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  源氏物語「葉」
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|6 1/2 x 48|Milan Tobacconists|$26.00|+1|+2|

 豊潤に少し臭いような木の香りがしている。葉を敷いて焼売を蒸したような、というとたとえが悪く、もっと期待させる香りであるのだが、一体この香りに何を期待しているのかわからない。濃厚でありつつ軽やかであるような。火を点けてみなければわからない。私には何もわからない。
 点火すると、クラシックやミレニアムとは違うことがわかって、キューバでもドミニカでもなく(分類に自信はない)、ロッキーパテルにも似た頭痛を催すような香り(これがエクアドルなのか)がする。この香りはきっと焦茶色をした木で、香木を思わせるところがある。それでも焼香というよりは香木を珈琲豆のようにローストしたような。少し辛いミディアムライト。それが少しずつ頭痛を忘れさせるように和らいできて深みを下に押さえたままふと恍惚を覚えさせる素振りを見せる。恍惚も結局押さえられているのである。甘味や旨味は悉く無い。ロッキーパテルにある湿った感じはなく、乾いている。
 中盤に入ると染みの味がする。染みは良い葉巻に付き物の味に決まっているので、コイーバなども容易に似ているものとして思い出すことができる。
 明らかにダビドフなのだが、シグロ2に似た物足りなさがある。コイーバは旨さをここに加えて、ダビドフは香りをここに加えて、どちらも物足りなさからかけ離れるはずなのだが、シグロ2と同じくこちらも飛翔しない。落ち着いている。落ち着きのない人間には耐えられない落ち着きよう。あまりにも落ち着いているので落ち着きのない人間でも落ち着いてしまう。薄いしスムースさもあって、モンテクリストのオープンレガータにも似てきている。明らかにダビドフであるくせに他の葉巻に似すぎている、これこそダビドフ流の高品質な物足りなさなのだろうか。
 中盤を少し進んでスパイス感が出てくるが、これも特別なスパイスではなく、他の上質な葉巻にもあった香味である。色々な葉巻の良い部分を色々と薄らと取り込んでいる。コイーバを岩味というようにこれを何といったら良いか困るが、困った通りで、ダビドフ味は何も無いことのようなのである。すべてを薄く消してしまう。No2のように他の葉巻に無い香味が強烈にあったとしてもそうだと思う。強烈に消えてしまう。ただこのリミテッドには薄く現れる成分はあっても強烈に消えてしまう成分は無かった。
 終盤、粘土か絵具のような香味が出てくる。土偶が出てきたらこれほど嬉しいものもないけれど、味気ない珈琲をスパイスで誤摩化している感じに加えて粘土の彩色である。
 リミテッドだからといって箱買いすると損しそう。熟成にもあまり期待できない予感。熟成させたこともない人間が。
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