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  源氏物語「葉」
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|6 x 52|AtlanticCigar| $10.95|重量:+1|算出:+4|香味:+3|

 白亜のお邸のような白い箱に入って、ピンク色のバンドとの対照が少女趣味っぽく、葉巻には珍しい色合い。箱が欲しくて箱ごと買いたくなる類。
 ラッパーに黒人の肌のような質感がある。肌は柔らかいが、葉は分厚く硬い。かなり綺麗な丈夫なラッパーで、よれが一切ない。
 吸い込みはかなりスカスカだが、一口目からはっきりと、以前何処かで吸った美味しい味がする。
 「甘、草、苦旨珈琲豆」の香味が高級感を出している。高級といわなければ全然美味しくなさそうな「説明」なのだが、確かにその三つの味がする。オリヴァかパディラに似ているのかなと思いつつ非ハバナの記憶を探っていたが、どうやらパンチデルパンチに似ているらしい。このLe Bijouにもハバナっぽいところがなんとなくあるものの、デルパンチのハバナっぽくないところが似ている。あちらがニカラグアに似ていて、こちらがハバナに似ていて、金の鯱のように互いに擦り寄っていくらしい。
 それで、デルパンチはハバナとしてあまり好感が持てず、こちらは非ハバナとして好感が持てる。
 スカスカなのであまり落ち着きもせず、「花と春菊」の奇妙な取り合わせが顔を出す。味は甘辛く、煙は咽にかなり辛く当たる。悪くいえば雑味というか、雑味は雑味だが、良くいえば花と草で出来た(つまり自然の)心地好いハーシュノイズ(アナログテレビの砂嵐を鋭くした感じの煩い音)のような。
 円やかさや膨らみがないのだが、あるといえばあるような気もしなくない。そもそも円やかさや膨らみは非ハバナではほとんど感じた事がないが、これはハバナに少し似ていて、その部分に円やかさと膨らみそうな旨味を感じるのである。それとは別に、時々、「カランコロン」と鳴る軽快な香りが膨らむ。黄緑色の花と桃色の果実を掛け合わせたような甘く爽やかな香りが。黄緑色の花というものは見た事もないが、確かに嗅いだ事のない香りがするのである。バンドを見てみるとバンドも黄緑色と桃色なのである。
 こうした色が発現する頃から棘が形を潜めて柔らかくなってくる。しかし坦々と進んでいる。背の高い草原の中を、紙コップの珈琲を啜って進んでいる。右手には紙コップ、左手には花の蜜を持っている。小説ならこの先に落とし穴があるが、これはこのまま草原を進む物なのだろう。しかしお姫様の白桃色と褐色の肌とが相俟って変な物語が背の高い草の中で甘く匂い立っている。
 花の出方や変化からしてハバナに遜色なく、「濃くも茶色く褪せたハバナ」という感じがする。草で肌が傷つけられるようなところさえ消えれば+4にはなる。一本試して、箱で買いたいという気は削がれない。
 「カランコロン」が次第にのっぺりとしてきて、安定して最後まで続く。

 マイファーザーの特徴がハバナと比べてしか掴めない。評価もどうしてもハバナ並というものになる。ニカラグア物をニカラグア物同士で比較するのは難しい。それほどハバナの印象は常に強烈なのだと思う。先ずハバナであって、それを経て漸く違いが生まれる事態は致し方ない事なのかもしれない。これは先ずニカラグアであり、したがって先ず違いはなく、次にハバナに似てしまう。それがなんとも美味しかった。ただ、トロサイズは凄いが、やや冗長としている。

Country Of Origin: Nicaragua
Wrapper Type: Nicaraguan Oscuro
Color: Oscuro
Binder / Filler: Nicaraguan / Nicaraguan
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