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  源氏物語「葉」
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|LAG FEB 11|170mm x 43|coh-hk|$197.20/25|重量:+1|算出:+4|香味:+3|

 製造後一年、購入後三ヶ月を経たので御機嫌を窺うのに頃合いかと思ったが、残数を数えたらもう九本目で、思っていた以上に御機嫌を窺う回数が多い。御機嫌を窺いつつ寝かせるにはやっぱり1000本ぐらいのストックが必要なのかもしれない。
 着火前からいつもと違う美味しそうな匂いがあり、着火前に180秒ぐらい犬のようになった。

 当りを引いただけかもしれないが、香味も落ち着いている。スタウト麦酒にも似た黒い苦味に、麦汁とも芋ともつかない、羚羊の太腿のような引き締った旨味が隠れている。花が彩りと柔らかさを添えている。だが甘い愛想はなく、ブルーマウンテンの高貴さは更にないが、嫌味のない燻しで、後味が完全な珈琲になることがある。
 後味が毎回珈琲というわけにはいかない。味わいが段々白っぽくなるというか、煙っぽくなり、花もが珈琲を覆い尽くそうとしている。それでも苦い。苦さが白さによって荒くなるようでもある。
 パルタガスの中でも飛び抜けて重心が低いらしく、先日のロバイナ・クラシコスに似た傾きがある。ただどうもこの898は好きになれそうにない。バランスが歪な星のように尖っている。星は丸いのに、遥か彼方のことなので判らないし、おそらくロマンチックな人間がこれを好むのではないかと予感する。苦さや重心の低さはロマンを否定しない、むしろ逆である。下手な占などどうでもよいほどの不敵さが優にあるのだが。
 初心者でありながら「初心者」という言葉は忌避しているが、こればかりは結局初心者向きではないと思う。強さや苦さが原因ではなく、この葉巻は単純な葉巻の愉しさを超えもし廃れさせてもいるらしい。とはいえ、子供が珈琲や麦酒を飲めないのと同じ事である。つまりこれは大人を子供に還す、老人の葉巻なのである。これが好きな人はロマンチックな老人であり、老人のロマンが即ち、若返る事であるに違いない。別段若返りたくない人はこれを吸ってもしょうがないのである。又は、若返るところを更けに老けたか。
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