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  源氏物語「葉」
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5 1/8 x 30|Famous Smoke|$9.30|+4|+3|

 着火前、下駄箱のような風情である。着火すると下駄箱の風情を保ちながら、いかにもダビドフ、忘れていたがこれぞダビドフであった、というような、いかにも優しい高級家具のような安楽に襲われる。しかしナンバー2ほどの感動が蘇ってこないのはどうしたわけだろう。あの後の縦横無尽の葉巻体験に因り、他の葉巻に似てしまうので、他の葉巻の記憶が足を引っ張っているのだろうか。ダビドフはダビドフ特有の香味のみに純化されなければならないのだろうか。それとも2と3とでは大きな落差があるのだろうか。
 稀に花畑の浮かびが香るのがこそばゆい。香味は着々と変化していて、評価も揺らぐ。下駄箱も確かに足音を消して静まり返った。ただ、旨味や甘味のなさを覆すほどの香味は薄く現れて継続しなかった。
 それにしても上質で、清酒で甘さを補うと実に良い。終盤、ダビドフにモンテクリストを求めるわけではないから、足を引っ張るといえば足を引っ張る、モンテクリストらしき金木犀が香ってくる。絵具や微かに出てきた甘味と重なってだが。きっとモンテクリストよりも安定しているのである。金木犀は不安だが、それを取り巻くそよ風が安定して吹いている。
 5ドル程度の差なら断然2を求めるが、あれほどの感動が要らない時分にはこれで丁度良いかもしれない。緑青の生えた十円玉のようなものなのである。これが十円玉でないなら稼ぎが足りないのだろう。

 これの後に吸ったダビドフ・ワンが実に美味しかった。
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