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  源氏物語「葉」
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|cigarOne|29.70/3CHF+¥140≒¥1250/1|2020/2/16・arr 2/23|
|不明|4.33’ x 50|重量:10.97g|香:3.2~3.9 ave3.6|残2|

 無着火の段階で何か無性に甘い。人が虫化して菩提樹液でも吸っているのであろうか。
 D4やD6よりも黒みのある味わい。898バーニッシュに似ている?
 土よりも木なのだが、白木でなく、分厚い樹皮。樹皮に湿り気はあまりない。昔は樹皮系の香味を感じることが多かったから懐かしいのか、懐かしさが甘いのか、湿り気はあまりないものの確かに甘い。辛味もあるので強そうだが、試しに呑み込んでみると喉越し意外や滑らかで柔らかい。
 ムンと来る膨大な草いきれ、花かと思えば樹液に麝香のおしっこ風味、団栗を炒ったような熱と旨味、これら全てを樹皮を染料とするセピアカラーで写したような景色。とりわけ染色されるのは緑草や団栗の芯白などである。
 甘い樹皮は中盤で静かに、入れ替わり花がほころび始める。この花がなんとも軽い感じ。半分萎れつつ完全に乾いたようなパリパリの花。偽物のポプリというか、まだ生きていた頃の写真というか。甘味のない蜂蜜の風味は香りだけが甘い。
 甘味が明滅している。
 それから注ぐ時のビールの泡のような感覚で猛烈に花がこんもり膨らみ始める。どうして泡なのか、液体よりも泡の方が乾いているということなのか、水泡に帰す儚さを感じない。他の香味も薄まり、こんもり花が咲いて美味しくなる感じはしない。泡が落ち着くとホップの風味が錯覚され、やや旨味にも落ち着き、美味しくなる。この辺りから薄荷感を伴って火種の熱が感じられる。
 パルタガスらしいノイジーな終盤ではないし、序盤からして通例のパルタガス感(土を纏った里芋)はあまり感じない。
 薄荷が甘やかでスパイシーなニッキに変り、杳としていたパルタガスらしい粘りけもが杳杳と出てくる。土の旨味、強炭酸のような素晴らしい辛味、自然の甘い花、酵母のごときふくよかさ、やはりニッキの香ばしさ、渾然一体となりつつ猛り過ぎない。即ち根本まで美味しいコースである。
 荒い終盤の方が丁寧で、前半の方が荒いようで不思議といえば不思議だが、指が焦げるだけの価値はある。パルタガスフリークは荒くも丁寧な終盤に期待できる。「丁寧」の意味は「パルタガスらしさ」とほぼイコールであるから。それにしても終盤は丁寧である。一本のみ試したところの。
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