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  源氏物語「葉」
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|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|重量:+1(15.20g)|算出:+7|香味:+5|

 葉っぱらしい香ばしさの類が特等品の豆の香ばしさの二面相で、恰もアーモンドが根付()のように削られていく。洒脱な軽さがこの香ばしさを嘘のようなものにしている。嘘でこそ香ばしさが香ばしいのである。
 削りかすの薫香は衰えずに四囲に散り、女体か何かのように削り出されたアーモンドのなまめかしい白肌に木犀色が塗られる。秒音も俟たぬ間に削りかすが一斉に杉となって林立し、白い芯を有耶無耶に遮蔽するのである。目隠しをする杉の樹立の間から裸のような金木犀が隠見する。杉と木犀の縞がまるで二次元の水彩画のように奥行きなく滲み合っている。これでは杉も嫌いになれない。剰えアーモンドから育った杉である。
 女体にも見えた白い芯が何だったのか、判然としない。この煙には芯が無いというか、隠滅することではじめて芯を在らしめている。旨味の強弱とか、そういうものはない。ひたすら軽妙さの裡で揺られているのである。濃さも軽妙、薄さも軽妙、甘さも濃淡を失っている。
 後半は夢枕が椒椒として葉巻らしい15.20グラムの体躯に戻るのだが、これがまた目覚め一番の料理のようで現実的に美味しい。煙に『邯鄲の枕』()が引けるかどうか。まったく女体らしかったようなものが服をきちんと付けて、用意してくれた朝食が晩餐のようである。これも夢、次第に序盤の朝のアーモンドに戻りゆく。孤独で溌溂とした朝のアーモンド。それがまた木犀色に塗られるのである。少しぞっとする回廊のような変化のある、美味しい、変化のない日常である。また杉が林立し……。
 またしてもきちんとした妻のいる朝に戻る。煙にホウホウとしたどうでもよい亭主に晩餐のような朝食を作ってくれる。案外爽やかな晩餐である。テーブルには春だというのに金木犀が飾られている。これはおかしい。やはり夢なのだろう。私は一人なのだろう。煙は既婚者と独身者を併呑するのだろう。

 小数点第二位まで計測可能な精密量りを買ったのだから、重量を記載する事にした。重量のみをもって、ある程度ドローの良し悪しを判読できるらしい。重くてドロー良好であればこの上ない。
 先日の要領で最終盤をパイプに詰めて吸ってみても、こちらは最後まで美味しく、まあ残ゼロセンチを味わい得た。
 過去9本の想い出から良いところだけを抜き出して……と、こういうものを想像して10本目を着火したら、うまい具合にそのとおりになった。この香ばしさは、就中コイーバを髣髴とさせられはするけれど、比べれば比べるほどコイーバには無いもの(岩よりも食べ易いもの)で、香ばしさ自体に旨味の乗ったアーモンドである。アーモンドそのもののように芯の白味の乗ったアーモンドである。アーモンドそのものは好きではないはずだが、煙となればアーモンドは実に美味しい。ケーキやチョコレートのアーモンドよりも香ばしい。
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