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  源氏物語「葉」
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|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|重量:+1(14.34g)|算出:+1|香味:+2|

 夕日に映えたかのように赤みがかったライトカラーラッパ。夕日といってもまだ赤らみはじめたばかりでラッパが燦々と明るく鳴っている。この箱の、残二本のうちのこの一本はこのように赤いがもう一本はこれほど赤くない。思えば今日夕焼が綺麗だった為に赤い方を選んだのかもしれない。ビルの隙間で肥大化した夕焼、林の木立を黒い影絵に変える夕焼、これらの反対側は満月が昇っていた。まったく別の二カ所で夕焼を鑑賞した。ところが夕焼の事はすっかり忘れていた。
 今ではトリニダッドのロブストエクストラが一番の高信頼型の葉巻になっている。味気なく感じるきらいがあるかもしれないが、この当たり障りのない薄味を穿き馴れた靴のようだと思えばこの煙がよく馴染む。もっともその靴が地上を浮き始めるのである。あるいは濃厚化して地に着く事が浮く事にもなる。
 鋸で切り出したばかりの杉の鮮度があるのにそれがまろやか。樹皮のナッツの殻のような香ばしさには焦茶色はもちろん茶色味もほとんど見えず、香ばしいにもかかわらず滑らかなペースト状の白いものである。これまた滑らかな黄色い花が添えられ、そこに緑草がバジリコの風をしっかりと纏い、その緑が粘土と小学生以下の人間の吐息と山椒を噛んだ瞬間の感覚などを混ぜたような感覚、要するによくわからない感覚に至ったりする。なるほど、もうあれから五ヶ月も経つ、前回より断然不味い。
 最序盤を過ぎると急下降して再浮上しなかった。不味くて吸えないというほどではないけれど、紙巻程度になった。私は紙巻は根元まで吸うたちで、これも根元まで吸った、悪いというほど悪くない。
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