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  源氏物語「葉」
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|thecigar|10.50CHF|2020/3/17・arr 3/25|
|—|5.59’ x 42|重量:9.68g |香:3.4~3.7 ave 3.6|残0|

 1番と3番と4番は同じリンゲージで、長いのがよければ1番、短いのなら4番で、中間の3番は特に使い道もなく、多分どれも似たような味だと思うのだが、つくづく見ているとなんともちょうど良いサイズに見えてくる。夜には心許ないが、昼間なら。
 オレンジ色のような、エメラルド色のような、二層に色づいた華やかなキャラメルの味で、そのぶんキャラメル味は少し薄め。
 大昔を知らないものの、懐かしく古典的な感じもして、ここに見える最たる魅惑の要素を取り出し煮詰め、かえって古びず新らしく鮮明化すると現在のリネアシリーズのような味になる。オレンジ、エメラルド、茶色、これらがはるかに濃くビビッドになる。しかしナンバーシリーズ、これにはこれ独特の、どことなく古びた魅力がある。茶色にして白色をも感じさせるのは全て同様で、モンテクリストはパルタガスやコイーバほど重心が低くならない。低さと高さが同居している。高さは、多分ハバナで一番高い。低さもあるがゆえ、高くも感じるのか。
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|thecigar|105.00/3CHF|2020/3/17・arr 3/25|
|不明|6.3’ x 54|重量:17.41g |香:3.5~4.0 ave 3.8|残2|

 チューボなので筒に充満した杉の香りを纏っているが、深々と黒く熟れてゆく穀物の香りもふんだんらしく滾っている。
 着火時に火口から燻り立つ煙が既に紅茶を極限まで煮詰めたようで甘く香ばしい。チャイを作ろうとして、ミルクを入れる前の段階で煮詰め過ぎてしまった、やや焦げた液体のそれである。
 煙の味は、序盤紅茶が濃醇にしてそよめき、一瞬の杏仁の忍者のような横切りのあと、なぜか峠を越えて花の里の光景が眼下に広がる。歩いてゆくと村の土地に昨年の栗が落ちている。
 村に底流するマグマの所為なのか、見捨てられた栗が土の中で蒸してくるようだ。
 微糖。
 渋皮みたいにエグくなるかと思うとまた最初のほうに戻ってまた峠を越える、この繰り返し、また杏仁がよぎり、花の里。
 煙も微量。村では焚火が禁止されている。この濃さを維持したまま豊富な煙となることを望む。
 ふと空からビオフェルミン製薬が投与される。
 という事は病床で峠を越えたのか。入院患者(重症)にビオフェルミンとは何事か!
 以下同文……。

 流石の貫禄をたたえるもイマイチふるわない。
 まろやかカフェオレタイプのコイーバと紅茶タイプのコイーバと蒸栗タイプのコイーバ、いずれをも混ぜたようでありながら紅茶が優勢か、序盤の紅茶感は最高に思わせぶりだった。思い返すとコイーバにしては珍しく樹木を思わせるものであったかもしれない(喫煙中は樹木など一本も浮かばなかったが)。根本まで吸い粘らせるようなところも流石永久に思わせぶりである。
コロナ関連《葉巻輸送の巻》

■ベルギー変

飛行機に乗って11日経過、進捗なし。謎の死亡。飛行機に乗る直前に飛ばなくなった?

■スイス編

スムーズに通過。(但し、最近はもう駄目らしい)

■香港変

即死亡。6日経過動きなし。
|next cigar|$64/5|2018/10/21・arr 10/25|
|—|6” x 55|18.27g|香:4.0~4.5 ave4.3|残2|

 この太い葉巻は埃っぽさや茸っぽさが少なく、そういう皮を八割がた剥いだようで、中身ぼうぼうとして花やバターなどを燃やす。語弊あるが、煙草らしさは薄く、煙草らしからぬ要素が豊富。濃いというより、豊富である。皮は残りの二割をも削げば、初の『BHK52』に感じた「金の筒」となるわけである(あれはもう金色そのもので葉巻ではなかった)。二割の皮がなめしすぎたなめし皮を纏って二重羽織って香ばしい。中身ぼうぼうというのは、太いリンゲージに因るらしい。
 熟れきって酸味が旨味に転化した芳醇なパイナップル、にもかかわらず何処かしら青臭さが残るのはメロンだろうか、瓜系であるのは間違いない。バターもはっきりしているために、まったり系果実を思い浮かべもするが、謎のまったり系果実である。これらがすごく安定して持続している。
 あとは気分さえ香味に合致すれば、ハバナで喩えるところグランレゼルバ級の物と思えるだろう。馴れたダビドフ香が中身にもあるので頭がダビドフを認識してしまうが、もしハバナでこの煙が出たら吃驚仰天の満点必至である。せめて皮だけでもブエルタアバホ産に貼り替えたらどうだろう。ダビドフである事が、良いのか良くないのか分からなくなる。というのは、ダビドフが一人でハバナと戦っているからで、交互に着火すると、ハバナが色々なブランドで八方から攻めくるに対し、ダビドフは一ブランドで拮抗し、日に日に五割がダビドフでは飽き飽きしてしまうのである。それが、ここではダビドフらしさを薄めたダビドフがあるばかり。中身もダビドフっぽいとは言ったが、これはより美味しげな方へ脳内変換できる。
 突如、バターでソテーした豚の旨み。「焼いた」というと焦げ臭いが「ソテー」に焦げはないと思いたい。それでいてバターは狐色化して香ばしく。
 だいぶ美味しいのに、どういうわけか後半ますます美味しくなる、豊富なまま濃くなる、ぼうぼうとした天国は、雲に乗るようだ。子供をなめた嗜好で言えば、子供らしく、カレーライスとか、スパゲッティとか、好きなものをひたすら詰め込んだような喜びに溢れ、そう単純かと思えば根本が複雑で、単純と思うほどにかえって琥珀を目に埋め、至近に煙草葉の深みが実感されてくる。透明な物の中に入り込む事で、その中にある透明でない物が見え始める。
 終盤で現れる微かな焦げの風味も洗練されている。そこに現れる鼠色の油粘土臭さまで深い。
 甘さは強くないものの、始終甘やかである。
 ダビドフの灰はポロポロと崩れやすいが、この灰は脆からず、5センチは耐える。灰がズドンと取れると、現れる火種は理想の榛名山である。榛名を臨むに、香味のほうが吸うタイミングを適切に整えてくれていたようだ。燃焼の良し悪しなどあまり考えた事が無かったが、燃焼は満点である。満点を一度でも感じる事がなければ、そもそも点数制度など発現しないのかもしれない。今日をもって燃焼の良し悪しの基準があらわになる。味の方が人の呼吸を整えてくるのである。対して香味の基準は永遠に不明なのかもしれない。
 終盤は軽い刺激を伴うスパイスがふりかけられ、シナモンを使った軽やかな焼菓子のパフを食感もろとも味わえる。よく考えれば胡椒とシナモンの間の子のような、現存しない、新種のスパイスを見る。当然焼菓子というものバターもふんだんで、バター程度の塩気をも伴う。ほぼ無塩バターに近い。
 瓜は消えて草となり蜂蜜となる。
 皮はいつの間にか茸からナッツ感に変っている。最良の大トロにある、まるで魚らしからぬナッツ感をも思い出す。やがてナッツが木に返る。
 以上、全編に金木犀が咲いているのだが、不思議と金木犀という言葉が出ない。花は常に別の姿に見事変げして二十四面相で蠱惑する。ただ最終盤だけは金木犀として実態を現しつつ散る。散ってなお芳香豊かで散り敷いた寂の芳醇を呈する。花の絨毯に覘く幽玄な土。なんとも自然である。残2センチ付近、弱き荒さに抗して芽生える緑がある。
 紙箱5本入りのゴルフシリーズがこれほどまでとは思いもよらず、ゴルフ場で楽しむものではなさそう。
 いずれにしても今日の一本はグランレゼルバ級である。にして安い。ただ、微かなりとも平凡なダビドフ感が感動の邪魔をする、こういう贅沢があるかもしれない。
|NextCigar|$112/10|arr 2018/9/8|
|―|6 3/32超 x 43|12.32g|香:3.7~4.5 ave4.1|残1|

 なんとも言えないいい匂い、小屋系が洗い落とされ、紅茶めいた刻みタバコのような、懐かしい高貴さが甦るような。
 着火して漂うキノコ風味も高貴さを維持してくれる。極めてスムース。はみ出たフィラーが燃え尽き、ラッパーが燃え出すとやや喫感強くおぼめき、バターが浮くようなほんの幽かなしつこさ。やや荒く渋くなりもする。非常にスムースな水平の話ながら。
 シナモン、胡椒などのスパイスとスパイスの甘さ。
 香りが紅茶に統合されつつ、クローナル種のダージリンの滑らかさとチャイナ種のダージリンの渋みが表裏一体に貼り付いている。それぞれの香りも。
 所用で3分後に戻ってくると、いっぷく、放置されていた葉巻がウイルキンソンのジンジャエールを弾く。というのはコダマのソーセージを温めていた猶予で、その一服後、輪切りのソーセージ後に喫すると今度は金木犀が咲く。ソーセージはフォアグラ味だったはずが、間違えて生姜味を温めてしまった。前段でウイルキンソンが登場したのは意味深な符牒だろうか。以降、甘やかで芳しい金木犀と美味しげに吹き荒ぶスパイスの饗宴が始まり、嵐も口の中では丸い。
 この葉巻は格段に美味しさを増している。たった一年半にして購入当初とは比べ物にならない。人生初のダビドフ・クラシックNo.2を髣髴とさせ(感動のみを消し、その味を残す)、つまるところいまだにクラシックとグランクリュの区別がつきかねるが(一年半を経てクラシックに近づいた要素とクラシックから遠ざかった要素が同居している)、また安ければすぐさま買っておこうと思う。
 炭酸のような透明な刺激に甘さが乗る。
 ……原稿用紙2枚分程度だろうか、以上で書き疲れて、疲れに鞭打つほど美味しい変化はないものの、後半もなかなか息が長かった。後半は特別書き継ぎたくなるような事が無かった為、疲れてしまったのだろうか、全編葉巻を書く事に疲れた気味もありつつ。
|cigarOne|121.60/20CHF+¥120≒¥790/1|2020/2/16・arr 2/23|
|MSU AGO 19|3.5’ x 50|重量:8.31g|香:3.9~4.4 ave 4.2|残12|

 久しぶりの大当たり。赤ワインをほんの数滴含むと完全体の苺が豊穣の土に実る。ミテクレのイメージばかり先行し、世に不甲斐ない苺が多い中、この農場は少女の夢を違わず叶えるようだ。そして不要な事に、少女に土の素晴らしさをも叩き込む。苺に目が眩んでチカチカ花が吹き出すと苺は蜜から引き揚げたように甘露に濡れ、蜜は香ばしく固まり、地球を捨てた水が月を万遍なく包むように、月にて水深数センチとなった硬く薄い水飴は、月苺を吸い上げ、果汁を数倍凝縮して濃くなるほどに透明さを増幅する。土にして、表面の濃い透明さがあるいは厚い。月がなぜ赤いのかを知っているか?
 赤ワインのタンニンは土と結合し、赤ワインの苺は金木犀と結合し、それぞれ梯子を継ぐように危うくも高め合い、中国雑技団の少女の両足の如く前二者の真上で後二者が開く。上下は梯子という無味覚の真空に割られている。
 満水の池に沈めたように溢れ出す、たっぷりした金木犀の甘い香りが苺の糖度を極端に上げ、土を下にしながら丈高く澄み、ワインのほうも甘さを倍加され、いったい何処からがワインの甘さで何処までが葉巻の甘さなのか不明である。一見自然だが、日常離れした葉巻界においてさえ異常な景色が見られる。
 果実よりも土に集中すると、脳の感じ方が改造されるのか、苺を吸い上げた透明なコーティング層が今度は還流して土を湿らせ、土はチョコレートめき、再度上に目を遣れば、チョココーティングの苺に変る。しかしすぐさまほぐされ、カカオとするにはこの粉は土臭さ過多なりで、安定した元の危うい景色に戻るのである。
 りんご飴のような苺は、軽やかな重厚な水深により含み多く首を垂れている。ワインを垂らすのをやめれば、にわかに重厚化した金木犀が即ち甘い蜜を垂らし始め、そのためにより多くの花を吹き出す。心配になるぐらい吹き出し続ける。
 あっという間だが、根元まではなかなか長い。最後、苺の蔕のように草が来る、此処まで下手が無かったのも美味い。苺は擦れ、重厚な土は続き、金木犀も続く。複雑というより、全て重厚で、ほとんどシンプルである。おおらかな土の深みに甘く華やかな煌めき。暗い独酌が祭に夜店を並べたように煌々として賑わう。しかし何処も売っているのは苺飴のみ、割箸に刺された苺の味、忘れられぬ、高級レストランみたいな夜店である。苺の幻が残りなく消えればたぶん土のみが茫漠と広がって、豊穣な土に雑草ひとつ生えない不毛さの不思議な光景が夜目に見えそうである。
 ワインはスポイトで口に垂らすものらしい。安いワインでも飲まずに数滴を垂らすにとどめることで嫌らしさ有耶無耶に良さばかり発現する。赤ワインがここまで活躍した例もかつてない。根本まで強烈に美味しかった。やや苦手なタイプのイタリアワイン(ルカマローニ誌の高得点ワインには魔除的に化粧がどぎつい感じの苦手なものが多い)だったのだが、葡萄が苺に化けた。

8.28g 残11
昨夜ほどではないものの、髣髴とさせるところ少し、とくに後半は良い。モンテほど白っぽく浮ついていないが、パルタガスにしてややモンテをも髣髴とさせる。中盤ところどころ3服ぐらいは大変おいしいのに、昨日と比べて俄然劣る。昨日は葉巻前に甘酒を呑んだのが良かったのかもしれない。葉の品質の差だとは思うけれど。

9.20g 残10
ハズレ

11.16g 残9
重くもドロー良好。で期待したがまたハズレ。ドロー良くても燃焼に難があり、燃え難く火種が凹みやすい。
thecigar.comで気になる物を。
 Googleマップで調べると綺麗に整頓された店内写真がいくつか見られる。気になるのは大きい嵌め殺し窓に簾も掛からず、強烈な西日が店のお洒落さを増す一方、眩さに葉巻が焼けそうな点である。店全域がヒュミドール化されていると推測するが、葉巻は蓋を開けて晒され、どうも西日が直撃する。箱買いならあまり影響はない、にもかかわらず此処で一本買いをしてしまう。届けられるのは当の晒し物である可能性が高いのに。自社ビルっぽくもないし、窓が紫外線処理されているとも考えにくいのである。
 モンテ3番とシグロ5番は今更ながら初。コイーバピラミデも初、こちらは他店と比べて結構安い(チューボなので紫外線は受けないだろう)ので、本心はエスプレンディドスを箱で買いたいのだが。それから、過去にアネハドスを2本燃やしているが、未経験のアネハドスを2種、パルタガスは調子が良ければ箱買候補筆頭となる。オヨーは赤十字味なのであまり期待していないのだが、アネハドスに加えて新作を1本(新作は2種あり、もう一方は先日購入済み)。懐かしのグロリアクバーナの懐古用にER1本、(同じく先日購入した)サンチョのERと比べてERの特性を窺う心算もあり。目玉はロメオのグランレゼルバ(マラヴィラの空席に鎮座させて暫く寝かせよう)。オマケでルシタニアス、いつか50本入りを買いたいと相変らず思い続けているのだが、富豪ではないのでちまちま攻めて安寧を得ている。
 店舗についての日本語の情報はどうも皆無っぽい。300CHF以上で送料無料。

Montecristo No.3 CHF 10.50
Cohiba Siglo V CHF 26.00
Hoyo de Monterrey Hermosos No.4 Anejados CHF 16.00
Partagas Corona Gorda Anejados CHF 18.00
Partagas Lusitanias CHF 19.00
Cohiba Piramides Extra (AT) (3) CHF 105.00
Hoyo de Monterrey Rio Seco CHF 19.40
La Gloria Cubana Serie D N°5 Edicion regional Spain 2017 CHF 14.90
Romeo y Julieta Wide Churchills Gran Reserva 2009 CHF 130.00

Total products (tax incl.): CHF 358.80
Total shipping (tax incl.): CHF 0.00
Total CHF 358.80


いつの間にか時代は進み、知らぬ間にKnokkeが一番良いということになっている(?)。
いまさら初めてKnokkeで購入。

1本買い×2
及び
サンチョのER物が他店と比較して異様に安かったので。後に€100を追加徴収されるかもしれない。ここまで安ければ送料無料ラインの€350まで買わず、平気で送料€20を支払える。

ER物は経験上「美味しそう」で、サンチョも独特の「美味しそう」さがあるので、「美味しそう」×「美味しそう」=「大変美味しそう」になりそう。決して「美味しい」にはならなそうで、吸っても吸っても「大変美味しそう」に止まる予感。

--
Knokkeとは打って変って。最近、店舗開拓欲が出ていて、大変怪しいような、部分的に極めて安くて魅力あふれるような、電話かメールでしか注文できないようなマニアックな店を見つけ、そのご主人とメールでかなり遣り取りしたのだが、送料50CHFと送金手数料6500円がかかることがわかり、断念した。それでもクレカが使え送料も無料の店舗よりまだ安いのだが……。
意外や、クレカ不可クラスの個人商人を開拓するのも面白いかもしれない。いろいろ、詐欺か否かを判断するのも片言の英語で大変だけれど。怪しきサイトはドイツ語のそのご主人、頻繁に世界を飛び回り、英語は勿論、いろいろな言語を操るそうな。(かくいう私は片言のさらにカタコトの独語と西語と仏語を少々操りますが、英語がずいぶん一番安全です。店主が英語不可だったら死んでいました。というわけで、いろいろな言語を学びたい欲もけっこう湧くのですが、果たして英語をもっと学ぶべきなのか、独語等をもっと学ぶべきなのか、これは全くわかりません)
|cigarOne|121.60/20CHF+¥120≒¥790/1|2020/2/16・arr 2/23|
|MSU AGO 19|3.5’ x 50|重量:11.08g|香:3.5~4.0 ave 3.8|残16|

 この葉巻を持つと乾燥した筋肉の弾力のないカチコチさを思うので計量してみるとボクサーにあるまじき2回級オーバーの地に足捻り込む圧倒的重量だったのであるが切ってみると予想外の筋粗鬆症(ミオポロシス myosporosis)気味らしく空気通る。ローラーの顔が厚く恥ずかしくなく水に浮かぶまま着火すると眠気を振り切るかのように頭を振ったかのように厚顔が消えて伝説の美味しさを甦らせるため、老人が語る「昔の葉巻はうまかった」とはこの味だったのだと思う。老人は「古い葉巻は良かった」と言っていたと思います。
 若干湿度が安定したのか単なる当たりなのかこの辺の謎はなかなか誰にとっても何年経っても分からないものでないでしょうか。実験のためあえて湿度の低い保管ケースを作ってそこに試験用葉巻を入れておくなど、けっこう精神に余裕のある人でなければできないだろうと思います。言ってしまいますが、一本の実験では覚束ないので、同じ銘柄の箱を二つ買い、半分ずつ中身を入替えて、それぞれ環境を変えて保管し、20本勝負を演じてもらって、ようやく少し事情が分かり始めるという類なのです。わかったところで、いざどこかで一本取り出してみると、これがどっちだかまた分からなくもなりそうです。D6は9本試しましたが、ハズレが激しすぎることです。でもハズレが激しい箱でも三年寝かせたら美味しくなるということはあるかもしれないですので、こちらの事はわかりやすい。
 どんな時にこの葉巻をアタリというのかそれは簡単で、雑味が収まり、強さが収まり、辛さが収まり、只管渾々と土が湧いた時です。そのほかに果物や花や草などが存在するかどうかは関係ありません。そんなものは他の葉巻で嗅いでいればいいのだす。(シングルバイヤーの人を除く)
 2センチメートル弱焼けば、それに近いでしょう。
 それにしても、草や甘い草や蜂蜜や蜜花がかなり上がります。無視できない芳しさです。背後の三人がともども単なる「草」に繋がっているのはユーモラスです。
 土壌の粉っぽさは化粧品の粉末にすり替えることができます。土のゴージャスさを楽しんだ後(実際にかなり美味しいゴージャスですが)、この葉巻のゲームは実際にこの後にあります(前も後だったら良いのです)。3センチの灰が一度落とされるとすでに後半に随分突入させられています。耳障りなハーシュノイズにマゾヒスティックが怯えつつ、地球は穏やかで、穏やかな杞憂です、穏やかに土が猛。ほのかな甘さが相乗的であることは非常にありがたいようです。甘さを付けるのは金木の香りです。出ます、金木犀の里芋が登場。田舎のレストランで三ツ星評価を受けており、そのレストラン定番の得意料理の趣があるので、物凄く雅致のある風趣のあるものです。「これが風や煙に過ぎないとは」といってシェフは煙に拘り始め流れ星のように一ツ星に陥落してしまいます。それもまた良いものですね。
 最後に、私ホニャク機械はそれが唐辛子になると予測しましたが、そうではない、または正しい、唐辛子は最後の最後に胡椒の楽しさです。一方、厚い土は最後まで途切れないだけでなく、胡椒で非常に厚いです。2度目の灰を落とさない頃にそれは熱く煮え滾る根本に達します。本当です。胡椒に変げするよりも、この熱は唐辛子よりも北北太郎(ほくほくの里芋)の方に重要なのかもしれません。暑すぎると意味がありません(熱すぎるともう駄目だが)。
 次の日、もう一本を焼いて不味かったので、単なるアタリの可能性が高い。
 次の次の日も不味かった。


|cigarOne|121.60/20CHF+¥120≒¥790/1|2020/2/16・arr 2/23|
|MSU AGO 19|3.5’ x 50|重量:9.70g|香:2.2~3.0 ave 2.5|残13|

 昨日の8.7gより重いのだが、久しぶりの無抵抗ドロー(スカスカ)で序盤非常に辛い。火種と灰が整うと産毛程度の抵抗が生じる感じ。辛みが治ると依然秩序悪く深く苦い味の攻撃が続く。キレの悪い雑味的な苦味が蔓延っている。ここで土臭い白馬騎士団が現れてくれると良いのだが、ちょっと粋に花を銜えて現れるのである、白馬というより、やはり茶馬が。これは白馬よりもありがたい。しかしなんともいえず身軽な茶馬で、しなやか柔軟、土の旨みあるもののもたつかず軽やか。が、敵を倒さずに素通りしていった。行軍の土煙晴れると馬の足跡と苦味再び吹き返して蔓延る。銜えていた花が足跡に馬蹄型となって埋もれている。

 アタリが現にあるのだから、ハズレはハズレなのであり……全てハズレてくれればわかりやすいのだが……ハズレが三年熟成でアタリに変るのか、はたまたアタリが落ちるのか、いまだによくわかりません。
|cigarOne|¥24190/24|2018/11/11・arr 11/20|
|RAG ABR 18|5 1/4 x 44|重量:9.24g|香:3.9~4.0 ave4.0|残8|

 重量軽め。
 まろやかな麝香めいた官能の煙が迷路状に細々として只管漂い続けるという……分解すれば杉やカスタードやハバナ葉らしい豆風味だったりするのだが、完全にとろけ、一体化し、変化もなく根本までそれで一貫してしまうという……一種の美味しい理想なのだった。この味が欲しい時にこの味が続くというのはなんとも信頼できる棒である。
 着火するまでは不信だが、着火後一口で信頼し始めて、そのまま。
 杉とカスタードと葉云々からこの香りが生まれるとは信じ難く、葉のみからとなれば尚更信じ難い。「云々」からは色気のある要素やそうでない要素などがどんどん析出されてくるだろう。香味は異なるものの、物珍しさはオーパスXに似る。トリニダッドとして過去最高の香りだったかもしれないが、やや線が細いのと(細い割にかなり濃密だが)、酸味っぽさで最高点が伸び悩む。
 熟成2年弱というのがポイントなのかもしれない。

 奮わないD6に比べると遥かに価格帯満足度も高いのだが、ガツンとしたハバナではないので常喫候補になりにくい。とはいえ巨大な祝祭感あらず、ささやかな珍奇な喜びを祝うのに最適なような。

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