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|TEB DIC 08|6 2/5 x 54|cigarOne|$218/10|+1|+2|
外観はプチエドムンドぐらいの黒さだろうか。モンテでは一番黒いと思う。
音響でいうと高域寄りの、青緑色のような芳香。ブラインドでもモンテだとわかりそうな香りは54口径でもぼやけない。味はぶよぶよしていて密度はない。サイズらしいといえばそうで、この味のまま濃くすれば美味しくなるという感じもしない。けっこう強めに吸い込むと煙の量もおびただしくなり多少密になる。強めに吸い込むのも大変だけれど。
モンテっぽいが、そのモンテっぽさにも色々種類があるような青緑色の香りに、焦げた風味が重なっている。雑味が無くない。雑味の所為か焦げが雑味のようにもなってしまう。青緑色の皮が甘さを皮に蓄えて、そこに自然らしく茎や木犀が重なっている。皮の中身の旨味は薄く、雑味を引き立て、ほんわかとした風味にそういえば包まれていたと思わせるような大らかさと淡白さしかない。炊きたての米の蒸気にも似ている。ただ青緑は薄さが濃さなのである。
少し進むと焦げがナッツの旨味と香ばしさに少し変わる。微かなピーナッツの旨味に花の香りと甘味が滲んでいる。ピーナッツというにしては軽く爽やかで、薄荷と金木犀とお焦げを練りあわせたものをキャラメル味の綿飴にしたような。甘味の差引で、差した時は砂糖のように強い。香りにも甘さが乗って、熟して酸味を消した果実のように思える事もある。終盤は逆巻きのように酸味が出てくる。
木や土や革はあまり感じないが、どれかといえば木。それから草。草が雑味に通じている。草というには茶色っぽいが、焼いた草のような雑味。シャンプーにしても直接シャンプーを口に入れてしまったような嫌味があり、美人の影もない。新築の家の真新しい壁紙のセメダインのような風合いもある。そして庭で焚火をしているような。微かにエクストラバージンオイルめいた金木犀。
シグロ6やロブストエクストラの滑らかさがあればと思うのだが、そんなものは似付かわしくないとでもいうようにモンテらしい荒さこそが息衝いているらしい。
若いといえばそれまでで、勿体無い事をしているような気がするが、実物よりも印象に終わりそうな夢のような不甲斐なさがあった。
外観はプチエドムンドぐらいの黒さだろうか。モンテでは一番黒いと思う。
音響でいうと高域寄りの、青緑色のような芳香。ブラインドでもモンテだとわかりそうな香りは54口径でもぼやけない。味はぶよぶよしていて密度はない。サイズらしいといえばそうで、この味のまま濃くすれば美味しくなるという感じもしない。けっこう強めに吸い込むと煙の量もおびただしくなり多少密になる。強めに吸い込むのも大変だけれど。
モンテっぽいが、そのモンテっぽさにも色々種類があるような青緑色の香りに、焦げた風味が重なっている。雑味が無くない。雑味の所為か焦げが雑味のようにもなってしまう。青緑色の皮が甘さを皮に蓄えて、そこに自然らしく茎や木犀が重なっている。皮の中身の旨味は薄く、雑味を引き立て、ほんわかとした風味にそういえば包まれていたと思わせるような大らかさと淡白さしかない。炊きたての米の蒸気にも似ている。ただ青緑は薄さが濃さなのである。
少し進むと焦げがナッツの旨味と香ばしさに少し変わる。微かなピーナッツの旨味に花の香りと甘味が滲んでいる。ピーナッツというにしては軽く爽やかで、薄荷と金木犀とお焦げを練りあわせたものをキャラメル味の綿飴にしたような。甘味の差引で、差した時は砂糖のように強い。香りにも甘さが乗って、熟して酸味を消した果実のように思える事もある。終盤は逆巻きのように酸味が出てくる。
木や土や革はあまり感じないが、どれかといえば木。それから草。草が雑味に通じている。草というには茶色っぽいが、焼いた草のような雑味。シャンプーにしても直接シャンプーを口に入れてしまったような嫌味があり、美人の影もない。新築の家の真新しい壁紙のセメダインのような風合いもある。そして庭で焚火をしているような。微かにエクストラバージンオイルめいた金木犀。
シグロ6やロブストエクストラの滑らかさがあればと思うのだが、そんなものは似付かわしくないとでもいうようにモンテらしい荒さこそが息衝いているらしい。
若いといえばそれまでで、勿体無い事をしているような気がするが、実物よりも印象に終わりそうな夢のような不甲斐なさがあった。
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|4 x 30|NextCigar|$21.25/10|−1|0|
ドメインはクラシックよりもマデューロっぽい印象があったのだが、印象のみ。蓋を開けてみるとクラシックよりも明るい赤黄色だった。
味はこちらの方がダビドフに近い。白粉のような旨味と甘味はクラシック同様だがハバナっぽさはあまりない。グロリアクバーナやレイデルムンドの荒野っぽさは無くはないが、雑味やドライシガーっぽさがそう感じさせるだけのよう。
クラシックと好対照ではあり、ダビドフの代わりにするならドメインを選ぶが、ハバナの代わりにするならクラシックを選ぶ。
こちらも最初の一本だけしか美味しくなく、一本目の終盤で酒樽に放置したような醇な芳香があった。終盤は粘土っぽくなったり茎っぽくなったりするのがふつうだが、パンチのロイヤルセレクションのような普通ではないものに近い。最後の最後に粘土っぽくなった。
±0なのだが、クラシックもドメインも−1と+1との中間だと思う。所々少し美味しいし、常に雑味が煩わしいし。永年加湿修正すれば良いのかもしれないが、それをするぐらいだったら大物を買う。眠りも加湿も不要な小物ならモンテクリストのクラブを選ぶ。
ドメインはクラシックよりもマデューロっぽい印象があったのだが、印象のみ。蓋を開けてみるとクラシックよりも明るい赤黄色だった。
味はこちらの方がダビドフに近い。白粉のような旨味と甘味はクラシック同様だがハバナっぽさはあまりない。グロリアクバーナやレイデルムンドの荒野っぽさは無くはないが、雑味やドライシガーっぽさがそう感じさせるだけのよう。
クラシックと好対照ではあり、ダビドフの代わりにするならドメインを選ぶが、ハバナの代わりにするならクラシックを選ぶ。
こちらも最初の一本だけしか美味しくなく、一本目の終盤で酒樽に放置したような醇な芳香があった。終盤は粘土っぽくなったり茎っぽくなったりするのがふつうだが、パンチのロイヤルセレクションのような普通ではないものに近い。最後の最後に粘土っぽくなった。
±0なのだが、クラシックもドメインも−1と+1との中間だと思う。所々少し美味しいし、常に雑味が煩わしいし。永年加湿修正すれば良いのかもしれないが、それをするぐらいだったら大物を買う。眠りも加湿も不要な小物ならモンテクリストのクラブを選ぶ。
|4 x 30|NextCigar|$21.25/10|−1|0|
序盤「おっ」と思わせるが、ドライシガー臭い感じもある。だが粉のような旨味もある。
ハバナで言えばグロリアクバーナやレイデルムンドに近い乾いて飢えた味わいだが。中途半端とも言えるし、質は落ちる。ニカラグア物よりはよっぽどハバナに近いドミニカ風。
終盤には一輪のようでいて数多の木犀。
10本中6本消費したが、九割りがた辛くて薄くて荒い。最初の一本だけは思わせぶりで美味しく感じられ、以降正体が判明するかのようにどんどん不味くなった。美しい正体はないものの、安物買いの銭失いでもない。よく考えると一本200円はけっこう高いが、より高いものへの触手を抑えられただけで満足してしまう。
序盤「おっ」と思わせるが、ドライシガー臭い感じもある。だが粉のような旨味もある。
ハバナで言えばグロリアクバーナやレイデルムンドに近い乾いて飢えた味わいだが。中途半端とも言えるし、質は落ちる。ニカラグア物よりはよっぽどハバナに近いドミニカ風。
終盤には一輪のようでいて数多の木犀。
10本中6本消費したが、九割りがた辛くて薄くて荒い。最初の一本だけは思わせぶりで美味しく感じられ、以降正体が判明するかのようにどんどん不味くなった。美しい正体はないものの、安物買いの銭失いでもない。よく考えると一本200円はけっこう高いが、より高いものへの触手を抑えられただけで満足してしまう。
|5 1/4 x 50|NextCigar|$16.58|+5|+4|
美しい外観。やっぱり大物(中物)のダビドフは全然違う。エスキシトスの美味を損なわずに巨大化に成功しているというか、結局エスキシトスより全然美味しいかもしれない。なるほどエスキシトスを巨大化するとこうなるのかと納得できるようで、小物の強烈さはないものの、優しさと甘さに安心する。
奇妙なほど穏やかなスパイスというか、香草というか、端正なのだが総じて奇妙。木っぽい感触があるのだが木の味がしないし、バターのような旨味にしても米のような温和さにしても茎のような香りにしても何か別の奇妙さに馥郁としている。
これぞブレンドの妙とでもいうふうに落ち着いた素振りをしているのも凄い。木犀も油絵の構図に溶け込んでいる。香味は十分で、中盤までは軽い。膨らむというよりも漂う感じなのだが。焦げの香ばしさや甘味もある気がするが苦味はない。
木犀は甘く濃くなってくるが、絵の中の景物として動じない。絵が絵以上に克明になる。こんなものが絵ではない事は十分承知しているけれど。
木犀に塗り込められないぐらい他の部分が絵になっている。この「他の部分」というのが何なのか、結局「ダビドフ」としかいいようがないような。バランスはダビドフの非限定品らしい完成度で、だったらミレニアムのみの特徴を挙げれば良いのだが、それさえ「ダビドフ」というしかないような。こういう話は他のどのブランドにもいえる事だが、なんとかそれを語りたくなるのは珍しいほど美味しいからなのである。こういうものは語れば語るほど遠離る原理なので「奇妙」の一言で片付けるしかない。
久しぶりに減っていくのが残念に思えた。だが有難いことになかなか減らず、頃合いに終わる。
ミレニアムはトロを箱で買おうと思っていたのだが、ロブストを吸ってみると迷う。ロブストにはおかしなほどはっきりとした酸味がある。これは無い方が好みだった。+5にしないのはこの酸味の所為。
ハバナと比べると葉巻っぽさが薄くて寂しいが、そういうものを置き去りにして先に佇む感じがある。
トリニダッドと違って飽きやすいだろうし、ダビドフは安心の中にも緊張感がある。ハバナは緊張感の中に安心と弛緩があるような。
最終盤は灯油を焼いたような香り。灯油は燃えるので焼くのは不可能なのだが、そんな香りがする。
美しい外観。やっぱり大物(中物)のダビドフは全然違う。エスキシトスの美味を損なわずに巨大化に成功しているというか、結局エスキシトスより全然美味しいかもしれない。なるほどエスキシトスを巨大化するとこうなるのかと納得できるようで、小物の強烈さはないものの、優しさと甘さに安心する。
奇妙なほど穏やかなスパイスというか、香草というか、端正なのだが総じて奇妙。木っぽい感触があるのだが木の味がしないし、バターのような旨味にしても米のような温和さにしても茎のような香りにしても何か別の奇妙さに馥郁としている。
これぞブレンドの妙とでもいうふうに落ち着いた素振りをしているのも凄い。木犀も油絵の構図に溶け込んでいる。香味は十分で、中盤までは軽い。膨らむというよりも漂う感じなのだが。焦げの香ばしさや甘味もある気がするが苦味はない。
木犀は甘く濃くなってくるが、絵の中の景物として動じない。絵が絵以上に克明になる。こんなものが絵ではない事は十分承知しているけれど。
木犀に塗り込められないぐらい他の部分が絵になっている。この「他の部分」というのが何なのか、結局「ダビドフ」としかいいようがないような。バランスはダビドフの非限定品らしい完成度で、だったらミレニアムのみの特徴を挙げれば良いのだが、それさえ「ダビドフ」というしかないような。こういう話は他のどのブランドにもいえる事だが、なんとかそれを語りたくなるのは珍しいほど美味しいからなのである。こういうものは語れば語るほど遠離る原理なので「奇妙」の一言で片付けるしかない。
久しぶりに減っていくのが残念に思えた。だが有難いことになかなか減らず、頃合いに終わる。
ミレニアムはトロを箱で買おうと思っていたのだが、ロブストを吸ってみると迷う。ロブストにはおかしなほどはっきりとした酸味がある。これは無い方が好みだった。+5にしないのはこの酸味の所為。
ハバナと比べると葉巻っぽさが薄くて寂しいが、そういうものを置き去りにして先に佇む感じがある。
トリニダッドと違って飽きやすいだろうし、ダビドフは安心の中にも緊張感がある。ハバナは緊張感の中に安心と弛緩があるような。
最終盤は灯油を焼いたような香り。灯油は燃えるので焼くのは不可能なのだが、そんな香りがする。
|PUB OCT 07|6.4 x 42|cigarOne|$202/12|+3|+3|
無点火で銜えていると染み臭いコーヒーチョコ。10本入りボックスにありがちなスクエアプレスっぽさはなく、ちゃんと丸い。他のロンズデールよりも細く感じる。
着火すると思わず仰け反るほどに、パクチーや春菊のような癖のある香草の香りがガツンと来て頭がふらつく。
甘味を排斥したようにビターでフルで滑らか。他に類を見ない特殊な味がする。
奇妙な香草の他に、皮の部位にコイーバ(アップマンNo.2かもしれない)に似たハバナらしい深みを感じる。コイーバとはまあ違うが、凄みはコイーバ並のもの。
1センチぐらい進むと柔らかいバターのような煙が出てくる。まろやかだが甘味は絶無。塩も無。
あんまり香草っぽくて面食らったが、特級のハバナだということはわかってしまう。砂糖を入れ忘れた最高級のシガーで、木造の王宮か王宮の穀物庫か、ともあれ王宮のような古びた建造物の中で振舞われる食事の香りに似ている。印度の王宮なのか、供されるのは豆料理なのでけっして香木に似ているわけではないのだが、伽羅を焚きたい気分にもなる。
滑らかさはあるが、強く吸うと辛味が出る。他のトリニダッドにはあまり似ていない。外観からして黒い。
2007のリミターダとして安価な残り物に思えなくない。それなのに高尚さを匂わせているし、あまりにもの個性にたじろいだ。
まだ到着日で一本しか試していないけれど、旨味ではなく香りのみを楽しむものなのか、五味がとことん欠如しているような、逆説的な美味しさだった。(苦味はあった気がする。)むろん五味が出てくれた方が美味しいのであって、三年寝かせてこれだと先が思いやられもする。と同時に三年の風格のようなものも感じたのかもしれない。
美味しさはともかく、品位と面白さは別格だと思う。
無点火で銜えていると染み臭いコーヒーチョコ。10本入りボックスにありがちなスクエアプレスっぽさはなく、ちゃんと丸い。他のロンズデールよりも細く感じる。
着火すると思わず仰け反るほどに、パクチーや春菊のような癖のある香草の香りがガツンと来て頭がふらつく。
甘味を排斥したようにビターでフルで滑らか。他に類を見ない特殊な味がする。
奇妙な香草の他に、皮の部位にコイーバ(アップマンNo.2かもしれない)に似たハバナらしい深みを感じる。コイーバとはまあ違うが、凄みはコイーバ並のもの。
1センチぐらい進むと柔らかいバターのような煙が出てくる。まろやかだが甘味は絶無。塩も無。
あんまり香草っぽくて面食らったが、特級のハバナだということはわかってしまう。砂糖を入れ忘れた最高級のシガーで、木造の王宮か王宮の穀物庫か、ともあれ王宮のような古びた建造物の中で振舞われる食事の香りに似ている。印度の王宮なのか、供されるのは豆料理なのでけっして香木に似ているわけではないのだが、伽羅を焚きたい気分にもなる。
滑らかさはあるが、強く吸うと辛味が出る。他のトリニダッドにはあまり似ていない。外観からして黒い。
2007のリミターダとして安価な残り物に思えなくない。それなのに高尚さを匂わせているし、あまりにもの個性にたじろいだ。
まだ到着日で一本しか試していないけれど、旨味ではなく香りのみを楽しむものなのか、五味がとことん欠如しているような、逆説的な美味しさだった。(苦味はあった気がする。)むろん五味が出てくれた方が美味しいのであって、三年寝かせてこれだと先が思いやられもする。と同時に三年の風格のようなものも感じたのかもしれない。
美味しさはともかく、品位と面白さは別格だと思う。
|6.9 x 47|cigarOne|$16|−3|0|
終始普通だった。ややボリバーっぽく、やや辛いだけ。
チャーチルってどのブランドももっとも凡庸な部分を巻いているように思える。奥床しいのかもしれないけれど、チャーチルはみな同一ブランドの総合味を薄めたような味がして、ブラインドでもっとも銘柄を当て難そう。中でもとくにボリバーは普通だった。もっと短く細く濃くなければ土の素朴さが立たないのかもしれない。あるいは普通さが凄いのかもしれない。
チャーチル嫌いとはどういうことなのか、まだわからない。
現在16ドルだが、買った時は15ドルだったような。
BOLIVAR coronas gigantesとはまったく関係ないけれど、モンテクリストEL2008は越年した途端およそ1.5倍の価格になって、シングル買いもできなくなった。もう1本吸ってみて美味しかったらもう1箱買うか2本ぐらい買って補充しようかと思っていたが、その「もう1本」をおいそれと試せなくなってしまった。今まで4本吸っているのだが、口径の煩わしさもあって、もたついた印象しかない。
終始普通だった。ややボリバーっぽく、やや辛いだけ。
チャーチルってどのブランドももっとも凡庸な部分を巻いているように思える。奥床しいのかもしれないけれど、チャーチルはみな同一ブランドの総合味を薄めたような味がして、ブラインドでもっとも銘柄を当て難そう。中でもとくにボリバーは普通だった。もっと短く細く濃くなければ土の素朴さが立たないのかもしれない。あるいは普通さが凄いのかもしれない。
チャーチル嫌いとはどういうことなのか、まだわからない。
現在16ドルだが、買った時は15ドルだったような。
BOLIVAR coronas gigantesとはまったく関係ないけれど、モンテクリストEL2008は越年した途端およそ1.5倍の価格になって、シングル買いもできなくなった。もう1本吸ってみて美味しかったらもう1箱買うか2本ぐらい買って補充しようかと思っていたが、その「もう1本」をおいそれと試せなくなってしまった。今まで4本吸っているのだが、口径の煩わしさもあって、もたついた印象しかない。
|6.9 × 47|cigarOne|$15|−3|0|
オヨを吸っているといつもなぜか『赤十字』を連想してしまうのだが、治癒力や傷というより、傷口が開く恐れのようなものに近い。もちろん赤十字のお陰で傷口の開いていない味がする。と思うのだが、かすり傷が痛い。
杉が金属っぽいのか、辛い雑味なども出やすそうで、実際に出ることが多い。優しい顔をして緊張させる。下手な看護婦が嫌な点滴の針を刺すのである。だからずっと痛い。
チャーチルになると微妙で色々だが、ホヨーらしさというか赤十字らしさはそのまま、軽そうでしつこそう。特殊な不味さを感じる。好きな人はこれが好きなのかもしれないが、「パイナップルが嫌い」というものに近いような。私はパイナップルはもう嫌いではないのだが、嫌いだった頃を思い出す。
優しい木に杉を混ぜて、ジンを混ぜて、調合に失敗したジンというか。ジンのような嫌味があるというよりも甘いジンの嫌味がある。私はヴィクトリアンヴァットは好きだがボンベイは嫌い。ヴィクトリアンヴァットが好きということはジンがかなり好きということだが、ジンでいえばホヨはボンベイに近い。
そもそもこういう判断をするには葉巻自体がハズレだったような。オヨは一度しか当たったことがないような気もするが、総じてハズレなのかもしれない。
オヨを吸っているといつもなぜか『赤十字』を連想してしまうのだが、治癒力や傷というより、傷口が開く恐れのようなものに近い。もちろん赤十字のお陰で傷口の開いていない味がする。と思うのだが、かすり傷が痛い。
杉が金属っぽいのか、辛い雑味なども出やすそうで、実際に出ることが多い。優しい顔をして緊張させる。下手な看護婦が嫌な点滴の針を刺すのである。だからずっと痛い。
チャーチルになると微妙で色々だが、ホヨーらしさというか赤十字らしさはそのまま、軽そうでしつこそう。特殊な不味さを感じる。好きな人はこれが好きなのかもしれないが、「パイナップルが嫌い」というものに近いような。私はパイナップルはもう嫌いではないのだが、嫌いだった頃を思い出す。
優しい木に杉を混ぜて、ジンを混ぜて、調合に失敗したジンというか。ジンのような嫌味があるというよりも甘いジンの嫌味がある。私はヴィクトリアンヴァットは好きだがボンベイは嫌い。ヴィクトリアンヴァットが好きということはジンがかなり好きということだが、ジンでいえばホヨはボンベイに近い。
そもそもこういう判断をするには葉巻自体がハズレだったような。オヨは一度しか当たったことがないような気もするが、総じてハズレなのかもしれない。
|6 1/10 x 52|cigarOne|$12|+2|+2|
アップマンがローストされたようで、アップマンにさらに香ばしい一味を利かせたような。大変深く香ばしいのに、旨味がなんとも軽やか。かと思えばナッツのようなコクが深い。焦がした杉樽とか、杉を焼いてナッツをローストしたような。コクが香ばしくて、杉がまったく嫌いではなくなってしまう。こうしたことをまだ味わい尽くせない時に、甘く濃い花が密に漂ってくる。森に迷い込んだというか、森を焼いたというか、美味しさのために手段を選ばなかったようなトンでもない自然の美味しさ。森を焼くという荒さが丁寧なのである。
難しいが、チャイで作ったプリンの干物の薫製を思わせる。ローストによって思わぬ化学変化を起こしているようで、コイーバやモンテに劣らないハバナ感があって、杉臭いだけであるはずのアップマンが特殊さを得ている。アップマンの特徴はそのまま、一級のハバナになったというか。他のアップマンはハバナっぽさが足りなかった気がする。
始終えぐい辛味が明滅しているのが厭だが、それさえなければ特級の当たりらしかった。
トルペドはどうも難しい。吸うのも難しいが、それ以前に巻くのも難しいらしい。巻く難しさをクリアせずに難しさに安住して巻いていて、それで余計吸うのが難しくなっている気がしなくない。トルペドで気がねなく扱えるものってキューバモノでは当たったことがない。フィギュラドになると巻くほうも結構気遣うらしく、簡単に吸えるもののほうが多いような。トルペドにしては吸いやすかったのだが、それでも難がある。雑味を形の所為にしているだけかもしれない。
ふっくらとして軽いようだが、煙は多く、ささくれもあって飲み込んでみるとかなりのフルボディである。後半は味が薄く、煙も少なくなり、また香味自体の魅力も薄まった。消火直前にここぞとばかり序盤の期待を匂わせて終了。+3の勢いだったが、+2に落着した。
アップマンがローストされたようで、アップマンにさらに香ばしい一味を利かせたような。大変深く香ばしいのに、旨味がなんとも軽やか。かと思えばナッツのようなコクが深い。焦がした杉樽とか、杉を焼いてナッツをローストしたような。コクが香ばしくて、杉がまったく嫌いではなくなってしまう。こうしたことをまだ味わい尽くせない時に、甘く濃い花が密に漂ってくる。森に迷い込んだというか、森を焼いたというか、美味しさのために手段を選ばなかったようなトンでもない自然の美味しさ。森を焼くという荒さが丁寧なのである。
難しいが、チャイで作ったプリンの干物の薫製を思わせる。ローストによって思わぬ化学変化を起こしているようで、コイーバやモンテに劣らないハバナ感があって、杉臭いだけであるはずのアップマンが特殊さを得ている。アップマンの特徴はそのまま、一級のハバナになったというか。他のアップマンはハバナっぽさが足りなかった気がする。
始終えぐい辛味が明滅しているのが厭だが、それさえなければ特級の当たりらしかった。
トルペドはどうも難しい。吸うのも難しいが、それ以前に巻くのも難しいらしい。巻く難しさをクリアせずに難しさに安住して巻いていて、それで余計吸うのが難しくなっている気がしなくない。トルペドで気がねなく扱えるものってキューバモノでは当たったことがない。フィギュラドになると巻くほうも結構気遣うらしく、簡単に吸えるもののほうが多いような。トルペドにしては吸いやすかったのだが、それでも難がある。雑味を形の所為にしているだけかもしれない。
ふっくらとして軽いようだが、煙は多く、ささくれもあって飲み込んでみるとかなりのフルボディである。後半は味が薄く、煙も少なくなり、また香味自体の魅力も薄まった。消火直前にここぞとばかり序盤の期待を匂わせて終了。+3の勢いだったが、+2に落着した。
|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|+5|+4|
三週間経ったので二本目。トリニダッドは十二本入りだし、だんだん消費ペースは落ちるはずなので三年はもつと思う。
初っぱなに滅茶苦茶美味しい葉巻らしい味がしたまま、それっきり。「やわらかいなぁ」「かろやかだなぁ」とは思うけれど、「おいしいなぁ」とは思えない。膨らみがまったくなくて、吸い込みは絶妙なのに煙の量が少ない。煙の量を増やす熟成方法でもあればなぁと虚無的に思いながら、柔らかさと軽やかさとに我慢して二十分も経つと、突然美味しさが膨らむ。と思ったら口から大量の煙が出た。初っぱなの香ばしさも再び感じられるようになった。柔らかさと軽やかさはそのまま、香ばしさが加味されて、膨らむ。「杉」もこなれていて煩くない。
「美味しい!」というよりも「使い道がある!」というような葉巻なのだろうか。使い道がありすぎる。いつ手に取っても美味しいだろうなと思わせる反面、そぐわない場面がなさそうな反面、「ここぞ」と言うときには相応しくないかもしれない。ここぞと言うときに何もなく、葉巻がここぞという場面を虚妄させるだけのものなら、どの葉巻にも増してこの葉巻がここぞという場面に相応しいのかもしれない。
ということはこの葉巻のみで肩透かしを喰らう事無く生涯を過ごせる事になる。これこそもっともデイリーに相応しくなり、他の葉巻が出てくる場面はなくなる。
言葉の綾だが、もし自分が大金持ちだったらこれだけでもよいような気は確かにしてくる。探求心を萎えさせる面白味が柔らかさにある。女房が作ってくれるインスタントラーメンのようでいて、そのラーメンが、と言うより女房が●ちゃんの社長令嬢だったとでもいうようななしくずしの満悦。喩えが悪いけれど。
やわらかさ以外何も考えたくない。弥勒菩薩の精巧な複製のような。一本目ほどの滑らかさは感じなかったが、かなりの当りらしい。最後には結構しみじみとして、箏曲を真面目に聴いていたからか、根元を越えて消しがたくなった。
三週間経ったので二本目。トリニダッドは十二本入りだし、だんだん消費ペースは落ちるはずなので三年はもつと思う。
初っぱなに滅茶苦茶美味しい葉巻らしい味がしたまま、それっきり。「やわらかいなぁ」「かろやかだなぁ」とは思うけれど、「おいしいなぁ」とは思えない。膨らみがまったくなくて、吸い込みは絶妙なのに煙の量が少ない。煙の量を増やす熟成方法でもあればなぁと虚無的に思いながら、柔らかさと軽やかさとに我慢して二十分も経つと、突然美味しさが膨らむ。と思ったら口から大量の煙が出た。初っぱなの香ばしさも再び感じられるようになった。柔らかさと軽やかさはそのまま、香ばしさが加味されて、膨らむ。「杉」もこなれていて煩くない。
「美味しい!」というよりも「使い道がある!」というような葉巻なのだろうか。使い道がありすぎる。いつ手に取っても美味しいだろうなと思わせる反面、そぐわない場面がなさそうな反面、「ここぞ」と言うときには相応しくないかもしれない。ここぞと言うときに何もなく、葉巻がここぞという場面を虚妄させるだけのものなら、どの葉巻にも増してこの葉巻がここぞという場面に相応しいのかもしれない。
ということはこの葉巻のみで肩透かしを喰らう事無く生涯を過ごせる事になる。これこそもっともデイリーに相応しくなり、他の葉巻が出てくる場面はなくなる。
言葉の綾だが、もし自分が大金持ちだったらこれだけでもよいような気は確かにしてくる。探求心を萎えさせる面白味が柔らかさにある。女房が作ってくれるインスタントラーメンのようでいて、そのラーメンが、と言うより女房が●ちゃんの社長令嬢だったとでもいうようななしくずしの満悦。喩えが悪いけれど。
やわらかさ以外何も考えたくない。弥勒菩薩の精巧な複製のような。一本目ほどの滑らかさは感じなかったが、かなりの当りらしい。最後には結構しみじみとして、箏曲を真面目に聴いていたからか、根元を越えて消しがたくなった。
|6 1/10 x 52|cigarOne|$10|+4|+3|
なんだか何も言うことはない。渋くて甘い。ルービンシュタインのピアノを聴いているような。あまり好きなピアニストではないけれど。
百年前の葉巻を彷彿させるというか、酒でいえば本醸造。昔はトリニダッドのような大吟醸はなかっただろうと思う。精米歩合の差こそ露だが、トリニダッドはこれをこそ磨いたものである気がする。
ディプロマティコスは二番だけが廃止されずに残るのだが、消すに消せない凄さがあるのかもしれない。磨くべきというより、むしろ最後に行き着いて、「昔はよかったなぁ」と振返ると同時に不可知な時代の隔たりに思考を廻らせる手の深いものなのかもしれない。
パルタガスのような鈍重さもないが、とって付けたような味が一切しない。私は誘惑されやすい現代人なので現時点では+3、というか永遠に+3の重鎮なのではないかと思う。
中盤で素朴な旨味と香ばしさが絶頂に達し、終盤では熟れた甘い花が濃い。始終辛味をともなうところがかえって凄かった。
なんだか何も言うことはない。渋くて甘い。ルービンシュタインのピアノを聴いているような。あまり好きなピアニストではないけれど。
百年前の葉巻を彷彿させるというか、酒でいえば本醸造。昔はトリニダッドのような大吟醸はなかっただろうと思う。精米歩合の差こそ露だが、トリニダッドはこれをこそ磨いたものである気がする。
ディプロマティコスは二番だけが廃止されずに残るのだが、消すに消せない凄さがあるのかもしれない。磨くべきというより、むしろ最後に行き着いて、「昔はよかったなぁ」と振返ると同時に不可知な時代の隔たりに思考を廻らせる手の深いものなのかもしれない。
パルタガスのような鈍重さもないが、とって付けたような味が一切しない。私は誘惑されやすい現代人なので現時点では+3、というか永遠に+3の重鎮なのではないかと思う。
中盤で素朴な旨味と香ばしさが絶頂に達し、終盤では熟れた甘い花が濃い。始終辛味をともなうところがかえって凄かった。
銘
囹
月