×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
|4.3 x 42|cigarOne|$6|+3|+2|
揮発性の高い香り。嗅いだ事のない花の香料(ラベンダー?)のような。漆を一回塗った感じのラッパーから受ける印象に酷似していて、若いのか、痩せた樫の木のような固い雑味がある。ツンとした中に、ツンとしていなかったら相当美味しかったはずの美味しい喫味がある。色々なのだがなんだか一つの懐かしさになっている。懐かしいのに懐かしいものが別々には出てこないで、何が懐かしいのかわからず、葉巻全体が懐かしいような感じ。何かに似ているはずなのだが、まったく見当たらない。この懐かしさは実は新鮮さの事なのかもしれない。もしくは懐かしいものを新鮮な樫材でキツく巻いたのか、キツさが懐かしいのか。木は樫だし、花は木犀ではなく甘ったるいラベンダー、この二つだけでも随分異質なのに、さらに林檎のような変な揮発性があったり、どこを切っても異質に感じられる。
このサイズのものを熟成させるには物忘れの激しさが必要そうだが、熟成がまったく足りない気がする。エル・プリンシペに、またはパルタガスのセリーPに少し似ているかもしれない。
揮発性の高い香り。嗅いだ事のない花の香料(ラベンダー?)のような。漆を一回塗った感じのラッパーから受ける印象に酷似していて、若いのか、痩せた樫の木のような固い雑味がある。ツンとした中に、ツンとしていなかったら相当美味しかったはずの美味しい喫味がある。色々なのだがなんだか一つの懐かしさになっている。懐かしいのに懐かしいものが別々には出てこないで、何が懐かしいのかわからず、葉巻全体が懐かしいような感じ。何かに似ているはずなのだが、まったく見当たらない。この懐かしさは実は新鮮さの事なのかもしれない。もしくは懐かしいものを新鮮な樫材でキツく巻いたのか、キツさが懐かしいのか。木は樫だし、花は木犀ではなく甘ったるいラベンダー、この二つだけでも随分異質なのに、さらに林檎のような変な揮発性があったり、どこを切っても異質に感じられる。
このサイズのものを熟成させるには物忘れの激しさが必要そうだが、熟成がまったく足りない気がする。エル・プリンシペに、またはパルタガスのセリーPに少し似ているかもしれない。
PR
4 4/5 x 48|cigarOne|$9|+2|+2|
サンルイレイを小馬鹿にしていたようなところもあるけれど、1001でわくわくしながら買っていた頃を思い出し、余計に懐かしい味が感じられる。当時の期待が時を隔てて結実したのか。1001での失敗をいつのまにかサンルイレイが象徴していた、勝手な話だけれど。1001にも良いものはあるはずだが、狙うのが難しい。
はじめから濃いハバナの香りが立つ。密度か湿度が高い。強いぐらいだが、湿った穏やかさを感じる。腑に落ちる旨味があるかなと思うと、一瞬、チョコと塩が感じられる。塩が後味のように続くのだが、味覚がおかしくなったのかもしれない。塩味が出るといつも舌がおかしくなったのか葉巻に因るものなのか判然としなくなる。
煙は肌理の細かい粉で、枯葉から花が咲いている。レイデルムンドやグロリアクバーナに湿気を与えて疲れを取り除いたような感じ。旨味に湿って、チョコや蜜がほのめいているらしい。
ずっと辛さが続いているので熟成不足かもしれない。ちょっと脳髄に直接作用するような緑草もある。穏やかさよりも実際は刺激的なのかもしれない。ゆっくり吸うと緑がややバターがかった黄色になり、浮遊感を増す。スパイスはないが、黄や緑がスパイシーであるような不思議さがある。塩の旨味でスパイスが落ち着いているのか。砂糖もミルクもないが、チョコはビターチョコではなくミルクチョコ。ミルクチョコの甘さではなくミルクチョコの香り。甘味が香りっぽくて甘さをほぼ感じない。
至福ではないからか、デイリーに適しそう。基本を押さえた上で荒くて複雑で飽きさせないというか。継ぎ接ぎだらけのおいしさというか、個性的な没個性というか。そういうものはデイリーに適している。どうでもよい日常に適している。
終盤、旨味に焦茶色が立ち、一瞬コイーバを靴屋で吸っているような気分になった。コイーバっぽさは一瞬でボリバーになる。最後には温めた靴から花が大量の煙とともに咲く。煙の量がとんでもなく増したので、粉っぽい旨味もうっすらとしていながら凄い。無味な粉が大量の香を焚き付けられている。鞣革が摩擦熱を発して、その熱で蒸気が乾燥したがっているよう。蒸気と煙を見紛う葉巻らしい景色で、葉巻の醍醐味は完全にある。おもちゃ箱に詰め込むように葉を詰め込んで、丸ごと土っぽい薫製にして統一してしまう。なのに堅実な感じだった。
サンルイレイを小馬鹿にしていたようなところもあるけれど、1001でわくわくしながら買っていた頃を思い出し、余計に懐かしい味が感じられる。当時の期待が時を隔てて結実したのか。1001での失敗をいつのまにかサンルイレイが象徴していた、勝手な話だけれど。1001にも良いものはあるはずだが、狙うのが難しい。
はじめから濃いハバナの香りが立つ。密度か湿度が高い。強いぐらいだが、湿った穏やかさを感じる。腑に落ちる旨味があるかなと思うと、一瞬、チョコと塩が感じられる。塩が後味のように続くのだが、味覚がおかしくなったのかもしれない。塩味が出るといつも舌がおかしくなったのか葉巻に因るものなのか判然としなくなる。
煙は肌理の細かい粉で、枯葉から花が咲いている。レイデルムンドやグロリアクバーナに湿気を与えて疲れを取り除いたような感じ。旨味に湿って、チョコや蜜がほのめいているらしい。
ずっと辛さが続いているので熟成不足かもしれない。ちょっと脳髄に直接作用するような緑草もある。穏やかさよりも実際は刺激的なのかもしれない。ゆっくり吸うと緑がややバターがかった黄色になり、浮遊感を増す。スパイスはないが、黄や緑がスパイシーであるような不思議さがある。塩の旨味でスパイスが落ち着いているのか。砂糖もミルクもないが、チョコはビターチョコではなくミルクチョコ。ミルクチョコの甘さではなくミルクチョコの香り。甘味が香りっぽくて甘さをほぼ感じない。
至福ではないからか、デイリーに適しそう。基本を押さえた上で荒くて複雑で飽きさせないというか。継ぎ接ぎだらけのおいしさというか、個性的な没個性というか。そういうものはデイリーに適している。どうでもよい日常に適している。
終盤、旨味に焦茶色が立ち、一瞬コイーバを靴屋で吸っているような気分になった。コイーバっぽさは一瞬でボリバーになる。最後には温めた靴から花が大量の煙とともに咲く。煙の量がとんでもなく増したので、粉っぽい旨味もうっすらとしていながら凄い。無味な粉が大量の香を焚き付けられている。鞣革が摩擦熱を発して、その熱で蒸気が乾燥したがっているよう。蒸気と煙を見紛う葉巻らしい景色で、葉巻の醍醐味は完全にある。おもちゃ箱に詰め込むように葉を詰め込んで、丸ごと土っぽい薫製にして統一してしまう。なのに堅実な感じだった。
5 3/4 × 52|Cigars of Cuba|$164/10|URG JUN 10|+5|+4|
クリスマスセールで20%引き。09が届くかと思っていたが、JUN 10だった。はっきりと若いモノだとわかりきって吸うのはこれが初めて。しかも今日届いたばかり。さらにはシグロで良い思いをしたことが皆無なのに、「六番だけは別格だ」という噂に乗って購入してしまった。悪い要素をこれだけ並べられる事も滅多にないと思い、一本だけ無駄を覚悟で試す。むろん期待しているのだけれど。どうせなら真空パックを開けた直後に点火した方が良かったはずなのに、開封してから四時間も経ってしまった。
見目は若さもあって綺麗で、貴熟香は薄く、ただ高級な香りはする。
着火直後に草系だとわかる。モンテのようにキンキンした感じがあるのだが、キンキンが柔らかい。すぐにあまやかな旨味が柔らかく乗ってきて、キンキンが消え、コイーバらしい岩味が現れてそこに草が生えかわる。草をコイーバらしいというと語弊がありそうだけれど、草がなければコイーバは疲弊してしまう。
まだ火種も整っていないが、とんでもなく滑らかな葉巻らしい。大きさからして濃密という感じは当然ないなと思っていると、火種が大きくなるにつれパワーが増して、煙っぽくなる。だが煙の感触がなんだかするするしている。
珈琲でもないしナッツでもないし、やはり「岩」でしかないのだが、ごつごつとしているはずの岩がするすると辷っている。木犀は咲いていないのに、染みた味わいが出てくる。かと思えば珈琲でもあるしナッツでもあるし、とにかく「岩」がある。
茶も緑もいかにもコイーバなのだが、とにかくシグロ6は優しいらしい。無塩バターのような優しさ。バターのしつこい油っこさはまったく無いし、塩っぱさは勿論ないし、バターの香りはやっぱりあるし、この優しさはなんといったらいいのか難しい。あまりにも優しいので、濃さなんか無用の長物に思えている。なのに密度が増してきているような気がするのである。この優しさのまま密度が増したらどうなるのだろう、と思うだけで嬉しくなってしまう。悠揚迫らぬ桃源郷、茶色い桃源郷。甘さも旨味も薄いのだが、するするした感触の所為か物足りなさを感じない。
結局密度は増さないらしい。染みた木もミツバチに蜜を奪われたような香りだけの金木犀になってしまう。優しくするするとした金木犀。結局密度が増さないということがわかり始めると物足りなく感じてしまう。密度を増すには熟成が必要なのか。だとしたら前半は若い低密度のものを、後半は熟成させた高密度のモノを接合したくなる。改造葉巻に思いを馳せる。熟成させても優しさは変わらないだろうけれど。
コイーバの味で特異さはないのだが、優しさは特異で、コイーバの中でもっとも優しいコイーバらしい。灰は黒く、黒いと優しくないような気がするが、灰が白ければ優しいというものでもないらしい。黒い灰はコイーバの薫香に付き物のものなのだろう。この優しさでこの黒さは格別恰好いい。
コイーバとモンテクリストにしかないハバナ臭さが勿論あって、だからこそモンテクリストとは全然違う。コイーバの岩っぽさは随分老人臭いと思う。モンテクリストが青年にしか思えない。シグロ6はどんなに若くても老人が新品の高級外車に乗っているような感じで、モンテクリストは青年が古びた高級外車に乗っているような感じがする。
シグロ1よりもエスキシトスの方が断然好みだし、私は多分シグロ6よりもエスプレンディドスの方を美味しく感じると思うのだが、なめらかさを超えたするするが気持ち悪いほど心地好く、早くも忘れ難い一本になっている。巻きはみっちりしているのに、あっという間に灰になる気がする。もっと吸っていたかったのか物足りなかったのかわからない。
それにしてもフィナーレは凄かった。優しさはそのまま、岩が車を破壊する霰のように降ってきて、地表に当たって砕けた途端、花になる。艶やかさに錯覚していたに違いないが旨味も微かながら増していたと思う。最々終盤では美味しいモノに付き物の粘土っぽさや薔薇の茎っぽさが出てくる。優しさが嫌いでも優しさが好きになってしまう。しかもフィナーレが飽きるほど長く、雑味も出ずに、最後まで平々としている。残香にこそ旨味が乗っている。
クリスマスセールで20%引き。09が届くかと思っていたが、JUN 10だった。はっきりと若いモノだとわかりきって吸うのはこれが初めて。しかも今日届いたばかり。さらにはシグロで良い思いをしたことが皆無なのに、「六番だけは別格だ」という噂に乗って購入してしまった。悪い要素をこれだけ並べられる事も滅多にないと思い、一本だけ無駄を覚悟で試す。むろん期待しているのだけれど。どうせなら真空パックを開けた直後に点火した方が良かったはずなのに、開封してから四時間も経ってしまった。
見目は若さもあって綺麗で、貴熟香は薄く、ただ高級な香りはする。
着火直後に草系だとわかる。モンテのようにキンキンした感じがあるのだが、キンキンが柔らかい。すぐにあまやかな旨味が柔らかく乗ってきて、キンキンが消え、コイーバらしい岩味が現れてそこに草が生えかわる。草をコイーバらしいというと語弊がありそうだけれど、草がなければコイーバは疲弊してしまう。
まだ火種も整っていないが、とんでもなく滑らかな葉巻らしい。大きさからして濃密という感じは当然ないなと思っていると、火種が大きくなるにつれパワーが増して、煙っぽくなる。だが煙の感触がなんだかするするしている。
珈琲でもないしナッツでもないし、やはり「岩」でしかないのだが、ごつごつとしているはずの岩がするすると辷っている。木犀は咲いていないのに、染みた味わいが出てくる。かと思えば珈琲でもあるしナッツでもあるし、とにかく「岩」がある。
茶も緑もいかにもコイーバなのだが、とにかくシグロ6は優しいらしい。無塩バターのような優しさ。バターのしつこい油っこさはまったく無いし、塩っぱさは勿論ないし、バターの香りはやっぱりあるし、この優しさはなんといったらいいのか難しい。あまりにも優しいので、濃さなんか無用の長物に思えている。なのに密度が増してきているような気がするのである。この優しさのまま密度が増したらどうなるのだろう、と思うだけで嬉しくなってしまう。悠揚迫らぬ桃源郷、茶色い桃源郷。甘さも旨味も薄いのだが、するするした感触の所為か物足りなさを感じない。
結局密度は増さないらしい。染みた木もミツバチに蜜を奪われたような香りだけの金木犀になってしまう。優しくするするとした金木犀。結局密度が増さないということがわかり始めると物足りなく感じてしまう。密度を増すには熟成が必要なのか。だとしたら前半は若い低密度のものを、後半は熟成させた高密度のモノを接合したくなる。改造葉巻に思いを馳せる。熟成させても優しさは変わらないだろうけれど。
コイーバの味で特異さはないのだが、優しさは特異で、コイーバの中でもっとも優しいコイーバらしい。灰は黒く、黒いと優しくないような気がするが、灰が白ければ優しいというものでもないらしい。黒い灰はコイーバの薫香に付き物のものなのだろう。この優しさでこの黒さは格別恰好いい。
コイーバとモンテクリストにしかないハバナ臭さが勿論あって、だからこそモンテクリストとは全然違う。コイーバの岩っぽさは随分老人臭いと思う。モンテクリストが青年にしか思えない。シグロ6はどんなに若くても老人が新品の高級外車に乗っているような感じで、モンテクリストは青年が古びた高級外車に乗っているような感じがする。
シグロ1よりもエスキシトスの方が断然好みだし、私は多分シグロ6よりもエスプレンディドスの方を美味しく感じると思うのだが、なめらかさを超えたするするが気持ち悪いほど心地好く、早くも忘れ難い一本になっている。巻きはみっちりしているのに、あっという間に灰になる気がする。もっと吸っていたかったのか物足りなかったのかわからない。
それにしてもフィナーレは凄かった。優しさはそのまま、岩が車を破壊する霰のように降ってきて、地表に当たって砕けた途端、花になる。艶やかさに錯覚していたに違いないが旨味も微かながら増していたと思う。最々終盤では美味しいモノに付き物の粘土っぽさや薔薇の茎っぽさが出てくる。優しさが嫌いでも優しさが好きになってしまう。しかもフィナーレが飽きるほど長く、雑味も出ずに、最後まで平々としている。残香にこそ旨味が乗っている。
5 1/8 x 42|cigarOne|$7|+1|+1|
始めからハバナらしい薫りがふわっとくゆりたつ。シガリロなんかを初めて吸ったときに感じた葉巻以外の何ものでもない香り。シガリロよりもシガリロっぽいというと語弊が大きいけれど、葉巻らしさが純粋というか。
ロメオ似にも思えるのだが何ともやわらかいコクが加わって、キンキンしたところがまったくない。薄さの妙を感じる。一センチほどでかすかに華やいでくるが、辛さと雑味はまだ残っている。若すぎるのかもしれない。コクが消えて木犀がちらつく一瞬やほのかにバターを感じる一瞬などがあるのだが、変化というよりも斑に近い。すべてが優しくて薄くて感じにくい。コクもほとんど消えていて、乾いた白木のような印象。
薫りがこのままでもう少し旨味があって雑味がなければよいのだけれど、十分熟成させてなおかつ当たったとしても同サイズのモンテ四の当たりほど嬉しくはならない気がする。
スパイスもほとんどないので煙が舌の上を滑る。ひたすらやわらかい葉巻の薫りだけが心地よい。余計な薫りが一切せず、葉巻らしい。雲を眺めながらぼーっとしながら吹かすのに最適だろうなぁ。
終盤はスパイシーになりはするがこれも薄くてほとんどスパイスには感じられない。白胡椒とシナモン少々かな。残5センチほどでシケモクっぽくなる。ハズレなのか熟成不足なのか判然としないけれど、評判から察してどれもこれにやや近いものなのだとは思う。
始めからハバナらしい薫りがふわっとくゆりたつ。シガリロなんかを初めて吸ったときに感じた葉巻以外の何ものでもない香り。シガリロよりもシガリロっぽいというと語弊が大きいけれど、葉巻らしさが純粋というか。
ロメオ似にも思えるのだが何ともやわらかいコクが加わって、キンキンしたところがまったくない。薄さの妙を感じる。一センチほどでかすかに華やいでくるが、辛さと雑味はまだ残っている。若すぎるのかもしれない。コクが消えて木犀がちらつく一瞬やほのかにバターを感じる一瞬などがあるのだが、変化というよりも斑に近い。すべてが優しくて薄くて感じにくい。コクもほとんど消えていて、乾いた白木のような印象。
薫りがこのままでもう少し旨味があって雑味がなければよいのだけれど、十分熟成させてなおかつ当たったとしても同サイズのモンテ四の当たりほど嬉しくはならない気がする。
スパイスもほとんどないので煙が舌の上を滑る。ひたすらやわらかい葉巻の薫りだけが心地よい。余計な薫りが一切せず、葉巻らしい。雲を眺めながらぼーっとしながら吹かすのに最適だろうなぁ。
終盤はスパイシーになりはするがこれも薄くてほとんどスパイスには感じられない。白胡椒とシナモン少々かな。残5センチほどでシケモクっぽくなる。ハズレなのか熟成不足なのか判然としないけれど、評判から察してどれもこれにやや近いものなのだとは思う。
|7 1/2 x 40|Vegas de Santiago|$66/10|+3|+2|
先日のヘリテージとこのD8を交互に吸っている。D8のほうがずっと優しくて好みだが、強さはフル近くあると思う。Heritageと併せて10本吸ったところ、巻くのが上手らしく、どれもやや硬めの絶妙なドローだった。90分以上かかる。
無点火で吸っているとダビドフによく似た黴の生えた下駄箱というか松茸の匂いがある。着火すると芝草かなにかに変わってしまうはずだが、途端甘味に襲われる。しかも松茸が残っている。ダビドフのような肌理はなく刺すような強さがあるのだが、甘味がぽうっとなって、木が膨らむかのように膨らむ。かなり甘口だけれど柔軟。吸い始めはけっこう辛いが、一口目から柔らかい木香が漂う。一口毎に次々と香味が乗ってきて、いずれもしおらしく、花や素朴パンやバターやスパイスなど。鼻が痛いぐらいだが、既に美味しい。既に美味しいのにさらに期待してしまう。香味に浮遊感があるのだが、期待の方向がさらなる浮遊なのか地に足を付ける事なのかわからない。
1センチほど進んだだけで金木犀がささやかに咲いている。木肌はマイルドな珈琲のようにも感じなくはない。味が黄土色っぽいのか、パルタガスの荒々しさ(ただしHeritageに比べると断然弱い)と、パルタガスより柔らかいタイプのキューバモノの旨味を、始終コスタリカの艶で甘く閉ざしたようなイメージ。木土革などの葉巻の皮のような香味がハバナに似ていないのだと思うが、似たものがなくはない。ヘニオスに少しばかり似ているのである。ヘニオスのステーキソースのような濃厚さはないけれど。コスタリカの元気さの中に、キューバがひっそりと息衝いているというか。
中盤過ぎには金木犀がシャンプーっぽくなり、さらに進むと甘味が粉っぽい旨味になる。かなり鮮やかな変化で、それからまた花のようになるが、これはもう金木犀ではない。薫る花ではなく、甘い花。するととうとう小便が染みたような味わいが出てくる。それからさらに粘土が巻き付く。最終盤の変化は忙しい。最々終盤では再度金木犀が不死鳥のように出てくる。そして死臭が出始めるかと思うとなかなか死なずに、終盤にひょっこり出てきた各々の香味が渾然一体となってとんでもなく華やかなフィナーレがお辞儀する。Heritageも凄かったがこちらも凄い。
結局、あんまり美味しいので刺すような刺激が始終あったのになかったかのようだった。むしろ軽く刺激があって良かったかのようだった。安さの所為で、これをシガリロなんかと勘違いしていて、不必要な棘を甘美化しているのかもしれない。
結局残り3センチまで吸って、少し気持ち悪くなった。最後は美味しいまま嫌々捨てた。
ニカラグアものなどに比べると良くも悪くも随分ハバナっぽいと思う。ニカラグアものといってもあまり試した事はないけれど。比較ばかり考えていると何処の何が美味しいのかわからなくなる。Heritageにある特異な香りはないにしてもHeritageよりもハバナに近かった。そのハバナっぽさには、ハバナの老練な感じはなく、ハバナに羽を生やしたダビドフの恍惚感もない。無いのが不思議なぐらい美味しい。したがって美味しいのが不思議なぐらい不味いということになってしまいかねない。
こういうものがあるとコストパフォーマンスの値には「時間」や「重量」も加味しなければならないと切に思う。MONTECRISTO No.4がこれと同じく|+5|+3|になっているが、こちらは時間が倍もあるのである。MONTECRISTO No.4の方が美味しいかというと、美味しいような気もするし。これを+2にしてしまって様子を見よう。ラギート2があればデイリーにできるのだけれど。
1本目と5本目はこのようなものだった。2〜4本目は「雑味のある米煎餅」とでもいうような味わいで美味しくない。ばらつきはある。
先日のヘリテージとこのD8を交互に吸っている。D8のほうがずっと優しくて好みだが、強さはフル近くあると思う。Heritageと併せて10本吸ったところ、巻くのが上手らしく、どれもやや硬めの絶妙なドローだった。90分以上かかる。
無点火で吸っているとダビドフによく似た黴の生えた下駄箱というか松茸の匂いがある。着火すると芝草かなにかに変わってしまうはずだが、途端甘味に襲われる。しかも松茸が残っている。ダビドフのような肌理はなく刺すような強さがあるのだが、甘味がぽうっとなって、木が膨らむかのように膨らむ。かなり甘口だけれど柔軟。吸い始めはけっこう辛いが、一口目から柔らかい木香が漂う。一口毎に次々と香味が乗ってきて、いずれもしおらしく、花や素朴パンやバターやスパイスなど。鼻が痛いぐらいだが、既に美味しい。既に美味しいのにさらに期待してしまう。香味に浮遊感があるのだが、期待の方向がさらなる浮遊なのか地に足を付ける事なのかわからない。
1センチほど進んだだけで金木犀がささやかに咲いている。木肌はマイルドな珈琲のようにも感じなくはない。味が黄土色っぽいのか、パルタガスの荒々しさ(ただしHeritageに比べると断然弱い)と、パルタガスより柔らかいタイプのキューバモノの旨味を、始終コスタリカの艶で甘く閉ざしたようなイメージ。木土革などの葉巻の皮のような香味がハバナに似ていないのだと思うが、似たものがなくはない。ヘニオスに少しばかり似ているのである。ヘニオスのステーキソースのような濃厚さはないけれど。コスタリカの元気さの中に、キューバがひっそりと息衝いているというか。
中盤過ぎには金木犀がシャンプーっぽくなり、さらに進むと甘味が粉っぽい旨味になる。かなり鮮やかな変化で、それからまた花のようになるが、これはもう金木犀ではない。薫る花ではなく、甘い花。するととうとう小便が染みたような味わいが出てくる。それからさらに粘土が巻き付く。最終盤の変化は忙しい。最々終盤では再度金木犀が不死鳥のように出てくる。そして死臭が出始めるかと思うとなかなか死なずに、終盤にひょっこり出てきた各々の香味が渾然一体となってとんでもなく華やかなフィナーレがお辞儀する。Heritageも凄かったがこちらも凄い。
結局、あんまり美味しいので刺すような刺激が始終あったのになかったかのようだった。むしろ軽く刺激があって良かったかのようだった。安さの所為で、これをシガリロなんかと勘違いしていて、不必要な棘を甘美化しているのかもしれない。
結局残り3センチまで吸って、少し気持ち悪くなった。最後は美味しいまま嫌々捨てた。
ニカラグアものなどに比べると良くも悪くも随分ハバナっぽいと思う。ニカラグアものといってもあまり試した事はないけれど。比較ばかり考えていると何処の何が美味しいのかわからなくなる。Heritageにある特異な香りはないにしてもHeritageよりもハバナに近かった。そのハバナっぽさには、ハバナの老練な感じはなく、ハバナに羽を生やしたダビドフの恍惚感もない。無いのが不思議なぐらい美味しい。したがって美味しいのが不思議なぐらい不味いということになってしまいかねない。
こういうものがあるとコストパフォーマンスの値には「時間」や「重量」も加味しなければならないと切に思う。MONTECRISTO No.4がこれと同じく|+5|+3|になっているが、こちらは時間が倍もあるのである。MONTECRISTO No.4の方が美味しいかというと、美味しいような気もするし。これを+2にしてしまって様子を見よう。ラギート2があればデイリーにできるのだけれど。
1本目と5本目はこのようなものだった。2〜4本目は「雑味のある米煎餅」とでもいうような味わいで美味しくない。ばらつきはある。
|7 1/2 x 40|Vegas de Santiago|$66/10|+3|+2|
コスタリカのメーカー直売のようなものらしい。メーカーの最高級品であるHeritage、D8の2銘柄の、トリニダッドフンダドレスと同サイズのものを各10本ずつ購入。
注文から19日後に到着。注文から発送のメールが来るまでに5日ほどかかった。税関で開封されているが、みっちりビニール包装されているからか湿度にはさほど問題ないらしい。クラーボックスに入れたらボックス内の湿度が上がったぐらいなので、過加湿状態で発送するのかもしれない。今日が雨だからかもしれない。残念だったのは、箱入りだと思っていたのにビニールに包まれていたこと。人間には箱を集める習性があるから。
到着日に1本吸った。
Heritageのラッパーはノコギリクワガタのような赤みがかった黒い甲虫の色。香りがピニールを剥いだ直後は便所っぽいが、剥がすとすぐにけっこう消えて、鰹節のようになる。
着火して火が落ち着くと熟れた甘さがすかさず整うが、香りは熟れたものが焦げるとでもいうふう。葉巻の甘さは果実の皮が焦げる事で果実が熟れる事になるらしい。だから皮を取り除けば非常に凝縮された甘味を体感できるはずなのだが、葉巻では皮を剥く事ができない。そうやって諦めていると果実ではない成分にズレて愛着を感じるようになる。甘い干し草が炊きたての米のような旨味を伴うのである。味は変わっていないのに、そうなる。
中盤から終盤に差し掛かる辺りで恍惚としそうなほど珍しい香味が出てくる。金木犀っぽくなるのだが、花はむしろ奥に潜んでいて、これまで食した事が無い木、つまり正体が木なのか解らない木がぼうっと現れる。ぼうっとしているのに幽霊よりも確実である。香味は序盤よりもこの時点のほうが軽やか。
雑味や濃厚さがあるけれど、非キューバモノをダビドフ化したような印象がなくもない。とはいえ終盤ではキューバモノをダビドフ化したような感じもするし、ちょっと比較に難を感じる。無点火で吸っていると確かにダビドフに似た下駄箱臭というか松茸の匂いが微かにあるのだったが。
しかしこの終盤の香味は何かに酷似している、なのに思い出せないというか、思い出せないぐらいこちらのほうが質が高いらしい。といってもこれから雑味を取り除けば至高の美味しさになるかと想像してみるとそうならない気がする。終盤で気持ち悪くなり始めたのがいけなかったのかもしれない。軽やかさに奇妙な重さがあるというか。
最終盤に味がガラリと変わった途端、火が消えやすくなった。五回ぐらい再点火したと思う。残り8センチほどで強烈な雑味が出て終了。
芋っぽさこそないものの荒々しさはパルタガスにそっくり。
5本目
全体的に微かな辛味を伴う刺すような苦味があったが、不快なイガイガしさとは少し違うかもしれない、似ているけれど。味にばらつきがあるらしく、ほっこりした旨味を感じるものもあれば、凄く甘いものもある。ほっこりというと栗っぽいけれど、栗らしく棘も刺さっている。そこにやや花のような香り。
栗というより、煙も鰹節っぽいのかもしれない。煙になった鰹には着火前の臭みがなくて、コクがある。花は強まってきて木犀になる。こうなるとモンテクリストに似ているといいたくなるのだが、ハバナで近いものをあげるとパルタガスのセリーPだと思う。栗だの鰹だのといったものはやや芋っぽくもあるし。ただハバナ感はD8に比べてかなり少ない。さらに金木犀が強くなると結局パルタガスよりもモンテクリストに近くなってしまう。独特の魅力は薄いし、雑味と感じられる成分がなくないけれど、立派な強さと木犀の濃さと価格の安さとでまったく不快感がない。苦しさの中に美味しさを十分求められる感じ。中ほど、薫るだけだった華やかな金木犀が茎っぽさや粘土臭を帯びてくるところも本格的である。要熟成なのかもしれない。もう10本中5本も消費してしまったけれど。
飽きて適当に吹かしていたら、終盤に赤いものを茶色くする特殊貴腐のような果実味と甘味がまざまざと出てきた。そこに金木犀や粘土や穀物や雑味が加わって大変な事になっている。木犀もピコレットのように強烈に染みている。凄い。凄いのに羽を毟るなにかが邪魔をする。
コスタリカのメーカー直売のようなものらしい。メーカーの最高級品であるHeritage、D8の2銘柄の、トリニダッドフンダドレスと同サイズのものを各10本ずつ購入。
注文から19日後に到着。注文から発送のメールが来るまでに5日ほどかかった。税関で開封されているが、みっちりビニール包装されているからか湿度にはさほど問題ないらしい。クラーボックスに入れたらボックス内の湿度が上がったぐらいなので、過加湿状態で発送するのかもしれない。今日が雨だからかもしれない。残念だったのは、箱入りだと思っていたのにビニールに包まれていたこと。人間には箱を集める習性があるから。
到着日に1本吸った。
Heritageのラッパーはノコギリクワガタのような赤みがかった黒い甲虫の色。香りがピニールを剥いだ直後は便所っぽいが、剥がすとすぐにけっこう消えて、鰹節のようになる。
着火して火が落ち着くと熟れた甘さがすかさず整うが、香りは熟れたものが焦げるとでもいうふう。葉巻の甘さは果実の皮が焦げる事で果実が熟れる事になるらしい。だから皮を取り除けば非常に凝縮された甘味を体感できるはずなのだが、葉巻では皮を剥く事ができない。そうやって諦めていると果実ではない成分にズレて愛着を感じるようになる。甘い干し草が炊きたての米のような旨味を伴うのである。味は変わっていないのに、そうなる。
中盤から終盤に差し掛かる辺りで恍惚としそうなほど珍しい香味が出てくる。金木犀っぽくなるのだが、花はむしろ奥に潜んでいて、これまで食した事が無い木、つまり正体が木なのか解らない木がぼうっと現れる。ぼうっとしているのに幽霊よりも確実である。香味は序盤よりもこの時点のほうが軽やか。
雑味や濃厚さがあるけれど、非キューバモノをダビドフ化したような印象がなくもない。とはいえ終盤ではキューバモノをダビドフ化したような感じもするし、ちょっと比較に難を感じる。無点火で吸っていると確かにダビドフに似た下駄箱臭というか松茸の匂いが微かにあるのだったが。
しかしこの終盤の香味は何かに酷似している、なのに思い出せないというか、思い出せないぐらいこちらのほうが質が高いらしい。といってもこれから雑味を取り除けば至高の美味しさになるかと想像してみるとそうならない気がする。終盤で気持ち悪くなり始めたのがいけなかったのかもしれない。軽やかさに奇妙な重さがあるというか。
最終盤に味がガラリと変わった途端、火が消えやすくなった。五回ぐらい再点火したと思う。残り8センチほどで強烈な雑味が出て終了。
芋っぽさこそないものの荒々しさはパルタガスにそっくり。
5本目
全体的に微かな辛味を伴う刺すような苦味があったが、不快なイガイガしさとは少し違うかもしれない、似ているけれど。味にばらつきがあるらしく、ほっこりした旨味を感じるものもあれば、凄く甘いものもある。ほっこりというと栗っぽいけれど、栗らしく棘も刺さっている。そこにやや花のような香り。
栗というより、煙も鰹節っぽいのかもしれない。煙になった鰹には着火前の臭みがなくて、コクがある。花は強まってきて木犀になる。こうなるとモンテクリストに似ているといいたくなるのだが、ハバナで近いものをあげるとパルタガスのセリーPだと思う。栗だの鰹だのといったものはやや芋っぽくもあるし。ただハバナ感はD8に比べてかなり少ない。さらに金木犀が強くなると結局パルタガスよりもモンテクリストに近くなってしまう。独特の魅力は薄いし、雑味と感じられる成分がなくないけれど、立派な強さと木犀の濃さと価格の安さとでまったく不快感がない。苦しさの中に美味しさを十分求められる感じ。中ほど、薫るだけだった華やかな金木犀が茎っぽさや粘土臭を帯びてくるところも本格的である。要熟成なのかもしれない。もう10本中5本も消費してしまったけれど。
飽きて適当に吹かしていたら、終盤に赤いものを茶色くする特殊貴腐のような果実味と甘味がまざまざと出てきた。そこに金木犀や粘土や穀物や雑味が加わって大変な事になっている。木犀もピコレットのように強烈に染みている。凄い。凄いのに羽を毟るなにかが邪魔をする。
5 1/8 x 42|CigarJet|$8.80|0|+1|
芳醇な乾き。かなり辛いが、雑味ではない。いかにもハバナだといった感じの乾きが花に収束してきて、花を少し散らし始める。香りをそっと置いてくるというような調和がある。パンチ特有のまろやかなスパイスは控え目で、直接の甘さがほんのりとあり、そこに茶色く塗り潰した緑や、茶色く塗り潰した苺が姿を失っている。木でも革でも土でもない、栗の渋皮のような茶色。この渋皮がハバナっぽくて芳醇で乾いている。
一度灰を落とすとパンチらしいスパイスが清々しく薫ってくる。一瞬清々しいが、まろやかなスパイスというか、温度感のあるスパイスというか、アイロンの匂いを伴うというか。そういうスパイシーではないスパイスの旨味に窓辺から入ってくる金木犀の香りが重なっている。渋皮は相変わらず渋皮のまま。パンチに違いないのだが、モンテクリストとグロリアクバーナとパンチを足して割った感じ。日曜の午後の疲労感に似たつまらないような感触がある。そういうホワイトシチューの旨味で回復しようとして回復しえない、頭痛を治さない甘さがある。なんとも不思議な渋皮だった。
最終盤に入ると渋皮が少し赤土っぽくなるかな。ならないような気もする。他の香味に紛れていてわからない。辛味が収まって、なにか薄気味悪くするするとしている。薄気味悪さが残5センチで強烈なシケモクに変化して終了。
ロイヤルセレクションは終売らしいけれど、なるほど複雑で魅力が纏まっていない一本だった。
芳醇な乾き。かなり辛いが、雑味ではない。いかにもハバナだといった感じの乾きが花に収束してきて、花を少し散らし始める。香りをそっと置いてくるというような調和がある。パンチ特有のまろやかなスパイスは控え目で、直接の甘さがほんのりとあり、そこに茶色く塗り潰した緑や、茶色く塗り潰した苺が姿を失っている。木でも革でも土でもない、栗の渋皮のような茶色。この渋皮がハバナっぽくて芳醇で乾いている。
一度灰を落とすとパンチらしいスパイスが清々しく薫ってくる。一瞬清々しいが、まろやかなスパイスというか、温度感のあるスパイスというか、アイロンの匂いを伴うというか。そういうスパイシーではないスパイスの旨味に窓辺から入ってくる金木犀の香りが重なっている。渋皮は相変わらず渋皮のまま。パンチに違いないのだが、モンテクリストとグロリアクバーナとパンチを足して割った感じ。日曜の午後の疲労感に似たつまらないような感触がある。そういうホワイトシチューの旨味で回復しようとして回復しえない、頭痛を治さない甘さがある。なんとも不思議な渋皮だった。
最終盤に入ると渋皮が少し赤土っぽくなるかな。ならないような気もする。他の香味に紛れていてわからない。辛味が収まって、なにか薄気味悪くするするとしている。薄気味悪さが残5センチで強烈なシケモクに変化して終了。
ロイヤルセレクションは終売らしいけれど、なるほど複雑で魅力が纏まっていない一本だった。
6 x 38|CigarJet|$153/10|+6|+4|
シガージェットで注文して丸二日かからずに届いた。ネクストシガーより速い。一本だけ買った正月用のアニベルサリオ3に白黴が少し繁殖していたが、全体的にネクストよりも品質が良さそう。シガーワンでも紙パックものは白黴が生えていたし、ミランタバコニスツでは杉巻きの下に白黴が生えていたし、パックやチューボは黴の確認がされないものらしい。発見しても刷毛で掃いてから送る業者がふつうだろうし。
ダビドフだからか、箱買いしたNo.2は未開封で、箱には肺癌患者のX線写真がベッタリと貼られている。
到着日に一本吸ったところ、さすが隣国というのか、寝かせるまでもなく美味しかった。
ネクストシガーでもNo.2を一本買ったことがあって、味覚が肥えたのかとも思っていたけれど、そうではないらしい。ネクストはミレニアムロンズデールが酷かったし、オーパスⅩも4本中3本ハズレらしかったし、No.2はハズレではないと思っていたが今回のシガージェットと比べるとNo.2もハズレだったような気がする。ダビドフ・エスキジトスは美味しかったけれど。
先ず余計なシールを剥がしてから箱を開けた。タイ並の汚い写真に貼り替えようとしている気持ち悪い政治家が日本にもいるらしい。こういうポイ捨て以上に汚いシールで街が気持ち悪くなったら地球人に呆れて宇宙人になるしかないだろう。大体昔の日本の煙草はパッケージが恰好よかった。パッケージや名称が異国風になって、それでシールも異国風になるのなら、パッケージや名称を異国風にしたのがそもそも日本たばこ産業の莫迦だったのかもしれない。外国のパッケージはいかにもシールを貼りやすそう。
朝に届き、余計な事を考え終えて、深夜に一本燻らせたら、美味しい事は美味しいのだが、味覚が煩くなったというのは本当らしく、No2はやっぱりダビドフのミニやクラブしか知らない状態で吸ってこそ最高だったのだと思ってしまう。
あっけらかんとした刺激の無さがピリ辛シガリロの想い出によって極限まで引き立てられるというか、ピリ辛を徹底的に貶めるというか、頭抜けた円滑さだけならそれほどでもないのだが、水に似た大吟醸酒のようだが、余計な味の見えない純な葉巻っぽさがある(私の味覚がおかしいのかもしれないが、これほど葉巻っぽいのはハバナでもモンテとコイーバだけしかない)。軽いのに葉巻でしかない、そういう純情な閃きがある。そうであるはずなのに、今ではそこに金木犀だの胡椒だのシナモンだのの高貴な刺激を感じてしまう。はじめてのNo2ではそんなものは感じなかった。
濃い葉巻に雑味が付き物であればこれにこしたものはないのかもしれないが、濃いものにも雑味の無いものはあった。それはそうなのだが、これはこれで依然完璧っぽく、何かにつけて立ち戻りたくなるような結節点になってしまっている。
あえてこれのどこが美味しいのかといぶかしんでみると煙の感触がふつうではなく、口が羽毛布団を含んだかのような、眠い膨らみがある。薄さがこの煙によって密度を増しているらしい。
それでも初めて吸ったNo.2の事を懐かしむばかりなのだった。
初心者向けとは言い難い、初心者にしかわからない極上さがあるはず。
No.2の後にハバナに手を出すのはきっと間違いで、ダビドフだけを吸っていた方が良かったのである。ダビドフよりもハバナの方が美味しいからではなく。ダビドフはハバナの美味しさを弱めないのにハバナはダビドフの美味しさを弱めるらしい。なのにハバナではあれほどの感動はまだ得られていない。できればハバナだけを忘れることができる便利な記憶喪失になりたい。そういう記憶方法を開発してこそ玄人なのだと思う。そういう事を思わせる魅力は未だにある。
最終盤は苦手なはずなのだが、全体的に優しいせいか最終盤の方が良かった。初心者なら茫々と煙にまみれたはず。もっとも初回の時には鼻や目や耳からも煙を吐いてしまって気持ち悪くなったのだった。口先からしか煙を燻らせない素人上がりよりも素人のほうが煙にまみれる術を知っている。煙にまみれる術を失ってしまった。
辛さも見つかるけれど、小姑にすぎず、終盤の金木犀の質が凄い。そもそも初回は「最終盤」なんてものはなく、始終ずっと同じように美味しかった。私はもう一度初心者に戻り、序盤からして既に最終盤のように感動しながら、少しづつ灰になっていく葉巻を勿体なさそうに残念がりながら、最終盤を待つ事なく、何も待たずに恍惚としなければならない。初回の直後に25本入りの箱を買い、半年ぐらいあの境地に浸かっていたかった。
モンテクリストのオープンに似ている部分はあるにしても、そんな薄っぺらなものではなく、久々に火傷しそうなほど根元を愛おしんで、初めて火傷しないようにピンセットで摘んで吸ったのだった。
もう気持ち悪くもならず、立て続けにもう一本吸ってしまいたくなり、いつか立て続けに吸ってみるに決まっているのだが、今回はダビドフワンを吸って寝るしかなかった。ダビドフワンが異様に美味しく感じられるのもNo.2の効能らしく、紙巻きを葉巻のように吹かしてしまう。
初回は中毒性が無かったが、再現への中毒性はある。
初回はチューボだったので、チューボの方が美味しいのかもしれない。今度は20本入りチューボを買おう。No.2とは長い付き合いになりそう。
為替の関係もあるけれど、1300円前後でこれならデイリーにしても良い気がした。サイズも最適だし。とんでもない誤解だけれど。
シガージェットで注文して丸二日かからずに届いた。ネクストシガーより速い。一本だけ買った正月用のアニベルサリオ3に白黴が少し繁殖していたが、全体的にネクストよりも品質が良さそう。シガーワンでも紙パックものは白黴が生えていたし、ミランタバコニスツでは杉巻きの下に白黴が生えていたし、パックやチューボは黴の確認がされないものらしい。発見しても刷毛で掃いてから送る業者がふつうだろうし。
ダビドフだからか、箱買いしたNo.2は未開封で、箱には肺癌患者のX線写真がベッタリと貼られている。
到着日に一本吸ったところ、さすが隣国というのか、寝かせるまでもなく美味しかった。
ネクストシガーでもNo.2を一本買ったことがあって、味覚が肥えたのかとも思っていたけれど、そうではないらしい。ネクストはミレニアムロンズデールが酷かったし、オーパスⅩも4本中3本ハズレらしかったし、No.2はハズレではないと思っていたが今回のシガージェットと比べるとNo.2もハズレだったような気がする。ダビドフ・エスキジトスは美味しかったけれど。
先ず余計なシールを剥がしてから箱を開けた。タイ並の汚い写真に貼り替えようとしている気持ち悪い政治家が日本にもいるらしい。こういうポイ捨て以上に汚いシールで街が気持ち悪くなったら地球人に呆れて宇宙人になるしかないだろう。大体昔の日本の煙草はパッケージが恰好よかった。パッケージや名称が異国風になって、それでシールも異国風になるのなら、パッケージや名称を異国風にしたのがそもそも日本たばこ産業の莫迦だったのかもしれない。外国のパッケージはいかにもシールを貼りやすそう。
朝に届き、余計な事を考え終えて、深夜に一本燻らせたら、美味しい事は美味しいのだが、味覚が煩くなったというのは本当らしく、No2はやっぱりダビドフのミニやクラブしか知らない状態で吸ってこそ最高だったのだと思ってしまう。
あっけらかんとした刺激の無さがピリ辛シガリロの想い出によって極限まで引き立てられるというか、ピリ辛を徹底的に貶めるというか、頭抜けた円滑さだけならそれほどでもないのだが、水に似た大吟醸酒のようだが、余計な味の見えない純な葉巻っぽさがある(私の味覚がおかしいのかもしれないが、これほど葉巻っぽいのはハバナでもモンテとコイーバだけしかない)。軽いのに葉巻でしかない、そういう純情な閃きがある。そうであるはずなのに、今ではそこに金木犀だの胡椒だのシナモンだのの高貴な刺激を感じてしまう。はじめてのNo2ではそんなものは感じなかった。
濃い葉巻に雑味が付き物であればこれにこしたものはないのかもしれないが、濃いものにも雑味の無いものはあった。それはそうなのだが、これはこれで依然完璧っぽく、何かにつけて立ち戻りたくなるような結節点になってしまっている。
あえてこれのどこが美味しいのかといぶかしんでみると煙の感触がふつうではなく、口が羽毛布団を含んだかのような、眠い膨らみがある。薄さがこの煙によって密度を増しているらしい。
それでも初めて吸ったNo.2の事を懐かしむばかりなのだった。
初心者向けとは言い難い、初心者にしかわからない極上さがあるはず。
No.2の後にハバナに手を出すのはきっと間違いで、ダビドフだけを吸っていた方が良かったのである。ダビドフよりもハバナの方が美味しいからではなく。ダビドフはハバナの美味しさを弱めないのにハバナはダビドフの美味しさを弱めるらしい。なのにハバナではあれほどの感動はまだ得られていない。できればハバナだけを忘れることができる便利な記憶喪失になりたい。そういう記憶方法を開発してこそ玄人なのだと思う。そういう事を思わせる魅力は未だにある。
最終盤は苦手なはずなのだが、全体的に優しいせいか最終盤の方が良かった。初心者なら茫々と煙にまみれたはず。もっとも初回の時には鼻や目や耳からも煙を吐いてしまって気持ち悪くなったのだった。口先からしか煙を燻らせない素人上がりよりも素人のほうが煙にまみれる術を知っている。煙にまみれる術を失ってしまった。
辛さも見つかるけれど、小姑にすぎず、終盤の金木犀の質が凄い。そもそも初回は「最終盤」なんてものはなく、始終ずっと同じように美味しかった。私はもう一度初心者に戻り、序盤からして既に最終盤のように感動しながら、少しづつ灰になっていく葉巻を勿体なさそうに残念がりながら、最終盤を待つ事なく、何も待たずに恍惚としなければならない。初回の直後に25本入りの箱を買い、半年ぐらいあの境地に浸かっていたかった。
モンテクリストのオープンに似ている部分はあるにしても、そんな薄っぺらなものではなく、久々に火傷しそうなほど根元を愛おしんで、初めて火傷しないようにピンセットで摘んで吸ったのだった。
もう気持ち悪くもならず、立て続けにもう一本吸ってしまいたくなり、いつか立て続けに吸ってみるに決まっているのだが、今回はダビドフワンを吸って寝るしかなかった。ダビドフワンが異様に美味しく感じられるのもNo.2の効能らしく、紙巻きを葉巻のように吹かしてしまう。
初回は中毒性が無かったが、再現への中毒性はある。
初回はチューボだったので、チューボの方が美味しいのかもしれない。今度は20本入りチューボを買おう。No.2とは長い付き合いになりそう。
為替の関係もあるけれど、1300円前後でこれならデイリーにしても良い気がした。サイズも最適だし。とんでもない誤解だけれど。
|106mm x 12.7mm|近所|¥170|+1|+1|
ドライシガー。10本入りの缶を見るとちょっと巨大でびっくりするが、ふたを開けると中身はけっこう小さい。最近二ヶ月間輸入に手こずっており、熟成させるはずのものに手を伸ばしたりしてしまうこと頻繁なので、不本意だが一本だけ買ってみた。
キンキンした感じがあるけれど、悪くない。クラブシガリロなんかに比べて断然ゆったりしているし、バターの風味を伴った心地好い甘さが感じられる。非ハバナの代用品というより、ハバナの代用品といった感じの葉巻らしさがある。10本も持っていたら使い道に困りそうだけれど、火を点けてしまえば美味しい。美味しいのに、中途半端な美味しさなら、最高に美味しいモノを夢想しながらクラブシガリロをちゅーちゅー吸っていた方が愉しいようなのである。しかし侮っていると中途半端といえないぐらいおいしくも感じる、これ。
乾いた馬糞が干し草にこびり付いたような香りがあるのがきっとドライシガーらしい難点だろう。
昔、ドンディエゴのプレミアム(リザーブ No.4 マデュロかな?)を1本吸ったことがあって、チョコ味がして異様に美味しかったのを憶えている。寒かったのでホカロンの代わりになるかと思って火を点けたのだった。葉巻を真面目に始める前の体験だったけれど。今吸ったらあまり美味しくないかもしれないが、気になる。ダビドフNo.2に次ぐ強烈な記憶。
ドライシガー。10本入りの缶を見るとちょっと巨大でびっくりするが、ふたを開けると中身はけっこう小さい。最近二ヶ月間輸入に手こずっており、熟成させるはずのものに手を伸ばしたりしてしまうこと頻繁なので、不本意だが一本だけ買ってみた。
キンキンした感じがあるけれど、悪くない。クラブシガリロなんかに比べて断然ゆったりしているし、バターの風味を伴った心地好い甘さが感じられる。非ハバナの代用品というより、ハバナの代用品といった感じの葉巻らしさがある。10本も持っていたら使い道に困りそうだけれど、火を点けてしまえば美味しい。美味しいのに、中途半端な美味しさなら、最高に美味しいモノを夢想しながらクラブシガリロをちゅーちゅー吸っていた方が愉しいようなのである。しかし侮っていると中途半端といえないぐらいおいしくも感じる、これ。
乾いた馬糞が干し草にこびり付いたような香りがあるのがきっとドライシガーらしい難点だろう。
昔、ドンディエゴのプレミアム(リザーブ No.4 マデュロかな?)を1本吸ったことがあって、チョコ味がして異様に美味しかったのを憶えている。寒かったのでホカロンの代わりになるかと思って火を点けたのだった。葉巻を真面目に始める前の体験だったけれど。今吸ったらあまり美味しくないかもしれないが、気になる。ダビドフNo.2に次ぐ強烈な記憶。
|7.62 x 49|AtlanticCigar|$14.95|+1|+2|
黒褐色の分厚いラッパーによるものか、カット時の感触が独特で、ざらざらと切れる。表面は塩を乾かしたような干物っぽい艶がある。アネホはどれも同様。
緑褐色の、懐かしさと新鮮さとが渾然とした奇妙なブレンド。何かに似ているのに、その緑色らしきものが何なのかわからないでいたら、突然シナモンが吹き出してきた。するとすぐにオパスⅩに似ていたのだとわかる。当たり前の結論なのだが、正体がわかってからは安心してしまった。美味しいものに似ていて良かったというか。気付いてしまうと、オーパスⅩと同じハチミツシナモントーストが感じられ、それにやや草寄りの焦げ目をつけた感じ。のみ込んでみるとフルではないが、転がしているとフルに感じるので安心はしてもこわごわと扱ってしまう。刺すような苦い感じが無くなればかなり美味しいかもしれない。黒褐色なので醤油味とか言いたくなるし、本当にそんな味がする気もするが、錯覚だと思う。もっとふんわりとして、しかも風船に針を刺す意地悪さがある。笹の葉で口腔が傷つけられてしまうような。パンダじゃあるまいし。
ハチミツシナモントーストがだんだん湿気を帯びてきて、味が濃さを増し、染みた木の味わいに近くなる。ただ染みは小便の染みではなくハチミツの染みである。
ところが小便とハチミツが逆転する。そして木犀が咲きそうになる。矢継ぎ早に木犀から粘土臭が染み出てくる。こういう劇的な一刹那があって、後は既出の素材がバランスを変え立場を変えゆっくりとめくるめいている。甘味は強弱があっても安定していて、味気なさを感じる暇はない。棘は少し丸くなってきているが、咽が弱ってきたのか、ボディはフルに変わっている。
終盤、香る程度にバターが乗ってきて、より美味しそうな香りになるがしつこさはない。
残7センチほどで火種が凹みがちになって終了。即刻再点火したら雑味を伴いつつも以前よりも大きく膨らむほど美味しさは続いていた。これ以上吸ったら気持ち悪くなりそうなので今度こそ終了にした。
全体的に美味しさを秘め過ぎたようなところがあって、秘密好きには良いかもしれないけれど、葉巻に奥床しさを求めるのは難しい。醤油を焦がしたようなものが柵となって、格子の向こうで美味しいものが煮炊きされているような。鍋の上ではなく鍋の下の焚火。なのに、オーパスⅩを経験してから吸った方が美味しいかもしれないと思わせる。それでいてオーパスⅩよりもこちらの方が強い。なかなか小難しい葉巻だと思った。焚火好きには良いのか。灰は白っぽく、亀裂が少なかった。
これ以前に書いたアネホのレビューはあてにならない。「ハチミツシナモントースト」なんて一言も書かれていないし。黒褐色のラッパーに味覚が呑み込まれていたのだと思う。このダブルコロナだけがオーパスⅩに似ているのかもしれないが、たぶんそんなことはないだろう。半年以上寝かせた甲斐があったのかもしれない。半年でも最長記録なのだった。+2にしたけれど、+2の中では断トツ美味しい。
黒褐色の分厚いラッパーによるものか、カット時の感触が独特で、ざらざらと切れる。表面は塩を乾かしたような干物っぽい艶がある。アネホはどれも同様。
緑褐色の、懐かしさと新鮮さとが渾然とした奇妙なブレンド。何かに似ているのに、その緑色らしきものが何なのかわからないでいたら、突然シナモンが吹き出してきた。するとすぐにオパスⅩに似ていたのだとわかる。当たり前の結論なのだが、正体がわかってからは安心してしまった。美味しいものに似ていて良かったというか。気付いてしまうと、オーパスⅩと同じハチミツシナモントーストが感じられ、それにやや草寄りの焦げ目をつけた感じ。のみ込んでみるとフルではないが、転がしているとフルに感じるので安心はしてもこわごわと扱ってしまう。刺すような苦い感じが無くなればかなり美味しいかもしれない。黒褐色なので醤油味とか言いたくなるし、本当にそんな味がする気もするが、錯覚だと思う。もっとふんわりとして、しかも風船に針を刺す意地悪さがある。笹の葉で口腔が傷つけられてしまうような。パンダじゃあるまいし。
ハチミツシナモントーストがだんだん湿気を帯びてきて、味が濃さを増し、染みた木の味わいに近くなる。ただ染みは小便の染みではなくハチミツの染みである。
ところが小便とハチミツが逆転する。そして木犀が咲きそうになる。矢継ぎ早に木犀から粘土臭が染み出てくる。こういう劇的な一刹那があって、後は既出の素材がバランスを変え立場を変えゆっくりとめくるめいている。甘味は強弱があっても安定していて、味気なさを感じる暇はない。棘は少し丸くなってきているが、咽が弱ってきたのか、ボディはフルに変わっている。
終盤、香る程度にバターが乗ってきて、より美味しそうな香りになるがしつこさはない。
残7センチほどで火種が凹みがちになって終了。即刻再点火したら雑味を伴いつつも以前よりも大きく膨らむほど美味しさは続いていた。これ以上吸ったら気持ち悪くなりそうなので今度こそ終了にした。
全体的に美味しさを秘め過ぎたようなところがあって、秘密好きには良いかもしれないけれど、葉巻に奥床しさを求めるのは難しい。醤油を焦がしたようなものが柵となって、格子の向こうで美味しいものが煮炊きされているような。鍋の上ではなく鍋の下の焚火。なのに、オーパスⅩを経験してから吸った方が美味しいかもしれないと思わせる。それでいてオーパスⅩよりもこちらの方が強い。なかなか小難しい葉巻だと思った。焚火好きには良いのか。灰は白っぽく、亀裂が少なかった。
これ以前に書いたアネホのレビューはあてにならない。「ハチミツシナモントースト」なんて一言も書かれていないし。黒褐色のラッパーに味覚が呑み込まれていたのだと思う。このダブルコロナだけがオーパスⅩに似ているのかもしれないが、たぶんそんなことはないだろう。半年以上寝かせた甲斐があったのかもしれない。半年でも最長記録なのだった。+2にしたけれど、+2の中では断トツ美味しい。
銘
囹
月