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  源氏物語「葉」
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|cigarOne|181.90CHF/1|2019/11/16・arr 11/24|
|—|7.64 x 49|18.55g|香:3.2~3.9 ave3.5|残0|

 初グランレゼルバ、パルタガス・ルシタニアス。
 BHKは無臭に近づいていたが、こちらのラッパーはまだ匂いを残している。

 初っ端から物珍しい白い花が咲く。それから木が続く。
 吸い込みが昨夜に引き続き悪い。(そもそも名のあるトルセドールでさえ信用できないドローの世界なのかもしれない。彼らがどうやって名を高めたか、ドローの良さで高めることはない気がする。)
 幽かなエステル、ただし煙の味薄く、木が続く。木は揮発性を帯び、苦手な風味となる。木が消滅して白花のエステルのみ残る奇跡が起これば感無量だけれど、これを奇跡というのは、葉巻の場合はおよそ例外なく「揮発性の木」にしかエステルがつかないからである。
 何か思わしげなところがある、この葉巻。
 一度灰が落ちる頃、パルタガス山が噴火し始め、まだ細い火口からほの甘い化粧分を街の上空に散らし始め、麓の木がすっかり焼き払われるかに思える。木の焦げた匂い、花の焼けた香りが殊のほか天国行きか。焼けて天国。やはりこの花は新種で、滴る蜜も凛とする。カスタードを白粉化したかのような、純白の不思議なケーキを活火山の近場で味わう。ケーキの中には白花の蜜が点在するも、あまり数多くなく勿体ぶって、今に火口から甘さがふつふつ滾りそうである。
 パルタガスに木は珍しく、でもなんとなくパルタガスの味があるし、どうやら高級な手法でパルタガスを木化させたらしい。ただし木である。
 BHKやリネアの重厚な方向というよりER物の軽妙な方向へグランレゼルバは向っているように見える。火山不甲斐なく木が復帰して栄え、とうとう期待外れに終る。楚々としすぎているが、白い未見の花が強烈にして儚い印象の幻となった。

 久しぶりのダブルコロナ、意外や小さく見えるのは最近のずんぐり傾向と比べると細身だからか、それでも結局火持は長く、いつも以上に夜更かしさせられてしまう。「堪能」という言葉にちょうど良い長さ。ハズレが多いビトラである気もするけれど、当たった時の凄さは代え難いし、ダブルコロナを少々集めておきたくなる。価格からして今日のせこい香味は痛いはずであるのに、ダブルコロナを集めたいと思わせるほどの魅力があったのか、単に夜が明けるほどの長さを気に入っただけなのか……。

 実に謎である、白い花。もう存在しないかもしれないが、完璧な状態の物を燻らせたい。
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