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  源氏物語「葉」
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|NextCigar|$288/10(¥3,600/1)|arr 2021/11/3|
|—|6” x 52|--g|香:3.7~4.2 ave4.0|残3|



 甘やかな樫の糖蜜はこってりせず、菜の花のまろやかな芳しさに変化する。近場に菜の花畑がある気はとうにしていた。どこからかブランデーの色気がよぎる。樫を樫樽に化かす何ものかがいたのだろうか。
 キウイとのその酸味、キウイは嫌いでもキウイ味は嫌いじゃない。あれは酸味を嫌に助長する食感が特に恐ろしいのだ。風向きの加減なのか菜の花が柔らかく盛り返し、蜜ならぬ砂糖をふりかけてくる。すぐさま深煎珈琲の風味。深煎りにも樫が効いているのだろう。菜の花が濃く吹くと金木犀にも思えてくるが、なかなかそんな現実も夢想も殺されて、再びキウイが顔を出す。オスクーロにして青臭いのはこの黒い物のどこから出てくるのか、胡瓜は味も嫌う。胡瓜もまた絶妙な配合によって幻視されもするのだろう、たまに鼻につく。
 序盤の乾いた樫っぽさは丁寧に仕舞われるような貴重品なので、終盤でこそオスクーロらしさはあからさまになる。ここまで燃やし続けなければいけない。そのらしさというわかりやすい濛々とした黒味は、煙が幾度も通り染み付いた根本が燃える事に因るであろうもの、いわば煙に着火したようなもので、そうでもしなければ出てこない風味、先ず荒い。こうした現象はオスクーロではない場合にも起こる。もしこれがコロラドだったなら「コロラドらしさ」というはずだが、黒いほど「らしさ」は説得力を増す。あるいは「パルタガスらしさ」という有名な終盤のラッシュがあるが、この葉巻の終盤はそれと肩を並べる。こちらはやや暗いラッシュである。



 あっという間に残り3本、今回含め記事を3回書いていて、前2回を読み返してみると香味が全然違うのだが、記事にしていない4本を含め「同じにして異なる葉巻」という感覚までは行っていない。ダビドフのオスクーロとしての面白さと希少感がひたすらある。
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