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  源氏物語「葉」
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|cigarOne|¥14627/7=¥2090|2018/11/20|
|LGR NOV 17|6.1" x 52|重量:14.67g|香:4.0~4.5 ave4.3|残0|



 白粉顔なる人でした。この戦隊の方々は入店早々着火する慣わしのようです。茶色い人が茶色い葉巻を手に取ります。今日は他の戦隊員にはなかったわらしべのような懐かしいような香りが漂い、米ほどの旨味と甘み。初めから群を抜いて香り高いマントの人でした。茶色は赤色で競う者たちとは別の次元へ行っている、と昨日のレモン赤十字さんに教えられました。センターの金色の人の技に近い技の持ち主なのだとか、要するに二番目に偉いらしいのです。ああ、ふつうセンターは赤ですが、赤を四人で競いつつ、でもビショップマンの本物のセンターは金色らしいですよ。茶色のビショップマンも赤より偉いらしいです。
 全然違います。ビショップマンとしての共通項も見出せません。黒い味、炭のように無臭化する、イカ墨の味がする、その上にきめ細かな白粉化粧が満遍なくふりかかっている。ほとんど白に見えますが、黒です。いきなり凄みを感じます。こうまで風格が違うものでしょうか。なんだか憧れのお方という感じで、僕は乙女のように固まってしまいました。それがどうでしょう。いきなりポロリしたのです。靴が脱げちゃって、同時に葉巻の灰も灰皿の外に落とされました。我が乙女心の緊張を察せられ、愛嬌を見せられたのかもしれません。
 ポロリと和らげられた雰囲気の中、当店自慢のカスタードタルトを口一杯に頬張って、「卵の黄身が濃いようなカスタードだね」と。おお、中に仕込んだ金木犀ジュレにもお気づきです。タルトは焼色を濃く、菓子だけに樫の木を焼いたような香ばしさ。バタも使っていますが、軽くミントの葉で爽やかさを気どります。へへん。
 こういう楽しい時、時間が早く過ぎてしまいます。いつの間にか遅くまで居残ってくれる、ということではなくて、帰るまでの小1時間か大1時間が早すぎるのです。ビショップの茶色のモンテさんは朽ち果てます、靴だけではありませんでした。下から、脛、腿ももう消えていました。もう臀部もです。夢で闘う戦隊は、夢を見ぬ人にも夢を見せるのでしょうか?
 盛んな金木犀と一緒に菊花が香ります。残り香は金木犀を残して菊を消し、白粉を漂わせます。何より、先日の御二方とは花の量が圧倒的に違います。金木犀、周囲1キロどころか、僕が花の元にいるような。
 大吟醸酒をお出ししましたら、パイナップルの吐息が金木犀に絡まります。にこっと、最後の笑み? まだ肩までは消えていません。ですが僕はもう少し悲しくなっております。時計を見ると、3時26分だったのを鮮明に憶えています。もう首が消えかかって、菊が強まる気が致しました。
 振り絞るのか、モンテさんは相変わらず穏やかな花顔でした。うちに秘めた強さをも感じさせず、それこそ穏やかな。
 白粉のお顔の下地のイカ墨が現れてきます。それでも金木犀の。
 夢を見せる間に退店なさったのでしょう、靴も消えていましたから。
 葉巻が灰皿に3センチほどの尻尾として燃え残っていました。それは依然イカ墨と金木犀に見えました。
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