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  源氏物語「葉」
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 便所ともいえるが、夏の海岸の臭気がある。砂浜に近い岩場。着火前のこの香りはそこに訪れたかのように非常に強い。形は細めで扁平なフィギュラド、海の生物に似ている。
 火を点けたらハバナかと思って吃驚した。先っぽが細いからシガリロの味を思い出したのかもしれない。着火は極楽で、燃え広がりも素直。燃え広がった頃には甘味が出ている。はじめコイーバかなにかのシガリロ(しかし今まで吸ったことが無いほど美味しいシガリロ)に似ていたが、柔らかさも出てすぐに別のどこかの高級ハバナの味になっている。ミディアム。初っぱなの味も強烈に美味しいが、まったく別物になって後も美味しい。海岸からこの味が出るのは少し魔法じみている。強くて柔らかい濃厚な木の香り。だがお遊戯会で木の役をする子供のように、あまり木だと主張しないのである。
 後半、これはやはりハバナではないのだな、と思える。少し香味が暗くなったのか、よくわからないが、わかっていなかったのにわかっていたかのような味が上質で濃厚なのである。粗野な感じまで上質。味が変化したのかもわからないが、変化したとしても変化後の味も上質で濃厚である。今までに舐めたことが無い密の味が浮き輪の下の海のように漂っている。終盤ではまた序盤に似たハバナからの風が出て、それから少しずつ煙っぽくなる。多彩で濃厚でモノクロ。文章がついていかないが、炎天下というよりも電燈下に運ばれて名人に調理されている。炎天がモノクロに映り、料理が炎天のように茶色く彩色されているのである。だから料理も無く、無いはずの炎天だけが古びてある。最後に海岸を燃やしたような荘厳な味になって終了。

 オーパスⅩはこれよりも美味しいのかと思ってもこの上がなかなか想像できないのでこれが非常に手頃に思える。オーパスⅩが美味しくてもこれはとくに不味くならないだろう。形も大きさもドローも煙量も濃さも完璧だった。他のヘミングウェイも試してみたい。ダブルシャトーフエンテが少しキツかったので一気にオーパスⅩに飛ぼうとしていたが、やっぱりドンカルロス等も経なければならなくなった。でもたぶん飛んでしまうだろう。そもそもこれには一発屋でいてほしくなるのである。海岸はもう燃えてしまったのだからね。

 索引に困って結局「♨a♨」に置いた。以後、ドンカルロスやオーパスも同様。

 ヘミングウェイよりも断然ハメットなんかの方が好きだが、『老人と海』に似ていなくもない。

 ナチュラルかマデューロかの表記がなかったが、ナチュラルの方だと思う。
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