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  源氏物語「葉」
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|TEB NOV 08|4.3 x 50(52?)|coh-hk|$208/25|重量:0(11.50g)|算出:+6|香味:+4|計10|

 昼に自宅を出て、自宅傍の公園を横目に歩いていると無性に燻らせたくなって、結局自宅で深夜に燻らせた。最近昼ばかりだったから、深夜は久しぶりだった。いつの間にか葉巻のリズムが変っていた。深夜だと改めてじっくり味わえるようだった。
 荒ぶって金属や血なども響くのだが、粉を舐めるようなコク深い落ち着きを併せ持っている。土や革といっても通じそうだが、もう少し趣があり、枯葉の香る秋味を感じ、石臼で肌理細かく挽いた枯葉を土にふんだんに混ぜている。そこへ更に純粋なカカオ少々。荒ぶりが木枯らしで、木枯らしが秋を連想させるのかもしれないが、ほとんど穏やかな無風を感じている。秋でありながら、春風に疲れた後の穏やかな初夏を半ば感じている。
 八角とは言い切れないような、バニラの優しさを含む柔らかいお菓子のような、花か白粉のようなものが漂う。どちらかといえば白粉の人は消えて花を残す。花の形も名前も思い出せないけれど、この花が記憶の何処かにあった気がする。葉巻の記憶にこそ合致しそうでも、微妙な配合の妙で、実際にはこんな香りを葉巻に感じたことがない。コク深い落ち着きがこの香りを引き立てているのか、コク深い落ち着きもまた特異らしく、二つが交互に寄せては返すような塩梅である。落ち着く時にふっと撫でる苦味が久方ぶりにコーヒーを嗜んだ時のような新鮮な香ばしさでそそる。葉巻自体久しぶりなので余計に。初葉巻であっても何らかの郷愁を覚えさせるものであろうから尚更余計に。
 次第に金木犀が咲きつつあるものの、近づきすぎず、近づけば変幻して醤油キャラメルのような香りを強く放つ。それでも次第に鮮明になり、醤油キャラメルまでも濃厚になり、その坩堝から将又醤油煎餅や塩キャラメルを裂して見せたり、異次元と言いたくなるような幻影が終盤つづく。幻影が醤油煎餅なのだから笑えもするが、異次元の高品質醤油煎餅であり、美味しければ美味しいほどに幻覚は素朴さを忘れないものらしいのである。
 最後の最後にようやく純粋な金木犀が薫ったりする。白粉の人が現れたりもする。
 久しぶりの感動作で、ちょうど食べ頃に差し掛かったと思うのだが、これがもう最後の一本であり、二十四本は大したことがなかったが、今更こんな物を巻いた人々の技に驚く。どうして+5にしないのか、自分でもわからないのだが、と書いて、しばらく考えてみたがわからなかった。血など、欠点を挙げても、欠点が良いもののようにも思える。
 黄土色の外貌にふんだんな焦茶色を蔵している。といって、黄土色のバリアーに完全に覆われている。バリアーは外側でなく内側を防ぐことになるのだが、そもそも何ら防ぐものとてなく、焦茶色もマデューロみたいな染み臭い風味はしない。完璧な葉巻にしか思えない。これがボリバーの限界ということなのか。
 いつも吸っている最中に吸い終えたようなことを書いてしまうのだが(第一段落が最後に書いた部分なのだから尚更ややこしい)、まだ火種は生きている。最後の最後の最後にメロンの苦味。メロンを食べた後に水を飲んだ場合に水が苦くなる感覚であるが、水を飲みつつメロンを食べて、メロンの甘さがちょうど葉巻の最期に当って苦いのである。残2センチだもの。思い返せば全てはこの豊満なメロンに向っていたのかもしれない。このブログで「メロン」の文字を使うのは初めて(かと思ったが、4回目であった。しかも前回のこの葉巻にメロンと書いている。自分でもなかなか不思議)。

 芋焼酎を呑んでいたけれど、合わないながら邪魔もしない。即ち芋焼酎は合う。
 前回よりはるかに美味しかったが、表記上は同じ点数になっている。今回を+5にすれば良いかというとそうでなく、前回を+3に格下げすべきらしいのである。だってこれがボリバーの限界だもの。
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