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  源氏物語「葉」
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|Atlantic Cigar|$207/10(+¥800/1)|2022/1/14・arr 2/4|
|—|7’ x 38|10.83g|香:4.5~4.8 ave4.65|残8|

 完全な香水、安定している。前回もこれと全く同じ香水だった。飲み物はシャンパーニュ以外にない(たまたま家にシャンパーニュがあっただけですが)。ブラン・ド・ブランの傾向。香水に胡椒が入ってくる様が泡立ちのようで実に美しい。前回藁っぽかった感じが今回巧みに消えて、高級煙草葉の深みがエレガントに香る。深々と沈む深みではなくて、香水のついでに香りを置くようでさりげない。ダビドフ702のラッパーの香味にも通じる。煙を顔に纏わせる仕方によっては金木犀が現れて香水と入り混じり官能の頂点を見る。頂点に登り切ってはいない。
 淑女の舌にクリームが乗る。スターアニスが乗る。とろけるよう、淑女と舌を交換してしまったよう。私は私から生えた淑女の舌を楽しんでいる。未来の社交、金持ちたちの新しい影の享楽。ビトラのせいか、舌が細い。細さこそ美しい、しかしこの細さが、天国への扉の鍵を閉める。
 細くも高貴さに圧倒されてしまう、異常な香り高さ。一本$300と言われても騙されてしまいそう。それぐらい違う。この香りをひと口でも知っていれば、一本まるまる楽しむために一生に一度はその金額を払うだろう。それが3000円とはまこと馬鹿馬鹿しい。その辺の葉巻によくある金額をつけてはいけない。

 他のゴールディが同一傾向なのかわからないが、コイーバがコイーバであるのと同じかそれ以上の存在感がある。さして大当たり感なく常然として、全てが上品に行われている。一番高価なハバナや一番高価なダビドフに果たしてこれほどの異様な香りが備わっているだろうか。思い返せばBHK52の一本目(金の筒)を燻らせた時に近いというか、どうしてあの時、金の筒にさほど官能を覚えなかったのだろう。金の筒は金管ビッグバンドみたいにゴージャスすぎて清楚さが見られなかったからかもしれない。ここに薫る香水は、繊細なすっぴん素顔であり、対蹠的などぎつい影の遊びと無縁のものを感じる。それゆえ未来感も背徳も増すのか、来ない未来なのでわからない。

 ゴールディーの他のビトラを集め切らぬうちに新世界の闇を冒険する、たぶん無意味な事だ。
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