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  源氏物語「葉」
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|7 1/2 x 40|Vegas de Santiago|$66/10|+3|+2|

 先日のヘリテージとこのD8を交互に吸っている。D8のほうがずっと優しくて好みだが、強さはフル近くあると思う。Heritageと併せて10本吸ったところ、巻くのが上手らしく、どれもやや硬めの絶妙なドローだった。90分以上かかる。

 無点火で吸っているとダビドフによく似た黴の生えた下駄箱というか松茸の匂いがある。着火すると芝草かなにかに変わってしまうはずだが、途端甘味に襲われる。しかも松茸が残っている。ダビドフのような肌理はなく刺すような強さがあるのだが、甘味がぽうっとなって、木が膨らむかのように膨らむ。かなり甘口だけれど柔軟。吸い始めはけっこう辛いが、一口目から柔らかい木香が漂う。一口毎に次々と香味が乗ってきて、いずれもしおらしく、花や素朴パンやバターやスパイスなど。鼻が痛いぐらいだが、既に美味しい。既に美味しいのにさらに期待してしまう。香味に浮遊感があるのだが、期待の方向がさらなる浮遊なのか地に足を付ける事なのかわからない。
 1センチほど進んだだけで金木犀がささやかに咲いている。木肌はマイルドな珈琲のようにも感じなくはない。味が黄土色っぽいのか、パルタガスの荒々しさ(ただしHeritageに比べると断然弱い)と、パルタガスより柔らかいタイプのキューバモノの旨味を、始終コスタリカの艶で甘く閉ざしたようなイメージ。木土革などの葉巻の皮のような香味がハバナに似ていないのだと思うが、似たものがなくはない。ヘニオスに少しばかり似ているのである。ヘニオスのステーキソースのような濃厚さはないけれど。コスタリカの元気さの中に、キューバがひっそりと息衝いているというか。
 中盤過ぎには金木犀がシャンプーっぽくなり、さらに進むと甘味が粉っぽい旨味になる。かなり鮮やかな変化で、それからまた花のようになるが、これはもう金木犀ではない。薫る花ではなく、甘い花。するととうとう小便が染みたような味わいが出てくる。それからさらに粘土が巻き付く。最終盤の変化は忙しい。最々終盤では再度金木犀が不死鳥のように出てくる。そして死臭が出始めるかと思うとなかなか死なずに、終盤にひょっこり出てきた各々の香味が渾然一体となってとんでもなく華やかなフィナーレがお辞儀する。Heritageも凄かったがこちらも凄い。
 結局、あんまり美味しいので刺すような刺激が始終あったのになかったかのようだった。むしろ軽く刺激があって良かったかのようだった。安さの所為で、これをシガリロなんかと勘違いしていて、不必要な棘を甘美化しているのかもしれない。
 結局残り3センチまで吸って、少し気持ち悪くなった。最後は美味しいまま嫌々捨てた。

 ニカラグアものなどに比べると良くも悪くも随分ハバナっぽいと思う。ニカラグアものといってもあまり試した事はないけれど。比較ばかり考えていると何処の何が美味しいのかわからなくなる。Heritageにある特異な香りはないにしてもHeritageよりもハバナに近かった。そのハバナっぽさには、ハバナの老練な感じはなく、ハバナに羽を生やしたダビドフの恍惚感もない。無いのが不思議なぐらい美味しい。したがって美味しいのが不思議なぐらい不味いということになってしまいかねない。

 こういうものがあるとコストパフォーマンスの値には「時間」や「重量」も加味しなければならないと切に思う。MONTECRISTO No.4がこれと同じく|+5|+3|になっているが、こちらは時間が倍もあるのである。MONTECRISTO No.4の方が美味しいかというと、美味しいような気もするし。これを+2にしてしまって様子を見よう。ラギート2があればデイリーにできるのだけれど。

 1本目と5本目はこのようなものだった。2〜4本目は「雑味のある米煎餅」とでもいうような味わいで美味しくない。ばらつきはある。
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