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|6 x 50|CigarJet|$19.70|+3|+3|
黄金色のラッパーが綺麗。チューブから滑らせたときの美しい迫力は比類がない。最近カッターがぼろくなってカット時にキャップが割れてしまうのだが、日本酒を塗るとけっこう治る。
香ばしくてコクのある木の風味。石臼で香木を挽いたような美味しさ。木といってもダビドフの木なのでそこら辺に生えていない感じがして物珍しいが、夢のようではない。葉巻が葉として生えないで木からそのまま生えていて、そのまま木を吸っているような強さがある。
やや辛味もあるせいか味覚ではフルに感じるが飲み込んでみるとけっこう軽い。木だけにかすかでも揮発性をともなうエグミを感じやすいが、煙草っぽさもあるのかもしれない。序盤を過ぎるとバター状の旨味と染みた木の花がはっきりとした木目を描いて、辛味は少しばかり消えてくる。
金や黄色が目立つ木色の味わい。木自体の香ばしさは随一で、ダビドフの木を堪能したという気になる。木に膨らみがないわけではないけれど、地に足を付けたまま恍惚としているようで金粉を打ち消す鈍重さがある。銀ではなく金というのがそもそも鈍重なものなのかもしれない。
途中からベランダに出たら外のほうが穏やかさが増してよかった。寒いのでまた中に戻ったら、屋内で吸うと花がやや洋酒臭くなるらしい。
黄金色のラッパーが綺麗。チューブから滑らせたときの美しい迫力は比類がない。最近カッターがぼろくなってカット時にキャップが割れてしまうのだが、日本酒を塗るとけっこう治る。
香ばしくてコクのある木の風味。石臼で香木を挽いたような美味しさ。木といってもダビドフの木なのでそこら辺に生えていない感じがして物珍しいが、夢のようではない。葉巻が葉として生えないで木からそのまま生えていて、そのまま木を吸っているような強さがある。
やや辛味もあるせいか味覚ではフルに感じるが飲み込んでみるとけっこう軽い。木だけにかすかでも揮発性をともなうエグミを感じやすいが、煙草っぽさもあるのかもしれない。序盤を過ぎるとバター状の旨味と染みた木の花がはっきりとした木目を描いて、辛味は少しばかり消えてくる。
金や黄色が目立つ木色の味わい。木自体の香ばしさは随一で、ダビドフの木を堪能したという気になる。木に膨らみがないわけではないけれど、地に足を付けたまま恍惚としているようで金粉を打ち消す鈍重さがある。銀ではなく金というのがそもそも鈍重なものなのかもしれない。
途中からベランダに出たら外のほうが穏やかさが増してよかった。寒いのでまた中に戻ったら、屋内で吸うと花がやや洋酒臭くなるらしい。
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|5 1/2 x 42|cigarOne|$8|−4|−2|
辛いばかりで味がない。辛うじて葉巻の香がする程度。ディプロマティコスなのでビンテージものなのかもしれない。COCがこれの2000年ヴィンテージを在庫しているのでcOneも2000年ぐらいだろうと勝手に憶測しているのだが。だとしたら長期の熟成に耐えられないものであるのか。たまたま外れた可能性もあるが、枯れ死した感じがひしひしと伝わってきて、これがこれではビンテージモノに手を出す気になれない。ビンテージというより残り物と捉えたほうがよいのかもしれない。
枯れっぽいのに花が咲いたりと丁寧に変化しているのがわかる。わかるだけで相変わらず辛くて味がないけれど。年越し早々不味いものに手を出してしまった。昨年の最後に手に取ったロメオペティプリンスも酒臭いオヤジみたいな香味で思いのほか不味かったし。
クラシコスも二本目は外れたし、バラツキはあまり気にしないつもりだけれど、今年は一本買いを控え目にするつもりなので降格する銘柄も多そう。最初から篩にかける目的があるので仕方がないもののどんどん落ちてほしい気もする。
辛いばかりで味がない。辛うじて葉巻の香がする程度。ディプロマティコスなのでビンテージものなのかもしれない。COCがこれの2000年ヴィンテージを在庫しているのでcOneも2000年ぐらいだろうと勝手に憶測しているのだが。だとしたら長期の熟成に耐えられないものであるのか。たまたま外れた可能性もあるが、枯れ死した感じがひしひしと伝わってきて、これがこれではビンテージモノに手を出す気になれない。ビンテージというより残り物と捉えたほうがよいのかもしれない。
枯れっぽいのに花が咲いたりと丁寧に変化しているのがわかる。わかるだけで相変わらず辛くて味がないけれど。年越し早々不味いものに手を出してしまった。昨年の最後に手に取ったロメオペティプリンスも酒臭いオヤジみたいな香味で思いのほか不味かったし。
クラシコスも二本目は外れたし、バラツキはあまり気にしないつもりだけれど、今年は一本買いを控え目にするつもりなので降格する銘柄も多そう。最初から篩にかける目的があるので仕方がないもののどんどん落ちてほしい気もする。
|箱伝不明|5 1/2 × 52|Cigars of Cuba|$186/10|+5|+4|
買ったはいいけれど、他に吸うものもなくてずいぶん消費してしまい、これで七本目。今は少し選べる状態なのだが、大晦日らしいものといったらこれしかなかった(ルシタニアスもあったけれど)。バラツキはあるが、ほぼ毎回ステーキを食している気分になる。焦げ目とソース(野菜と果実と醤油を煮詰めた感じ)はほとんど本物のまま、しかし肉は草か又は肉に添えるクレソンのようでもあり、肉は無くソースと野菜だけで、さらに籠の中にバターの旨味とパンの軽さがある。コイーバらしい岩味もあるのだが、草とステーキソースに霞んでいる。それでも岩が縁の下で悠々と支えているらしく、岩を蔑ろにするようでもあるけれど、コイーバが新しいものを作るとしたらこうなるしかなかっただろうと思わせる迫力がある。ステーキソースの濃厚さは他のブランドが醸し出しても美味しくなさそう。フィラーを見ると凄い模様で、黒、焦茶、茶、黄土、緑、橙、茜……物量投入の色合いがある。
序盤を過ぎると強烈に染みているのにステーキソースよりも軽い木の風味が出てくる。シグロ六のような滑らかさはまったくなく、むしろ軽い雑味がある。灰には灰を売り物にするような頼もしさがあって落ちにくい。ぽろりと落ちてしまったほうが可愛いかもしれないのに。灰が若々しく元気で折れ難いので老練な感じもせず、一度落とすと案外短小な葉巻になってしまう。
終盤になるにつれ膨らんでくる木と木犀、それから干草や糒が意外なのだった。葉巻を超えようとして結局葉巻に落ちざるをえないもどかしさ。「葉巻なのに葉巻」というか。その滑稽さが愉快かもしれない。イカロスのようにマイナスが葉巻らしさに帰着するというか、マイナスが存在しない良さがある。
超葉巻であるかのようなステーキソース味とは裏腹にどこからともなく現れる爽やかさが軽薄なのだが、夜中に吸い終わると翌日まで満足感が残るほどの濃さがある。
完成度は低いと思うのだが、コイーバでしかありえないマデューロの凄みだけで+4にせざるをえない。雑味も剛のものにあっては存在感が薄らいでしまう。薄らいでも煩いものは煩いので、雑味を帳消しにしてしまう不思議な飲み物でもあればよいけれど。どのコイーバよりもコイーバのラムが合う気がする。
どう解釈しても不味い葉巻とは格段の違いがあるけれど、こういう挑戦的なものの一方でロブストの完璧さが際立ってしまう。翌日に残らないキレのよさまでロブストにはあったかと思えてしまう。
チョコはほぼ感じなかったが、ステーキソースにチョコが混じっているかもしれない。端から重厚なので「最終盤」といったようなフィナーレもなく、より軽やかに花が咲いてステーキの重厚さがやや戻ってきて終わる。雑味がスパイスに転化されたようでもあった。
翌日に満足感だけが残るような、時間差のある葉巻。
以下、6本目までの走り書き
3ヶ月も経てば良くも悪くも我家の味に落ち着いてしまうだろう。なんだかコイーバロブストに似てきたような。美味しいが、こうなるとかえってマデューロである事によって足を引っ張っているようにも感じられる。醤油味の薄荷というか。草が芳醇な旨味とともに揮発めいている。飽きがちなしつこさがある。足を引っ張る何ものかがある。
砂糖で出来た沙漠の砂で水の代わりに醤油を与えて育てた草が原料になっている。そういう自然な植物の感じがある。
後半には茎っぽさやそれに酷似した粘土っぽさも出てくる。逆立ちしているような頭に血が上ったような感じ。
コイーバのマデューロだと知らずに吸ったらとんでもなく美味しく感じるかもしれない。単純にマデューロが嫌いというだけの事なのかもしれない。
肉料理を想定して赤ワインを合わせると合わない。
ロブストに飽きた人むけ。
革や土は一切思いつかなかった。
ポルトガルのヴェラス・ロレートという蠟燭専門店で買った蜂蜜の蠟燭とそっくりの香りが火種から漂う。
濃厚だが、あまり飲み物を必要としない不思議な優しさがある。味には特別優しさを感じないが。
変化云々より、凄さ一辺倒。凄さはわかるが纏まっていない。荒くれた美味しさというか、強烈に美味しい事は確かだし、翌日まで旨味が残るのはこの葉巻ぐらいなのだが。何故か軽みまでもある。ロブストにステーキソースを塗ったような。余計に味付けしたような。押しも引きも強い。
1700円の価値は余裕であるなぁ。
セクレトスは「まったくフルーティーではない質朴な赤ワインのタンニンの美味しさ」といった感じがあった。ヘニオスには苺ジャムを煮詰めたような甘さがある。セクレトスの方が素朴にチョコっぽかったような。ヘニオスは蔕を取っていない苺。
葉巻に求める魅力よりも食事に求める魅力に近い。
買ったはいいけれど、他に吸うものもなくてずいぶん消費してしまい、これで七本目。今は少し選べる状態なのだが、大晦日らしいものといったらこれしかなかった(ルシタニアスもあったけれど)。バラツキはあるが、ほぼ毎回ステーキを食している気分になる。焦げ目とソース(野菜と果実と醤油を煮詰めた感じ)はほとんど本物のまま、しかし肉は草か又は肉に添えるクレソンのようでもあり、肉は無くソースと野菜だけで、さらに籠の中にバターの旨味とパンの軽さがある。コイーバらしい岩味もあるのだが、草とステーキソースに霞んでいる。それでも岩が縁の下で悠々と支えているらしく、岩を蔑ろにするようでもあるけれど、コイーバが新しいものを作るとしたらこうなるしかなかっただろうと思わせる迫力がある。ステーキソースの濃厚さは他のブランドが醸し出しても美味しくなさそう。フィラーを見ると凄い模様で、黒、焦茶、茶、黄土、緑、橙、茜……物量投入の色合いがある。
序盤を過ぎると強烈に染みているのにステーキソースよりも軽い木の風味が出てくる。シグロ六のような滑らかさはまったくなく、むしろ軽い雑味がある。灰には灰を売り物にするような頼もしさがあって落ちにくい。ぽろりと落ちてしまったほうが可愛いかもしれないのに。灰が若々しく元気で折れ難いので老練な感じもせず、一度落とすと案外短小な葉巻になってしまう。
終盤になるにつれ膨らんでくる木と木犀、それから干草や糒が意外なのだった。葉巻を超えようとして結局葉巻に落ちざるをえないもどかしさ。「葉巻なのに葉巻」というか。その滑稽さが愉快かもしれない。イカロスのようにマイナスが葉巻らしさに帰着するというか、マイナスが存在しない良さがある。
超葉巻であるかのようなステーキソース味とは裏腹にどこからともなく現れる爽やかさが軽薄なのだが、夜中に吸い終わると翌日まで満足感が残るほどの濃さがある。
完成度は低いと思うのだが、コイーバでしかありえないマデューロの凄みだけで+4にせざるをえない。雑味も剛のものにあっては存在感が薄らいでしまう。薄らいでも煩いものは煩いので、雑味を帳消しにしてしまう不思議な飲み物でもあればよいけれど。どのコイーバよりもコイーバのラムが合う気がする。
どう解釈しても不味い葉巻とは格段の違いがあるけれど、こういう挑戦的なものの一方でロブストの完璧さが際立ってしまう。翌日に残らないキレのよさまでロブストにはあったかと思えてしまう。
チョコはほぼ感じなかったが、ステーキソースにチョコが混じっているかもしれない。端から重厚なので「最終盤」といったようなフィナーレもなく、より軽やかに花が咲いてステーキの重厚さがやや戻ってきて終わる。雑味がスパイスに転化されたようでもあった。
翌日に満足感だけが残るような、時間差のある葉巻。
以下、6本目までの走り書き
3ヶ月も経てば良くも悪くも我家の味に落ち着いてしまうだろう。なんだかコイーバロブストに似てきたような。美味しいが、こうなるとかえってマデューロである事によって足を引っ張っているようにも感じられる。醤油味の薄荷というか。草が芳醇な旨味とともに揮発めいている。飽きがちなしつこさがある。足を引っ張る何ものかがある。
砂糖で出来た沙漠の砂で水の代わりに醤油を与えて育てた草が原料になっている。そういう自然な植物の感じがある。
後半には茎っぽさやそれに酷似した粘土っぽさも出てくる。逆立ちしているような頭に血が上ったような感じ。
コイーバのマデューロだと知らずに吸ったらとんでもなく美味しく感じるかもしれない。単純にマデューロが嫌いというだけの事なのかもしれない。
肉料理を想定して赤ワインを合わせると合わない。
ロブストに飽きた人むけ。
革や土は一切思いつかなかった。
ポルトガルのヴェラス・ロレートという蠟燭専門店で買った蜂蜜の蠟燭とそっくりの香りが火種から漂う。
濃厚だが、あまり飲み物を必要としない不思議な優しさがある。味には特別優しさを感じないが。
変化云々より、凄さ一辺倒。凄さはわかるが纏まっていない。荒くれた美味しさというか、強烈に美味しい事は確かだし、翌日まで旨味が残るのはこの葉巻ぐらいなのだが。何故か軽みまでもある。ロブストにステーキソースを塗ったような。余計に味付けしたような。押しも引きも強い。
1700円の価値は余裕であるなぁ。
セクレトスは「まったくフルーティーではない質朴な赤ワインのタンニンの美味しさ」といった感じがあった。ヘニオスには苺ジャムを煮詰めたような甘さがある。セクレトスの方が素朴にチョコっぽかったような。ヘニオスは蔕を取っていない苺。
葉巻に求める魅力よりも食事に求める魅力に近い。
|6 3/8 x 44|cigarOne|$8|+4|+3|
巻紙の匂いが混じっているのか、芳醇で複雑な香りがする。紙パックっぽさとは全然違う。巻紙を剥ぐと乾いた感じのラッパーがお目見えするのかと無意識に思っていたが、湿った感じのものが出てくる。着火せずに銜えていると茶色い蜜の味がほんのりとして美味しい。
着火するとモンテの何番かにも似た風合いの良い木質で、そこからすぐに優しい花が燻し出される。まだ火種も整っていないのに感動的な変化。甘味もすぐにとろける。花も甘さも独特の優しさがあって、砂糖を温めたような感じがある。基調は木で、薄味らしい小さい刺が立つが、全体が美味しいのかあまり気にならない。
シンプルなものがほしいときに重宝しそう。単純にハバナらしさがあるし、質の高さも感じるし、芳醇にして薄味のハバナという感じが濃い。
軽いのでゆっくり燻らせないと物足りなさを感じてしまうし、焦ると繊細らしく雑味も出やすい。なかなか気難しい面があるのかもしれないけれど、強烈にゆっくりしたい時にはその気難しさが絶好かもしれない。終盤は少しスパイシーになる。
巻紙の匂いが混じっているのか、芳醇で複雑な香りがする。紙パックっぽさとは全然違う。巻紙を剥ぐと乾いた感じのラッパーがお目見えするのかと無意識に思っていたが、湿った感じのものが出てくる。着火せずに銜えていると茶色い蜜の味がほんのりとして美味しい。
着火するとモンテの何番かにも似た風合いの良い木質で、そこからすぐに優しい花が燻し出される。まだ火種も整っていないのに感動的な変化。甘味もすぐにとろける。花も甘さも独特の優しさがあって、砂糖を温めたような感じがある。基調は木で、薄味らしい小さい刺が立つが、全体が美味しいのかあまり気にならない。
シンプルなものがほしいときに重宝しそう。単純にハバナらしさがあるし、質の高さも感じるし、芳醇にして薄味のハバナという感じが濃い。
軽いのでゆっくり燻らせないと物足りなさを感じてしまうし、焦ると繊細らしく雑味も出やすい。なかなか気難しい面があるのかもしれないけれど、強烈にゆっくりしたい時にはその気難しさが絶好かもしれない。終盤は少しスパイシーになる。
|5.3 x 52|cigarOne|$0/3|ー|+2|
シガーワンのクリスマスプレゼントで無料だった。だから油断しているかもしれない。油断していた方がいいような気もするけれど。
老舗よりも老舗ふうであるモンテクリストを味わいよく薄めたような、薄くしたぶんなにかを効かせているのかわからないが、薄く感じない良さがある。オープンシリーズの「趣味はテニス」といった胡散臭さはない。こういうのを味わうと昨日のトリニダッドが滑らかなだけで香ばしくないものに思えてしまう。これも杉は香るがモンテらしい茶色っぽさに塗られているし。モンテの美味しさは実は嫌いなはずの杉の調合にあるのかもしれない。
昨日の今日だし大きさが近いので比べてしまうのだが、ロブストエクストラやシグロ6にある別格の滑らかさはまったくない。モンテからそれらのような滑らかなものが出たらなと思う。このエドムンドのように薄味だと思ってあまり買う気がしなかったのだが、グランドエドムンドを買うべきか。
このエドムンドには引き付けるほどのなめらかさもないし、やっぱり濃厚さに欠けているようで飽きてしまう。滑らかさの欠如でか、なまめかしさがない。熟成で密になるというのも読まないし。と飽きてきた頃に気を惹くような木犀が咲く。そういえば前回もそうだった。エドムンドはこの変化がとりわけ鮮やかなのだった。しかしこの変化にしてもバランスにしても葉巻の優等生という感じしかしない。
キャラメルやナッツはもっとも薄く、エスペシャル1・2にまったく及ばない。それでもモンテはどれも葉巻を吸っているという実感がわく。オープンでもそうなのだから。
+2に降格。結局最低限必要な濃さがないらしい。紙パックだからかちょっと紙っぽいところもあったかもしれない。
シガーワンのクリスマスプレゼントで無料だった。だから油断しているかもしれない。油断していた方がいいような気もするけれど。
老舗よりも老舗ふうであるモンテクリストを味わいよく薄めたような、薄くしたぶんなにかを効かせているのかわからないが、薄く感じない良さがある。オープンシリーズの「趣味はテニス」といった胡散臭さはない。こういうのを味わうと昨日のトリニダッドが滑らかなだけで香ばしくないものに思えてしまう。これも杉は香るがモンテらしい茶色っぽさに塗られているし。モンテの美味しさは実は嫌いなはずの杉の調合にあるのかもしれない。
昨日の今日だし大きさが近いので比べてしまうのだが、ロブストエクストラやシグロ6にある別格の滑らかさはまったくない。モンテからそれらのような滑らかなものが出たらなと思う。このエドムンドのように薄味だと思ってあまり買う気がしなかったのだが、グランドエドムンドを買うべきか。
このエドムンドには引き付けるほどのなめらかさもないし、やっぱり濃厚さに欠けているようで飽きてしまう。滑らかさの欠如でか、なまめかしさがない。熟成で密になるというのも読まないし。と飽きてきた頃に気を惹くような木犀が咲く。そういえば前回もそうだった。エドムンドはこの変化がとりわけ鮮やかなのだった。しかしこの変化にしてもバランスにしても葉巻の優等生という感じしかしない。
キャラメルやナッツはもっとも薄く、エスペシャル1・2にまったく及ばない。それでもモンテはどれも葉巻を吸っているという実感がわく。オープンでもそうなのだから。
+2に降格。結局最低限必要な濃さがないらしい。紙パックだからかちょっと紙っぽいところもあったかもしれない。
|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|+5|+4|
葉巻を物色しようと思い立ったばかりの頃から、最後の一本になるだろうと思っていた葉巻。最後ではないが、漸くありつけたと思うと感慨深い。
黄色っぽいラッパーが明るく赤みがかっている。心配していた通り、やっぱり「バター杉」の味わい。杉も木だが、更なる木と、木の染みのような染み臭い花。これだと美味しくても嫌いなはずなのだが、とんでもなくやわらかい。シグロ6の滑らかさに近いやわらかさがある。スケートリンクがミルクで出来ていて、その温かいような氷上で下手に遊んでいるような。もっとも「バター杉」だから下手なのであって、「バター杉」を上手に感じる人は達人のような気分に浸れるらしい。下手でも上手がわかってしまうほど柔らかい。
実は吸い込みがかなり悪いのだが、なんとか美味しさはわかる。
終盤までヘッドをほじくり回していたら吸い込みは改善された。煙量が増えつつ柔らかさになめらかさまで加わって、「大変だ」と思っているとスパイスが出てきて若干引き締める。花が爽やかさを帯びる。
紙巻煙草でも高価なもの(ダビドフマグナムとかナットシャーマンの黒とか)はニコチンの量を間違えるほど軽く感じるけれど、これも弱いのではなく高価な滑らかさなのだと思う。ただ、真空パックで届いて、真空パックを開けた直後に吸っているので気圧によってそうなるのかもしれない。シグロⅥを滑らかに感じた時も開封から間もなくだった。もしそうなのだったら、全部低気圧で保管したくなる。この高級感は、酒でいえば『カミュ・エクストラ』がそうだったし、『パルタガス・セリー5』もそうだったような。
「トリニダッドの味」といえばそうらしいのだが、それよりもシグロ六を強く連想させる。コイーバらしい味まで感じられてしまうが、違いが頼もしい。不満はあるが+4にせざるをえない。
滑らかさは同等だがやさしさが加わっているぶん、シグロ6から引いたものを足せるような。エスプレンディドスのような諄さやバランスの崩れた甘さはあまりない。香味はうっすらとして丁度十分で、甘さも香りに乗っている。ただ問題は「杉と木とバター」なのである。ややコイーバふうに岩味がかってしまうのが絶妙なのだけれど。最終盤では草と粘土が出てきて、依然優しい。
葉巻を物色しようと思い立ったばかりの頃から、最後の一本になるだろうと思っていた葉巻。最後ではないが、漸くありつけたと思うと感慨深い。
黄色っぽいラッパーが明るく赤みがかっている。心配していた通り、やっぱり「バター杉」の味わい。杉も木だが、更なる木と、木の染みのような染み臭い花。これだと美味しくても嫌いなはずなのだが、とんでもなくやわらかい。シグロ6の滑らかさに近いやわらかさがある。スケートリンクがミルクで出来ていて、その温かいような氷上で下手に遊んでいるような。もっとも「バター杉」だから下手なのであって、「バター杉」を上手に感じる人は達人のような気分に浸れるらしい。下手でも上手がわかってしまうほど柔らかい。
実は吸い込みがかなり悪いのだが、なんとか美味しさはわかる。
終盤までヘッドをほじくり回していたら吸い込みは改善された。煙量が増えつつ柔らかさになめらかさまで加わって、「大変だ」と思っているとスパイスが出てきて若干引き締める。花が爽やかさを帯びる。
紙巻煙草でも高価なもの(ダビドフマグナムとかナットシャーマンの黒とか)はニコチンの量を間違えるほど軽く感じるけれど、これも弱いのではなく高価な滑らかさなのだと思う。ただ、真空パックで届いて、真空パックを開けた直後に吸っているので気圧によってそうなるのかもしれない。シグロⅥを滑らかに感じた時も開封から間もなくだった。もしそうなのだったら、全部低気圧で保管したくなる。この高級感は、酒でいえば『カミュ・エクストラ』がそうだったし、『パルタガス・セリー5』もそうだったような。
「トリニダッドの味」といえばそうらしいのだが、それよりもシグロ六を強く連想させる。コイーバらしい味まで感じられてしまうが、違いが頼もしい。不満はあるが+4にせざるをえない。
滑らかさは同等だがやさしさが加わっているぶん、シグロ6から引いたものを足せるような。エスプレンディドスのような諄さやバランスの崩れた甘さはあまりない。香味はうっすらとして丁度十分で、甘さも香りに乗っている。ただ問題は「杉と木とバター」なのである。ややコイーバふうに岩味がかってしまうのが絶妙なのだけれど。最終盤では草と粘土が出てきて、依然優しい。
7 × 47|Cigars of Cuba|$59/3|+3|+3|
日本ではトリニダッド・ロブストエクストラやコイーバ・ヘニオスの方が高いが、スイスではエスプレンディドスが一等高価。20%オフでなんとか3本だけ入手しました。
他ブランドのチャーチルと並べるとラッパーが薄くぴっちりしていて、異様にすべすべしている。脆そう。着火前の香りは心配になるほど薄い。着火すると一口目から紛れもなくコイーバで、岩味にステビアのような甘草。草と甘味がかなり濃い。シグロ六のような滑らかさはなく、古いコイーバの味。
1センチほど進むと絵の具を混ぜたように色がガラリとかわり、甘草が煙草感にかき回される。岩味が増している。
花味のガムの甘味になる。吸い込みがやや硬く煙量が少ないのでいまいち物足りないが、美味しさはわかる。わからせられるというほどではないが、吸い込みが良ければ即わからせられるはずの味わい。灰はコイーバにしては白い。
甘草が戻ると、同時に木が染みた味が感じられる。栗っぽい旨味にやや揮発性が出てくる。栗はマロングラッセと天津甘栗とのブレンド。揮発が木犀に昇華される。
パナテラ・エスキシトス・ロブストに比べると甘辛両刀みたいな落ち着きの無さが際立つ。それらとラギート1・2との中間のものを巨大化したもののような。悪いはずがないけれど、シグロ六に王座を奪われるというのが納得できてしまう。コイーバとしては古いほうのモンテっぽいところがあって、それが不調和というか、だったらモンテクリストを吸った方がいいというか、武骨っぽい。シグロ6は洗練されているし、パナテラは古いなりにまとまっているし。よくもわるくも大時代な感じ。
玄人向けというものでもなさそうだし、むしろコイーバをはじめて吸う人はエスプレンディドスから入った方がこれをとんでもなく美味しく感じる気がする。
このパパから入ったほうが血縁がよくわかる気もする。ラギートやパナテラは祖父祖母ということになるけれど、そういう話もこれをパパとしてわかりやすい。何故かパパが一番駄目なのである。だが祖父や子供のお陰でとんでもないパパに成っている、そういう変梃にして偉大な感じがある。
味も刻々と入れ替わって、さすがに終盤はすべてが猛烈だった。花じみたナッツも加わっている。粘土や茎っぽさも。そこに茶色系の濃厚さが派手だった。箱で買えば一本は+5になる気がする。
コイーバのラギート1・2はあまり好きそうではないので、それよりは断然美味しく感じるのだが、パナテラとエスキシトスとロブストよりはつまらない。
吸い込みが悪くてここまで言っていいのかという疑問はある。「本当はもっと美味しいのだろう?」と期待させつつ期待させないようなどっちつかずの美味しさ。特別な日に相応しそうな一本なのだが、特別誤魔化されるような印象もある。小説でいえば川端康成の驚きに近い滋味な色気がある。
全体は草と甘さがややバランスを崩して主張していた。花の咲き方は密で大らか。ほかはまあコイーバらしい味で、「まあ」などというのは余裕なのかわからないが、特別美味といわしめる一本にはならなかった。要するによくわからない。
日本ではトリニダッド・ロブストエクストラやコイーバ・ヘニオスの方が高いが、スイスではエスプレンディドスが一等高価。20%オフでなんとか3本だけ入手しました。
他ブランドのチャーチルと並べるとラッパーが薄くぴっちりしていて、異様にすべすべしている。脆そう。着火前の香りは心配になるほど薄い。着火すると一口目から紛れもなくコイーバで、岩味にステビアのような甘草。草と甘味がかなり濃い。シグロ六のような滑らかさはなく、古いコイーバの味。
1センチほど進むと絵の具を混ぜたように色がガラリとかわり、甘草が煙草感にかき回される。岩味が増している。
花味のガムの甘味になる。吸い込みがやや硬く煙量が少ないのでいまいち物足りないが、美味しさはわかる。わからせられるというほどではないが、吸い込みが良ければ即わからせられるはずの味わい。灰はコイーバにしては白い。
甘草が戻ると、同時に木が染みた味が感じられる。栗っぽい旨味にやや揮発性が出てくる。栗はマロングラッセと天津甘栗とのブレンド。揮発が木犀に昇華される。
パナテラ・エスキシトス・ロブストに比べると甘辛両刀みたいな落ち着きの無さが際立つ。それらとラギート1・2との中間のものを巨大化したもののような。悪いはずがないけれど、シグロ六に王座を奪われるというのが納得できてしまう。コイーバとしては古いほうのモンテっぽいところがあって、それが不調和というか、だったらモンテクリストを吸った方がいいというか、武骨っぽい。シグロ6は洗練されているし、パナテラは古いなりにまとまっているし。よくもわるくも大時代な感じ。
玄人向けというものでもなさそうだし、むしろコイーバをはじめて吸う人はエスプレンディドスから入った方がこれをとんでもなく美味しく感じる気がする。
このパパから入ったほうが血縁がよくわかる気もする。ラギートやパナテラは祖父祖母ということになるけれど、そういう話もこれをパパとしてわかりやすい。何故かパパが一番駄目なのである。だが祖父や子供のお陰でとんでもないパパに成っている、そういう変梃にして偉大な感じがある。
味も刻々と入れ替わって、さすがに終盤はすべてが猛烈だった。花じみたナッツも加わっている。粘土や茎っぽさも。そこに茶色系の濃厚さが派手だった。箱で買えば一本は+5になる気がする。
コイーバのラギート1・2はあまり好きそうではないので、それよりは断然美味しく感じるのだが、パナテラとエスキシトスとロブストよりはつまらない。
吸い込みが悪くてここまで言っていいのかという疑問はある。「本当はもっと美味しいのだろう?」と期待させつつ期待させないようなどっちつかずの美味しさ。特別な日に相応しそうな一本なのだが、特別誤魔化されるような印象もある。小説でいえば川端康成の驚きに近い滋味な色気がある。
全体は草と甘さがややバランスを崩して主張していた。花の咲き方は密で大らか。ほかはまあコイーバらしい味で、「まあ」などというのは余裕なのかわからないが、特別美味といわしめる一本にはならなかった。要するによくわからない。
3.62 x 22|NextCigar|$22.10/10|+7|+4|
アヴォ『プリトス』とウィンストンチャーチル『スピットファイア』とこれが届いた(全商品15%引きだった)ので比べてみたが、比べるモノはそれほど悪くなかったのに、ダビドフ『エスキシトス』が結局頭抜けている。ネクストで買うとアヴォプリトスとほぼ同じ値段なのだが、ろくろ首ぐらい頭抜けている。
甘味と香りが濃く、凝縮された細さからオルゴールかなんかのように香味が溢れてくる。減りも速いが煙量も豊富で、この濃密さは他のダビドフでは味わえない。黴臭さと紙一重の高貴な木の香りに白い甘味。それが合わさって蜂蜜(昔ラベイユという蜂蜜専門店で色々な蜂蜜を買っていたが、これはアカシヤではなく、栗とかコーヒーとかのもっと茶褐色の蜂蜜)のようにも感じる。終盤では一輪挿しの可憐な花が咲くし、単純だが極上。あまり存在感はなかったがはじめから花は咲いていたのだと思う。香木の甘さに気を惹かれていた。
この味のまま大きくしてもらいたいのだが、この細さでこその太さに負けないブレンドがあるのだということがわかってしまう。何がわかっているのかわからないが、吸い残ったヘッドの部分を分解してみたらバインダーが半分を占めていた。バインダーを解くと御焼香のようなフィラーが小さい木乃伊のように転がり出す。このフィラーをパイプに詰めたら美味しそう。たまたまギネスだったのだが、良く合う。
ダビドフで一番美味かもしれないが、さすがに二本立て続けに吸いたくなり、そういう事をすると二本目の味はほんの少し落ちると思う。すかさずダビドフワンに点火して難を逃れた。葉巻を嗜む満足感からもっともかけ離れていて、単に美味を一刻堪能する為だけに燻らせるものらしい。だからこれがあっても葉巻の消費量はまったく減らず、これがあるだけ増えると思う。八寸のような美味。それが寸止めになり、その次の皿が期待を裏切るような変な料亭になると思う。
前回(●)+3にしたが、+4になった。徐々に点数が上がってしまっているけれど、大きい葉巻への失望だとか、私の勝手な経験に因るものだとは思う。そういう経験がなければアヴォ『プリトス』の方を美味しく感じたかもしれない。立ち戻る度に美味しさが増す。
一本なら|+7|+4|
一箱なら|+7|+5|
アヴォ『プリトス』とウィンストンチャーチル『スピットファイア』とこれが届いた(全商品15%引きだった)ので比べてみたが、比べるモノはそれほど悪くなかったのに、ダビドフ『エスキシトス』が結局頭抜けている。ネクストで買うとアヴォプリトスとほぼ同じ値段なのだが、ろくろ首ぐらい頭抜けている。
甘味と香りが濃く、凝縮された細さからオルゴールかなんかのように香味が溢れてくる。減りも速いが煙量も豊富で、この濃密さは他のダビドフでは味わえない。黴臭さと紙一重の高貴な木の香りに白い甘味。それが合わさって蜂蜜(昔ラベイユという蜂蜜専門店で色々な蜂蜜を買っていたが、これはアカシヤではなく、栗とかコーヒーとかのもっと茶褐色の蜂蜜)のようにも感じる。終盤では一輪挿しの可憐な花が咲くし、単純だが極上。あまり存在感はなかったがはじめから花は咲いていたのだと思う。香木の甘さに気を惹かれていた。
この味のまま大きくしてもらいたいのだが、この細さでこその太さに負けないブレンドがあるのだということがわかってしまう。何がわかっているのかわからないが、吸い残ったヘッドの部分を分解してみたらバインダーが半分を占めていた。バインダーを解くと御焼香のようなフィラーが小さい木乃伊のように転がり出す。このフィラーをパイプに詰めたら美味しそう。たまたまギネスだったのだが、良く合う。
ダビドフで一番美味かもしれないが、さすがに二本立て続けに吸いたくなり、そういう事をすると二本目の味はほんの少し落ちると思う。すかさずダビドフワンに点火して難を逃れた。葉巻を嗜む満足感からもっともかけ離れていて、単に美味を一刻堪能する為だけに燻らせるものらしい。だからこれがあっても葉巻の消費量はまったく減らず、これがあるだけ増えると思う。八寸のような美味。それが寸止めになり、その次の皿が期待を裏切るような変な料亭になると思う。
前回(●)+3にしたが、+4になった。徐々に点数が上がってしまっているけれど、大きい葉巻への失望だとか、私の勝手な経験に因るものだとは思う。そういう経験がなければアヴォ『プリトス』の方を美味しく感じたかもしれない。立ち戻る度に美味しさが増す。
一本なら|+7|+4|
一箱なら|+7|+5|
|UGA MAY 09|7 1/4 x 49|Cigars of Cuba|$106/10|+2|+2|
一本目
到着日に着火。
端から甘い。ハバナらしい香りはあまり強くない。「杉」と何処かに書かれていたので心配していたら、本当に杉っぽい。パルタガス特有の芋はほの見える程度。杉を過敏に毛嫌いしなければなかなか美味しいような。
ややカリッとした感じの甘皮がぼうっと土のようにふやけてくる。けっこう優しい仕方でずっと花が咲いている。土も優しく去り、結局杉がぽつねんと立っている。と思うと春の土煙が立つ。
着火前は土が蜂蜜で湿っているような香りだったが、着火すると軽くなって、重さの面影がおもしろい。優しいのに何故かパルタガスの強烈さを忘れさせないところがある。ショートが大好物という人には至極優しいだろうけれど。
最序盤でも感じたのだったが再びモンテを彷彿させる香味がくる。
それからなんだか海の味。海といっても塩味はまったく無いが、「塩」と書いた途端に塩味になった。サンルイレイの時にも書いたけれど、「塩」というのは実際には感じていなくて、念じれば何でも塩味になってしまうような胡散臭さがある。塩について考えているとカカオふうのコクがくる。草は無いなと思っているとそこに微風ほどの草。塩のお陰か、念じたことが何でも実現する葉巻らしい。試しにダビドフを念じてみたら、本当に下駄箱や松茸になった。
そういえばバターだけが無い。念じてもバターだけは出ず、粘土になった。粘土は最終盤に出るはずのものなのだが、まだロブストサイズぐらい残っている。微かにいがらっぽくなって、長い病院生活が始まるような気配だったが、甘くない粘土から甘い木星がずっと咲いていた。
パルタガスのルシタニアスという名前だけで気が引けてしまうけれど、ダブルコロナとしては高価ではないし、高価な味もしない。
カカオが復帰して、花は少しなりを潜め、辛味が少し出て、薄い葉っぱの味になり、秋ももう終わりだなぁと切に思う。長い最終盤というか最初から最終盤だったかのような、何だか痛切な葉巻で、何も無かった一年を一人大晦日に振返るのに最適っぽい。何かあったのだったら、何もなかったことにしてしまいそう。
二本目
葉巻の要素が全部あるかのように複雑だがおとなしく、これといった爆発も奥床しさも感じられなかった。それがこの葉巻の良さなのかわからないけれど、平穏無事に終わるのが寂しい。香木の薫りなどはほぼしないのに、坊主向けの葉巻という感じ。
三本目
到着して三週間しか経っていないけれど、三週間目は私には美味しい区切りなので早くも三本目。十本入りだと三本ぐらい吸ってしまわなければ勿体無さが感じられないというのもある。こういうせこい経験は役に立つとは思う。そもそも寝かせるという行為からしてせこいのだから、五十本買って五年で無くしてしまうのが最良だと思いながら早くも三本目を吸うのである。
着火せずに吸っているとハチミツ。土なのかカカオなのか、重いのか軽いのか、強いのか弱いのか、濃いのか薄いのか、草か草も生えないのか、蜂蜜を残すのか残さないのか、美味しいのか不味いのか、微妙に揺れ動く乙女のようないじらしい感じがある。
土と木の中間であり、土とカカオの中間であり、カカオと草の中間であり、草と木の中間に花が咲く。回りくどい感じがある。私にはこういう感じのものがあまり良く理解できないらしい。変化もするけれど、なんかモンテとパルタガスとロバイナを足して割ったような感じを薄めたような感じ。順序を逆にして、ルシタニアスからすべてが生まれたというふうに感じられれば美味しいのかもしれない。集大成的なものが嫌いなだけかもしれない。私がまだ集大成に及ばないといったって、謙遜というのはたいてい嘘くさい。まあ趣味は変わるさ。
こんなふうに思いながら吸っているとモンテとパルタガスとロバイナどころかアップマンやらパンチやらポンチやら他の色々な葉巻も当然現れてきて、只管長いエンドロールを見ているような気分になる。エンドロールに集大成がある特殊な映画らしい。大団円はない。つまらなさが味わい深いような。でなければ「ポンチ」なんていわないよ。
結論
三本ともほぼ同じ味だった。ただ変化の順番が随分違うような。
好き嫌いはともかく、三本とも年末に相応しい気が切にした。大掃除のような雑味も時々ある。最終盤に派手なフィナーレが訪れるのでもなく、甘い花が土臭い落ち着きの中に咲いて、最終盤を平凡に迎える。この最終盤は葉巻としては常軌を逸した大らかさだが、来年も平凡な一年になりそうな。かといってこれ以上越年に相応しい葉巻もない。
一年半前の製造で、これはこれでこそ既に完成している気がするのだが、十年ぐらいは当たり前の葉巻だというし、来年になったら既に年末に相応しくなくなっているかもしれない。
大きさに因って美味しさを不当に過小評価している気もするし、かえって夏至辺りに吸った方が美味しく感じるのかもしれない。
一本目
到着日に着火。
端から甘い。ハバナらしい香りはあまり強くない。「杉」と何処かに書かれていたので心配していたら、本当に杉っぽい。パルタガス特有の芋はほの見える程度。杉を過敏に毛嫌いしなければなかなか美味しいような。
ややカリッとした感じの甘皮がぼうっと土のようにふやけてくる。けっこう優しい仕方でずっと花が咲いている。土も優しく去り、結局杉がぽつねんと立っている。と思うと春の土煙が立つ。
着火前は土が蜂蜜で湿っているような香りだったが、着火すると軽くなって、重さの面影がおもしろい。優しいのに何故かパルタガスの強烈さを忘れさせないところがある。ショートが大好物という人には至極優しいだろうけれど。
最序盤でも感じたのだったが再びモンテを彷彿させる香味がくる。
それからなんだか海の味。海といっても塩味はまったく無いが、「塩」と書いた途端に塩味になった。サンルイレイの時にも書いたけれど、「塩」というのは実際には感じていなくて、念じれば何でも塩味になってしまうような胡散臭さがある。塩について考えているとカカオふうのコクがくる。草は無いなと思っているとそこに微風ほどの草。塩のお陰か、念じたことが何でも実現する葉巻らしい。試しにダビドフを念じてみたら、本当に下駄箱や松茸になった。
そういえばバターだけが無い。念じてもバターだけは出ず、粘土になった。粘土は最終盤に出るはずのものなのだが、まだロブストサイズぐらい残っている。微かにいがらっぽくなって、長い病院生活が始まるような気配だったが、甘くない粘土から甘い木星がずっと咲いていた。
パルタガスのルシタニアスという名前だけで気が引けてしまうけれど、ダブルコロナとしては高価ではないし、高価な味もしない。
カカオが復帰して、花は少しなりを潜め、辛味が少し出て、薄い葉っぱの味になり、秋ももう終わりだなぁと切に思う。長い最終盤というか最初から最終盤だったかのような、何だか痛切な葉巻で、何も無かった一年を一人大晦日に振返るのに最適っぽい。何かあったのだったら、何もなかったことにしてしまいそう。
二本目
葉巻の要素が全部あるかのように複雑だがおとなしく、これといった爆発も奥床しさも感じられなかった。それがこの葉巻の良さなのかわからないけれど、平穏無事に終わるのが寂しい。香木の薫りなどはほぼしないのに、坊主向けの葉巻という感じ。
三本目
到着して三週間しか経っていないけれど、三週間目は私には美味しい区切りなので早くも三本目。十本入りだと三本ぐらい吸ってしまわなければ勿体無さが感じられないというのもある。こういうせこい経験は役に立つとは思う。そもそも寝かせるという行為からしてせこいのだから、五十本買って五年で無くしてしまうのが最良だと思いながら早くも三本目を吸うのである。
着火せずに吸っているとハチミツ。土なのかカカオなのか、重いのか軽いのか、強いのか弱いのか、濃いのか薄いのか、草か草も生えないのか、蜂蜜を残すのか残さないのか、美味しいのか不味いのか、微妙に揺れ動く乙女のようないじらしい感じがある。
土と木の中間であり、土とカカオの中間であり、カカオと草の中間であり、草と木の中間に花が咲く。回りくどい感じがある。私にはこういう感じのものがあまり良く理解できないらしい。変化もするけれど、なんかモンテとパルタガスとロバイナを足して割ったような感じを薄めたような感じ。順序を逆にして、ルシタニアスからすべてが生まれたというふうに感じられれば美味しいのかもしれない。集大成的なものが嫌いなだけかもしれない。私がまだ集大成に及ばないといったって、謙遜というのはたいてい嘘くさい。まあ趣味は変わるさ。
こんなふうに思いながら吸っているとモンテとパルタガスとロバイナどころかアップマンやらパンチやらポンチやら他の色々な葉巻も当然現れてきて、只管長いエンドロールを見ているような気分になる。エンドロールに集大成がある特殊な映画らしい。大団円はない。つまらなさが味わい深いような。でなければ「ポンチ」なんていわないよ。
結論
三本ともほぼ同じ味だった。ただ変化の順番が随分違うような。
好き嫌いはともかく、三本とも年末に相応しい気が切にした。大掃除のような雑味も時々ある。最終盤に派手なフィナーレが訪れるのでもなく、甘い花が土臭い落ち着きの中に咲いて、最終盤を平凡に迎える。この最終盤は葉巻としては常軌を逸した大らかさだが、来年も平凡な一年になりそうな。かといってこれ以上越年に相応しい葉巻もない。
一年半前の製造で、これはこれでこそ既に完成している気がするのだが、十年ぐらいは当たり前の葉巻だというし、来年になったら既に年末に相応しくなくなっているかもしれない。
大きさに因って美味しさを不当に過小評価している気もするし、かえって夏至辺りに吸った方が美味しく感じるのかもしれない。
|6.9 x 49|cigarOne|$15|−3|0|
他のサンクリストバルに比べてナッツや土が感じられてハバナっぽいしチョコっぽい穏やかさもあって品質は良さそうなのだが、やっぱり木が揮発するような特徴的なエグミがある。ブランドの一貫性に感心はするけれど、やっぱり不味い。毎度毎度のこのエグミと揮発はなんなのだろう。私は胡瓜が大嫌いなのだが、それと同じようなものなのか。ブランド自体若いし熟成不足とするのも難しい。
昨日ほどの不味さはないし、美味しい成分もあるけれど、長ければ長いほど不味さがつのる。これでチャーチルは長すぎる。
サンクリストバルとベガスロバイナは存在感が似ているのだが、好悪真逆の不味さ。原因不明。
他のサンクリストバルに比べてナッツや土が感じられてハバナっぽいしチョコっぽい穏やかさもあって品質は良さそうなのだが、やっぱり木が揮発するような特徴的なエグミがある。ブランドの一貫性に感心はするけれど、やっぱり不味い。毎度毎度のこのエグミと揮発はなんなのだろう。私は胡瓜が大嫌いなのだが、それと同じようなものなのか。ブランド自体若いし熟成不足とするのも難しい。
昨日ほどの不味さはないし、美味しい成分もあるけれど、長ければ長いほど不味さがつのる。これでチャーチルは長すぎる。
サンクリストバルとベガスロバイナは存在感が似ているのだが、好悪真逆の不味さ。原因不明。
銘
囹
月