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  源氏物語「葉」
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|7 1/2 x 38|NextCigar|$168/10|重量:−1+1=0(9.70g)|算出:+7|香味:+5|

 ダビドフを計量するのはこれで二品目目。一品目目(LE2008)で超重量級だった為、全体的にダビドフは重いのかと思ったが、そうではなかった。
 この葉巻、二口目以降から「初めてのダビドフ」を彷彿とさせる恍惚への準備段階に入っている。よくわからないが「緑色の豆」が近くもなく遠くもない香のように味わわれ、花を乗せた風がうねるように静かに混ざってくる。三口目でもはや「これは葉っぱじゃないな」という感じがする。「これは夢じゃないな」という感覚であり、「これは夢だな」というのとは反対にして夢のような感覚である。
 葉の香が戻り、ダビドフ流の松茸を匂わせる素晴らしいものだが、一口目の辛味も戻ってくる。
 緑色の豆は、やはり小学生の口臭にも似ている。
 いずれにしても此処数日初秋の風が沁みて、そこに巧い具合に滲んでくれる。金木犀などが立ってしまうとはや晩秋の感覚になってしまうのである。また此処数日で南側の部屋にて煙が南の窓に自然に抜けてくれるようになった。夏は煙が篭っていけない。
 中盤、花の甘さが濃くなる。ダビドフ葉のお陰か、木犀のようでありながら木犀ではない。やはり、おそらく、初めてのプレミアムシガーでこれに当れば恍惚とする気がする。その時には順当にドライシガーばかり吸っていて辛味馴れしているだろうから、若干の辛味など気にかからず、辛味どころか葉の軽やかさや柔らかさばかりが引き立ってくれる。かてて加えてこの花薫である。驚きの他はなく、残量を気にしながらもスパスパと燻らせ、鼻に抜ける甘味に目から鱗を迸らせながら煙を肺に入れすぎて終局で気持ち悪くなるのである。
 今ではなかなか恍惚とはしないが、実にしみじみと味わいうる。明るくも暗くもなく。どうしてだろう。ショパンのワルツを聴いていた所為もあるかもしれない。
 限りなく5に近い4。記憶の所為だろう。(音楽などに点数を付けるのは憚られるが、葉巻には平気で点数を付けている。こんな注釈を入れるほど優しく愚かな気持ちになった。)
 しかしますます甘く濃くなる。辛味は衰えないが、もはや絶妙な刺激と化した。スパイスというよりも、純粋な刺激である。にもかかわらずスパイスが加わらないではなく、緑色の豆に足りなかったものが加わっているのである。一服毎の余韻の長さも長々と特筆すべきであったかもしれない。余韻蕭々どころか、余韻にてますます膨らむ風情である。こうしてスパスパとやらずに余韻に浸る余裕が恍惚感を消すのかもしれないのに、とうとう恍惚としてきた。
 ダビドフの葉の特徴を松茸とは言うが、松茸が胡麻を擂鉢で擂っているような香立ちと同時に擂れば擂るほど練りとろけるような微醺を帯びる。
 残8センチでピークを迎え、後は雑味が加わってきたが、残8センチにしてもうこれが最終盤でも構わないと言うほかない変化が、もう何も望まないというところまで来たのである。
 それから雑味が乗りすぎる事もなく、美味しいまま実際の最終盤を経過した。つまり最終盤が二度来る。
 結局、どちらかといえば5なのである。
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