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  源氏物語「葉」
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|LOE JUN 12|4 3/8 × 40|coh-hk|$176/25|重量:-1(--g)|算出:+6|香味:+4|

 18本目にして初めてまともなドロー。それでもやや硬い気がしなくない、たぶん勘違いだろう。
 そこはかとない緑色のような枯れ色のような辛味のないスパイス。辛味は別に有り、何か「純粋な辛味」とでもいうようなものに感じられる。何ものも辛くなくても、これだけは辛いというような、それだけが純粋というもの。
 このチョコ色の葉巻にチョコ味を感じた事はあまりなかったが、これまででもっともチョコっぽい。チョコ味の葉巻というより、葉巻味のチョコに想いを馳せる。そんな毒物みたいなチョコレートは何処のショコラティエも作っていないに決まっているけれど、作りうれば大好評になると思うのである。
 シングル買いを二回ほどして、後はこの箱を買っただけだが、今回のこれが最上の一本である。
 緑と焦茶とベージュが共演している。私が画家ならベージュよりももっと適切な色言葉を知っているのだが。
 つまりベージュ色のパン籠とか、基本的にはこれまでの香味と変わらない。だがこの一本のみ、どの香味も純なハバナ葉の風味を失わないのが兎に角よい。ハバナに対してハバナくさすぎるという人はいないだろう。プレミアムの妙味はありながら、初めて吸ったシガリロのような、要するにそれこそが純な葉巻であるところの「これが葉巻なのかぁ」という感動の風味がずっと持続するのである。プレミアムはこの初歩を偉そうなプレミアム臭で塗り潰してしまいかねない。
 若干酸味が出てくるのと、コイーバ独特の岩味が塗り潰されてしまう感覚があるのは欠点ぽいが、「ぽい」なんていう言葉は大して重要ではないぽいのである。こうして欠点を書いている最中に金木犀が焦茶色の土の中から突然甘く咲いたりし、小姑のように煩く重箱の隅を突つかなければこの葉巻はこれにて完璧である。実のところ岩味はずっとあるのだと思う。
 一年生にすぎないが、枯れるにしろ豊満化するにしろこのサイズで熟成を嗜むなど大きい箱を小さい箱に入れる(小さい箱で大きい箱を包む)ようなもので、これはエスプレッソの凝縮感に尽きる。実は大も小も同じような変化をするに決まっていて、枯れた物が好きなら大も小も枯れさせた方が良いに決まっている。私の経験ではどの成分が一年で枯れてどの成分が一年で熟れるのかはわからない。ただ今回のこの濃厚さはパナテラの当りを巧く拡大できている。パナテラで当っても物足りなさが残るのに、この葉巻は吸い終えてわりとすっきりしている。ここまで美味しければ、どんなに暇が大きくても、このサイズで十分という事なのだろう。ただ問題は18本中17本がこれほどの物ではないという事である。大体どれも馬鹿みたいに巻きが硬すぎて、緩いものさえ硬いような気がして、晒しを巻く日本女性が窒息している姿が身に沁みる。案外窒息しないものなのである。
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