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  源氏物語「葉」
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|MLO DIC 11 (2022/4000)|7 1/5 (182mm) x 50|cigarOne|$247/10|重量:+2( 18.22g)|算出:+5|香味:+4|

 眉目麗しく暫し見蕩れてしまった。早くもキラキラと金粉が反射している(よく見れば安い葉巻でもキラキラしているかもしれないが)。
 シガーワンがERでは珍しく仰々しく謳っているが、高級ローラーというのはやはり居るのだなぁと思う。「上級工場であるラ・コロナ工場の高級トルセドール アーネスト・トレス・アルマにより巻かれた」とある。葉巻の値段の付け方というのはまったく知らないが、三拍子揃っている葉巻であるようなわりには他のERと比較して価格も安い(10%引きで購入して$247)。
 しかも着火一番、旨い。洗い立てのシャツに首を通すような、森にいるような悪くない洗剤の芳香である。草や花が早くも微妙に揺蕩しているのだろう。
 ドローもぎりぎりの固さにしてソフトな感触があって好ましい。「109」というシェイプで、トルペドよりも若干緩く窄まっている物を、細く切ったので、この後にドローは調節可能なのである。
 一口毎に段々とパンチらしいスパイスやハバナ葉らしい味わいや甘味などが小鳥のように寄ってくる、何もかも淡くて上質で、ヴェールを脱ぐかのようにヴェールを重ねる。まぎれもなくパンチの味である(と思う)し、今までのパンチで一番美味しい。(まだ1センチだが。)
 ハバナ葉らしさは土を地上の雲に変え、甘さはロメオ風の果物まで実らせようとする。
 到着日に一本試すという慣例でほぼ嫌々にして期待を込めて着火したのだけれど、複雑な心境だの気分だのに関係なく美味しいものはやはり美味しいのである。あるいは自分で気付かない美味しい心境があるのかもしれない。
 灰も美しくて落ちなさそうだったのでそのままにしていたが4センチ弱でポロリと来た。床をティッシュで拭いた。
 若干鬱勃と雑味が出そうだったのでリカットしたが、粘り着くようなドローの調子も味も変わらない。不思議な差し引きである。
 あるいは雑味とコクを取り違えたかもしれず、珈琲の風味が乗ってくる。かと思えば軽いフルーツなのである。単純に珈琲程度の雑味という事か。
 巨大だが、ひたすら淡い為、大きな変化を見せず、変化というものを尻目にかけるほど美々しく淡い為、飽きるようで飽きない。
 残9センチほどで苦みがはっきりしたりするが、更には花に畳まれて、重厚になってもふんわりとしている。実に程好い。
 パンチに似つつも、ロバイナのERに似ている。ERというのは全部こう淡く来る物なのか。

 これを一箱しか買えないなんて実に不幸。10箱も買ってしまったら400分の1が私の物になってしまう。

 「ピノ・ノワールは嫌い」みたいな事を先日書いているのだが、あれからすぐさま認識を改めていて、思えば今日はこの葉巻にピノノワールが良く合っていた。その壜が底をついて、ナパ・ヴァレーのカベルネを開封したが良く合わなかった。

 まだ葉巻は7センチも残っている。朧だった花が段々と克明な金木犀に変わりつつある。軽やかな柔らかさは維持しつつ。
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