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  源氏物語「葉」
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|5" x 50/61|Atlantic Cigar|$17.58|重量:+1(15.12g)|算出:+5|香味:+4|計10点|

 重量が前回と0.02gしか変らない。
 着火前のこと、チョコめいたローストコーヒーの香りがする、かなりの深煎り。意外に珍しいことなので、遥か彼方の記憶ーー葉巻を始めるか始めないかの時、葉巻にちょっかいを出していた頃のーー銘柄すら忘れたあの葉巻を思い出す。あの時、黒い棒を握って暖をとっていた、葉巻の効能とはホカロン程度のものだった。それでも黒珈琲の苦味にある甘さが香っていた。

 着火後はとくにそういう味はしない。むしろ抽出に失敗した雑味珈琲に近い。じっと待つ夜明けのように、だんだん爽やかな緑が見えてくる。
 もしかしたらだが、昆布の旨みがあるのかもしれない。風味と甘さ。焼き昆布という聞き覚えのない品物なのだろうか。
 あとは花が咲き咲きしたり、満開には至らなかったり、お馴染みの変化を経て少しガーデニングの心地がする。

 特筆すべきはまんま葉の黒さで、見たまんまの味がするのだが、まんまというのが曲者で、黒い葉には醤油じみた熟成味があるものの、フィラーの配合からか、黒い化粧葉そのものからか、まんま黒ばかりの味が犇めいているわけではないまんまという事である。どの銘柄の黒い葉巻でもいつもそうなのである。一度純黒の葉巻を試してみたいものである。
 それにしても、この葉巻はなかなかしっかり黒い。前回は到着日早々で味が狂っていたかもしれないが、落ち着いて(いつものダビドフっぽさが増して)、よく出来た葉巻のように華やかに普通に変化して、そこへ高そうな黒い葉を片時も手放さず羽織っている。
 昆布醤油というと薄口になるが、この昆布醤油は淡い恋のように濃い(恋といふものは淡ければ淡いほど濃いらしいです。淡い恋など知りませんが。)。終盤の金木犀などついには見事満開で、そのとき、緑を覆う夜になる。金木犀は夜に匂うような気がするからか、夜を同時に運んできてくれる。そもそも夜に燻らせているから、二重の夜なのである。(「二重の夜」というのは「淡い恋」よりもカッコ良い文言だろ? だろ?)
 匂いがしだいにとろけそうに広がりそうなバニラを帯び、と時を同じゅうして雑なコヒ子も蘇るが、とと同時にコヒにミルクを落としたのと同じうほどの激変と調和が観察される。観察者が観察者でなくなるが早いか、そもそも観察者でない、煙が先か、吸い込みが結構悪い事により、観察者が消えない。客観的などという言葉は死んでしまえ、と思う。ほんと。うそ。ほんと。
 なんとなくリピート必至なので、10本ぐらい買って随時愉しみむと良いと思います。ダビドフの黒い顔、ついに現るである。そう簡単に黒い顔は消せず、位置づけとしてはコイーバのマデューロに似る。オスクリオだから魔といっても語呂が悪いが、マデューロの魔が此処オスクリオにこそある。
 最後には草復帰。コイーバを思い出してしまった青果、草は苺ジャムで、蔕がジャムに大量に混入している変な苺ジャムである。となると苺が居るというより焼き立てのパンがここに居るかもしれない。結局朝に戻ってしまって、昨夜は金木犀が綺麗だったなぁと思ったり思わなかったりする。小一時間で丸一日以上生きた心地もぞする。煙ですもの、「シュレーバーが言うように幻が現実にしかならない」というと言い過ぎで、煙はちょうどあちら側へ架かる橋のようなものではあるかもしれない。
 See you on the otherside!
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