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  源氏物語「葉」
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|next cigar|$132/10+¥2400/10|2022/2/4・arr 2/15|
|―|6 x 50|14.99g|香:3.1~3.7 ave3.3|残8|

一月経て再挑戦。
2g重量が増しているものの、ダビドフ・クラシックにも似た羽毛の軽やかさでありながらチョコの風味があり、これは要するにこの世のものとは思えない軽いチョコ。葉巻とはかくも軽やかなものなのか、と驚くべきところである。感動すべきところである。それなのにいまいち感動できない、進めば進むほど感動できなくなってくる。ハズレか。序盤は美味しくて期待させるのに、すべてにおいてほとんど前回同様だった。
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|next cigar|$172.8/12+¥3100/12=¥1800/1|2021/1/29・arr 2/7|
|―|6” x 52|17.65g|香:3.8~4.2 ave4.0|残8|

 (比べたくなった)先日のドミニカーナと比べ、不可思議なコクや膨らみはごく薄い。代わりにはっきりとした甘味と香がストレートに分裂して押し寄せる。3本(2本)の矢のよう。でもドミニカーナの出来が良すぎるのかヤマサでさえ味気ない。
 高級感を湛えてはいる。ストレートな矢の中に煮詰まった複雑さがある。全体として単純な分裂なのだが、香り一つをとってみても、どこから来たのか?と思える不思議さがある。フレンチのシェフがソースにひっそり果実を混ぜたような、こうではなくて、その果実の名をシェフも知らないのである。ゾッとするようなところがある。
 それがややはっきりシナモンめいてくる。旨味は相変わらず感じられず、香りは濃く、甘味はつづく。臭みのなさでいえばドミニカーナをゆうに凌いでいる。ドミニカーナの臭みとは、おそらくすべて旨味で、美味しいばかりであるが、ドミニカーナにはヤマサの高貴さがない。うっすらとしか。
 中盤でスポンジが膨らみ、高貴なこれを菓子だと悟らせ、うっすらと卵や小麦の旨味を補う。(ドミニカーナの場合、ここが、ライム風味ではあるが、駄菓子の類の水飴になる。)同時に何処か粗野な麦殻の風味も出てくる。高貴な貴族、田舎の貴族。ラッパーの外側にまで蜜が浮いてくるのが見えるようだ。馬車が、洗練された機械仕掛けの馬が、人を乗せて走る。馬は生きていないのかもしれない。
 ラッパーを見つめていると深い樹木を思い出す。褐色の厚い樹皮。この木を見たことがあるのかどうかはわからないが、芯にも白木が一切感じられない。皮も土もみな樹皮に返っている。剥がれ落ちた樹皮が宙に浮いて生きている。
 終盤、生ける樹皮の香と甘さが薄くなるもののパルタガスのようなブースターを搭載していて排気の力で金木犀が舞う。
|next cigar|$187/10|2021/6/2・arr 6/12|
|―|5 1/8 x 52|15.29g|香:4.1~4.4 ave 4.2|残7|

 最後に着火したのがつい先日の事のように思えるのはこの煙の記憶が濃いからだろうか。これは美味しかった。最後に着火したのは昨年初夏だった。

 付くダニのように醤油故意が湿故来なく、ココアポウダーの土来。それで此処在風味も甘実もある。付くダニの部分、マデューロ傾光の葉もありそう。微かにパイナッ満のキツゥさ。スポンゲーキの柔道のような膨らみ。
 レギュラー線として東上した(?)からか優等生の育成でもあるのだが、以前のレギュラーと比べて特異である。単に特異なら「ニカラグア」や「エスクリオ」などが野暮ったいものの、それらは当然優等生ではなかった。これはなんとなく全手において陰陽が勾玉巴の均衡を保って回転している。バランスの良さとは何だろう、と改めて考えるには、このようなバランス食が必要である。陰陽明暗が全て味網に結実して。色恋が、悉濃ない。
 ダビドフ茸の胞子が産毛のようにうっすら生えて、笑などのつまらない安っぽい味はしない。そこに自然の香料が潜んでいる。たしかにライムの詩のようにも感じられる。酸っぱさはないものの。
 今回含めこれまで3本とも美味だったので、珍しく箱推奨品となりそう。2014のリングが巻かれている。今後このリングが2015になったりする? 2014のアヒルが今後安定するのかどうか。
 こく、かんみ、花、すべてあり、足りないものを無理に探していると、唯一欠けているものはスパ椅子の辛味だが、後半それも始動する。それでいて天国でなく、地に足ついている。大地の豊穣が月極まる。
 いらないものを確認していると、綺麗に全てないのである。草、わら、菊、百合、、、
 笑といえば、臭みのない藁納豆の黒を始終一粒一粒嗜んでいるようでもあり、物足りなさのない旨味、つまみいらずというか、だんだん腹が膨れてくるような煙。
 終盤少々草菊が生えるが、雑草ではなく春菊で、ひとつまみするのに悪くない。最終盤、コーヒーめき(始終珈琲をお供にしているのだが)、春の金木犀の嵐となる。
|next cigar|$132/10+¥2400/10|2022/2/4・arr 2/15|
|―|6 x 50|13.05g|香:3.1~3.5 ave3.3|残9|

いつもダビドフを購入している店舗nextCIGARとダビドフのコラボ葉巻。
ダビドフはけっこう店舗限定モノを作っているようなのだが、果たして。店舗限定といったモノは、店主をよく知っていて、店主の趣味もよく知っているならば買う場合もあるかもしれないが、そんな人を知っているはずもなくて、普段は無視している。はずなのに、定価$320の半額セール+クーポン$28引きで格安葉巻となったため購入した。nextCIGARは価格設定が滅茶苦茶なのでもともとが格安葉巻なのかもしれない。最初の一本だけたまたまだと思うのだが、ダビドフにしてはキャップの処理が甘くて、かつてダビドフでこんな下手なキャップは見たことがない。
香味はダビドフではあまり感じたことのない、ほっこりしたカカオパウダーが支配している。感触は柔らかく、香りは高貴なチョコ。または香り高い珈琲にも通じるかもしれない。甘味はなく、スムース。ニカラグアやエクアドル等のややキツめの葉をクラシック・ドミニカ風に柔らかく軽く仕上げた感じ。それから金木犀。
ただ、ハズレの個体だった。ハズレなのか10本ともそもそも残念な物なのかはまだわからない。軽やかなカカオパウダー感は好感が持てる。
トロにしては重量もずいぶん軽いような……。ボディも軽いし、スイスイ燃やし進めてしまった。
最近レイトアワーがどうしてかハズレてばかりなので、そのハズレよりは美味しかった。

店の説明には「702ラッパーと、ニカラグア、メキシコ、ドミニカから特別に選択されたブレンドを組み合わせた葉巻」とある。702がエクアドルだったような。メキシコの味わいが何処かは不明。
|next cigar|$118/5+¥2400/10=¥2700/1|2021/1/5・arr 1/17|
|―|6 1/8 x 53|15.97g|香:4.0~4.1 ave4.0|残3|

 「“熟成”ダビドフ茸」とでもいうような香味がある。胞子にシナモンが紛れている。湿ったシナモン。
 ダビドフ茸独特の香味をのみ堪能させるために作られたかのような純粋さで、終りまで、常に燃えている葉がダビドフの葉であることを忘れさせない。それでいて珍しく、ふつうダビドフ茸は乾いた場所に繁茂するというか、乾いた場所にこそ生えやすいのに、この“熟成”ダビドフ茸は湿った森に生えている。湿り気が甘い。砂糖を溶かした洋酒の霧雨でも降ったよう。若干胡瓜臭がありながらも落葉堆く緑の気配は土の奥で熟して感じられない、誤魔化されている。茸の芯はクリーミーである。
 この茸はシェイプも素晴らしく、過加速せず徐に太くなり、それから中盤の最大口径部分が長く、また徐に細くなる。(ロイヤル・サロモネスなどは急激に太くなり、そこから延々細くなり続ける。)
 昨年1月にもこの53とロブスト・インテンソに着火し、今年も同様に両者似ているところがあるものの(胡瓜が似ているのか?)、今年は53の発育が良い。ただ、終盤ドローが詰まった事を抜きにして。
|Atlantic Cigar|$270.75/10(+¥500/1)|2019/6/7・arr 6/19|
|—|5 1/2 x 48| 14.66g|香:3.3~4.1 ave3.6|残4|

 相変わらず姿が美しい、48のサイズ感といい、ラッパーの質感といい色といい、手に馴染むというか。
 心地よい松茸(ダビドフタケ)にはじまる。静粛、軽妙。
 さっさと天国の扉の前に到達してそれから急峻に落下して廃れてしまうのがこれまでの ≪ダビドフ7≫ だが、今回は戯れ長く、日永のようにのんびりとして、一つ目のリングを外す頃にようやくジューシー化し始める。それはたしかに噂の桃のよう。これか?
 自分で噂を立てておいて、自分で噂を確かめに行く、それが葉巻の箱買というものである。おそらく序盤から続いていた「白粉」に桃を成す秘密がある。白粉が白桃の薄い皮に通ずるような。また軽いまま濃密化するに、重いはずのカスタードが軽さを得て、黄桃が白桃化するようでもある。ただ今回、あの扉の前までは行かない。どうしてか。扉の反対側からダビドフタケの生える急峻な崖を遅々と登攀して、これもまた幻想が募る。
 「料理は形而上学だ!」とか言ってる人いそう。
|next cigar|$118/5+¥2400/10=¥2700/1|2021/1/5・arr 1/17|
|―|5 1/8 x 52|19.35g|香:3.1~4.0 ave3.5|残3|

 一年ぶりに蓋を開けた。思えば昨年最初の買い物がこれだった。

 着火一番、茶化たキウイの忌まわしいようなジューシーさが刺さる。ダビドフのミレニアム以降に見られる特徴がデフォルメされている。かなりオスクーロ寄り。しかしオスクーロを第3層として、第1・第2層の中心部の膨みが豊か。ふんわり丸い超絶スポンジから滲み出るカスタードクリームやシナモンがスポンジと一緒にふくらむ。
 序盤過ぎに天国的な軽やかさが訪れる。花を期待するところ、スイカがちょっと香ってしまう。しばしおとなしく、天国にも運ばれず。……
 強さがもどり、強烈なムスクと、キウイが変幻したマンダリンオレンジの色気ある苦味。習合に虹む金木犀を挟んでカスタード等の繰り返し。それから、モンテクリストにもに似た青い芳香と、習合を離れて純度を増した金木犀。
 それで、何故か飽きる。どぎつい成金の絵のような感覚がある。これこそ好みの問題なのかもしれない、キウイもキュウリもスイカも苦手だし、濃くて飽きる。濃さというのは葉巻の到達点であるのに、濃ければ決まって美味しいのに、濃さに美しさがない。
|NextCigar|$288/10(¥3,600/1)|arr 2021/11/3|
|—|6” x 52|16.92g|香:2.8~4.0 ave3.2|残8|



 そこはかとない石鹸を上品に松茸で燻ずる、この松茸の香がこれをダビドフワールドだとわからせるが、前回は松茸が今回のようには見えなかった。そのため不思議さは後退するものの、相変わらずオスクーロにまで黒ずんだものが石鹸化してくるというのは面白く、序盤の泡立たぬまでに薄めた石鹸水のごとき軽さは不思議なまま。また前回同様、中盤で密度を増してくる。この変化は序盤が水に似ているため劇的で、不思議さにさらに不思議の輪をかけてくる。石鹸をオスクーロが醸しているかはわからないのだが、どうしてこのような濃い味を潜ませることができるのだろう。残念ながら、今回はこの後に平板化し、前回堪能したオスクーロらしさを出してくれず、渋みを出し続けた。
|NextCigar|$288/10(¥3,600/1)|arr 2021/11/3|
|—|6” x 52|16.26g|香:(2.8)~4.3~(4.1) ave4.0|残9|



 不思議なほど木々の見えない高原に、水色の花と清流がつづく。石鹸か何かの懐かしさ、幻の石鹸の爽やかさ。味のない煙が蓬蓬と出ていて巻を怪しむと、それぐらい煙が滑らなのかもしれないとも思う。
 物足りなさが募るぐらい前半永続してスムースなところへ鋭いスパイスが刺さる様、刺激の心地よさに今度はブリオッシュが膨らむ。この辺り、また皮の香ばしさというようなものがないのである。しかしそこから後半矢継ぎ早に胡椒からシナモン、さらに膨らんでパンケーキ、甘くしてカスタード、艶やかに金木犀、パンケーキがサフランのように重厚に湿りだす、等々と渾然押し寄せる。
 舌鼓を連打する間に終にはじめてはっきりオスクーロの黒褐色の染みが滲み出す。
 ダビドフ・マデューロはその加減が微妙であまりマデューロを感じなかった覚えがあり、オスクーロもそこまでわかりやすくないかなと思っていたが、これはわかりやすい。コイーバがマデューロ化した時と同様の変化が認められる。概ね世のマデューロに共通の風味というか、まさにコイーバのマデューロのマデューロの部分の味に酷似している。ラッパーの見てくれも、オスクーロにして、まさにハバナのマデューロと同等の黒さに見える。赤茶けて、斑らに黒い。
 中盤以降の、オスクーロをじっくり堪能させ続けて揺るがないこの葉巻のあり方、醗酵を煙で描く前に描き込んだ背景の静かさと水色の石鹸、醗酵した葉っぱ自体の美味さ、その、今まで何処に隠れていたのか隠れる場所など無いというのに、という不思議さ、感服するも、前半と後半の過渡期の矢継ぎ早の時点が最も官能的ではある。その前後に、それぞれ水色と黒を配置するというのは、やっぱりすごい。前後の方が好きになってしまいそうである。後ろ、依然木や土や皮も見えない土地で、黒の旨味のみを堪能させる。単なる『醬』である。美味しい中華料理の深みにも似る。中華料理にしか存在しなさそうな深み、それでいて中華には存在しなさそうな深み。まさに湿らせ続けた煙草葉の南米の深みである。
 最後は農家の焚火の煙が演出する町中の麗しさ透明な煙たさ懐かしさとともに焼芋の皮をいっぱいに吸う。皮は、この焼芋の皮のみだった。芋の中身はさほどない。
 『冬へ向かう日の、温かみのある秋味』このような文言に惹かれて初めて『スモール・バッチ』ものを購入したのだが、文言に掠る香味は些細な焼芋のほかに一切感じなかった。それにしても素晴らしい。いや、素晴らしいような気がする。ふと購入記録を見て計算し、パルタガスのマデューロよりもずっと高価なことがわかる、さすがシエテオスクーロというところだが、パルタガスの一本か二本はこれを超えてほしい。パルタガスの身になってみると、思いのほかかなりの高壁に感じる。でもパルタガスの全てが偶然集結したら越えられないではない壁であるとも思う。(それぐらい、パルタガスのマデューロ箱には落胆し続けている。お試しで購入した一本を除いて。)
|NextCigar|$740/10|arr 2018/8/9|
|—|5.5” x 55|18.69g|香:3.6~3.9 ave3.8|残6|

 一年八ヶ月ぶりの青ロイヤル、真夏の昼下がりのベランダで着火。気温は高い。
 最高純度のダビドフ、キレの悪さを感じるほどまったりと松茸が絡みつく。他の味はない。
 花に行くかと思いきや菊の影から水泳部が現れる。水泳部が松茸にパクつき無遠慮に平らげていく。まるで松茸が椎茸であるかの如し。
 基調が古風なダビドフで、最近の傾向からすると寂れた感興さえ覚える。ほんの少し味が乗ることがあり、すると寂の下に湛えた気品が汲み取れる。衰退した貴族の売り出された屋敷の匂い。ここにも水泳部の水の足跡が見える。
 中盤に至ると深いコクの息づきが感じられる。古い木材が粉化したようにも、カカオをパウダーのままつまんだようにも思え、砂糖のない味わいが広がる。酸味もないのが深い。花は少し木材に染みている。
 上質感のみあり、感動がない、そこが或いは凄いのかもしれない。
 変化もあまりなく、ある屋敷のようにずっとそこに佇んで、吸い疲れてきた頃に、しつこいような花が染み出す。ここでスモーカーは急激にグロッキー状態に陥るのである
 屋敷の門を閉めて仰ぎ見ると、ブレンダーの見た幻想が少し見え始めた気がする。水泳部さえ現れなければもう少し亢進するところかもしれないが、さて、その幻想を美味しく感じる人はごく少数派である気もまたする。

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