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  源氏物語「葉」
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|next cigar|$304/20|2021/2/6・arr 2/14|
|―|5” x 52|13.61g|香:4.1~4.5 ave4.3|残19|

 スコッチ樽とはっきり分かるものではないながら、独特の風味あり。同時に意表をついて、優しく爽やかでささやかな果実香あり。その果実香の下にハバナシードを磨いたような(スコッチの染みた)葉があり、その葉こそ樹液のようにも深い樽のようにも思え深遠で、ありがちな藁や畳などを現さない。「藁や畳などを現さない」というのがレイトアワーのスコッチ熟成のポイントかと思う。焦した麦の旨さあり。ここまで、飄々と濃く、花に頼らないのもよくて、誤魔化しのない美味を落ち着きがちに湛えている。スコッチスコッチした厚化粧なく、しかし確実に葉は深みへと昇華あるいは沈下されている。余計な重さはうっすらと、濃いものの、適度に軽い。
 次に来るのはたんまりクリームを塗った焼菓子で、上乗せで初期の爽やかな香気を交えてみずみずしく新鮮な苺が乗る。苺ジャムのようなものでない。ケーキに乗った苺の爽やかさ、時に清涼な酸味をも感じる。ここにパティシエの斬新な香草が差挟まれてくる。やはり味は濃いが軽い、ケーキ。
 ここでようやく来るのが花なのである。花を無いと思わせながら絶妙な間合いで気配なく突如来る。完璧な変化。金木犀が咲く秋の日のように咲く。依然葉は樽の底で眠って深みを湛えて濃い。眠っていると感じるのは、既に燃えているのに粗さが出てこないからである。
 少しして蜜が滴り始め、蜂蜜漬けの甘い何か。花の茎の緑も混ざる。「何か」がわからないまま終わる。
 火種が迫って最初のリングを外した時、こんな話は聞いたことがないのだが、酸味がずんずん深まる。酸味が煩いタイプではなく、高級ワインの十五年ぐらいの熟成を思わせる感じ。

 全ての変化において別の美味しさに変わり、不味く変わることがない。変化数も多く飽きさせない。また通底する葉の風味が頗る上等で深い。
 最後は炭を舐めたように味が抜けて終わる、残4センチ、潔い。微かな麦が残る。
 また花が咲く。麦と花。

 寝かせるほどにどんどんスコッチ由来の香気が逃げていき、特徴が失われるようでこわいが、どうなのだろう?
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