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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

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|next cigar|$187/10|2021/6/2・arr 6/12|
|―|5 1/8 x 52|17.77g|香:4.1~4.8 ave 4.5|残8|

 甘い熟成シナモンにライムミントフレーバーの水飴がてろりと絡まる。スパイスがピリつく瞬間にはシナモンがパチパチとニッキに変わる。この美味しい状態が非常に長く、十分堪能した後であからさまにココナッツへ変化する。オイルよりもサクサクした果肉のココナッツを思わせる。ここから落ちず、ニッキに戻る。灰も白く端正で美しい。これまでどれだけ葉巻を燃やしたかもう判らないのだが、五本の指に入る美味しさ。



 灰が落ちそうな時点でもう半分になっていて、落とした途端、葉巻っぽい土が巻き起こる。土が竜巻のような形状をなし、段々と立派な樹木の形に整っていく。じっくり吸い込むと、茶褐色の重い木である。
 前回よりおよそ2.4グラム重く、若干のドローの硬さが最後のほうで気になり始めたが、この味を出すのにこの重量が必要ならば仕方がない。絶品。
 前回書いたメンマっぽさは、確かに通底していた。ただ明るい色調の木質が今回はフルシティーローストの暗い色調に変わり、ただでさえ深いメンマをより深め、脳髄に金属が響くこともなかった。金木犀が咲くには咲くが、花控えめで、複雑な経年の重厚感があり、しかも穏やか。とりわけニッキからココナッツへの変化にはひとり驚嘆した。ベランダの椅子からずり落ちそうになるほどである。

 何か予見するものがあったのか、いつもより葉巻が美しく見えて、珍しく着火前に写真を撮っていた。

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|next cigar|$187/10|2021/6/2・arr 6/12|
|―|5 1/8 x 52|15.35g|香:3.7~4.2 ave 4.0|残9|

 ダビドフの新作。レイトアワーのように樽で熟成させるとか、高級品のように10年寝かせるとか、そういう話はないようなので微妙なブレンドの違いなのだろうと思う。
 煙は木質の感触で、表面はさらさらして奥に棘がある。棘が独特の鉱物質をなして脳髄に輝く。メンマを思わせる深み(メンマを深く美味しいと感じたことはないのだが、煙となると話が変わる)。つまり、旧アニベルサリオ・シリーズの金色をやや鈍くして旧ミレニアム・シリーズの銀箔を少々追加、それら金銀が花々に昇華される下でメンマの旨味が奥深くどっしりと構える。マデューロに行きがちなところをメンマで抑えている。後半は木質やメンマが消滅するほどに金銀花々が甘々と天球を覆い、その上、その下、天上の景色広大この上なし。終わりなき天上がクリーミーなお菓子に収束しはじめる。焼菓子の香ばしさ、バター。
 単体でも相当面白いと思うけれど、昔のダビドフの香りを時々思い出すのもちょっと面白い。たぶんアニベルサリオやミレニアムよりも完成度高い。全シリーズの中間にまあまあ高いような塔を建設したふうで、クラシックを除くどのシリーズが好きな人も納得してしまいそう。くどさや嫌味が出る一歩手前の限界の濃さを湛えている。クラシックにある軽やかな羽は感じられない。
|next cigar|$108/10+¥2500/10 ≦ ¥1400/1|2020/12/1・arr 12/8|
|―|6” x 50|16.19g|香:4.0~4.4 ave 4.2|残7|

 濃くはない。しかし「これが葉巻か!」と叫びうる明快さが底からも天からも溢れる。葉巻を(初めて美味しい葉巻を)初めてくゆらせたような感動がこれによって再燃する。「これが、葉巻なのか…?」とくすぶらせるところがない。ライトでソフトでスムースなのに不思議な異様な濃さ。熟成の賜物だろうか。複雑な色を見せず単一色の「単なる葉巻」になっている。単一の色も複雑な色で成り立ってはいる、そうかもしれない。底知れぬ単純さの葉巻である。
 ライト・ソフト・スムースといった要素がこの葉巻の明快さを生み出しているのかもしれない。他の香味を一滴だに加えず、それら要素が葉巻の香りを象る、割物を包む箱のように。結果、葉巻の濃さもが羽毛のごとく軽く思えてしまうのかもしれない。「軽さこそが葉巻である」という不思議な感動がある。元来重いと思われがちな葉巻であればこそ、珍かな軽さがしっくりくる。未経験者の期待を裏切って想像をはるかに上回るものでなければ葉巻を葉巻とは言えない。
 シンプルかと思うほど変化もしっかりして、風の強い屋外にても金木犀が吹き出した。
 できれば10本追加購入し、気兼ねなく最初の10本を焼き尽くしたい。なんというか、想像上ながら、キューバンダビドフの代替品になるのではないかと思えてしまうような美しさがある。錆ない古さがある。
|next cigar|$108/10+¥2500/10 ≦ ¥1400/1|2020/12/1・arr 12/8|
|―|6” x 50|16.19g|香:4.1~4.4 ave 4.3|残8|

 酸っぱい豚のような匂い。けっして良い匂いではないが、葉巻愛好家たちが興奮しそうな匂い。ただ、ここまで饐えた酸っぱい匂いを嗅ぐのは久しぶり、初めてだ。
 着火するとたおやかなダビドフワールドで、乾いた松茸の香に肌理細かい白土の味わい。白木というより、白い土、珍しいかもしれない。ダビドフクラシックよりも美味しい。土の方が好き、か。
 前回の一本目から二月以上を経ての二本目、こちらも702エントレアクト同様に乾燥地獄から復活したようだ。残り九本すべてのビニールを脱がして保管していた。
 軽やかで気さくで楽しくなる煙、花がどこからか漂ったり、はっきりスパイスが加わったり、着火後1センチの内でかなり香味の追加がある。差しはあって、引きはない。スパイスは甘いシナモンにして多孔質の小さな辛味が口全体に肌理細かく弾けてバブルバスよりも心地よい。炭酸水にも似るが、爽快さよりも味わい深さがまさりつつ、『奇跡のコーラ』でも飲むようである。
 炭酸衰えずありつつ酸味無きレモンやら、他にも何かしら果物の色が楽しく加わって、賑やかなパーティーの幻覚を呈する。いずれもが強く主張せず、上質な土をやさしく囲んでいる、さながら淡白な翁の誕生日を祝い、主役に日が差し続ける。だから中盤の変化が平らでも平然と美味しいのである。終盤はまさに、隠しても漂っていたプレゼントの花束が手渡される。
 こんなに美味しい物だとは思わなかった。いつ巻かれた物かもわからない。翁とか淡白とか言ったものの、枯れた感覚はまるでなく、薄さも微塵もなく、楽しく濃い一日だった。たった一本が誰かの誕生日の一日となってしまうほど。

 ダビドフ全般と比べての最大の特徴は、白木でなくコクのある白土である事、炭酸水。また始終グラニュー糖を一粒ずつ加えつづけるように根気よく甘い。
|next cigar|$168/20+¥1900/20=¥990|2021/1/22・arr 1/30|
|―|3.5" x 43|7.18g, 6.14g|香:3.6~4.0 ave 3.8|残16|

到着直後はラッパーもフィラーも砂が崩れ落ちるぐらい乾いていましたが、3週間の加湿でしっとり濃く辛味の少ない味わいになりました。ダメージを感じさせない回復力です。エクアドル系の、銀の粒が見えるような甘やかな風味は、葉巻というよりお菓子に近い感覚でさえありますが、ふんわりしたスポンジ感はありません。しっとりとして、でもまたサフランやガトーショコラの感じでもありません。さらに、ハバナっぽさはないものの、葉巻を葉巻たらしめる良味が確かです。中盤、華やかさとともにより明るい色のダビドフの記憶が出てきます。濃い茶褐色の美味しげな樹液から、花のエキスを塗った上質な白木に変わったのです。エクアドルのラッパーで巻いたほかは普通のエントレアクトと同じ?ようなので、この変化は至当なのかもしれません。
|next cigar|$304/20|2021/2/6・arr 2/14|
|―|5” x 52|13.61g|香:4.1~4.5 ave4.3|残19|

 スコッチ樽とはっきり分かるものではないながら、独特の風味あり。同時に意表をついて、優しく爽やかでささやかな果実香あり。その果実香の下にハバナシードを磨いたような(スコッチの染みた)葉があり、その葉こそ樹液のようにも深い樽のようにも思え深遠で、ありがちな藁や畳などを現さない。「藁や畳などを現さない」というのがレイトアワーのスコッチ熟成のポイントかと思う。焦した麦の旨さあり。ここまで、飄々と濃く、花に頼らないのもよくて、誤魔化しのない美味を落ち着きがちに湛えている。スコッチスコッチした厚化粧なく、しかし確実に葉は深みへと昇華あるいは沈下されている。余計な重さはうっすらと、濃いものの、適度に軽い。
 次に来るのはたんまりクリームを塗った焼菓子で、上乗せで初期の爽やかな香気を交えてみずみずしく新鮮な苺が乗る。苺ジャムのようなものでない。ケーキに乗った苺の爽やかさ、時に清涼な酸味をも感じる。ここにパティシエの斬新な香草が差挟まれてくる。やはり味は濃いが軽い、ケーキ。
 ここでようやく来るのが花なのである。花を無いと思わせながら絶妙な間合いで気配なく突如来る。完璧な変化。金木犀が咲く秋の日のように咲く。依然葉は樽の底で眠って深みを湛えて濃い。眠っていると感じるのは、既に燃えているのに粗さが出てこないからである。
 少しして蜜が滴り始め、蜂蜜漬けの甘い何か。花の茎の緑も混ざる。「何か」がわからないまま終わる。
 火種が迫って最初のリングを外した時、こんな話は聞いたことがないのだが、酸味がずんずん深まる。酸味が煩いタイプではなく、高級ワインの十五年ぐらいの熟成を思わせる感じ。

 全ての変化において別の美味しさに変わり、不味く変わることがない。変化数も多く飽きさせない。また通底する葉の風味が頗る上等で深い。
 最後は炭を舐めたように味が抜けて終わる、残4センチ、潔い。微かな麦が残る。
 また花が咲く。麦と花。

 寝かせるほどにどんどんスコッチ由来の香気が逃げていき、特徴が失われるようでこわいが、どうなのだろう?
|next cigar|$172.8/12+¥3100/12=¥1800/1|2021/1/29・arr 2/7|
|―|6” x 52|17.21g|香:3.6~4.0 ave3.8|残11|



 以前燻らせて以来ずっと箱を狙っていたものの、年古早く二年半を待ち、恥ずかしながらとうとう時が満ちた。
 バレンタイン10%引きでチョコまで付いてきたのも恥ずかしい。
 恥ずかしいが安いから最近ダビドフばかり買っている。ハバナが欲しいのに、今回のこれに加えてさらにレイトアワーまで購入してしまった。ダビドフが安いとはどういうことだろう。

 開梱すると、エントレアクトとは違って葉巻がしっとり保湿されている。ネクストシガーは高価な物はきちんと保湿する塩梅なのかもしれない。

 一口で恥ずかしげな美味しさ。美味しさはいじらしくも膨らまず、なよやかなまま、乾いた恥ずかしい汗のような香り。甘味はずっとあり続けて甘い。
 若干キツく恥ずかしさを鼻の奥に感じた途端、キーンと花が漂う。
 灰は恥ずかしいほど脆く、2センチで落下する。
 珈琲の苦味は珈琲を飲んでいるからだろうか。恥ずかしい。
 こってりした甘さがふわふわとして始終つづく、その濃醇の蜜にどのような配合があるのだろう。樹液か茶褐色の蜂蜜のとろみが卵のスポンジにふんだんに染みて、ガトーショコラのごとき重さを思わせつつ、ふわりとしている。ケーキの上にふりかかっている粉は、細かく挽いた藁や少しのパセリで、素朴さと新しさを加えている。そのうえ大きな花で装飾されている。やや菊寄りの百合で、香り華々しくはないけれど、全体を艶やかに恥ずかしく昇華する。
|next cigar|$168/20+¥1900/20=¥990|2021/1/22・arr 1/30|
|―|3.5" x 43|7.18g, 6.14g|香:2.7~2.9 ave 2.8|残18|



エントレアクト2種を比較したかったのだが。

到着時、ボベダで挟んであるものの、中身はカピカピに乾いている。数日後もまだ保湿されるはずなし。しばし眠れ。
|next cigar|$118/5+¥2400/10=¥2700/1|2021/1/5・arr 1/17|
|―|6 1/8 x 53|14.52g|香:3.8~4.1 ave3.9|残4|

   

 ほとんど灰皿の写真を撮っている。

 ラッパーはインテンソとそっくりで、そのままオールドミニカンリーフとは思えない芳醇さに始まり、インテンソと同じではないかと思う。
 最大口径部分に向かっては、濃さやや薄れ、花匂い立ち、軽さも出てくる。インテンソとは違う。
 依然、同様の洋酒の樫樽やシナモン(?)は感じられる。昨日よりややシナモンが明白になっているかもしれない。昨日は濃すぎてかシナモンとは少しも思わなかったので、シナモンは薄さに立ち現れるものなのかもしれない。誉高きところの香りも高く、甘さもあるので、つい何かを食べているかのように錯覚し、フォークに手を伸ばしたくなってしまうが、皿の代わりに灰皿があり、ソーセージの代わりに葉巻がある。そうだ、食事ではなくて煙なのだと気づき、かえって物足りなくなってしまう。
 魔女の靴のような灰で、繊細ながら脆くない。
 軽さと濃さとのせめぎ合いの剣劇が花散らして続く。ひとえに樫樽の中のスポンジ。または樹皮が樫で幹はケーキのスポンジ。その木に咲く花は黄色味の強い金木犀である。

 ダビドフ慣れしてしまった場合、昨日のインテンソの方に強い美味しさを覚えるだろう。そうでない場合はわからない、こちらのほうがふわふわとしたところがあって良いかもしれない、魔女の靴もお洒落だし。ダビドフ慣れしていなくてもインテンソは美味しく感じるだろう。カパ・ドミニカーナはところどころ味が抜けるようにも思える。それは鋤焼における麩のようなものである。花の香りは今日の方が上。ニコチン酔いは昨日の方が上。
 今日の軽い感覚から濃密な蜜が滴ると最高なのだが。
|next cigar|$118/5+¥2400/10=¥2700/1|2021/1/5・arr 1/17|
|―|5 1/8 x 52|18.01g|香:3.9~4.3 ave4.1|残4|

   

 5本入りが格安で販売されたので即刻カパ・ドミニカーナとともに購入した。

 ともに赤みがかったマデューロで、ラッパーはよく似ている。
 どちらを先に燃やすか悩みつつ、インテンソから。
 ビニールを剥ぐと砂糖醤油を染ませた藁のような濃い匂い。
 序盤、何の気なしに燻らせていると、急に何か涼やかなメロディーが舌の上を流れる。分析しても捕まええない水のような何か。樫かな?などと物の列挙のいとまに零れ落ち、純水はより純粋に不純物を濾して遠ざかっていく。ただ甘い花のようなものに気づく。薄緑色の白い花。コニャックにシャルトリューズを混ぜたような複雑さ。樽と甘さ。
 強そうなので恐々吸っているものの、妙な軽さが共存していて、実はライトなのではないかと疑うが、鼻の奥に突き刺さる感じは間違いなくヘヴィーである。灰は美しくも脆い。
 強烈軽妙なままずんずん強さへと進み、終る。
 変化というより、この美味しさは何なのかという疑問を持ったまま、変らず終る。
 水のことばかり不明ながら、樫も煮詰めた樫の樹液だったのか定かにならない。

 灰皿も購入(ハンガリーから)。平板な縁でなく、左翼と右翼が隆起しています。美しい数学的灰皿。手作り感はなく、素敵な工業製品感がある、珍しい。同じ意匠の小舟も付いてきた。

 

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