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  源氏物語「葉」
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昨年の節分ごろで干支を一回りしていたのか、この葉巻ブログ……
細々としてますます痩せ細って最後には消えてなくなります。それが骨。骨が飴玉のよう。
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|next cigar|$441/25|arr 2021/7/26|
|TUE NOV 19|5.12’ x 52|重量:15.26g|香:3.3-3.6 ave3.5|残16|

 パルタガスのマデューロを今回含め9本+1本燻らせて思う。10本程度で十分と言えるのかどうか、言えないとは思うものの、結論?として、特別な葉というより変哲ない葉を熟成させた感じがし、ハズレの多さは通常ラインのパルタガス並み。またコイーバのマデューロと違い、たとえハズレの場合でも懐の深さを感じさせる、ということがない。コイーバのそれにしてもハズレが多かったわけではあるけれど、コイーバの方がやっぱり凄みや苺ジャムを焦がしたような特別な感じが強かった気がする。今回は割と当たった芳香を燻り出せたのにやや致命的にドローが悪かった。パンチカットにしたのが悪さを助長した可能性があったにもかかわらずリカットする気力が起きない。パルタガスのマデューロに対して失礼なやる気のなさだったのか、パルタガスのマデューロの全体的な不味さがそうさせるのだろうか。ひたすら少ないアタリを待つほかなし。
|next cigar|$192.24/10|arr 2022/11/26|
|―|6 x 50|19.88g|香:3.5~3.9 ave 3.7|残9|

 ドミニカーナ・ロブストに惚れ込んでトロも買う。ロブストの大きさはやや変則的ながらトロは正統の6 x 50となっている。ふしぎなことに手持ちのロブストをずっとトロだと思い込んでいたので、トロの実物を見ると改めて正統感が溢れ、やっぱりロブストよりも大きいと思う。
 到着日早々にカットするとピリッと裂ける音がしたのでまだ乾燥している(乾燥した保管状態だったのだろう)。とはいえ十分も燻らせたあとには、つまりは充分に通気すれば、乾燥した物としっかり加湿した物とで内部湿度において大差がなくなるような気がしなくもない。
 味わいはわりと安定して、明らかに「旨味の葉巻」で、これに比べるとどのダビドフも旨味が足りない。果たして「メンマ」というもののどこが深いのかそもそも竹に旨みがあるのか不思議に思うのだが、メンマに似た深みを旨味に感じるのはロブスト同様である。乾燥に起因するであろうパサついた味わいにも、回復した時のおいしさをしのばせる。
 但しロブストを持っている人はとくにトロを追加せずともという気がする、基本的に同じ味だとわかるため。ラギート1やペテコロだったら話は異なるところ、ロブストとトロは大雑把に言わずともかなり似ている。おおよそトロがロブストよりも前半落ち着いていて後半しょぼくれやすいぐらいのものだろう。(ロメオのリネアなんて全部同じだろう……?)
 ドミニカーナは現行「2014」の年号バンドが巻かれていて、2014が無くなる前にと暫くヒヤヒヤしながら漸く購入した。2015になってもバンド表記は2014のままなのかもしれない。
 後半は乾燥感が確かに消えていた。予測どおりであるのか、トロにありがちな残念感に倣い、残7センチぐらいで不味くなり消火する。

 マデューロは外側に醤油を塗りたくって中身に味がなかったりする。この中庸色の綺麗なラッパーに包まれたドミニカーナは、ラッパーカラーが明るい物にある軽やかな香味のほうへも寄らず。すべての中間の、ありそうでなかった芯として、無いはずのものがありえたものとして屹立なり凝縮なりしているようで、ブレンドの妙だとかを超えた単純な葉の存在を感じる(これがブレンドの妙なのかもしれないが)。孤高にして中間、なかったものがあったのだから奇妙だ。中間とはなんなのだろう……。
 比べると、元より歪な黒ダビドフは勿論、クラシックな白ダビドフも歪なバランスに感じてしまいそう。途中といわず最初から咲いていた幾つかの花を無かった事にしてしまうぐらいその中間味が濃い。
 ロブストのアタリを思い出しながら書いているので香味の点数に比べてコメントが大袈裟になっているらしい。ただ、ハズレではなかった。
|NextCigar|$130/10|2019/10/30・arr 11/9|
|—|7.25 x 40|11.99g|香:3.0~4.2 ave4.0|残1|

 いにしえ感がふつふつとしている。複雑な土の匂い。牛蒡のエステル漬け。果実味の無いアルコールのようなエステル、除光液。
 序盤、牛蒡のせいなのか、よくわからない苦味が軽さの中に立って、よくわからなかった。5センチも進んだ頃からこれを葉巻だと判断できるような香味が整う。
 それは主に花だった。葉巻とは主に花だったのか、しかしこうなると牛蒡の残滓も光り始めている。不味そうな表現になってしまうが、一度死んだものを復活させた、リサイクル的な美味しさ。
 辛味が強まる。辛味が治ると、いにしえの香味が戻りくる。さすがミレニアム、さすがランセロ、さすが牛蒡。時、形、全てがこの変な美味しさにバランスよく寄与している。
 最初の牛蒡とはこの事だったのか!と驚くべきプロットを見せられるようで、苦味は穏やかに練られて自然な土に返り、深々と土に埋まる根菜の生気のみが花を咲かせる。燻銀の渋さを還元していく。この土壌には初期ダビドフの高貴な羽に煽られる松茸の胞子も感じられる。
 ここからますます花盛りを迎え、まさに葉巻に他ならぬものを燻らせていて、葉巻の味のみがして、まさに当たりを引いた心地がする。葉巻に初めて感動した日を思い出させる。
|coh-hk|$285/10|2012/3/7|
|MES MAY 11|4.7 x 52|12.26g|香:3.5~4.4 ave4.1|残1|

 着火前のひととき、この葉巻はもう外側へは香りを発散していない。

 コイーバの大物特有のカフェオレ、ミルク多め。岩、ミネラルではなく皮や土の果ての。
 金木犀に少し春菊の掠れ声が混じっている。
 金木犀多く輝いているものの全てにおいて単なるコイーバだった。コイーバ以上のものはないのだからこれは褒め言葉にしかならない。シグロ6を濃縮したような。
 コイーバのコイーバらしい中心点に落ち着いて、この状態が今後しばらく続きそうか。それでいて購入当初の派手やかな金筒の姿が復活してもいる。
 強力さはないものの、凄みがある。強力な時にはどことなくヘンテコでこの凄みは出てこなかった。矛盾している。もしこの凄みが強力だったらと思うと……この後は徐々に無へ向かって衰え始める予感がする。ともあれすごい。生前に成功しなかった偉大な人物のよう。
|next cigar|$118/5+¥2400/10=¥2700/1|2021/1/5・arr 1/17|
|―|5 1/8 x 52|16.22g|香:3.5~4.2 ave4.0|残2?|

 『スモールバッチ・オスクーロ』よりも『インテンソ』の方が黒いかもしれない。
 黒い見た目に、緑刺す香りがくる。熟した緑。紅茶とマデューロは製法的に似ているかもしれないが、紅茶ではなくマデューロ的な何か、しかも緑。刺しものから、穏やかな膨らみを開始する様が美しい。強面だったのに。
 革バッグを丸ごと煮詰めた花スープの味わい。革バッグのスープにマデューロの外側をカリッと焦がしたパンを添えて。膨らみが小麦そっくり。
 この感覚をなんと言っていいかわからなかったが、ふと葡萄で合点した。ときどきキウイのようにキンとするところのある葡萄。熟れきっていないが芳醇な甘い香り。それでいて一口ごとに完熟度を増す葡萄。一度葡萄だと思うとますます葡萄らしくなってくる。
そもそもこのブログは誰も読んでいなくて(「葉巻特有の語彙」で検索しても滅多に出てこない)、更新をサボるも何もなさそうなのだけれど、新規購入する際等、回顧録はやはり必要だということでここ半年のメモを整理している。自分にとっても公衆に晒すおそろしさでメモをやや正確に整理する気になれるし、案外読む人は書いた人にしかわからないようなこんな記事の方が参考になることもあるかもしれないし。でもそういう人はよほど賢い読み手なのだろう。この人がこう貶している場合にはその葉巻はこう美味い、こう褒めている場合にはこう不味い、だから私も買ってみよう、私は買わない、と。
|thecigar|48.00CHF/5|2021/12/12・arr 12/30|
|―|129mm × 42|8.97g|香:3.5~4.0 ave3.8|残0|

 はなからガツンとハバナ風味が来て粗野で美味しいが、やはり手に取りやすいラインには高級ラインにないシミ臭さがある。
 それでも美味しい。金木犀が芬々とする様が麗しい。従来抱いていたロメオとは異なり、淡からず、濃く正道を行っている。濃くともほかに飾り気がないのがロメオらしさか。
 木や土より皮とナッツが厚く、あくまでも渋く濃いメレンゲを味わわせる。変化には富むしクリーム等もあるのだが、常に無香味のミネラルの清潔さが宿る。

 この缶シリーズはほか二品も燃焼し尽くした。どれもなかなか良い。
|Oxford CC|$149.99/5(+¥800/1)|2022/1/14・arr 2/4|
|—|5 1/4’ x 50|16.10g-0.57g=15.53g|香:4.0~4.4 ave4.3|残2|

 このロブストの前だったか後だったか、トロも燃やした。残りはダブルロブストとトロが1本ずつ。
 ダブルロブスト(記事あり)もトロもハズレだった。トロについてはメモもほとんど取っておらず、「空吸いすると甘味のあるシナモンというより甘味のないスパイシーなニッキ」とのみ記されている。着火以降が筆を捨てるほど不味かったのだろう、着火前は美味しそうだったのに。

 ロブストは美味しかったので以下のようなメモがある。
 無着火で咥えているとシナモンロールを思わせる。いつもながら、火をつけても霧消しないこの「シナモンにあらずしてシナモンを超えるシナモン」の究極さがオーパスⅩをオーパスⅩたらしめ、加乳して迸ればそれは必ずミルキーな杏仁に化ける、この香味こそオーパスⅩの頑丈な基礎だと葉巻の方が語ってくる。美味しさゆえ香味の喩えを細々と探すような工夫もしたくなるのだが、「究極のシナモン」でいいよと語ってくる。
 序盤圧倒的に美味しい。得体の知れない官能の花が混じっている。それから葉巻を葉巻たらしめるハバナのナッツ風味。ついにハバナ化に成功したのか、シナモンを失わずして。
 ベランダで煙が風にさらわれてしまうのが惜しい。
 口腔にて煙が膨らむ感じがする。膨らみに関わる香味が隠れているからそう錯覚するのか、パンのようなパンでない何か。固く閉じた口がパンパンに破裂しそうなほど満たされる。
 どうも経験上ではオーパスは小さめのビトラが良い。ミルク質の何かもずっとあるかも知れない。まったりとして清涼なハーブも香る。白濁するアブサンか。

|NextCigar|$159/10|2017/10/12・arr 10/19|
|—|6" x 54|20.43g|--|残?|

 黴臭いようなダビドフタケのキノコ節が炸裂する。最近の黒ダビドフ以降の新作(新作の白ダビドフ含む)に慣れてしまうとプーロドーロまでもがクラシックに思える。味が濃いという意味でなく、キノコが濃い。しかし、他も濃い。クラシック系の場合、濃い場合には煙にバターを覚えるが、これは湿った焼き菓子、レーズンの雰囲気。乾いたところもある。シナモン。食用花。素朴な小麦の旨み、焦げ。クリームはない、ここが特徴か。
 昔日の白バンドから昨今の黒バンドへの架橋の上にまんま佇む味わい。おそらく最近もこの架橋は再建されていない。あの頃はプーロドーロがダビドフで一番濃かったというか、プーロドーロを黒と感じた。

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