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  源氏物語「葉」
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 かなり臭い匂いがあり、酸っぱさまで感じる。ラッパーは極めて脆いらしく、気にならない程度だが脆さが露呈して少し破れがある。
 吸い込みはやや緩い。
 着火した途端、煙量豊富で極めて辛い。これでパドロンヴィンテージは5種目だが、群を抜いてパワフルな出だしで、緑色のまま乾燥した草や麦の殻やパンが燻っている。パドロンという一枚の葉のような、突出した点の無いシンプルな味わいはほぼそのまま、だがこれは強さが全然違う。
 火種が落ち着きつつ染みた花の香がクロスフェードして、2センチほど進むと辛味がほぼ消えるが、依然強烈フルボディ。大変滑らかになるのだが、それが嘘のように強い。
 品質の安定度も群を抜いているっぽいけれど、味わいが朴訥としているので、各所での高評価をアテに濃密な美味を想像したりすると肩透かしを食らうかもしれない。頬を落としたりする珍味の類ではなく、「どれだけ真っ直ぐ歩けるか」という葉巻選手権でもあれば優勝しそうな感じ。歩く姿が遠離るにつれて異常に滑らかになっていくのである。そんなものを遠目に見ながら序盤の名残で既にダウンしそうになっている。吸う前の体調はいつもより良かったはずなのに。
 こうなるとウイスキーは合わず(モノにもよるかもしれない)、黒ビールの方が優しくて美味しい。旨味を黒ビールが補うし葉が柔らかく薫るようになる。木質もはっきりしてくる。木目が花の形を描くような花の咲き方、つまり染みた花の咲き方で、木には嫌味がなく、材木店にいるような穏やかさ。パドロンなので高級家具屋と言った方が良いかもしれない。あるいは紙。
 パドロンが全体的にそうだと思うけれど、素朴で端正なモノを好む人の内でもこれはとくに強者向けだと思う。ハバナっぽさはほぼ無い。

 5本吸ってみてやっとわかったが、私にはパドロンは向いていない。たまにどうしてもパドロンを吸いたくなる事はあるのだが、美味しくても+3止まりになるはず。今回のモノが今まで試した中で一番大きく、滑らかさは抜群だが、大きくなっても優しくはならず、もっと小柄なビトラで十分だった。喉と胃と肺だけでなく頭も辛い。これほど苦しみながら書くのは初めてで、高価なのでなんとか吸い切ろうとしたが、残7センチで死亡。無理して吸っても良い事はない。と思ったが死者が残5センチまで吸い切った。
 死者となってみればなかなか美味しかった。葉巻に殺られたというよりウヰスキーに殺られていたのかもしれない。
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