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|5 x 43|AtlanticCigar|$113/25|重量:−1|算出:+1|香味:+1(箱)|
ふとこのアヴォクラシックはフォンセカをドミニカ風にごくソフトに陶器質に仕上げた感じかとも思う。辛味も消して、となるとまるで別物だけれど。こちらは同じサントリープレミアムモルツを合わせても牛乳も出ない。かえってもともとのクリーミーさが感じられなくなる。西に赤い絹層雲があり東に青い絹層雲があるなどと視線を移動させなければあまり美味しく感じられない。これは箱の評価は+1ぐらい。0点の物が多すぎる。三ヶ月経っても別段全てが美味しくなるという物でもなかった。
プリトスの方が色々と良い。
FONSECA kdtとこれが無くなると気軽に吸えるものが無くなる。不思議な安さのパルタガス/プチコロナエスペシャルが欲しいが、終売候補が嫌なものばかりで安い物に手を出す懐がない。
ふとこのアヴォクラシックはフォンセカをドミニカ風にごくソフトに陶器質に仕上げた感じかとも思う。辛味も消して、となるとまるで別物だけれど。こちらは同じサントリープレミアムモルツを合わせても牛乳も出ない。かえってもともとのクリーミーさが感じられなくなる。西に赤い絹層雲があり東に青い絹層雲があるなどと視線を移動させなければあまり美味しく感じられない。これは箱の評価は+1ぐらい。0点の物が多すぎる。三ヶ月経っても別段全てが美味しくなるという物でもなかった。
プリトスの方が色々と良い。
FONSECA kdtとこれが無くなると気軽に吸えるものが無くなる。不思議な安さのパルタガス/プチコロナエスペシャルが欲しいが、終売候補が嫌なものばかりで安い物に手を出す懐がない。
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|LOT MAY 10|4.5 x 36|cigarOne|$71/25|重量:−1|算出:+7|香味:+4(箱)|
過去一番の大当たりで、辛味も激しいが、はじめからなにかまったりまろやかななめらかな、な行やま行っぽい味がする。ただのサントリープレミアムモルツを飲んでいると、花が咲く頃にはどちらもが牛乳の味がした。この二つは激しく合う。ビールが葉巻のまろやかさを高めて辛味や荒さを流す作用をもっている。牛乳は嫌いだが、炭酸と煙に牛乳臭さも洗われる。洗われているものがぬめりとひらめくのである。実際に牛乳など飲んでしまったらこうはいくまい。
この葉巻は今までピーナッツの殻と薄皮ばかりであまり中身がなかったのである。そこに牛乳が加わった。草っぽい雑味は時々刺さる。
これでもうこの箱については書けないので、今回は箱としての点数。この一本も+3だが、9割が+3なら箱では+4になる。
過去一番の大当たりで、辛味も激しいが、はじめからなにかまったりまろやかななめらかな、な行やま行っぽい味がする。ただのサントリープレミアムモルツを飲んでいると、花が咲く頃にはどちらもが牛乳の味がした。この二つは激しく合う。ビールが葉巻のまろやかさを高めて辛味や荒さを流す作用をもっている。牛乳は嫌いだが、炭酸と煙に牛乳臭さも洗われる。洗われているものがぬめりとひらめくのである。実際に牛乳など飲んでしまったらこうはいくまい。
この葉巻は今までピーナッツの殻と薄皮ばかりであまり中身がなかったのである。そこに牛乳が加わった。草っぽい雑味は時々刺さる。
これでもうこの箱については書けないので、今回は箱としての点数。この一本も+3だが、9割が+3なら箱では+4になる。
物珍しく、たった一日一年ぶりに雪が降ったのだから『クァバのサロモネス』を齧ってみたものの、雪に合うかと思って選んだのに、結局は二ヶ月一回の床屋程度の味だった。終盤だけはけっこういける。しかし降る雪も虚しく排気ガスに汚れる雪だったので、全然違う事を考えました。
どうして榛名山(凸)の火種が良いか(▲)についてなのだが、凹みはどこかしらシケモクだからであり、早朝の湖のように平らな火種はいかに美味しくともたった一秒後にはシケモクに通じるからです。榛名山なら一分三十秒待ってもシケモクにはならない。「火が消えたら点け直せば良い」などというのは美味しさ一辺倒ではなく初心者への気遣い一辺倒だからです。榛名山を保つには、一分三十秒どころかもっとスパスパ吸わねばなりませんが、そのようにするとど偉い初心者氏はニコチン酔いするかもしれませんが、ニコチン酔いするしかありません。「毎日ロブスト以上のものを一本!」という具合に量をこなしてニコチン慣れするか、量をこなしつつニコチン酔いしつつ酔い難い燻らせ方を心得るしかないのです。着火し直すなどトンでもありません。シケモクがどれだけ不味いかはシケモクを吸ってみればすぐにわかります。オリンピックの聖火台のように火を絶やしてはならないのです。但しマッターホルンもトンでもありません。クールすぎてもホットすぎても、頭隠して尻隠さずというか、尻を隠しているだけなのであります。頭を隠して尻を出せば、それが榛名山になるでしょう。葉巻が美味しければこんな意地悪な事は考えずに済む。ハズレこそ悪なのであります。美味しければニコチン酔いしたって美味しいし、槍ヶ岳でもマッターホルンでも美味しい。しかしマッターホルンで美味しい物も、グランドキャニオンでは不味くなります。
全然関係ないが、排気ガスと副流煙はどちらが身体に悪いのか? どちらも悪いという事はわかるけれど。静かで快適なエコ葉巻をキューバ人が作るはずもない。
どうして榛名山(凸)の火種が良いか(▲)についてなのだが、凹みはどこかしらシケモクだからであり、早朝の湖のように平らな火種はいかに美味しくともたった一秒後にはシケモクに通じるからです。榛名山なら一分三十秒待ってもシケモクにはならない。「火が消えたら点け直せば良い」などというのは美味しさ一辺倒ではなく初心者への気遣い一辺倒だからです。榛名山を保つには、一分三十秒どころかもっとスパスパ吸わねばなりませんが、そのようにするとど偉い初心者氏はニコチン酔いするかもしれませんが、ニコチン酔いするしかありません。「毎日ロブスト以上のものを一本!」という具合に量をこなしてニコチン慣れするか、量をこなしつつニコチン酔いしつつ酔い難い燻らせ方を心得るしかないのです。着火し直すなどトンでもありません。シケモクがどれだけ不味いかはシケモクを吸ってみればすぐにわかります。オリンピックの聖火台のように火を絶やしてはならないのです。但しマッターホルンもトンでもありません。クールすぎてもホットすぎても、頭隠して尻隠さずというか、尻を隠しているだけなのであります。頭を隠して尻を出せば、それが榛名山になるでしょう。葉巻が美味しければこんな意地悪な事は考えずに済む。ハズレこそ悪なのであります。美味しければニコチン酔いしたって美味しいし、槍ヶ岳でもマッターホルンでも美味しい。しかしマッターホルンで美味しい物も、グランドキャニオンでは不味くなります。
全然関係ないが、排気ガスと副流煙はどちらが身体に悪いのか? どちらも悪いという事はわかるけれど。静かで快適なエコ葉巻をキューバ人が作るはずもない。
|BYL SEP 05|9 1/4 x 47|coh-hk|$62.90/5|算出:+2|香味:+2|
雨が久しぶりに降ったのでサンチョスを水煙のようにする。何でもないようでいてなんだかある日に丁度良く、サンチョスの便利さには頭が下がる。このものははずれもしない。
序盤は腹が立つほど静かで、クレッシェンドひとすじである。エンストを起こしそうで起こさないじれったさがあり、なかなか少しずつトルクフルになるのでもない。善哉を思う甘さ。サンチョパンザの味がする他はただ長いだけである。
これで四本目だが、一本目が一番だった。(何故か三本目の方が高得点)
特に得るものはないのだが、得るものよりも無駄のほうが断然好きなのだが、事が煤煙だと勝手が違う。
みみっちいクレッシェンドも中盤で尽き、それから花火も上がらずに平板に終わる。
雨も情けないほど弱い。
これでもハズレではない。
久しぶりの雨が洗ってくれるはずだが、昨日まで地面が洗われず、街に足の踏み場もなかった。
空梅雨や呑み人たちのげろの跡
「雨が降らない冬」というような季語を探したが見つからない。そこをなんとかもって来るのがプロだと思うが、仕方なく空梅雨にワープした。「空梅雨」が季語なのかどうかもわからない。
俳句を生まれて初めてひねったが、汚い。
雨が久しぶりに降ったのでサンチョスを水煙のようにする。何でもないようでいてなんだかある日に丁度良く、サンチョスの便利さには頭が下がる。このものははずれもしない。
序盤は腹が立つほど静かで、クレッシェンドひとすじである。エンストを起こしそうで起こさないじれったさがあり、なかなか少しずつトルクフルになるのでもない。善哉を思う甘さ。サンチョパンザの味がする他はただ長いだけである。
これで四本目だが、一本目が一番だった。(何故か三本目の方が高得点)
特に得るものはないのだが、得るものよりも無駄のほうが断然好きなのだが、事が煤煙だと勝手が違う。
みみっちいクレッシェンドも中盤で尽き、それから花火も上がらずに平板に終わる。
雨も情けないほど弱い。
これでもハズレではない。
久しぶりの雨が洗ってくれるはずだが、昨日まで地面が洗われず、街に足の踏み場もなかった。
空梅雨や呑み人たちのげろの跡
「雨が降らない冬」というような季語を探したが見つからない。そこをなんとかもって来るのがプロだと思うが、仕方なく空梅雨にワープした。「空梅雨」が季語なのかどうかもわからない。
俳句を生まれて初めてひねったが、汚い。
|6 x 54|AtlanticCigar|$13.5|重量:+1|算出:+4|香味:+3|
松茸がほろ苦い土のコクを纏って、その衣たるや蝶も止まる花柄なのである。
火種が落ち着くと柾目が見えてくる。桐箪笥である。日本調かというと、全然違う高級ドミニカンで、白い部屋に焦茶が落ち着く。
花が香る直前に時々草がひらめく。すると段々花が菊のようになってくる。小型の懐中電灯のような、懐中電灯に火種を灯したようなこの葉巻は、実に懐中電灯らしからぬ。今丁度読んでいるのだが、葉巻の比喩は、「柳の葉に尾鰭の生えたようなあの小魚」と岡本かの子がいうドジョウのようなわけにはどうしてもいかない。
淡白ではないが太口径のために煙が拡散しがちで、変化の緩慢さも心地よいといえば心地よい。単調というか、それだけアヴォの特性が始終色濃いのかもしれない。これだけ悠々としているとほろ苦さに淡い貫禄を感じる。
香りの甘さが味の苦さと競って、火花も花の模様である。
ダビドフに似ても非なる独特の味わいで、古拙な気分から茶碗を除いたような不思議な不確かさがある。したたかではない。
最終的には松茸が花のように甘い松茸になって土に沈む。本当の終わりには雑味らしい雑味がくべられる。ここで再び菊花紋が現れるのだが、ハバナならこんな思わせぶりな死はないだろう。
なんだか+3だが、どうしてトロのほうが安いのか、フィギュラドよりトロの方が断然良くはあった。
Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Ecuadorian Connecticut
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
松茸がほろ苦い土のコクを纏って、その衣たるや蝶も止まる花柄なのである。
火種が落ち着くと柾目が見えてくる。桐箪笥である。日本調かというと、全然違う高級ドミニカンで、白い部屋に焦茶が落ち着く。
花が香る直前に時々草がひらめく。すると段々花が菊のようになってくる。小型の懐中電灯のような、懐中電灯に火種を灯したようなこの葉巻は、実に懐中電灯らしからぬ。今丁度読んでいるのだが、葉巻の比喩は、「柳の葉に尾鰭の生えたようなあの小魚」と岡本かの子がいうドジョウのようなわけにはどうしてもいかない。
淡白ではないが太口径のために煙が拡散しがちで、変化の緩慢さも心地よいといえば心地よい。単調というか、それだけアヴォの特性が始終色濃いのかもしれない。これだけ悠々としているとほろ苦さに淡い貫禄を感じる。
香りの甘さが味の苦さと競って、火花も花の模様である。
ダビドフに似ても非なる独特の味わいで、古拙な気分から茶碗を除いたような不思議な不確かさがある。したたかではない。
最終的には松茸が花のように甘い松茸になって土に沈む。本当の終わりには雑味らしい雑味がくべられる。ここで再び菊花紋が現れるのだが、ハバナならこんな思わせぶりな死はないだろう。
なんだか+3だが、どうしてトロのほうが安いのか、フィギュラドよりトロの方が断然良くはあった。
Country Of Origin: Dominican Republic
Wrapper Type: Ecuadorian Connecticut
Color: Colorado
Binder / Filler: Dominican Republic / Dominican Republic
|LOT MAY 10|4.5 x 36|cigarOne|$71/25|重量:−1|算出:+5|香味:+3|
正月に贅沢をして、ほぼ一ヶ月ぶりに煙るとやはり素直に美味しい。ピリ辛の雑味が心地好く、花がまろやか。これだけなのである。太長プレミアムに慣れて雑味を嫌う内はこの良さはわからない。わかったところでどうという事もないけれど、一年前の私はフォンセカ特有のこの辛味がどうしても腑に落ちなかったのである。もっとも雑味を雑味と感じさせない秘密がこの香味にはあるのかもしれない。
残6本しかない。この箱を熟成させようとは思わなかったが、それが気にかかる。熟成で一番気にかかるのは不安ロペスの15年物だけれど。……シガーワンの説明文に15年が良いというような事が書いてあるのだが、確かにあの香味は熟成に向かなそうで向きそうなのである。
正月に贅沢をして、ほぼ一ヶ月ぶりに煙るとやはり素直に美味しい。ピリ辛の雑味が心地好く、花がまろやか。これだけなのである。太長プレミアムに慣れて雑味を嫌う内はこの良さはわからない。わかったところでどうという事もないけれど、一年前の私はフォンセカ特有のこの辛味がどうしても腑に落ちなかったのである。もっとも雑味を雑味と感じさせない秘密がこの香味にはあるのかもしれない。
残6本しかない。この箱を熟成させようとは思わなかったが、それが気にかかる。熟成で一番気にかかるのは不安ロペスの15年物だけれど。……シガーワンの説明文に15年が良いというような事が書いてあるのだが、確かにあの香味は熟成に向かなそうで向きそうなのである。
|5.6 × 54|cigarOne|($67)|重量:+1|算出:+3|香味:+4|
三ヶ月ほど前にオマケで頂戴した物。巻きはダビドフ並、ドローは或いはそれ以上に美しい。
炭を思わせるコクに始まる。徐々にコイーバの記憶が浮かんでくるが、それが沈んだりしている間に確実に甘くなってくる。炭は消えない。マデューロの迫力とはまた別の炭の深々しい力がある。静かに濃く、炭は粉っぽい。烏賊スミを連想しても構わないようである。
突然クリーム色のクリーミーな花が咲く。烏賊の足を十本口に突っ込まれたかのように突然。それがすぐさま、綿あめのような綿ぼこりのようなカスタードクリームに変わる。それがすぐさま揮発性のカスタードクリームに変わる。変わるというより、二度同じ味を感じさせないのかもしれない。
まろやかで、幽かに渋く、幽かに苦い。
葉の葉らしい香味は、墨に目隠しされて葉巻の記憶からズレていたが、ダージリンめいてくる。その葉の土が炭なのである。そしてまたクリーミーな甘い花が。
『常陸野ネストビール 賀正エール』(三年物)と合わせると、山芋と大根を合わせるような似て非なるものたちの相性の悪さを感じる。飲み物がうるさくて葉巻を静かに味わえなくなる。この蔵元の『エクストラハイ』という麦酒はマイケル・ジャクソンが飲まずに死んだのが悔やまれるほどの逸品だが、賀正エールは高濃度にしては灯油を呑む感じもなく、麦酒自体もおそらくちぐはぐしている。吟醸酒は文句なく合う。
コクはチョコなどは無視し、ダージリンが穏やかなアッサムに変わる。すると一気に土臭くなる。
コイーバらしく岩っぽくはあるのだが、岩というよりも更に、他の銘柄の良いところが素直に犇めいている感じもする。こういうものをたった一本でこれこのものとして堪能するのは難しいのかもしれない。質感はマエストロにも似ているし、終盤は昨日のルシタニアスを彷彿とさせるけれども、序盤から続く炭は特別美味しいものでなく、ただ段々馴れて薄らいでいく。
終盤ではコイーバに似て、ダージリンがコイーバ独特の草っぽいダージリンになる。
飲み物を吟醸酒に戻したからか、穏やかさが復帰してたおやかになる。根元にして典雅な余裕を感じる。
あまり美味しいとは思えない炭に病み付きになるかもしれない。+4にして+5以上というような変な印象である。ベイーケの特質が本当に炭にあるのならいいけれど。
三ヶ月ほど前にオマケで頂戴した物。巻きはダビドフ並、ドローは或いはそれ以上に美しい。
炭を思わせるコクに始まる。徐々にコイーバの記憶が浮かんでくるが、それが沈んだりしている間に確実に甘くなってくる。炭は消えない。マデューロの迫力とはまた別の炭の深々しい力がある。静かに濃く、炭は粉っぽい。烏賊スミを連想しても構わないようである。
突然クリーム色のクリーミーな花が咲く。烏賊の足を十本口に突っ込まれたかのように突然。それがすぐさま、綿あめのような綿ぼこりのようなカスタードクリームに変わる。それがすぐさま揮発性のカスタードクリームに変わる。変わるというより、二度同じ味を感じさせないのかもしれない。
まろやかで、幽かに渋く、幽かに苦い。
葉の葉らしい香味は、墨に目隠しされて葉巻の記憶からズレていたが、ダージリンめいてくる。その葉の土が炭なのである。そしてまたクリーミーな甘い花が。
『常陸野ネストビール 賀正エール』(三年物)と合わせると、山芋と大根を合わせるような似て非なるものたちの相性の悪さを感じる。飲み物がうるさくて葉巻を静かに味わえなくなる。この蔵元の『エクストラハイ』という麦酒はマイケル・ジャクソンが飲まずに死んだのが悔やまれるほどの逸品だが、賀正エールは高濃度にしては灯油を呑む感じもなく、麦酒自体もおそらくちぐはぐしている。吟醸酒は文句なく合う。
コクはチョコなどは無視し、ダージリンが穏やかなアッサムに変わる。すると一気に土臭くなる。
コイーバらしく岩っぽくはあるのだが、岩というよりも更に、他の銘柄の良いところが素直に犇めいている感じもする。こういうものをたった一本でこれこのものとして堪能するのは難しいのかもしれない。質感はマエストロにも似ているし、終盤は昨日のルシタニアスを彷彿とさせるけれども、序盤から続く炭は特別美味しいものでなく、ただ段々馴れて薄らいでいく。
終盤ではコイーバに似て、ダージリンがコイーバ独特の草っぽいダージリンになる。
飲み物を吟醸酒に戻したからか、穏やかさが復帰してたおやかになる。根元にして典雅な余裕を感じる。
あまり美味しいとは思えない炭に病み付きになるかもしれない。+4にして+5以上というような変な印象である。ベイーケの特質が本当に炭にあるのならいいけれど。
|UGA MAY 09|194mm x 49|Cigars of Cuba|$106/10|重量:+1|算出:+8|香味:+5|
一口目から別格。これまで八本中一本しか当っていないから、ここまでのものとは思っていなかった。先日のエスプレンディドスのキャビンやダージリンによく似た尊い香り。この茶葉感はリットーゴメスに始まり、エスプレンディドスを経過し、ルシタニアスに至る、私の経験はなんて豊かなのだろうと感嘆してしまう。
エスプレンディドスよりも甘くて辛い。辛さは雑に感じない力をもって迫るが、しばらくすると収まる。どことなくパルタガスのルシタニアスでしか得られないなにものかが一貫して一服目からあるので、派手な中にも落ち着きがある。派手というか、高貴なのだが。
紅茶の葉は極甘い金木犀などに翻る。
鼻につんとくる揮発感があるようでなく、あまり優しさがないようでいて優しい。
今までとは別物で、熟成(?)と若さの名残とが信じ難いほど絶妙に結合している。信じ難い煙以外の何を信じろというのか。
吸い込みがよすぎるぐらいによく、煙も濃い。
前回の5点の時にあった、唖然たらしめる精妙な変化はなく、単調だが、これ以上に何も無い天井の香味がずっと続いているのだから、飽きる贅沢を味わえると考えたほうが良さそうである。
なのに微妙に変化しつつある。花がキャラメルを幾重にも帯びて濃く湿り、薄黄金色の透明な蜜が滴る。ここで四十分、減りは早い。
ダージリンに憑物のような渋い高音域がずっと響いていて、そこがなんだかパルタガスらしからぬが、それが少し酸味がかってきてますますパルタガスらしからぬ。酸味はダブルコロナらしい変化の一面にとどまってくれるが、なんだかサンルイレイに似てきたような感じもする。
さすがに一時間も煙に集中していたら飽きてきた。集中するつもりなどなかったのに一時間も集中してしまった。求心力が凄く、気付けば、未来の不安にも似た異様な静けさに襲われる。いつも網戸から出ていく煙を目で追っている(冬は冷たい空気が網戸の下段から入り、温かい空気が煙と共に網戸の上段からゆっくりと出ていってくれる。夏は逆流で煙がこもる。)のに、煙の行方さえ追い忘れていた。長い長い終盤を流しながらやるべき事をやろうという気になる。この葉巻がなかったら、今頃やり終えていた事である。それで止まっていた音楽を流したのである。流れるばかりで結局なにも進まない。
一時間半で約三センチ残して終了。時間が忘我に消えると目覚めた時にかえって時間が気にかかる。
一口目から別格。これまで八本中一本しか当っていないから、ここまでのものとは思っていなかった。先日のエスプレンディドスのキャビンやダージリンによく似た尊い香り。この茶葉感はリットーゴメスに始まり、エスプレンディドスを経過し、ルシタニアスに至る、私の経験はなんて豊かなのだろうと感嘆してしまう。
エスプレンディドスよりも甘くて辛い。辛さは雑に感じない力をもって迫るが、しばらくすると収まる。どことなくパルタガスのルシタニアスでしか得られないなにものかが一貫して一服目からあるので、派手な中にも落ち着きがある。派手というか、高貴なのだが。
紅茶の葉は極甘い金木犀などに翻る。
鼻につんとくる揮発感があるようでなく、あまり優しさがないようでいて優しい。
今までとは別物で、熟成(?)と若さの名残とが信じ難いほど絶妙に結合している。信じ難い煙以外の何を信じろというのか。
吸い込みがよすぎるぐらいによく、煙も濃い。
前回の5点の時にあった、唖然たらしめる精妙な変化はなく、単調だが、これ以上に何も無い天井の香味がずっと続いているのだから、飽きる贅沢を味わえると考えたほうが良さそうである。
なのに微妙に変化しつつある。花がキャラメルを幾重にも帯びて濃く湿り、薄黄金色の透明な蜜が滴る。ここで四十分、減りは早い。
ダージリンに憑物のような渋い高音域がずっと響いていて、そこがなんだかパルタガスらしからぬが、それが少し酸味がかってきてますますパルタガスらしからぬ。酸味はダブルコロナらしい変化の一面にとどまってくれるが、なんだかサンルイレイに似てきたような感じもする。
さすがに一時間も煙に集中していたら飽きてきた。集中するつもりなどなかったのに一時間も集中してしまった。求心力が凄く、気付けば、未来の不安にも似た異様な静けさに襲われる。いつも網戸から出ていく煙を目で追っている(冬は冷たい空気が網戸の下段から入り、温かい空気が煙と共に網戸の上段からゆっくりと出ていってくれる。夏は逆流で煙がこもる。)のに、煙の行方さえ追い忘れていた。長い長い終盤を流しながらやるべき事をやろうという気になる。この葉巻がなかったら、今頃やり終えていた事である。それで止まっていた音楽を流したのである。流れるばかりで結局なにも進まない。
一時間半で約三センチ残して終了。時間が忘我に消えると目覚めた時にかえって時間が気にかかる。
|5 3/5 x 46|cigarOne|$53/5|重量:0|算出:+5|香味:+3|
ミントなど出現するわけがないが、どことなくミントが香り、しかもミントが甘く、甘さが緑白色をしている。葉が辛くて乾ききっているのに、ミントがしっとりとして甘い。午後三時の物憂い疲れと午前十時の爽やかな期待の活力とが入り交じる十二時半、太陽が中天にかかって方位磁針が微睡む。かりそめの昼食時で旨味やコクというものはない。自分が時計や磁石になってしまったような、魚が水の記憶を得るような香味である。要するに今を生きていない。
中盤からその光景のままに花が咲く。
美味しい葉巻というよりも気になる葉巻で、過去が美味しいのだから厭きない。というのも美味しい葉巻だからだが。……香味以上の何ものかをくすぐる。しかも母親が幼児をあやすように健康にくすぐる。
この葉巻は、寝かせるというより、自分が寝ているようなものだ。そんなものを寝かせるとどうなるのか、五十本入りを買って余生とすべきかとも思う。
終盤では落葉が荒い豆のように雑味を伴いつつ香ばしく香る。香香という名の中国人のように。
アメリカの枯れたカントリーミュージックよりも幽かに若草を残すイギリスのトラッドフォークに近い。思うのは日本の田舎だが、日本のひね媚びたフォークとはやっぱり違う。もっとも葉巻は音楽ほど寂しくはなく、懐かしさが爽やかに蘇るばかりである。
ふとダビドフ2008に通じる幽かな瞬間もあった。
ミントなど出現するわけがないが、どことなくミントが香り、しかもミントが甘く、甘さが緑白色をしている。葉が辛くて乾ききっているのに、ミントがしっとりとして甘い。午後三時の物憂い疲れと午前十時の爽やかな期待の活力とが入り交じる十二時半、太陽が中天にかかって方位磁針が微睡む。かりそめの昼食時で旨味やコクというものはない。自分が時計や磁石になってしまったような、魚が水の記憶を得るような香味である。要するに今を生きていない。
中盤からその光景のままに花が咲く。
美味しい葉巻というよりも気になる葉巻で、過去が美味しいのだから厭きない。というのも美味しい葉巻だからだが。……香味以上の何ものかをくすぐる。しかも母親が幼児をあやすように健康にくすぐる。
この葉巻は、寝かせるというより、自分が寝ているようなものだ。そんなものを寝かせるとどうなるのか、五十本入りを買って余生とすべきかとも思う。
終盤では落葉が荒い豆のように雑味を伴いつつ香ばしく香る。香香という名の中国人のように。
アメリカの枯れたカントリーミュージックよりも幽かに若草を残すイギリスのトラッドフォークに近い。思うのは日本の田舎だが、日本のひね媚びたフォークとはやっぱり違う。もっとも葉巻は音楽ほど寂しくはなく、懐かしさが爽やかに蘇るばかりである。
ふとダビドフ2008に通じる幽かな瞬間もあった。
筒井康隆の『富豪刑事』に出てくる富豪刑事が惜しげもなく吸っては捨てている壱本8500円の葉巻はダビドフのロイヤルサロモネスなのではないかなぁ。
富豪刑事とは少ししか関係なさそうだが、面白おかしいリンク●
富豪刑事とは少ししか関係なさそうだが、面白おかしいリンク●
銘
囹
月