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  源氏物語「葉」
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|箱伝不明|5 1/2 × 52|Cigars of Cuba|$186/10|重量:+1|算出:+5|香味:+4|

 購入して一年半が経ち、ずいぶんこなれてきている。ボックスコード不明(木箱ではなく段ボールにスタンプされていた為)だが、二〜三年だと思う。
 一番初めにコイーバに感じたコイーバ感がこういうものだった。マデューロではないコイーバにコイーバ感を感じなくなり、これがこなれてコイーバとして台頭してきたらしい。
 炒り豆の乾いた濃さがあり、序盤酸味が立つが、段々ただのコイーバに落ち着いてくる。若かりし頃にあったステーキソースの湿気は気配だにない。ステーキソースとセットであったパン籠の軽やかさも一緒に消えて、何か一つの物に纏まっている。この香ばしさは、パナテラを大きくしたような、厚い皮のゴツゴツとした印象だが、コクの感じがパナテラとは違う。こちらはまったくチョコっぽくない。
 途中、ミルクに小便を引っ掛けたような悪戯な味が感じられ、その撚糸と杏仁と砂糖との撚糸とで経と緯とを織る。杏仁や小便に花咲く風情はなく、未だ炒り豆が沙漠の岩の乾きをもって濃く香ばしい。岩の皮のような。
 内部ではミルクと杏仁とでココナッツに生育している。モンテ2008に始まり、最近燻らせたモンテAもサンルイレイ・セリーAもそうだったのだが、最近舌がココナッツを感じ易い。塩ばかりを感じる時期とか、甘味ばかりを感じる時期とか、木犀ばかりを感じる時期とかがあり、舌の季節のようなもので、葉巻の実質にはあまり関わりのないことなのかもしれない。
 総じて大らかだが、段々濃さが募ってくる。ステーキソースではないのに、乾いたまま乾きが照り焼きのように照ってくる。赤ワインで差し引きされていたのかもしれない。
 これがなんと、まだ中盤の序ノ口だったのである。にしてこの濃さは、やはりどう軽く感じても本性は濃い物なのである。
 濃くて美味であるからか、火種や灰の状態で繊細に香味が左右される。正直、火種や灰を葉巻の重要な構成要素としてまじまじと意識したのはこれがはじめて。灰を落とした直後は確かに不味く、終盤に近づき苦味と辛味が更に出るが、灰を整えると持ち直す。火種は、単純に平らな火種が良いとされているけれど、榛名山に見る穏やかで小さな山が良い。思い返せばこれまでも榛名山を美味しく感じていたはず。
 最終盤では榛名にも雑味が勝る、どうしようもなく美味も欠落し、榛名に暗雲が被さり、榛名で遭難して終わる。あんな美しい山で遭難して死ぬ人、いるのか。
 もうお腹一杯でただ眠りたいだけになる。この葉巻の翌日まで残る感じは毎回凄い。
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