。
思えば変化もなかなかで、特に最終盤は美味しい。最終盤の美味しさに騙されそうだが、こうして騙されないぐらい最終盤に至るまではあまりよろしくなかった。最々終盤でも雑味が吹き出すという事がなく美味しい。(今日の昼はパンチクラシコスを吸ったが、最終盤は吸えた物ではなかった)。
全体的にはふつうのドンペピンやマイファーザーの方が良さそうだった。どっちもどっちだが、先日のタトゥアへとは似て非なる味ではある。非ハバナで今のところ一番魅力を感じるのはリットーゴメスで、リットーゴメスがドミニカというのに何故か驚いたが、ニカラグアでは何が一番良いのだろう。ニカラグアではなさそうな物がニカラグアを代表するような物なのだと思うけれど。というより何処でもなさそうな物がニカラグアにあれば良いのだが。
コイーバ1966が2位(95点)だから、シガーアフィショナードとはもともと趣味が合わないのである。
|7" x 47|seriouscigars|$11.20|重量:+1(16.95g)|算出:+2|香味:+2|
チャーチルにしては重すぎて吸い込みも悪い。
味に期待したが、残念ながら藁・芝生系だ。それに付き物の乾いた汗のような旨味が嫌である。吸い込みの悪さに因る不味さではない。単に好き嫌いの問題かもしれない。このままではいけない。
すると甘くなって花も出てきて花も甘い。藁も収まって紙のような味わいのチョコになる。チョコの香を付けたノートのような。葉っぱらしい味わいの底に、まだ心地よく芝生が香る。だがどうせなら完全なお菓子になってしまってほしい。
赤ラベルより断然美味しいが、難しい位置づけの味である。
カカオマスを少し効かせた、外がカリカリで中がふんわりとしたマドレーヌでも焼けてくるような雰囲気があるが、そう思うと良くも悪くも草が出てくる。また良くも悪くもしっかりした葉の味も出てくる。
ちょうど真ん中を過ぎる辺りから、今日の昼のパルタガスを思わせるような芳香に落ち着いてくる。アロマティック且つ重厚な葉というような。香味がはぜるような元気さはない。思った以上にハバナに寄ったというか、ハバナとはまるで別物だと思っていたけれど、昨今の塩の錯覚の所為か、後半はハバナのように感じる。ただ巻きが固すぎる所為か木の風味は揮発性を帯びてしまっている。
終盤に近づくにつれ苦くなる。花の芳香はなかなかのもの。
残7センチぐらいで木を焦がしたようなエグミばかりの荒々しい雑味が草を巻く。世の中にはこういう死に際の味が好きな人もいるらしいけれど、此処で無理をするとニコチン酔い必定なのである。
自分が一日に葉巻を二本も吸う人種ではないとつくづく思う。一日一本は必要だが、どんなに間隔を空けても二本目になるとこってりしすぎる(頭の中が葉っぱだらけになるというか)。こんな理由ではあるとしてもTatuajeは今後5年は買わないと思う。
チャーチルにしては重すぎて吸い込みも悪い。
味に期待したが、残念ながら藁・芝生系だ。それに付き物の乾いた汗のような旨味が嫌である。吸い込みの悪さに因る不味さではない。単に好き嫌いの問題かもしれない。このままではいけない。
すると甘くなって花も出てきて花も甘い。藁も収まって紙のような味わいのチョコになる。チョコの香を付けたノートのような。葉っぱらしい味わいの底に、まだ心地よく芝生が香る。だがどうせなら完全なお菓子になってしまってほしい。
赤ラベルより断然美味しいが、難しい位置づけの味である。
カカオマスを少し効かせた、外がカリカリで中がふんわりとしたマドレーヌでも焼けてくるような雰囲気があるが、そう思うと良くも悪くも草が出てくる。また良くも悪くもしっかりした葉の味も出てくる。
ちょうど真ん中を過ぎる辺りから、今日の昼のパルタガスを思わせるような芳香に落ち着いてくる。アロマティック且つ重厚な葉というような。香味がはぜるような元気さはない。思った以上にハバナに寄ったというか、ハバナとはまるで別物だと思っていたけれど、昨今の塩の錯覚の所為か、後半はハバナのように感じる。ただ巻きが固すぎる所為か木の風味は揮発性を帯びてしまっている。
終盤に近づくにつれ苦くなる。花の芳香はなかなかのもの。
残7センチぐらいで木を焦がしたようなエグミばかりの荒々しい雑味が草を巻く。世の中にはこういう死に際の味が好きな人もいるらしいけれど、此処で無理をするとニコチン酔い必定なのである。
自分が一日に葉巻を二本も吸う人種ではないとつくづく思う。一日一本は必要だが、どんなに間隔を空けても二本目になるとこってりしすぎる(頭の中が葉っぱだらけになるというか)。こんな理由ではあるとしてもTatuajeは今後5年は買わないと思う。
|LAG FEB 11|170mm x 43|coh-hk|$197.20/25|重量:0+1(11.34g)|算出:+6|香味:+4|
重量が保証するように、安心の吸い込み。スカスカではない。
塩漬けの大木のような味わいに、一度灰を落とすと、突然春が来て、草花が大量に吹き出す。森の中で静かに横たわった大木に小鳥のような仲間がやって来る。草花が足を付けたかのように。春が来ても物凄い木の香は衰えない、その大木が草花に慕われているのである。朽ちてなお生きている木である。
二度目に灰を落とすと、突然表情が一変して穏やかになりまろやかにもなる。クリーム漬けの塩漬けの大木である。煙がするするとして、咽に優しくなる。だが厳めしい木の芳香は消え過ぎはしない。塩味の錯覚も持続しないはずはなく、クリームには塩が利いていて、最近流行の味付(塩チョコや塩バニラ)のよう。塩葉巻というのはなかなか合うのである。またクリームの味わいに、煙がするするとしているし、香水のような芳香も立ち始め、美肌と化粧水と乳液のような関係が思い出される。
もう一度灰を落とすと金木犀が満開になる。どうも灰を落とす度に大きな変化が訪れる。その間も刻々と一口毎に違う表情を見せるし、なにしろ一口一口が常に美味しい。
いつもの重厚で落ち着いた低音というより、今回は重厚ではあるが少しガサガサとした中低音である。これも良い。というのもそのガサガサが葉のガサガサで、非常に葉っぱらしい香ばしい味わいが顕著である。先日のリットーゴメスのような、鮎を葉で巻いて更に塩の山で包んで焼くような、塩のはぜるような音までが葉に聞こえる。もっとも巻かれているのは鮎ではなく葉であり、すると葉の中には何か甘い物が巻かれているのである。
ともあれ最近口が塩を錯覚しやすいらしい。今日のこの葉巻から実際に塩の味がするのかは非常にわからない、塩ばかりを感じる季節のようなものがあるのだと思っている。
箱で買った当初はあまり好きになれないような気がしたが、残5本、ハズレた記憶もなく、熟成に因る変化も凄そうで、今では一番のお気に入りの箱である。
重量が保証するように、安心の吸い込み。スカスカではない。
塩漬けの大木のような味わいに、一度灰を落とすと、突然春が来て、草花が大量に吹き出す。森の中で静かに横たわった大木に小鳥のような仲間がやって来る。草花が足を付けたかのように。春が来ても物凄い木の香は衰えない、その大木が草花に慕われているのである。朽ちてなお生きている木である。
二度目に灰を落とすと、突然表情が一変して穏やかになりまろやかにもなる。クリーム漬けの塩漬けの大木である。煙がするするとして、咽に優しくなる。だが厳めしい木の芳香は消え過ぎはしない。塩味の錯覚も持続しないはずはなく、クリームには塩が利いていて、最近流行の味付(塩チョコや塩バニラ)のよう。塩葉巻というのはなかなか合うのである。またクリームの味わいに、煙がするするとしているし、香水のような芳香も立ち始め、美肌と化粧水と乳液のような関係が思い出される。
もう一度灰を落とすと金木犀が満開になる。どうも灰を落とす度に大きな変化が訪れる。その間も刻々と一口毎に違う表情を見せるし、なにしろ一口一口が常に美味しい。
いつもの重厚で落ち着いた低音というより、今回は重厚ではあるが少しガサガサとした中低音である。これも良い。というのもそのガサガサが葉のガサガサで、非常に葉っぱらしい香ばしい味わいが顕著である。先日のリットーゴメスのような、鮎を葉で巻いて更に塩の山で包んで焼くような、塩のはぜるような音までが葉に聞こえる。もっとも巻かれているのは鮎ではなく葉であり、すると葉の中には何か甘い物が巻かれているのである。
ともあれ最近口が塩を錯覚しやすいらしい。今日のこの葉巻から実際に塩の味がするのかは非常にわからない、塩ばかりを感じる季節のようなものがあるのだと思っている。
箱で買った当初はあまり好きになれないような気がしたが、残5本、ハズレた記憶もなく、熟成に因る変化も凄そうで、今では一番のお気に入りの箱である。
|5" x 50|seriouscigars|$11.00|重量:0(17.57g)|算出:+4|香味:+3|
フルニカラグア。
白みを帯びた焦茶色の、斑などもない乾いた感じのラッパーが美しい。巻きも綺麗。フィラーには色々な色の葉が混ざっている。
ロブストで17.57gはスクエアプレスにしても度を超していると思うのだが、むっちりした吸い込みで悪くはない。
火が点き難いので吸いながら点けると、着火途中で既に甘味を感じる。(この甘味は次第に弱まっていった)
一口で明らかな高品質で、葉にシルク感がある。強い物だと思ってびびっていたが。
チョコ風の深い焦茶色のコクに沈んでゆくらしい。ハバナの土壌はまったく感じない。それとは別の葉の種類の時々刻々と濃淡のみを変えるコクに、時々新緑が芽生える。
このコクに此処一ヶ月で似た物を思い出すとしたらBHK56である。岩や瑪瑙という感覚ではないが、バランスが似ている。
吸い進めると巻きのキツさが露になってくる。吸っても吸っても進まないし。
無理矢理葉脈を一本抜いたら金木犀と雑味が出た。
雑味が落ち着くとコクのような深い苦味に金木犀が加わり、さらにしばらくするとバニラが出てくる。バニラはすぐ消える。
全体的に特に大きな変化はない。序盤の深い粉のようなコクが好きならずっと好きだと思う。ハバナではパルタガス898にも似ているかもしれない。
色々面倒もあったが、期待値というか、+3以下にはならない物のよう。
フルニカラグア。
白みを帯びた焦茶色の、斑などもない乾いた感じのラッパーが美しい。巻きも綺麗。フィラーには色々な色の葉が混ざっている。
ロブストで17.57gはスクエアプレスにしても度を超していると思うのだが、むっちりした吸い込みで悪くはない。
火が点き難いので吸いながら点けると、着火途中で既に甘味を感じる。(この甘味は次第に弱まっていった)
一口で明らかな高品質で、葉にシルク感がある。強い物だと思ってびびっていたが。
チョコ風の深い焦茶色のコクに沈んでゆくらしい。ハバナの土壌はまったく感じない。それとは別の葉の種類の時々刻々と濃淡のみを変えるコクに、時々新緑が芽生える。
このコクに此処一ヶ月で似た物を思い出すとしたらBHK56である。岩や瑪瑙という感覚ではないが、バランスが似ている。
吸い進めると巻きのキツさが露になってくる。吸っても吸っても進まないし。
無理矢理葉脈を一本抜いたら金木犀と雑味が出た。
雑味が落ち着くとコクのような深い苦味に金木犀が加わり、さらにしばらくするとバニラが出てくる。バニラはすぐ消える。
全体的に特に大きな変化はない。序盤の深い粉のようなコクが好きならずっと好きだと思う。ハバナではパルタガス898にも似ているかもしれない。
色々面倒もあったが、期待値というか、+3以下にはならない物のよう。
|ZTV MAY 05|5.6 x 46|coh-hk|$121.50/15|重量:--(--g)|算出:+4|香味:+3|
5本目にしてまだハズレない。ハズレないというより、今回は当りだ。ハズレだったはずの物も寝かせて当りに変化するという事なのだろうか。しかし葉巻には即断が必要なのだ。この葉巻はおそらく当初から当りだった物が熟成されたのである。
「これが葉巻かぁ」とシガリロで驚いていた頃の濃密な葉の味わいがする。木でも土でも皮でもなく、おそらくナッツといわれるもの。木といえば木だし皮といえば皮だし土も同じだが、粗挽ナッツの濃厚な味わい、しかしナッツでもなく、濃厚な葉巻の味わいがする。2センチも進むとそこに蜂蜜がぺっとり垂れてくる。こんなに蜂蜜に似た煙は蜂蜜漬のパイプ煙草でも嗅いだ事がない。草が草として来ずに甘味と混じって同時に来るからだろうか。ナッツに垂れる為に蜂蜜に感じられるのか、そうこう甘い物を考えているうちに花も香る。
多少高いものを知ってしまったから、これが安そうな味だとはわかる、しかし極めて美味しい。
若干チクナインを飲む感覚がある。つまり蓄膿症になるのではなく蓄膿症が治る感覚だが、蓄膿症ではない人の蓄膿症が治るのであるから不思議といえば不思議である。実際私は蓄膿症になった事がない(蓄膿症になりかねないと診断された事はある)。これは5本いずれも同じで、シガリロにはこういう事がない。プレミアムの醍醐味を醍醐味と思えず、この葉巻のシガリロっぽさにのみ感動しているのである。今更シガリロを吸ってもこうは感じないと思うが。
嫌な蓄膿症が時々花の綿飴に変わる。濃厚にして軽く、全く以て当りだ。
最初の2センチが一番美味しい。後はプレミアムの欠陥が鼻につく。マグナム46は昔はこうだったのか、今もこうなのか、わからないが、プレミアムが鼻水を払拭するにはプレミアムの上のプレミアムでなければならないのか。それでも美味しい。
問題は、六年半熟成させてどうなるかだが、六年半前にこれを吸ったわけではないので全くわからないのだった。でもたぶん現行の物よりは美味しい。現行の物の六年半後より美味しいかはわからない。
熟れた果実のような物とも勿論違うし、枯れたような味もほとん感じられなかった。
5本目にしてまだハズレない。ハズレないというより、今回は当りだ。ハズレだったはずの物も寝かせて当りに変化するという事なのだろうか。しかし葉巻には即断が必要なのだ。この葉巻はおそらく当初から当りだった物が熟成されたのである。
「これが葉巻かぁ」とシガリロで驚いていた頃の濃密な葉の味わいがする。木でも土でも皮でもなく、おそらくナッツといわれるもの。木といえば木だし皮といえば皮だし土も同じだが、粗挽ナッツの濃厚な味わい、しかしナッツでもなく、濃厚な葉巻の味わいがする。2センチも進むとそこに蜂蜜がぺっとり垂れてくる。こんなに蜂蜜に似た煙は蜂蜜漬のパイプ煙草でも嗅いだ事がない。草が草として来ずに甘味と混じって同時に来るからだろうか。ナッツに垂れる為に蜂蜜に感じられるのか、そうこう甘い物を考えているうちに花も香る。
多少高いものを知ってしまったから、これが安そうな味だとはわかる、しかし極めて美味しい。
若干チクナインを飲む感覚がある。つまり蓄膿症になるのではなく蓄膿症が治る感覚だが、蓄膿症ではない人の蓄膿症が治るのであるから不思議といえば不思議である。実際私は蓄膿症になった事がない(蓄膿症になりかねないと診断された事はある)。これは5本いずれも同じで、シガリロにはこういう事がない。プレミアムの醍醐味を醍醐味と思えず、この葉巻のシガリロっぽさにのみ感動しているのである。今更シガリロを吸ってもこうは感じないと思うが。
嫌な蓄膿症が時々花の綿飴に変わる。濃厚にして軽く、全く以て当りだ。
最初の2センチが一番美味しい。後はプレミアムの欠陥が鼻につく。マグナム46は昔はこうだったのか、今もこうなのか、わからないが、プレミアムが鼻水を払拭するにはプレミアムの上のプレミアムでなければならないのか。それでも美味しい。
問題は、六年半熟成させてどうなるかだが、六年半前にこれを吸ったわけではないので全くわからないのだった。でもたぶん現行の物よりは美味しい。現行の物の六年半後より美味しいかはわからない。
熟れた果実のような物とも勿論違うし、枯れたような味もほとん感じられなかった。
|7" x 48|seriouscigars|$226.95/8|重量:0(13.57g)|算出:+3|香味:+3|
ダビドフのリミテッドにはあまり期待できず(ダビドフギンザなどは別として?)、過去に2種類・計10本を試した限りでしかなくも、レギュラー品の方が吟味し尽くされたブレンドのようで美味しいと思うのだが、自分が巳年という事もあってか迷わず購入してしまった。美麗な画像にも惹かれた、必要以上に美しく見ただけかもしれない、実物は画像で見るほど美しくはない。自宅で見るからいけないのかもしれない、店で実物を見ればとんでもなく高級で美味しそうに見えるかもしれない。しかし取り出した一本を見ても、なんだかビニールがいつものようにピッタリしていず、ラッパーにも破れが2ヶ所あって、こんな事はないと思うが、いかにも中国向けというような感じもなくはない。中国に失礼というものである。
クラシックに比べるとライトカラーではないが、プーロドーロに比べるとライトカラー。
着火前の香はまごうかたなきダビドフであるが香は薄く、一歩間違えればくさくなりかねない美味な匂い、それから乾いた稲や畳や藁の香が設備の行き届いた綺麗な農村を思わせる。巻きは緩い、というか、吸い込みが良過ぎる。(というのも、破れの部分に火種が近づくと、結局ラッパーがはち切れたのである。ムチムチのリミテッド2008と同じ現象である。しかし2008は5 1/2 x 52で18.66gだったのだからこれとは通じない話である。)
着火直後、火口から立ちのぼる煙が気持ちよいほどにスパイシーであった。
一口吸うとなんだか安心の純粋な葉の味わい。
三口目ではや極上である。甘味やクリームや花などが早くも吹き出す。
灰は脆く、パラパラと崩れ剥離する。
最初の1センチは驚いたが、以降にあまり驚きはない。やや染みたれた蓄膿症のような感じも出てくる。
松茸感を甘さが覆い隠している。松茸に砂糖が合うはずもない。こういう部分が冒険的リミテッドが成す技なのだろうか。蓄膿症を稀に花が凌駕してくれるけれど、風邪を引いた脳髄のような感じがあるのである。
蓄膿症、花、甘味、松茸、この四つの、妙技といえば妙技である。まだ若くてこなれていないのかもしれない、勝手な予想でダビドフの熟成は十年必要だとは思うのである、しかもダビドフこそは熟成が必要だと思う、しかも私は一生ダビドフを十年熟成させられない、1年に一本でも7年で終ってしまうと思う。
それにしても悪くはない。軽くもなく重くもない。
巳に茶柱が立ったような三つ巴に茶々を入れたような四つ巴が甘味主体の非常にクリーミーな味わいへ移行する。折角のそれも落ち着きはない。
なんだかレギュラー品を全部混ぜたような感覚である。プーロドーロのスパイスを少々、クラシックの羽毛を少々、スペシャルのお菓子の油脂分を少々、アニベルサリオの黄金の木の蓄膿症を少々、ミレニアムの銀色の響きを少々、グランクリュやサウザンドはあまり知らないがそれも入っているだろう。となると、基本は欠けたグランクリュやサウザンドなのかもしれない。マデューロは全く浮かばなかった。
残三センチでかなりの雑味が出て終る。
日本価格は5400円。ほぼ同じサイズと思われるアニベルサリオNo.2が5600円である。購入店ではアニベルサリオが一本$25.30、スネークが$29.90で、日本での価格の付け方と大分違う。外国では箱で買うと多少安くなるし。向こうでは葉巻もワインのような希少物なのだろう、日本では大吟醸は5000円と決まっている。どう決まるかわからないが、決めたら動かない。親玉が小売を制御しているのか、小売も蔵元も積極的に親玉に制御されているのか、親玉が何処にいるのかわからないが、お陰でぼったくりの心配はあまりなく(ぼったくりがはっきりとぼったくりであり)、同価格帯での優劣がはっきりしておもしろい。しかしこの葉巻に関しては日本の半額で購入できた。なんだかせこい結論で申し訳ありません。
This Churchill sized smoke is comprised of Piloto Seco, San Vicente Ligero, Piloto Viso and Hybrid 192 Seco/Yamasa fillers, a San Vicente Seco binder and finished with a creamy Ecuadorian 702 wrapper. Only 4500 boxes were distributed.
なんだか少し甘そうな感じがするが意味不明。しかし三万六千本も誰が何処で巻いたのだろう。限定の箱数を見る度にいつも思う。
ダビドフのリミテッドにはあまり期待できず(ダビドフギンザなどは別として?)、過去に2種類・計10本を試した限りでしかなくも、レギュラー品の方が吟味し尽くされたブレンドのようで美味しいと思うのだが、自分が巳年という事もあってか迷わず購入してしまった。美麗な画像にも惹かれた、必要以上に美しく見ただけかもしれない、実物は画像で見るほど美しくはない。自宅で見るからいけないのかもしれない、店で実物を見ればとんでもなく高級で美味しそうに見えるかもしれない。しかし取り出した一本を見ても、なんだかビニールがいつものようにピッタリしていず、ラッパーにも破れが2ヶ所あって、こんな事はないと思うが、いかにも中国向けというような感じもなくはない。中国に失礼というものである。
クラシックに比べるとライトカラーではないが、プーロドーロに比べるとライトカラー。
着火前の香はまごうかたなきダビドフであるが香は薄く、一歩間違えればくさくなりかねない美味な匂い、それから乾いた稲や畳や藁の香が設備の行き届いた綺麗な農村を思わせる。巻きは緩い、というか、吸い込みが良過ぎる。(というのも、破れの部分に火種が近づくと、結局ラッパーがはち切れたのである。ムチムチのリミテッド2008と同じ現象である。しかし2008は5 1/2 x 52で18.66gだったのだからこれとは通じない話である。)
着火直後、火口から立ちのぼる煙が気持ちよいほどにスパイシーであった。
一口吸うとなんだか安心の純粋な葉の味わい。
三口目ではや極上である。甘味やクリームや花などが早くも吹き出す。
灰は脆く、パラパラと崩れ剥離する。
最初の1センチは驚いたが、以降にあまり驚きはない。やや染みたれた蓄膿症のような感じも出てくる。
松茸感を甘さが覆い隠している。松茸に砂糖が合うはずもない。こういう部分が冒険的リミテッドが成す技なのだろうか。蓄膿症を稀に花が凌駕してくれるけれど、風邪を引いた脳髄のような感じがあるのである。
蓄膿症、花、甘味、松茸、この四つの、妙技といえば妙技である。まだ若くてこなれていないのかもしれない、勝手な予想でダビドフの熟成は十年必要だとは思うのである、しかもダビドフこそは熟成が必要だと思う、しかも私は一生ダビドフを十年熟成させられない、1年に一本でも7年で終ってしまうと思う。
それにしても悪くはない。軽くもなく重くもない。
巳に茶柱が立ったような三つ巴に茶々を入れたような四つ巴が甘味主体の非常にクリーミーな味わいへ移行する。折角のそれも落ち着きはない。
なんだかレギュラー品を全部混ぜたような感覚である。プーロドーロのスパイスを少々、クラシックの羽毛を少々、スペシャルのお菓子の油脂分を少々、アニベルサリオの黄金の木の蓄膿症を少々、ミレニアムの銀色の響きを少々、グランクリュやサウザンドはあまり知らないがそれも入っているだろう。となると、基本は欠けたグランクリュやサウザンドなのかもしれない。マデューロは全く浮かばなかった。
残三センチでかなりの雑味が出て終る。
日本価格は5400円。ほぼ同じサイズと思われるアニベルサリオNo.2が5600円である。購入店ではアニベルサリオが一本$25.30、スネークが$29.90で、日本での価格の付け方と大分違う。外国では箱で買うと多少安くなるし。向こうでは葉巻もワインのような希少物なのだろう、日本では大吟醸は5000円と決まっている。どう決まるかわからないが、決めたら動かない。親玉が小売を制御しているのか、小売も蔵元も積極的に親玉に制御されているのか、親玉が何処にいるのかわからないが、お陰でぼったくりの心配はあまりなく(ぼったくりがはっきりとぼったくりであり)、同価格帯での優劣がはっきりしておもしろい。しかしこの葉巻に関しては日本の半額で購入できた。なんだかせこい結論で申し訳ありません。
This Churchill sized smoke is comprised of Piloto Seco, San Vicente Ligero, Piloto Viso and Hybrid 192 Seco/Yamasa fillers, a San Vicente Seco binder and finished with a creamy Ecuadorian 702 wrapper. Only 4500 boxes were distributed.
なんだか少し甘そうな感じがするが意味不明。しかし三万六千本も誰が何処で巻いたのだろう。限定の箱数を見る度にいつも思う。
|7 1/2 × 39|seriouscigars|$11.00/|重量:0(11.56g)|算出:+4|香味:+3|
着火前は佃煮のよう。
着火するとそのまま佃煮から醤油の塩味が滲み出てくる。素材としての葉の旨味が当然にしてある。すると鮎の塩焼きが焼かれるのを見詰めているような、焼かれて塩と鮎の淡白な旨味とが合体するような感じにも思えてくる。鮎ではなく葉であり、この意味ではいかにもハバナっぽいのだが、鼻につんと来る強さ等は明らかにハバナではないのである。
灰を一度落とす頃には強烈だった煙が軽みを得て花も匂い出す。一瞬木質の軽みになってモンテクリストエスペシャル(不甲斐無い箱の物)と同じ味がした。
パドロン等は全くハバナに似つかない物だが、ドミニカ物はハバナに似せる事でハバナを超える、というタイプに思える。強弱がまるで反転しているもののダビドフの面影があるというか。巻きが歪だしダビドフほどの高級品のつもりはないのかもしれない。
一旦軽くなったが、もの凄く香ばしい。焼けたような香ばしさなのに、焦げの味が一切しない、優しい黄土色を保っている。優しさがつらい。そして塩の錯覚が凄い。淡いようなのに味が濃い。塩味が濃いから風味が淡く感じられるのかもしれない、どちらだろう、まるで本当に鮎の香草焼きのようである。細いので灰をポンポン5回も落とした頃に、さすがランセロというべきか、濃淡の変化が凄い。
初めて途中でダウンした(半分も残っている)。大トロなら兎も角、鮎でダウンするというおかしな感覚である。十年ぐらい寝かさなければ吸いきれないかもしれない。全く以て美味な物であり、ランセロのオチョボ感も素敵なのに、身体が負けた。しかも空きっ腹ではなかった(和食だったが)。
三時間ほど於いてシケモクを吸ったが、全然駄目な物に変わり果てていた。
Litto Gomezは現在他に4本持っているが、着火を躊躇う。ステーキランチを無理矢理鱈腹食した後などを狙わなければならないかもしれない。完敗したのに美味だった。
着火前は佃煮のよう。
着火するとそのまま佃煮から醤油の塩味が滲み出てくる。素材としての葉の旨味が当然にしてある。すると鮎の塩焼きが焼かれるのを見詰めているような、焼かれて塩と鮎の淡白な旨味とが合体するような感じにも思えてくる。鮎ではなく葉であり、この意味ではいかにもハバナっぽいのだが、鼻につんと来る強さ等は明らかにハバナではないのである。
灰を一度落とす頃には強烈だった煙が軽みを得て花も匂い出す。一瞬木質の軽みになってモンテクリストエスペシャル(不甲斐無い箱の物)と同じ味がした。
パドロン等は全くハバナに似つかない物だが、ドミニカ物はハバナに似せる事でハバナを超える、というタイプに思える。強弱がまるで反転しているもののダビドフの面影があるというか。巻きが歪だしダビドフほどの高級品のつもりはないのかもしれない。
一旦軽くなったが、もの凄く香ばしい。焼けたような香ばしさなのに、焦げの味が一切しない、優しい黄土色を保っている。優しさがつらい。そして塩の錯覚が凄い。淡いようなのに味が濃い。塩味が濃いから風味が淡く感じられるのかもしれない、どちらだろう、まるで本当に鮎の香草焼きのようである。細いので灰をポンポン5回も落とした頃に、さすがランセロというべきか、濃淡の変化が凄い。
初めて途中でダウンした(半分も残っている)。大トロなら兎も角、鮎でダウンするというおかしな感覚である。十年ぐらい寝かさなければ吸いきれないかもしれない。全く以て美味な物であり、ランセロのオチョボ感も素敵なのに、身体が負けた。しかも空きっ腹ではなかった(和食だったが)。
三時間ほど於いてシケモクを吸ったが、全然駄目な物に変わり果てていた。
Litto Gomezは現在他に4本持っているが、着火を躊躇う。ステーキランチを無理矢理鱈腹食した後などを狙わなければならないかもしれない。完敗したのに美味だった。
|LOT JUL 10|4 4/5 x 50|coh-hk|$141.10/25|重量:(--g)|算出:+5|香味:+3|
これは本当に寂しい葉巻。寂しくない時には寂しく、寂しい時には寂しくなく染みくさい。特別美味しい物ではないけれど、根元まで寂しく、寂しくない。
これは本当に寂しい葉巻。寂しくない時には寂しく、寂しい時には寂しくなく染みくさい。特別美味しい物ではないけれど、根元まで寂しく、寂しくない。
銘
囹
月