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|5 × 50|AtlanticCigar|$6.99|0|+1|
黒い葉と茶色い葉がぎっちりと詰っている。手触りも堅いのに、吸い込みはスカスカといいたくなるぐらい軽い。着火前は佃煮に似た味がする。
主調は木だが、優しさはなく黒檀を思わせるほどボディが強い。香味も何か一本の巨木という感じで無愛想に纏まっている。複雑さも柔らかさも無く、甘さも旨味も無い。純朴に一本の木が魅力らしい。だから花も怪しげに咲くのである。木のみの風味は稀に鮮度を新たにし、芽が息吹きはしないが、分厚い樹皮のいかめしさの内ではまだこの植物が生きているのだなとわかる。
評判は納得できなくないが私には強すぎた。鼻で吹かすのもつらい。
強すぎたといって終わりにしたいのだが、ここでまだ中盤に入ったばかり。しかも少し美味しいのである。気をつけて吸わない方が美味しいが、気をつけて吸えばなんとかなる。古木にオレンジ色の花のような色がつぶらに見える。
一時酸味が出たが、その酸味が転化したように黄色い旨味が強くなった。木が土中の養分を吸い上げているようでもある。ここで清酒を呑み始めたからかもしれない。清酒が葉巻を美味しくはしても葉巻が清酒を美味しくはしていない。
少しスパイシーになるのも樹皮が粉を吹きつつ自然に剥がれ落ちるみたいで面白い。
厳めしさは終盤に入ると少しずつ和らいできていたのがわかる。こういうものは突然わかるのであって徐々にわかるのではない。突然風邪をひくのと同じ事である。その調子で、樹皮が悉く剥げていずれ丸裸になるのだろうか。私としてはなんだか嬉しいが、木としては格好悪い。
最後には知らぬ間に裸すら消え、夢の跡のように、巨木が立っていたはずの足下に香りのない花弁だけが散っている。味気なく、そこが森の中だということは薄らとわかるが、α波のようなものはまるで出ていない。それなのに落ちているのにまだ金木犀のようなものが漂っているのであって、寝惚けているのである。
正直、+1と+2との差が私自身いまいちわからないが、厳しさに肖って+1にした。
-----
二〜五本目はまったく味が違う。着火前はだだちゃ豆のような香りだし、着火後は香水のようなシャンプーのような(モンテのオープンシリーズでも感じられた)香りが豊富にする。香りは口にすると甘くないが、味はけっこう甘く、香りが甘いようにもなる。何を言っているのかよくわかっていない。強かったと思ったが、二本目以降はいずれもライトミディアムという感じになっている。一本目の時には頭がおかしくなっていたのかもしれない。
一本目は到着日に消費したので味が違ったのかもしれない。悪くはなくむしろ良いぐらいだったが。でも三ヶ月後に消費した五本目が一番甘くて美味しかった。
黒い葉と茶色い葉がぎっちりと詰っている。手触りも堅いのに、吸い込みはスカスカといいたくなるぐらい軽い。着火前は佃煮に似た味がする。
主調は木だが、優しさはなく黒檀を思わせるほどボディが強い。香味も何か一本の巨木という感じで無愛想に纏まっている。複雑さも柔らかさも無く、甘さも旨味も無い。純朴に一本の木が魅力らしい。だから花も怪しげに咲くのである。木のみの風味は稀に鮮度を新たにし、芽が息吹きはしないが、分厚い樹皮のいかめしさの内ではまだこの植物が生きているのだなとわかる。
評判は納得できなくないが私には強すぎた。鼻で吹かすのもつらい。
強すぎたといって終わりにしたいのだが、ここでまだ中盤に入ったばかり。しかも少し美味しいのである。気をつけて吸わない方が美味しいが、気をつけて吸えばなんとかなる。古木にオレンジ色の花のような色がつぶらに見える。
一時酸味が出たが、その酸味が転化したように黄色い旨味が強くなった。木が土中の養分を吸い上げているようでもある。ここで清酒を呑み始めたからかもしれない。清酒が葉巻を美味しくはしても葉巻が清酒を美味しくはしていない。
少しスパイシーになるのも樹皮が粉を吹きつつ自然に剥がれ落ちるみたいで面白い。
厳めしさは終盤に入ると少しずつ和らいできていたのがわかる。こういうものは突然わかるのであって徐々にわかるのではない。突然風邪をひくのと同じ事である。その調子で、樹皮が悉く剥げていずれ丸裸になるのだろうか。私としてはなんだか嬉しいが、木としては格好悪い。
最後には知らぬ間に裸すら消え、夢の跡のように、巨木が立っていたはずの足下に香りのない花弁だけが散っている。味気なく、そこが森の中だということは薄らとわかるが、α波のようなものはまるで出ていない。それなのに落ちているのにまだ金木犀のようなものが漂っているのであって、寝惚けているのである。
正直、+1と+2との差が私自身いまいちわからないが、厳しさに肖って+1にした。
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二〜五本目はまったく味が違う。着火前はだだちゃ豆のような香りだし、着火後は香水のようなシャンプーのような(モンテのオープンシリーズでも感じられた)香りが豊富にする。香りは口にすると甘くないが、味はけっこう甘く、香りが甘いようにもなる。何を言っているのかよくわかっていない。強かったと思ったが、二本目以降はいずれもライトミディアムという感じになっている。一本目の時には頭がおかしくなっていたのかもしれない。
一本目は到着日に消費したので味が違ったのかもしれない。悪くはなくむしろ良いぐらいだったが。でも三ヶ月後に消費した五本目が一番甘くて美味しかった。
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|6.3 x 52|cigarOne|$13|+2|+2|
フィギュラドはベリコソやトルペドよりもどう見ても好きなのだがクァバははじめて。
大きさはオリヴァのセリーVのフィギュラドに似ているものの、あれほど美味しそうな肌ではない。陽の差さない翳りある黄土色で、病的な薄さで、皺んだサランラップの様にラッパーが張っている。なのに巻きはあからさまに良い。隣の葉巻の血色が赤ら顔なので余計に病的に見えるのかもしれない。
臍の部位は花火の煙を思い出す薫り。
はじめからソフトで甘味ももう強く出てきている。吸口が小さいからか、舌にグラニュー糖をポツポツとふりかけるような、煙に刺されるような甘味。
薬草系の薫りなのか、かえって頭痛を催したような気分になる。軽く、煙も少ない。そのせいか雑味が目立つ感じがあるのだが、雑味も薄いのである。乾いた芝草のような香りがほんのりとある。飼葉を喰うというのはこんな感じなのだろうかな、と思うぐらいで、人にはあまり美味しくないかもしれない。そこに香ばしい甘さが加わっている。いつの間にか甘味がカラメル風味になっているのであり、これなら馬も大変喜ぶだろう。と思う間もなく人の嗜好品ぐらい美味しくなっている。割り箸にカラメルを付けて舐めている様であるのは、これが綿飴のように軽いからかもしれない。細かいことを言うと綿飴には似ていないのである。草に替わって木の柔らかい風合いが出てきている。草は辛口のシナモン状の香ばしさに変わっている。軽いのにもったりと甘いのは頭痛が残っているからかもしれない。
甘さはまったく異なるが、軽やかさと香りの一部でモンテクリストのオープンシリーズに似ているかもしれない。薄くも金木犀が出そうな雰囲気がある。後味が黄色い砂糖の木のようで美味しい。ここまで甘ったるいものははじめて。甘味が強いというか、鼻に来る甘味。相変わらず芝草が生えている。草枯れて広大に。草がスパイシーだからか、青汁ほどではないが豆や乳のまろやかさがほとんど無い。甘ったるいにもかかわらず。木もまろやかではなく、黄色い砂糖の木で、枯れた芝生に大量に転がっている。そういう大地にシナモンが飴のように降り、枯れたか焼けたか知れないものに生気を吹き込んでいるのである。
自然なのに不自然である景観のお陰で終盤は甘く金木犀も咲き、ソフトで悠揚たるミディアム強になっていた。煙も最大口径の部分だった頃よりも増えている。コイーバにしかない、とか、モンテクリストにしかない、といわしめる特別の香味はないのだが、変梃な雄大さや甘さは他になかったので視点によっては極上なのかもしれない。
フィギュラドはベリコソやトルペドよりもどう見ても好きなのだがクァバははじめて。
大きさはオリヴァのセリーVのフィギュラドに似ているものの、あれほど美味しそうな肌ではない。陽の差さない翳りある黄土色で、病的な薄さで、皺んだサランラップの様にラッパーが張っている。なのに巻きはあからさまに良い。隣の葉巻の血色が赤ら顔なので余計に病的に見えるのかもしれない。
臍の部位は花火の煙を思い出す薫り。
はじめからソフトで甘味ももう強く出てきている。吸口が小さいからか、舌にグラニュー糖をポツポツとふりかけるような、煙に刺されるような甘味。
薬草系の薫りなのか、かえって頭痛を催したような気分になる。軽く、煙も少ない。そのせいか雑味が目立つ感じがあるのだが、雑味も薄いのである。乾いた芝草のような香りがほんのりとある。飼葉を喰うというのはこんな感じなのだろうかな、と思うぐらいで、人にはあまり美味しくないかもしれない。そこに香ばしい甘さが加わっている。いつの間にか甘味がカラメル風味になっているのであり、これなら馬も大変喜ぶだろう。と思う間もなく人の嗜好品ぐらい美味しくなっている。割り箸にカラメルを付けて舐めている様であるのは、これが綿飴のように軽いからかもしれない。細かいことを言うと綿飴には似ていないのである。草に替わって木の柔らかい風合いが出てきている。草は辛口のシナモン状の香ばしさに変わっている。軽いのにもったりと甘いのは頭痛が残っているからかもしれない。
甘さはまったく異なるが、軽やかさと香りの一部でモンテクリストのオープンシリーズに似ているかもしれない。薄くも金木犀が出そうな雰囲気がある。後味が黄色い砂糖の木のようで美味しい。ここまで甘ったるいものははじめて。甘味が強いというか、鼻に来る甘味。相変わらず芝草が生えている。草枯れて広大に。草がスパイシーだからか、青汁ほどではないが豆や乳のまろやかさがほとんど無い。甘ったるいにもかかわらず。木もまろやかではなく、黄色い砂糖の木で、枯れた芝生に大量に転がっている。そういう大地にシナモンが飴のように降り、枯れたか焼けたか知れないものに生気を吹き込んでいるのである。
自然なのに不自然である景観のお陰で終盤は甘く金木犀も咲き、ソフトで悠揚たるミディアム強になっていた。煙も最大口径の部分だった頃よりも増えている。コイーバにしかない、とか、モンテクリストにしかない、といわしめる特別の香味はないのだが、変梃な雄大さや甘さは他になかったので視点によっては極上なのかもしれない。
|7 1/2 x 38|cigarOne|$15|+5|+4|
色とりどりのフィラーが見える。一口目でそれとわかるモンテクリストの濃い芳香。今までのモンテの中で一番モンテっぽいというか、「葉巻っぽい」とかいう時に思い出しているのはこの芳香なのだった、と思ってしまう。初っぱなはかなり辛く太いシガリロみたいだが、落ち着きも早い。濃縮して蒸溜したナッツ類の田舎蕎麦のようでもない旨味に、コイーバの岩味に相当する独特の香ばしさがある。重厚なので重心が低いのだが、地面すれすれを浮いているような浮遊感がある。キャラメルというものかもしれない。キャラメルの甘さは文句無しの控え目。
序盤を過ぎると、金木犀が咲きそうな雰囲気が充溢するが、既に咲き誇った金木犀がキャラメル色に吹き付けられて塗り潰されているようでもある。苦みがあるが、ちょっと煎れるのに失敗した珈琲の程度で、珈琲に苦みが付き物であるかのようであまり嫌味はない。
金木犀の品質だけなら、はじめての金木犀だったからかレガータがもっとも純粋で艶やかで幻覚的だった。外から馨ってきているのか本当に区別がつきかねて夜中に街を彷徨ったぐらいだったから。しかしレガータにはこの10分の1の旨味もない。
次第に金木犀が枯れ落ちて染みた木の腐葉土になる。
煙が頗る多く、火種が凹型になりやすく、濃いものをけっこう急いで吸わなければならないので後半早々咽がつらくなってくるが、症状はさほど進まず、文句無しの+4。
これで金木犀が4本目なのでもうわかってきたが、金木犀の出現のさせ方というものがある。先ず、口の中に堪った煙を吸い込まないように注意しながら口を閉じつつ鼻から吐き出し、すぐに後、口の中に残った煙を口から燻り昇らせて鼻へ綰ねる、それから鼻で吸ってしまった煙を肺から出しつつ普通に鼻呼吸を続ける。と約1秒後に部屋に金木犀が充満したかと錯覚できる。
こういう美味し過ぎるものばかりをストックしておけば1週間に1本ぐらいで済み、あとは毎日お気に入りのパナテラを吸っていられるのだけれど。でも不味いものに当たることを厭わずにまだ色々試したいものがある。+4以上が10種類、お気に入りのパナテラ前後のサイズのものが5種類ほど見つかれば悠々と葉巻界に片足を浸しながら葉巻界から逃れられる。
色とりどりのフィラーが見える。一口目でそれとわかるモンテクリストの濃い芳香。今までのモンテの中で一番モンテっぽいというか、「葉巻っぽい」とかいう時に思い出しているのはこの芳香なのだった、と思ってしまう。初っぱなはかなり辛く太いシガリロみたいだが、落ち着きも早い。濃縮して蒸溜したナッツ類の田舎蕎麦のようでもない旨味に、コイーバの岩味に相当する独特の香ばしさがある。重厚なので重心が低いのだが、地面すれすれを浮いているような浮遊感がある。キャラメルというものかもしれない。キャラメルの甘さは文句無しの控え目。
序盤を過ぎると、金木犀が咲きそうな雰囲気が充溢するが、既に咲き誇った金木犀がキャラメル色に吹き付けられて塗り潰されているようでもある。苦みがあるが、ちょっと煎れるのに失敗した珈琲の程度で、珈琲に苦みが付き物であるかのようであまり嫌味はない。
金木犀の品質だけなら、はじめての金木犀だったからかレガータがもっとも純粋で艶やかで幻覚的だった。外から馨ってきているのか本当に区別がつきかねて夜中に街を彷徨ったぐらいだったから。しかしレガータにはこの10分の1の旨味もない。
次第に金木犀が枯れ落ちて染みた木の腐葉土になる。
煙が頗る多く、火種が凹型になりやすく、濃いものをけっこう急いで吸わなければならないので後半早々咽がつらくなってくるが、症状はさほど進まず、文句無しの+4。
これで金木犀が4本目なのでもうわかってきたが、金木犀の出現のさせ方というものがある。先ず、口の中に堪った煙を吸い込まないように注意しながら口を閉じつつ鼻から吐き出し、すぐに後、口の中に残った煙を口から燻り昇らせて鼻へ綰ねる、それから鼻で吸ってしまった煙を肺から出しつつ普通に鼻呼吸を続ける。と約1秒後に部屋に金木犀が充満したかと錯覚できる。
こういう美味し過ぎるものばかりをストックしておけば1週間に1本ぐらいで済み、あとは毎日お気に入りのパナテラを吸っていられるのだけれど。でも不味いものに当たることを厭わずにまだ色々試したいものがある。+4以上が10種類、お気に入りのパナテラ前後のサイズのものが5種類ほど見つかれば悠々と葉巻界に片足を浸しながら葉巻界から逃れられる。
|7 1/2 x 38|cigarOne|$12|+2|+2|
外観は他の葉巻と比べると緑がかっていて薄気味悪いすべすべさがある。毛穴の無い人のような奇妙さである。
味は甘い漢方薬、養命酒。
ベゲロスは吸い込みが悪いという噂を聞いた事があるが本当に悪い。煙が極端に少ない(ほとんど出てこない)のに減りが速い。煙は何処に消えているのだろうか。煙は僅かでありながら香味には健康に与しそうな旨さがある。吸い込みが悪い所為で雑味も出そうだし、美味しいのに不満が募る。
時々養命酒から養命酒を吸った木が生える。こんな滋味深い味わいは他にはないので吸い込みの悪さが悔やまれる。擂鉢にスパイスと砂糖水を入れて練ったものを乾かしたような変な味わい。モンテクリストに酷似した金木犀開花に至りそうで至らない、際どい醗酵状態が続いて、それもまた良い。花が咲いてはおしまいだが、限界を保つのである。芍薬を嗅いだことはたぶんないが芍薬のよう。
煙は紙巻き煙草よりも少ないぐらいなのに味が濃く、吸い込みが良かったらどうなるのだろうとも思うが、かえってこのままの方が良いのかもしれない、と思わせるぐらいに美味しいのだからわけがわからない。若干イガイガしているがこれは結局増さず、吸い込みの悪さのお陰かあまり気にならないのかもしれない。むかつくのにむかつきを帳消しにするぐらい美味しかったな。
小姑のような話だけれど、ほぼ同サイズのパルタガスの方が1ドル安い。同じ価格だったら双頭を成すような個性的な味わいだったと思うのだが、こちらの方が少し首が短い。このサイズで八岐大蛇を構成したいのに。しかしまた買ってみよう。なんだか漢方薬のように癖になるのかもしれない。飽きない美味しさ。
外観は他の葉巻と比べると緑がかっていて薄気味悪いすべすべさがある。毛穴の無い人のような奇妙さである。
味は甘い漢方薬、養命酒。
ベゲロスは吸い込みが悪いという噂を聞いた事があるが本当に悪い。煙が極端に少ない(ほとんど出てこない)のに減りが速い。煙は何処に消えているのだろうか。煙は僅かでありながら香味には健康に与しそうな旨さがある。吸い込みが悪い所為で雑味も出そうだし、美味しいのに不満が募る。
時々養命酒から養命酒を吸った木が生える。こんな滋味深い味わいは他にはないので吸い込みの悪さが悔やまれる。擂鉢にスパイスと砂糖水を入れて練ったものを乾かしたような変な味わい。モンテクリストに酷似した金木犀開花に至りそうで至らない、際どい醗酵状態が続いて、それもまた良い。花が咲いてはおしまいだが、限界を保つのである。芍薬を嗅いだことはたぶんないが芍薬のよう。
煙は紙巻き煙草よりも少ないぐらいなのに味が濃く、吸い込みが良かったらどうなるのだろうとも思うが、かえってこのままの方が良いのかもしれない、と思わせるぐらいに美味しいのだからわけがわからない。若干イガイガしているがこれは結局増さず、吸い込みの悪さのお陰かあまり気にならないのかもしれない。むかつくのにむかつきを帳消しにするぐらい美味しかったな。
小姑のような話だけれど、ほぼ同サイズのパルタガスの方が1ドル安い。同じ価格だったら双頭を成すような個性的な味わいだったと思うのだが、こちらの方が少し首が短い。このサイズで八岐大蛇を構成したいのに。しかしまた買ってみよう。なんだか漢方薬のように癖になるのかもしれない。飽きない美味しさ。
|5 3/4 x 45|Famous Smoke|$7.49|+4|+3|
ムギムギというお菓子の香りがする。麦というか珈琲というか黒糖というか。ラッパーは藁半紙の風合いの艶消しの厚い葉がカッチリと巻かれている。
始めから気高くなんだか恍惚としそうなほど美味しいが、フルに近い強さがある。#1より美味しいかもしれない。杉なのにまったく刺すようなところがなく穏やかで深い。徐々に、他にも木はたくさんで、緑や黄色く染みた木は勿論、白木の旨味などもある。甘味は無く、木の旨味がどことなく甘いばかり。ほとんど官能的な木の旨さ。旨いので強さも心地好い。巨木が根を張ったような旨さだが、エクスカリバーにしては随分細く密度感がある。
序盤も佳境に入ると木が大変まろやかになるとともに甘味が舞う。なんだこれ、1本しか買わなかったが相当旨いぞ。既に次回には少なくとも5本セットを買うつもりになっている。強く旨いが、ふわりとしたバランス。何回旨いといえば気が済むのだろう。若干辛いのがまた嫌な辛さではない。吸い込みも完璧で、このままいくと+4になってしまう。興趣に合うのかもしれない。変化などしなくて良いのでこのまま長引けば良いのだが。
中盤、ふと、灰味とほんの微かな酸味が感じられないかと疑っていると、シナモンのようにもなる。疑り過ぎかもしれないが、このままだと+3の筆頭程度かもしれない。
灰味とほんの微かな酸味というより、イガイガしさが増してきた。相変わらずふわりとはしているが、密度も薄れ、結局、+2と+4との中間なのだった。序盤は滅多にないつちのこの風情のようだった。
と思って、美味しい小屋に引き蘢っているつもりになっていたら、モンテクリストでしか嗅いだことがなかった金木犀の香りがほんのりと出ている。こういう変化なら大歓迎で、やはり限りなく+4に近い。もっともモンテクリストに似て非なる葉巻。ここでまだ終盤に入ったばかりだが、もう気持ち悪くなっている。金木犀に喜ぶあまり口から鼻へと煙を綰ねすぎたのかもしれない。金木犀はやはり貴く醗酵した木の旨さのようだった。
ムギムギというお菓子の香りがする。麦というか珈琲というか黒糖というか。ラッパーは藁半紙の風合いの艶消しの厚い葉がカッチリと巻かれている。
始めから気高くなんだか恍惚としそうなほど美味しいが、フルに近い強さがある。#1より美味しいかもしれない。杉なのにまったく刺すようなところがなく穏やかで深い。徐々に、他にも木はたくさんで、緑や黄色く染みた木は勿論、白木の旨味などもある。甘味は無く、木の旨味がどことなく甘いばかり。ほとんど官能的な木の旨さ。旨いので強さも心地好い。巨木が根を張ったような旨さだが、エクスカリバーにしては随分細く密度感がある。
序盤も佳境に入ると木が大変まろやかになるとともに甘味が舞う。なんだこれ、1本しか買わなかったが相当旨いぞ。既に次回には少なくとも5本セットを買うつもりになっている。強く旨いが、ふわりとしたバランス。何回旨いといえば気が済むのだろう。若干辛いのがまた嫌な辛さではない。吸い込みも完璧で、このままいくと+4になってしまう。興趣に合うのかもしれない。変化などしなくて良いのでこのまま長引けば良いのだが。
中盤、ふと、灰味とほんの微かな酸味が感じられないかと疑っていると、シナモンのようにもなる。疑り過ぎかもしれないが、このままだと+3の筆頭程度かもしれない。
灰味とほんの微かな酸味というより、イガイガしさが増してきた。相変わらずふわりとはしているが、密度も薄れ、結局、+2と+4との中間なのだった。序盤は滅多にないつちのこの風情のようだった。
と思って、美味しい小屋に引き蘢っているつもりになっていたら、モンテクリストでしか嗅いだことがなかった金木犀の香りがほんのりと出ている。こういう変化なら大歓迎で、やはり限りなく+4に近い。もっともモンテクリストに似て非なる葉巻。ここでまだ終盤に入ったばかりだが、もう気持ち悪くなっている。金木犀に喜ぶあまり口から鼻へと煙を綰ねすぎたのかもしれない。金木犀はやはり貴く醗酵した木の旨さのようだった。
|7.2 x 36|cigarOne|$9|+4|+3|
薄い葉を柔らかく畳んでありますので、吸口に唇のような弾力がございます。さいしょ酸味が出ますので吃驚なさるでしょう。そうでしょう。すぐに酸味は何所かへ行ってしまいます。流石、ハバナらしさが強めと申しましょうか、コイーバに多少似ているのかもしれません。少しいがらっぽいのもなんの園で、少し花のようでもありますし、木がお小水を漏らしました証拠のように、湯気の、ほんわかとマイルドでありながらも肉厚の旨味は黄色くて日陰が恋しくなるほどです。これでも甘さはかなり控え目にしておりますから、葉っぱのロールステーキの風味をまるごと細長く堪能していただけます。そうなんですの、中程はチョコ風味などともおっしゃいますが、チョコとも全然違いますでしょう。そうそう、アーモンドとも全然違いますでしょう。そうなんです。仰るとおりで、野ざらしの気分も段々無風になってきて粉を置いても飛びません。そのまま木陰で休らっていらっしゃれば、ココアだってなんだって飛びませんですね。乾いた土地柄なので、枯れ葉も燦々と降って参ります。埋もれてしまいます。花からは密ではなくミルクが滴りますでしょう。枯れ木に桃の花でございます。あらもうまるごと、ほんとにあっという間。でもまだまだお吸いなさいませ、新芽が出て参りますから。新芽はほんのりとクリーミーな緑色でございますでしょう。乳臭いややっこでございます。血は争えないと申しますか、すぐ木を含んだようにお漏らしを致しますでしょう。でも命をとりとめようたってもうすぐ死んでしまいますのよ。つまらないものですが、またわたくしに生まさして下さいませ。
薄い葉を柔らかく畳んでありますので、吸口に唇のような弾力がございます。さいしょ酸味が出ますので吃驚なさるでしょう。そうでしょう。すぐに酸味は何所かへ行ってしまいます。流石、ハバナらしさが強めと申しましょうか、コイーバに多少似ているのかもしれません。少しいがらっぽいのもなんの園で、少し花のようでもありますし、木がお小水を漏らしました証拠のように、湯気の、ほんわかとマイルドでありながらも肉厚の旨味は黄色くて日陰が恋しくなるほどです。これでも甘さはかなり控え目にしておりますから、葉っぱのロールステーキの風味をまるごと細長く堪能していただけます。そうなんですの、中程はチョコ風味などともおっしゃいますが、チョコとも全然違いますでしょう。そうそう、アーモンドとも全然違いますでしょう。そうなんです。仰るとおりで、野ざらしの気分も段々無風になってきて粉を置いても飛びません。そのまま木陰で休らっていらっしゃれば、ココアだってなんだって飛びませんですね。乾いた土地柄なので、枯れ葉も燦々と降って参ります。埋もれてしまいます。花からは密ではなくミルクが滴りますでしょう。枯れ木に桃の花でございます。あらもうまるごと、ほんとにあっという間。でもまだまだお吸いなさいませ、新芽が出て参りますから。新芽はほんのりとクリーミーな緑色でございますでしょう。乳臭いややっこでございます。血は争えないと申しますか、すぐ木を含んだようにお漏らしを致しますでしょう。でも命をとりとめようたってもうすぐ死んでしまいますのよ。つまらないものですが、またわたくしに生まさして下さいませ。
|5 3/4 x 46|Famous Smoke|$10.26|+4|+3|
手に取ると密度感があって重い。指触りも重さの所為かしっとりしている気がする。細いが、イカめしのように張り切っている。ラッパーはそれでも薄そうだが、密着して剥がれる気配がない。本当に湿っているのか火が点きにくい。
始めはかなり辛い。始めから甘い草が辛い。吸い込みはタイトだがこれも絶妙で、引き締まっているという感じがして難がない。弁解するのだが、「これは」ではなく「これも」というほど美味しくて、はじめから何が「も」なのかというと凡そ次のとおり。味も濃く、他に何が濃いのかもわからないのだが、フルボディかもとも思ったが、紙巻きの要領で吸い込んでみると驚くほど咽越しが良いも、力強いのに滑らかで優しい。少し進むと木質の香りも出てくる。全然違うに決まっているのだがシャルトリューズを思もい出した。草が甘もいというだけでそうなのだからどちらも相当草もが甘いのだろう。他に草が甘いなんてものは存在しないのだろう。木もクリーミーさもないのに柔らかい。序盤の終わり頃、少しレモンサイダーの風味。酸味というか炭酸感が爽やかというか刺激的というか、そんなものが出てきても美味しいまま。飽きないほど美味しかったのに、殊更に飽きさせない料亭のような妄執した気配りである。あんまり美味しいので殿様のような気持ちになっているのだろうが、気配りを感じるぐらいだから殿様ではないのだろう。中盤も中程になると木に焦げ目が入ってくる。その時に樹液が沸くようでこれまた美味しい。昆虫の気分というのはこんなのだろう。
美味しいのを作ろうと考えれば作れるという証明のような味わいで、特徴はなく、平凡な枠の中で極限まで旨味を凝縮したような。誰が何を平凡とするかはわからないけれど、たとえばフエンテのヘミングウェイのように海が焼けるというのは五千年前の話だし、コイーバがコイーバだとわかる岩味や、ダビドフのうすら茶色い白さなどがない。どちらかといえば不味かった葉巻群に似ているのである。
中盤の終わり頃に再び吸い込んでみたら噎せた。フルボディに近くなっている。若干いがらっぽくなっているが、ほとんど勘違いで、依然美味しいまま優しさはあまり失われていない。ただ中盤以前ほど美味しくはない。
終盤に入ると栗林に踏み込んだ風情に、栗林は霧深いのに、乾いて染みた木の味わいがする。雑味は強まっていず、まだ甘さが長引いている。草叢はなりを潜めて、散らした香草のように乾いている。風はない。それがどんよりと旨味を停滞させているのである。旨いからこそ無風に感じるのだが、上にや下にや風が吹かないのである。次第に旨さの所為でつらくなってくる。家出に似て、こういう旨さはこれ以上は要らないと思わせるぐらい旨い。かと思えば残り6センチほどで葉巻の生気が失せていた。丁度良い頃合い。その後、煎茶をカブ飲みした。
手に取ると密度感があって重い。指触りも重さの所為かしっとりしている気がする。細いが、イカめしのように張り切っている。ラッパーはそれでも薄そうだが、密着して剥がれる気配がない。本当に湿っているのか火が点きにくい。
始めはかなり辛い。始めから甘い草が辛い。吸い込みはタイトだがこれも絶妙で、引き締まっているという感じがして難がない。弁解するのだが、「これは」ではなく「これも」というほど美味しくて、はじめから何が「も」なのかというと凡そ次のとおり。味も濃く、他に何が濃いのかもわからないのだが、フルボディかもとも思ったが、紙巻きの要領で吸い込んでみると驚くほど咽越しが良いも、力強いのに滑らかで優しい。少し進むと木質の香りも出てくる。全然違うに決まっているのだがシャルトリューズを思もい出した。草が甘もいというだけでそうなのだからどちらも相当草もが甘いのだろう。他に草が甘いなんてものは存在しないのだろう。木もクリーミーさもないのに柔らかい。序盤の終わり頃、少しレモンサイダーの風味。酸味というか炭酸感が爽やかというか刺激的というか、そんなものが出てきても美味しいまま。飽きないほど美味しかったのに、殊更に飽きさせない料亭のような妄執した気配りである。あんまり美味しいので殿様のような気持ちになっているのだろうが、気配りを感じるぐらいだから殿様ではないのだろう。中盤も中程になると木に焦げ目が入ってくる。その時に樹液が沸くようでこれまた美味しい。昆虫の気分というのはこんなのだろう。
美味しいのを作ろうと考えれば作れるという証明のような味わいで、特徴はなく、平凡な枠の中で極限まで旨味を凝縮したような。誰が何を平凡とするかはわからないけれど、たとえばフエンテのヘミングウェイのように海が焼けるというのは五千年前の話だし、コイーバがコイーバだとわかる岩味や、ダビドフのうすら茶色い白さなどがない。どちらかといえば不味かった葉巻群に似ているのである。
中盤の終わり頃に再び吸い込んでみたら噎せた。フルボディに近くなっている。若干いがらっぽくなっているが、ほとんど勘違いで、依然美味しいまま優しさはあまり失われていない。ただ中盤以前ほど美味しくはない。
終盤に入ると栗林に踏み込んだ風情に、栗林は霧深いのに、乾いて染みた木の味わいがする。雑味は強まっていず、まだ甘さが長引いている。草叢はなりを潜めて、散らした香草のように乾いている。風はない。それがどんよりと旨味を停滞させているのである。旨いからこそ無風に感じるのだが、上にや下にや風が吹かないのである。次第に旨さの所為でつらくなってくる。家出に似て、こういう旨さはこれ以上は要らないと思わせるぐらい旨い。かと思えば残り6センチほどで葉巻の生気が失せていた。丁度良い頃合い。その後、煎茶をカブ飲みした。
5 1/8 x 30|Famous Smoke|$9.30|+4|+3|
着火前、下駄箱のような風情である。着火すると下駄箱の風情を保ちながら、いかにもダビドフ、忘れていたがこれぞダビドフであった、というような、いかにも優しい高級家具のような安楽に襲われる。しかしナンバー2ほどの感動が蘇ってこないのはどうしたわけだろう。あの後の縦横無尽の葉巻体験に因り、他の葉巻に似てしまうので、他の葉巻の記憶が足を引っ張っているのだろうか。ダビドフはダビドフ特有の香味のみに純化されなければならないのだろうか。それとも2と3とでは大きな落差があるのだろうか。
稀に花畑の浮かびが香るのがこそばゆい。香味は着々と変化していて、評価も揺らぐ。下駄箱も確かに足音を消して静まり返った。ただ、旨味や甘味のなさを覆すほどの香味は薄く現れて継続しなかった。
それにしても上質で、清酒で甘さを補うと実に良い。終盤、ダビドフにモンテクリストを求めるわけではないから、足を引っ張るといえば足を引っ張る、モンテクリストらしき金木犀が香ってくる。絵具や微かに出てきた甘味と重なってだが。きっとモンテクリストよりも安定しているのである。金木犀は不安だが、それを取り巻くそよ風が安定して吹いている。
5ドル程度の差なら断然2を求めるが、あれほどの感動が要らない時分にはこれで丁度良いかもしれない。緑青の生えた十円玉のようなものなのである。これが十円玉でないなら稼ぎが足りないのだろう。
これの後に吸ったダビドフ・ワンが実に美味しかった。
着火前、下駄箱のような風情である。着火すると下駄箱の風情を保ちながら、いかにもダビドフ、忘れていたがこれぞダビドフであった、というような、いかにも優しい高級家具のような安楽に襲われる。しかしナンバー2ほどの感動が蘇ってこないのはどうしたわけだろう。あの後の縦横無尽の葉巻体験に因り、他の葉巻に似てしまうので、他の葉巻の記憶が足を引っ張っているのだろうか。ダビドフはダビドフ特有の香味のみに純化されなければならないのだろうか。それとも2と3とでは大きな落差があるのだろうか。
稀に花畑の浮かびが香るのがこそばゆい。香味は着々と変化していて、評価も揺らぐ。下駄箱も確かに足音を消して静まり返った。ただ、旨味や甘味のなさを覆すほどの香味は薄く現れて継続しなかった。
それにしても上質で、清酒で甘さを補うと実に良い。終盤、ダビドフにモンテクリストを求めるわけではないから、足を引っ張るといえば足を引っ張る、モンテクリストらしき金木犀が香ってくる。絵具や微かに出てきた甘味と重なってだが。きっとモンテクリストよりも安定しているのである。金木犀は不安だが、それを取り巻くそよ風が安定して吹いている。
5ドル程度の差なら断然2を求めるが、あれほどの感動が要らない時分にはこれで丁度良いかもしれない。緑青の生えた十円玉のようなものなのである。これが十円玉でないなら稼ぎが足りないのだろう。
これの後に吸ったダビドフ・ワンが実に美味しかった。
|7 1/5 x 38|cigarOne|$11|+4|+3|
ほくほくの里芋を頬張っているような旨味に始まる。少し喫煙感のあるライトボディ。
芋っぽい旨味がずっとつづいている。ハバナ特有のアーモンドへ至りそうで至近を保ち、枝豆でいえばだだちゃ豆の香ばしさ。当然日本酒にも合う。甘さはなく、とにかく旨い、腹が膨れるような味がある。旨味が甘さなのである。
このサイズらしく吸い込みに少し難があるが、それでも十分美味しく、雑味もないので難とは言わないのかもしれない。中盤、里芋に香草が添えられる。香草など無用の長物だが、あったところで相変わらず旨味一辺倒の素晴らしさ。少し草臭いが炊きたての米の蓋を開けた瞬間の湯気を顔一面に浴びるようである。草も良い草だとは思うが七草粥と同等の希薄なつまらなさである。夜長よりも、夕飯までにはまだまだ時間がある日暮れ前から吸いはじめるとよさそう。永久に続けば良い食前酒とともに。
秋か春の生暖かい日に決まっていて。吹かしつかれて肌寒くなってきた頃の、おそらく午後八時に米が炊けるのである。染みた木の味わいもほっこりしている。恍惚感やお菓子のような余剰の美はないもののなにかそれらよりも必要な旨さがある。しかも結構高級な、芋に拘った割烹。勿論薩摩芋は使われていない。
終盤で紙巻の要領で吸い込んでみたらミディアム強あったが、始終喉にも優しい。飯を炊いてくれる人がいなければよい妄想を過ごせるかもしれない。飯はきっとしみじみと自動的に炊ける。自動ドアが開くように。
ほくほくの里芋を頬張っているような旨味に始まる。少し喫煙感のあるライトボディ。
芋っぽい旨味がずっとつづいている。ハバナ特有のアーモンドへ至りそうで至近を保ち、枝豆でいえばだだちゃ豆の香ばしさ。当然日本酒にも合う。甘さはなく、とにかく旨い、腹が膨れるような味がある。旨味が甘さなのである。
このサイズらしく吸い込みに少し難があるが、それでも十分美味しく、雑味もないので難とは言わないのかもしれない。中盤、里芋に香草が添えられる。香草など無用の長物だが、あったところで相変わらず旨味一辺倒の素晴らしさ。少し草臭いが炊きたての米の蓋を開けた瞬間の湯気を顔一面に浴びるようである。草も良い草だとは思うが七草粥と同等の希薄なつまらなさである。夜長よりも、夕飯までにはまだまだ時間がある日暮れ前から吸いはじめるとよさそう。永久に続けば良い食前酒とともに。
秋か春の生暖かい日に決まっていて。吹かしつかれて肌寒くなってきた頃の、おそらく午後八時に米が炊けるのである。染みた木の味わいもほっこりしている。恍惚感やお菓子のような余剰の美はないもののなにかそれらよりも必要な旨さがある。しかも結構高級な、芋に拘った割烹。勿論薩摩芋は使われていない。
終盤で紙巻の要領で吸い込んでみたらミディアム強あったが、始終喉にも優しい。飯を炊いてくれる人がいなければよい妄想を過ごせるかもしれない。飯はきっとしみじみと自動的に炊ける。自動ドアが開くように。
|4 4/5 x 50|cigarOne|$9|0|+1|
ロブストなのに着火口に向けて口径が広がっている細長い台形。どうせ不味いのだろうなぁと思って吸い始めたのだが、一口目ですぐわかる円熟した香味。クリーミーな草の薫りがする。けっこう甘さを感じるようになってくると草から木に変わっていく。幹から草が生えているような感じ。思い出しているのだが、川端康成の『古都』を思い出すほどではない。ミディアムぐらいだが、イガイガしさがあるのか少し強く感じる。悪くはないが、特別美味しくもない。少しだけ美味しいような感じが安定して続いている。
中盤に入るとストンと味が抜けた。以降、ほとんど煙たいだけ。
と思ったら盛り返してきた。ほんわかと乾いた木の風味。甘味と草が消えている。クリーミーさは復活し、薄いクリームにスパイスが加わる。乾いた味だが、味が薄いので水っぽく感じる。自動販売機で買うココアにも似た不味さ。稀に木が小便を漏らすような旨さもあるのだが、葉巻本来の欠点を曝すような薄さである。
終盤、薄いまま嫌味が出てくるが、たまに熟れたフルーツのようでもありながら木が熟れたものであるに違いない甘い良い香りが漂う。
品質は悪くはなさそうだが、納得しかねる一本だった。これがラモン・アロネスかぁという影もなく、美味しいかもしれない部分も平凡だった。これを三本吸うのだったらコイーバのロブストを一本吸って失敗した方が有り難いに違いない。
ロブストなのに着火口に向けて口径が広がっている細長い台形。どうせ不味いのだろうなぁと思って吸い始めたのだが、一口目ですぐわかる円熟した香味。クリーミーな草の薫りがする。けっこう甘さを感じるようになってくると草から木に変わっていく。幹から草が生えているような感じ。思い出しているのだが、川端康成の『古都』を思い出すほどではない。ミディアムぐらいだが、イガイガしさがあるのか少し強く感じる。悪くはないが、特別美味しくもない。少しだけ美味しいような感じが安定して続いている。
中盤に入るとストンと味が抜けた。以降、ほとんど煙たいだけ。
と思ったら盛り返してきた。ほんわかと乾いた木の風味。甘味と草が消えている。クリーミーさは復活し、薄いクリームにスパイスが加わる。乾いた味だが、味が薄いので水っぽく感じる。自動販売機で買うココアにも似た不味さ。稀に木が小便を漏らすような旨さもあるのだが、葉巻本来の欠点を曝すような薄さである。
終盤、薄いまま嫌味が出てくるが、たまに熟れたフルーツのようでもありながら木が熟れたものであるに違いない甘い良い香りが漂う。
品質は悪くはなさそうだが、納得しかねる一本だった。これがラモン・アロネスかぁという影もなく、美味しいかもしれない部分も平凡だった。これを三本吸うのだったらコイーバのロブストを一本吸って失敗した方が有り難いに違いない。
銘
囹
月