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  源氏物語「葉」
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|7” x 48|Atlantic Cigar|$19.10|重量:+1(15.24g)|算出:+3|香味:+3|計7点|

 チャーチルのチャーチル。
 わるくなく、とりわけ序盤は前回のロブストそっくり。最初5ミリ以内で、なんらかの男性アイドルグループの自己紹介を立て続けに聞くかのように、いろいろなそそる香味が緊張の面持ちで溢れ出て、芯に軽やかな稲穂が通ったかと思うと、稲妻のような辛味がよぎり去る。
 ……
 後半早々から特に花が咲き始め、終りまで延々と花の畑が続く。この後半が前回の同銘柄ロブストと違う気がする。それで、そのうちでも、時々、極端にクリーミーになり、極端にカスタードになり、お菓子に化けた。

 今日、新座という地の鞍馬という店で蕎麦を啜ったあと、他に何かないかなと重ねて欲望しながら店の出口で紙巻を吸っていると、店の外壁にポスターが貼ってある。ポスターに指図されるまま、隣の清瀬という地で開催されている「ひまわり祭の最終日」を覗いた。畑を歩いてみると、少し広大な土地に、花がどれも潮垂れていた。ところどころ若干顔を上げている向日葵や向日葵群もあった、あの景色に似ている。向日葵にとっては時間が悪かったのかもしれない。レイトアワーも時間が悪かったのかもしれず、前回は深夜で今回は16時頃だった。前回に「昼の葉巻」というようなことを言ってしまったので早めに着火した。
 祭の或る小屋の下にて、ヒマワリを売る近所の高校の女の子たちの焼けた顔がヒマワリだった。祭最終日で、夏休みの終りも近い。長テーブル二つの上に鉢が四十ぐらい並べられ、職業花屋なら一人で客を捌けるそれを五、六名で楽しそうに売っている、みな同じジャージ姿で、顔だけ違う。人間は人間の顔だけは容易に識別できる。テーブルを挟み、女の子の顔それぞれに気を散らしながら、どのヒマワリを買おうか迷っていると、これは顔を選べず、買わずに立ち去った。こんな話と、今日の葉巻は、似ているのだろうか。ずいぶん似ている気がする。
 昨夜は夏の終りの雷雨で、ああまで夏の終りを告げる雷雨も珍しかった。強靭な雨粒が一瞬のうちに地を冷やし、冷えた温度が来年の夏まで続く。明日からは気温がぐっと下がるという予報を聞いていた。儚いような、花火のフィナーレに似た雷雨だった。ひまわりも相当打たれたのだったろうと思う。ところが今日も真夏じみて涼しさ消えてしまい、昨夜に思いを馳せるのも馬鹿らしい。はじめて死を悟らしめる雷雨だったのに、悟りを閉じた。

 避雷針はそうめんを啜るように雷を啜るなぁ
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