忍者ブログ

  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

|5 1/2 x 52|AtlanticCigar|$16.70|+4|+3|

 乾いていて艶もない、いかにも高そうな質感のラッパーはいつみても美味しそう。極短い産毛が無数に生えている。
 吸口を小さくカットしてくれといわんばかりの窄め方がしてある。カットすると目測五ミリぐらいだが、吸い込みは大丈夫なのだろうかと思うのも馬鹿らしいほど風通しが良い。葉巻自体四角いし絞りも変形だが、トルペドの見本のような口径の小ささと吸い出し具合。
 のっけから落ち着いた苦味に、薄らと木花の風味。草を焼いたような緑の香りも、焼け野が焼き畑だったような平静さ。木花からはバターの旨味がくすんでいる。ボディは軽く、濃い味もないが、中が抜けたようではなく、薄さが落ち着きになっているというか、濃い落ち着きというか。派手でもないし素朴でもない。穿き馴れた革靴が景色を包んでしまったような。特別柔らかくもないし若干辛味があるぐらいなのだが。キューバモノのナッツのような風味は限りなく薄い。薄いばかりで無くはなく、バターか花かと揺れるような風味がそれを時々濃くする。マデューロほどではないが、中盤に入ると辛さが山椒や白胡椒と混じる。
 惹き込む魔力は無さそうなのに、もっとも飽きにくい葉巻かもしれない。葉巻とともに窶れた人はこういうものばかり吸っていそうな。葉巻に窶れた人はいつまでも魔力を求めるはずで、これは休憩の一本なのだろう。長い休憩をしたくなるような魔力があるけれど。
 香りを吸い込んでなんだか懐かしいなぁと思っていると、水飴の湖に睡蓮が咲いているような景色に吃驚する。しかも水の香りの薄さで。一瞬の思い込みに香りが癒着した出来事だった。

 酷似してはいるもののマデューロとの違いは正直よくわからないが、絵具風味は出なかった。香味が爆発することなどありえず、残り四センチほどまで生きていた。日が暮れるのを待つような静かな味わいで、日が暮れるのを待ちうるテラスが自宅にあれば良いのに。テラスも無いし、軽いので油断して終盤で急いでしまったら、しっかりと吸いごたえがあったらしく、終いには体調不良になった。
PR

忍者ブログ [PR]