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  源氏物語「葉」
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|6” x 52|Atlantic Cigar|$17.86|重量:+1(16.20g)|算出:+7|香味:+5|計13点|

 黒ダビドフ第二弾。
 新しい古畳の香り。新しい畳でもないし、古い畳でもない、香りは古畳なのに新畳の香、この頭ではこうとしか判断できない。プーロドーロの延長線上かと思っていたが、あのように甘く熟した香辛料はないと思える着火前。
 着火するとしかし、知っている味、プーロドーロ。
 ところが激しいタバコ感(灰色の辛味)が間も無く強烈に出、知らないダビドフの一面で面食らう。ややもすると草花が吹き出す。変化が急峻で、崖のよう。崖の草花が長く続くはずもない。またも登攀が困難な激しい崖。
 灰が脆く、2センチも進まないうちに肩から崖崩れを起こす。灰が根元からポロリと落ちるのではなくて、片側の灰の角がごっそり落ちる、危険な崖。これはこの崖の常態なのではないか。ダビドフの安定品質を鑑みれば、脆いものはたまたま脆いのではなくて全て脆い。吸い込みすかすか気味にしてきちんと重量もあり、脆さは巻き方と相関がなく、単にこの美味しい葉がそういう脆い性質なのだと思う。
 灰が崩れない方が良いという神話は、もともと味の良さより、巻きの良さぐらいの話だったかもしれない。灰を落とす前後で味が変っても、灰を落とさなくったって味が変るのだもの。
 なんだこれ、突然目茶苦茶美味い。木が突然深く熟してきたなと思ったら、追い討ちをかけて熟した木を金木犀汁で煮詰めたようになって、これはもう過去最高の一口で、もう金木犀の「香」というより金木犀の「味」がする。金木犀の味から金木犀の香りが口いっぱいに開く。やばい。花が久方ぶりに濃すぎる。
 熟した木と相まった一口が続いた方が良いものの、寄り道し、所詮ちゃんと甘いそれが戻ってくる、大量の花をかき分けて。これは初心者が吸ったら天国行きかもしれないです。おめでとうございました。さようなら。あちら側で会いましょう。
 ローズマリーかわからないが、香草が天国に水を差し、金木犀もやや地上のものとなる。

 ぱつんぱつんの『Limited Edition 2008 Reserva12』だとか脆脆の『山さ』だとか、色々な変な物があってダビドフは意外とダビドフらしくなくて面白い。ダビドフらしさなんて半分は世の倣いの思い込み、大体思い込みなんて半分は当たっているのである。

 序盤の終りから中盤の中程にかけてまこと美味しさの天国で、こうなれば序の口の崖も趣深く、終盤の緩徐的想い出的な部分も雅やかで、そこで序盤をも振り返る事になる。ただ、最盛期は経験時にしかない。序盤と終盤がその一時へ寂しく空回る。空回りつつよく考えてみると、異様に熟した木の感覚からはカラメリゼした香ばしい甘さも導き出される、サンマルクと命名されたケーキの想い出だったかな。空回りにも、最盛期の残り香は微かにある。
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