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  源氏物語「葉」
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 強いがマデューロより全然弱い。ラッパーの色が薄く若やいでいて、香がそのままつんのめっているが、カフェオレのようなふしぎなまろやかさで纏められている。ふしぎなのはカフェオレなのにコーヒーの味がないからだろう。何処にもないお高いカフェではこういう飲み物が供されていそうで、ミントを浮かせた豆乳ラテかもしれない。ミントのかおりもしないような気がするが。ミントと豆乳が押しつ引きつしているようにかんじることもある、鼻で吸い込んだときだと気付く。あまり鼻で吸い込まないほうが巧く調和している。
 何だかゆっくりじっくり吸えてしまう。秋の夜長よりも雨降りの午後の暇に。ですからちょうど今に良いのです。ゆっくり吸っていて減りも遅く、もう十分楽しんだ。
 味わいは優しいのに強いので後半に入る前に喉が辛くなってくるのだった。かなり美味しいのだが、コーヒーカップがでかすぎる。
 あわせたコーヒーが苦いのかと思っていたが、こちらにも少しにがみがある。味は単調でただ次々と衰えていくようである。煙の通り道だからか、段々フィルターの風味に成り果てていくのである。灰の苦みが残る。序盤が一番美味しかった。
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 杉(?)で巻かれているが、すっぽ抜いたら白黴が生えていた。これは大した問題ではない。
 「第二の葉巻」とでもいうような透徹した味がある。他の幾多の葉巻にもある香味なのだが、他の幾多の葉巻にもあってこそここに太い幹として存在し得ているような。幹よりも先に小枝が育つというのもおかしな話だけれど、喩えが悪いからだろう。少しつらい程のフルボディで、長さがあるので先が心配になる。柔らかさがなくはないが、とにかく強い。軽やかさや円やかさはあまりない。軽やかとか柔らかとか意味が同じっぽいが、なんとなく使い分けている気がする。ずんと甘味が入ってきそうな事があるが、玄関先で帰ってしまい、甘味は訪れない。「第二の葉巻」というのは「苦い杉」とでもいうものかもしれない。しかし何を思い出すかといえば他ではなく葉巻を思い出すばかりなのである。これがエクアドルの味なのかよくわからないが濃厚なエクアドルという感じ。香りは緑がかって、低音ではなく高音。でも重心は低い。葉巻を連想しつつ葉巻を楽しむというわけにはいかないらしい。
 片燃えし易く、始終片方のラッパーが燃え残る。美味しいのだろうなぁという気がするのも他人事で、この軟弱体質にはまず強さと、かててくわえて大きさが合わない。甘味が感じられる体調の時とそうでない時がある気もするのだが、甘味には玄関先で帰らないでほしかった。苦しいばかり。残り8センチで恐ろしく苦くなり終了。
 安いが、雑さは誤摩化し切れない。もはやオーパスⅩが欲しい(。なんとなくヘミングウェイもドンカルロスもアネホも要らず)。

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