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  源氏物語「葉」
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|UGA MAY 09|194mm x 49|Cigars of Cuba|$106/10|重量:+1|算出:+8|香味:+5|

 一口目から別格。これまで八本中一本しか当っていないから、ここまでのものとは思っていなかった。先日のエスプレンディドスのキャビンやダージリンによく似た尊い香り。この茶葉感はリットーゴメスに始まり、エスプレンディドスを経過し、ルシタニアスに至る、私の経験はなんて豊かなのだろうと感嘆してしまう。
 エスプレンディドスよりも甘くて辛い。辛さは雑に感じない力をもって迫るが、しばらくすると収まる。どことなくパルタガスのルシタニアスでしか得られないなにものかが一貫して一服目からあるので、派手な中にも落ち着きがある。派手というか、高貴なのだが。
 紅茶の葉は極甘い金木犀などに翻る。
 鼻につんとくる揮発感があるようでなく、あまり優しさがないようでいて優しい。
 今までとは別物で、熟成(?)と若さの名残とが信じ難いほど絶妙に結合している。信じ難い煙以外の何を信じろというのか。
 吸い込みがよすぎるぐらいによく、煙も濃い。
 前回の5点の時にあった、唖然たらしめる精妙な変化はなく、単調だが、これ以上に何も無い天井の香味がずっと続いているのだから、飽きる贅沢を味わえると考えたほうが良さそうである。
 なのに微妙に変化しつつある。花がキャラメルを幾重にも帯びて濃く湿り、薄黄金色の透明な蜜が滴る。ここで四十分、減りは早い。
 ダージリンに憑物のような渋い高音域がずっと響いていて、そこがなんだかパルタガスらしからぬが、それが少し酸味がかってきてますますパルタガスらしからぬ。酸味はダブルコロナらしい変化の一面にとどまってくれるが、なんだかサンルイレイに似てきたような感じもする。
 さすがに一時間も煙に集中していたら飽きてきた。集中するつもりなどなかったのに一時間も集中してしまった。求心力が凄く、気付けば、未来の不安にも似た異様な静けさに襲われる。いつも網戸から出ていく煙を目で追っている(冬は冷たい空気が網戸の下段から入り、温かい空気が煙と共に網戸の上段からゆっくりと出ていってくれる。夏は逆流で煙がこもる。)のに、煙の行方さえ追い忘れていた。長い長い終盤を流しながらやるべき事をやろうという気になる。この葉巻がなかったら、今頃やり終えていた事である。それで止まっていた音楽を流したのである。流れるばかりで結局なにも進まない。
 
 一時間半で約三センチ残して終了。時間が忘我に消えると目覚めた時にかえって時間が気にかかる。
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