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  源氏物語「葉」
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|5" x 50|seriouscigars|$10.95|重量:0(12.10g)|算出:+2|香味:+2|

 微かにラタキアめいた噎せ返るような香に始まる。すぐさま辛味と甘味が同時に来る。フルボディである。火種が整うまでは荒そうである。ラタキアではなく、花でもなく、黴でもなく、花黴のようなものが香っている。それが段々松茸に纏まってくるようである。微かにビオフェルミンの旨味。ラムネのラムネ(飲物ではなくそれを模した菓子の方)のような爽やかな香がごく僅かに混じる。それから急に焦げのような太い苦味が来る。そこにコクが乗っている。かと思えば優しいコクに早変わりする。色々変わってまだ5ミリ。
 深いカカオのコクがあり、何に似ているかといえばやはり先日のパディラに似ているのだが、こちらの方がダビドフの松茸等、他の銘柄への接近を感じる為に独特さが薄らいでいる。と思うのも束の間で、この葉巻は変化が激しい。変化というより、落ち着きが無くずっと震えているような印象である。落ち着きが出てきても震えの中での落ち着きにすぎない。
 そしてやはりラタキアのような悪臭が微かに来る事がある。これはラムネ菓子と紙一重で不味い。ラムネとラタキアの両者には共通の要素があるらしいのである。思えばソーダ味のガムなどを噛んでラタキアに似た嫌な感じを受ける事が度々だった。私はラタキアが大嫌いなのだが、昔からソーダ味のガムや飴も大嫌いである。ほんの微かなラタキアでも敏感に嫌で、今思えば幼少の頃のあれらは総じてラタキアの不味さだった。正露丸などは好きだが、ラタキアの悪臭は正露丸ではなく、古人形のようなものである。ラタキアは着火前は確かに正露丸であり、つまり着火さえしなければいい匂いなのだが、着火すると腐った家に住んでいるような気がしてしまう。それにしても、ラタキア紙一重でラムネ菓子のほうに落ち着くとこの葉巻は不味くなく美味しい。
 二度目の灰が整う頃になると全体的に軽やかになり金木犀が匂い立つようだ。小刻みな震えも無くなる。そのかわり、色々な味までもが消え、多少味気なくなる。あんまり味が綺麗になるので、不味い大吟醸酒のようにかえってエグミが目立ってしまいもする。しかしどんどん花花しくなり、雑味も消えていく。何らかのコクが強まったのかもしれない。するとまたラタキアが出たりするのである。
 ラタキアが嫌いな人には勧められないが、ラタキアが好きな人に勧められるほどラタキアが濃いのでもない。
 金木犀の咲く頃は美味しかったが、以降、なよなよと終わる。なよなよとしたフルボディである。
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