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  源氏物語「葉」
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|LOT MAY 10|4.5 x 36|cigarOne|$71/25|重量:−1|算出:+5|香味:+3|

 到着十日後に早六本目。二〜五本目は少し美味しくなかったのだが、この六本目がなんだかとても美味しいのでメモしてしまう。
 こういうものがあると、悟りを開くも閉じるも、「輸入後一ヶ月休ませる」ような姑息な算段が個体差に比べてあまりにも微妙過ぎる差異に固執しているとしか思えなくなる。長期熟成は別として、湿度を69%から72%に上げたのが即効したとも思えない。
 香味の印象は一本目と大差なく、率直なハバナ葉らしい香りがする。一本目に比べると咽に怨みはあまりなく、花ばかりだったものにバターの旨味が乗っている。そういう風味にも荒さを残し、単純でこそハバナの基調を体現している。似通った価格帯のラファエルゴンサレス・パナテラエクストラとは比べるべくもなさそうなロングフィラーである。
 その後、七本八本と燻らせてみて、大ハズレもないし、アタリが多い。アタっても一本目の印象と大差はないが、どうも濁っていた飛行機雲が沈殿して、切り出したばかりの様な木がはっきりと落ち着いて見えてくる。小ぶりの物らしい辛味に濃い香ばしさが効いている。軽さも湛えているのだが、逆様の世界のようでそんなに軽い物でもない。甘さもまろやかさもある。このサイズの安物として非の打ち所がなく、気負わない、驚きに満ちた、純情なハバナの味がある。シガリロが嫌いなシガリロ好きにはもってこいの逸品だと思う。
 調子に乗って狸の皮を冠って言うのだが、財力があるのにこんな安物を即刻五箱も買うような人がいたらセンスの良さに脱帽してしまう。JFKのアップマン・ペティコロナの逸話が政治家らしいセンスの悪い笑い話にしか思えなくなる。むろん政治家はセンス悪くあらねばならないとは思うけれど。
 何処に煙が立つのかわからないが、JFKは「1000本では足りなかった」と悟った日に殺されたのではなかったか。要するに倍の2000本を用意したサリンジャーの阿諛も虚しく、1000本で足りたのである。煙の中から銃弾が飛び込んでくるというのはよくある事だろう。葉巻は実業家の厭世のものなのだから。私は愛煙家が挙って最近死んだロバイナ翁を偲んでいるらしい時にも追悼なぞしなかった。

 葉巻と音楽とは全く合わないが、「完全にJFKのように死にたい」とjesus and mary chainが歌っている。
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