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  源氏物語「葉」
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|EMA OCT 07 (19444/20000)|5.5 x 50|coh-hk|$198/10|重量:+1(14.59g)|算出:+5|香味:+4|

 なんだかほっとする味わい。淡くて味わい深い。ハバナ葉らしい藁の風味にほんのり薄くチョコがかかっている。……いつでも怖れずに手に取れる優しさなのだが、これが実は高級品なのである。貧乏人は怖れてばかりいなければならないのかと今日は思う。最近強い物を吸って食傷気味になっていたため—強い物を吸ったからって葉巻の他に良い事が起こる訳もなく—、尚且つ今年最後の一本となりそうなので、慎重に選んだが、結局静かすぎる物を選んだが、静かさが悪いはずがなく、正解でしかなかった。最初の一口で大正解だと知った。奥からバナナのような浮遊感が吹いてくる。ドラえもんの道具のように、葉巻の筒の向こうにキューバ以上のキューバがあって、その国の空気を筒を通して丸ごと吸っている。あちら側のただの空気だが、何故か丸ごとなのである。筒とか洞窟というものは元来こういうものである。間もなく来年というものへの不思議なトンネルを抜けるというのに濃厚である必要はない。
 花がキュンと染みてくる。おそらく木に花のエキスが染み込んでいるのだが、何故か恋情のように沁みてくる。するとふわっと真夏の分厚い空気に包まれる。放蕩に、染みを覆い尽くすほどのロバイナ農場の匂いである。分厚いが軽い、不思議な感触のチョコ。
 甘さは序盤からまるで呼吸のように出たり入ったりしている。大きな変化の中で、一つだけ1212の変化を繰り返している。かと思えば灰も縞馬色だった。甘さと灰の色に何か関係があるのだろうか。
 後は割と平凡な変化しかしないが、常に淡さ静かさが優っている。長々とした後半は、何か他の物事をしながらすいすい進む。したがって辛味の効く最終盤は只管心地よい。そこでもまだ静かなのである。まるで肌理細かなシャンパンのような薄いスタウト麦酒だった。
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