忍者ブログ

  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

|箱不明|5.6 x 46|cigarOne|$14|重量:−1(10.06g)|算出:+5|香味:+4|計8点|

 ふっと甘やかでどことなくミルキーなフルーツに始まる。おっとりしていて柔らかく、ひと口目からして完成した美味しさ。そこから始まる限りない想像が束の間に枯れつ萎みつ、やがて味気ない藁束のみになる。しばし。
 や・やがて金属質の金木犀を不気味な錫杖のようにキンキンと鳴らしながらもふっとひと口目に近づき、金属が優しく鳴り止むとともに本当にひと口目の甘美が復活するのである。甘く、軽く、ほんわかして、フルーツを盛ったクレープみたいな、ほとんどお菓子の味。生クリーム、カスタードクリーム、生地にこんがり香ばしい焦げが付き、砂糖を焼いたような風味、そこに今度は木質の木木犀がチョコバナナにふりかけるカラフルな仕上げのチョコスプレーのようにこんこんと横から降りかかってくる。ところがチョコスプレーはまるで茶色のチョコ味がせず、見た目にも嬉しいオレンジ一色の金木犀味であり、この時、クレープを食べ進めた果ての三角の根元にはそのオレンジ色しか詰まっていないように思えるが、食べてもなかなか減らないこの巨大なクレープの、お菓子官能は長い。豊満なのに味が甘すぎず煙のように軽やに膨らむので、煙なのに煙らしからず紅茶の香味を邪魔しないので、クレープが紅茶に合うのとやや同じ調合が起る。紅茶を飲んでいる。
 根元に近づくにつれ、金木犀の中に、ハバナ葉巻らしい風合いを覚える。それでもミディアムボディ程度。そうなる前は、本当にお菓子としか思えない、ヘビーにしてライトな不思議さなのである。
 や・や・やがてやや草っぽさが出てくる、残6センチ程度。この辺りでやめるのが毒ではないのだが、それでもまたクレープがほんのりすっきり香ったり、また軽くなったりして、急に新鮮で美味しいのである。ここにきて金木犀も一瞬絶妙な調合を見せ、その彩りに目を回しているうち、金属がまたキンキンと鳴り始め、この辺りでやめるのが毒ではないのだが、この先を知りたくなる。そこは地獄かもしれないよ。

 どうも売れ残っているような雰囲気があるのだが、そう高価でもないし、クレープとしては小一時間強の巨大なサイズも魅力で、箱で買っておくのも悪くなさそう。

 やっぱりロメオに似ていると思う。
PR

忍者ブログ [PR]